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VOL25.4.
四月のエイプリルフール
四月に入った途端に陽気が冬に急に逆戻りしてしまって、寒いというより冷たいといった今朝の様子で、暦に騙されたと云ってもいいくらいで、まさしく四月馬鹿である。雪の北国では雪が溶けだして水が奔流し始めたというのに、またぞろ激しい降雪に見舞われているという。戸惑ったのは、地元の人たちであり、観光に出かけた先の人たちであり、高速を走っているトラックの運転手らである。早速雪に備えて、仕舞った冬物の衣服を再度取り出している始末で「てんやわんや」である。雪には余り縁のない小生も、出勤に当たって夏物のシャツを二枚重ね着したりして真冬の服装で家を出た。北風が吹きつけて、寒いというより冷たいといった感じである。思わず襟を立てたりしている。
花見して雪に追われて四月馬鹿
吹雪きやら花吹雪やら四月馬鹿
満開の花見に雪や四月馬鹿
北風の吹雪く鎮守の萬愚節
髪の毛を真っ黒に染め萬愚説
咳払いして食う餅や四月馬鹿
萬愚節見上げる空や花と雪
嘘でない桜吹雪と雪風吹
花と雪気候変動の四月馬鹿
恋人の綺麗に見えて四月馬鹿
さくら肉酌婦のそでや四月馬鹿
花魁を身受けて寝るや四月馬鹿
NHK下策な大河の四月馬鹿
善戦す少数与党のエイプリルフール
国会で少数与党の大勝す
国会を乗り切ったし首相の萬愚説
ウクライナ戦争終結平和の日
プーチンの嘘つき外交目に余り
トランプも舌を巻くことありにけり
トランプの出鱈目関税四月馬鹿
四月馬鹿トランプの関税で翻弄す
理念なき経済政策四月の米
トランプの関税措置の四月馬鹿
せっかくの世界秩序が破壊され
繁栄は自由と平和な社会にて
トランプの経済音痴を露呈して
脅迫に近いトランプ外交論
トランプのナタ振り上げて握手とは
権力をかさにやりたい放題に
頭に上がるカナダを属州呼ばりして
関税を以て世界を敵にせん
関税を上げて世界秩序を乱しける
トランプの黄金時代は妄想に
関税の障壁撤廃がTPP
関税をなくし円滑な貿易を
関税のゼロを目標に栄えあり
アメリカの「黄金時代」は夢の夢
天に唾吐きて自分の顔に落つ
産業の復活と昔の逆戻り
黄金の国とは何や石炭車
関税はゼロですべてが栄けり
関税の障壁をとき自由化へ
関税の設置は時代の逆戻り
関税でトランプひとり孤立化し
孤立化の道に進める米経済
TPPあの日の効は遺物とも
一国で黄金時代はあり得まじ
国々を丸く収めて栄あり
一国でこの地球をば支え得じ
トランプの詐欺師の素性が露呈され
嘘つきのプーチンの素性のあらわなリ
菜の花の揃いて咲きぬ畑のなか
旧態の製造業の復活とは
経済はアメリカ一国では成り立たぬ
アメリカに製造業の今更に
ミャンマーの地震を他山の石となし
日本も南海トラフの脅威あり
震度9に山の高さも崩れけり
沈没す処も日本の大地震
大津波都会の河川をどんときて
株式を枕に目覚む四月馬鹿
茶をたてて五本柱や萬愚節 4月1日
無意識に近い状態で、斯くの如く俳句を自在に連発していくと、なかには不思議と納得のいく一句や二句に突き当たるから楽しいのである。俳句を作り出すと何でも題材にして、五七五にまとまってしまう。その中に季語をしっかりと置いておけば、一句は結句が生きて纏まりがつくのであまり考える必要はない。雑なものが律儀に生まれ変わってくるものである。対象は森羅万象にわたり、季語を外せばたった十二文字の言葉で事象と、心象を表すことになる。四月馬鹿は春の季語になている。この日についてはうすぉついても笑って済ませると云訳で、人の不意を突いて嘘をついたりして驚かせた理、多少の罪を許してもらったりして気休めになるこうな受け止め方をしている。嘘に入っていたりすることが、次第に本当のことに通じてきたりしてくるから面白い。嘘と真実は、実は表裏一体とも受け止められよう。そして無意識のうちに一気に読んだ俳句には、独りよがりだが己れの感性が活かされており、一気に生まれた一句には、わだかまりがないから生き生きとしている。
四月に入って、このところの寒さは異常である。冬に逆戻りしたようで、せっかくの出足が鈍ってしまう。さくらは満開の状態で枝に付きっぱなしで長く花見ができるとは言うものの、無情の雨に花は痛々しい。三日見ぬ間の桜も、このまま寒さが続けば散らずにいつまでもそのままだと思われるが、自然の摂理で明日から気温が元に戻って春めいた陽気になるというから、粋人にとっては散り急ぐ花の風情の間を楽しめることになろう。執拗な雨に打たれて野垂れ死にするより、短命な花のあはれを盛りのうちに飾って逝った方が、神妙に意味深く思えていいと思える。 4月3日
トランプの関税理論
トランプ大統領が就任以来奇妙な言葉を吐いて意味魍魎としていていたが、正体が暴かれて世界に混乱が広がっている。奇妙な言葉を吐いていたということは「関税と云う言葉ほど美しいものはない」と今以てちんぷんかんぷんな気持ちが拭い切れないでいる。しかし蓋を開けたら現実は厳しい政策であって、やりたい放題の関税引き上げである。貿易相手国にほぼ等しく25パーセントの税率の引き上げを一方的に発表した。対抗措置に踏み切った国もあるが、、日本は24パーセント、中国は34パーセント、EUは20パーセントと国別に設定している。何といってもアメリカは巨大な経済大国であるがゆえに世界経済に与える影響は計り知れない。これによって誰が利益を受けるのかと云ったら、結果は誰もいないに違いない。唯経済秩序を破壊するだけであって、アメリカだけが唯一経済的恩恵を受けると思ったら、結果はさにあらずである。目先にこだわって大局を忘却した無知蒙昧の政策発表としか言いようがない。
国内生産を高め製造業の復活を夢見て、往年の「黄金時代」を築くといったトランプの妄想だけが独走してしまって、確たる将来の展望が付いていないことは自明である。FRB自体がトランプの経済政策について警戒感を示してきている。関税が引き上げられれば、輸入物価はその分跳ね上がるし、アメリカ国内での物価が同じようにその分跳ね上がってくるし、消費者はその分負担しなければならない。インフレの兆候が見えてきて、消費者は買い控えして景気が下降傾向になってきている。アメリカ経済に今までのような発展的動向とは裏腹の動きになって、景気に影が差してくる。これを警戒したアメリカのニューヨーク株式市場は連日下落して黄色信号が付きっぱなしである。関税引き上げと云う劇薬の投与が行われれば、尚のこと株式市況は不安視してくるだろう。含み資産の減少は、これまた直ちに購買力の低下につながってくる。消費者物価の高騰は生産財の市場にも影をおとす。景気減速に拍車がかかってくるだろう。トランプの出鱈破綻に近い様相を呈して近い様相を呈してくる。トランプの言う「黄金時代」など夢のまた夢である。まさしく絵にかいた餅とはこのことを指して言うことである。経済を知らぬ場当たり的大統領とは、直情的な彼を指して言うのであって、パウエル議長も困惑しているだろう。
24パーセントの関税引き上げを食らった日本の輸出産業の影響は甚大である。一例としては自動車の輸出価格が上昇して、対米輸出が激減するし、国内生産の各分野に対して直ちに影響を被ること必至である。株式の東京市場では、日経平均が二日連続の急落を演じて3000円超の値下がりである。数日間は激しい乱高下を繰り返すに違いない。一般投資家の傷は極めて深く、急速な回復は憂慮され、あまり期待できない。翻って、小生は二年前から半導体製品の過剰在庫の状況と将来の動向について懸念を表明してきた。これに反しTSMCやラピダスの巨大企業が計画実行中のように、日本における半導体工場の建設に政官財一致して多大な投資を行ってきている。九州や北海道に巨大な工場を建設中であるが、いくらAI分野に広範囲にわたって供給すると云っても、工場が完成し生産活動が開始されたころには、半導体製品は供給過剰に陥っている可能性が高いと思われる。注意する必要がある。 4月3日
トランプさんに一言助言
経済大国のアメリカは、自国のみに専念して世界の多くの国を無視する暴挙は、結果、自らに跳ね返って影響の大なるを自覚しなければならない。今回アメリカは世界のすべての国を対象にして相互関税の一律引き上げを一挙に発表したが、そしてこれによって自国の「繁栄と黄金時代」を築き上げることが出来るとしているが、全く誇大妄想に過ぎず、マイナスの影響は甚大である。社会秩序を壊し、国際経済の深層迄まで混乱させるだけに過ぎないことが分かってきている。
アメリカはもとより、現在、未来の経済の状況を反映する東京株式市場でも連日急落の場面を呈し既に4000円強の急落である。騒ぎ立てることを好み、同盟国のきずなを裏切り、信頼に立つ国際秩序を根底から壊しかねない行動に出ていることは無謀としかいいようがない。本丸のニューヨーク市場でも42、500㌦あたりから昨日の40500㌦、一日で約2,000㌦の下げを演じて取引きを終えている。週明けの今日の動きは注目だが、世界各国も同じような株式の急落にあっている。強がりを言うわけではないが、トランプさん、「良いことをするためには痛みがあることもある」というわけでもあるまいにと、つらつら思うのである。「過ちを改むるに憚ることなかれ」と云う名訓がある。貿易相手国の国情を勘案しながら、逐次調整を図り、相手国に配慮した対応を示していくことも肝要である。一網打尽は、手法として余りにも荒っぽすぎるのではないか。状況を見ながら行き過ぎを改めて、事態を収斂させていくことも政治家にとっては必要である。
トランプの威信剥げ落ち春嵐
黄金の時代は夢想春あらし
国力を関税のみに頼る人
関税で自国の株式急落す
株急落トランプ威信失墜す
韓国の尹大統領
我々日本人にとっては親しみやすかった尹韓国大統領の弾劾裁判で今日、「憲法秩序を侵害した」として大統領の罷免が宣告され失職した。残念な気がする。あの時の尹氏の非常戒厳なる宣布は、我々にも異常に感じたから、異論を唱えるものが出てきても不思議ではない。何か事態を取り違えて、尹氏が急な思い付きで間違って虎の威を踏んだような気がして、尹氏の責任に負わすべきものではないような、錯覚すら抱いたものである。つまり尹氏の信念で行ったものではなく、他の関係するものが恣意的に行って、尹氏の職責を失墜せしめようとたくらんだものが居て、と想像することもあったりした。それほど尹氏の精神状態まで疑義を抱いたくらいで、なるべくなら大統領職の罷免を回避してもらいたいと念ずるくらいであった。親日家であっただけに、以て複雑な思いでいる。隣国同士であり、信義と友好関係の樹立を果たし促進してきた前政権に代わって、60日以内に新たな大統領が選出されるが、今までの努力が継続されていくような結果がもたらされることを切に念願している。 4月4日
関税の引き上げはトランプの失政
イーロン・マスクの疑問
天に向かって唾を吐いたものが自分の顔にかかって落ちてきた。これは道理の真実をついている。高額な相互関税の引き上げを世界各国に、ほぼ一律にかけて自国の利益を得ようとたくらんだ手法が失敗に終わっている証拠である。かけられた方は一斉に株価の暴落に見舞われているし、反対に賭けたアメリカの株式市場もさらに下げ幅を広げて昨日は2,200㌦の続落に終わっていて、下落率は市場3位を記録したとの事である。将来を織り込んで経済力の強化、インフレ抑制を期待するような数値とは全く逆の結果が出てしまっている。トランプは負け惜しみだが、大きな手術をした後だからこうしたことはありうるとのことであるが、敢えて劇薬のリスクを避けてきた今までの政策が、変わらずに生きていることの証左である。
因みにこうした株の急落を以てアメリカの株式市場では6,6兆の時価総額総額がうしなわれたという。6,6兆円は日本円に換算して970兆円である。こんな有り様で米国に経済発展を、米国に黄金時代をと豪語、喧伝するトランプは、やはり希代の詐欺師と云われても仕方がない。この後、仮に事態が若干改めるとしても、失政を記録したことは弁明の余地がない。つまり舌の根も乾かぬうちに、決定的にダメージを植えつけたことになる。いい加減な政治家の烙印である。
トランプ政権の強力な側近として改革と称して蛮勇をふるているイーロン・マスクも、実は同じムジナであるが、そのマスクが、将来はアメリカとEU の間の関税はゼロに持っていくことが望ましいと発言して、既に関税の引き上げに対し疑義を呈している。重要閣僚全員にトランプに絶対服従の忠誠を誓わせた政権であるが、重要な政策発表をしたたった二日後に、政権の有力者から、反対を意味する発言が出てきている。傾向的なトランプの恐喝的、威圧的手法がぼろを出してきている。トランプも内心慌てているところかも知れない。いくら何でも一日で国と国民に対して970兆円もの評価損を出させるような人物に、アメリカと世界の政治を任すわけにはいくまいといった考えは、極めて常識的ではないだろうか。謂うところの「天才と気狂いとは紙一重」、或いは裏腹とすれば目算が外れ、気が違った結果が出てしまったこと、これは如実である。この先こうした状態で続けていくのだろうか。
学生時代に早稲田の政治学者、吉村正教授の講義を受けたが、アメリカの大統領職の権限は、絶対君主に勝るほどのものがあって、議員内閣制とは違って迂闊には反対できないと云っていたことを思い出すと、下手をすれば気違いに天下の権力を預けてしまったということか。吉村正の「現代政治の解明」は当時名著だったが、ここにきて権力者の一人イーロン・マスクの発言が、機を見るに敏、事態がどう響くか、明日からの世界の動き、とくにアメリカのニューヨーク株式市場の動きに注目したい。 4月6日
週明けの東京株式市場は開始と同時に大量の売りを浴びて売り気配をさげる銘柄で全面安の展開となった。結局2、188円安の31,591円で前場の取引を終えた。直情型で頑固で場当たり的と云ってもいいくらいの今回の相互関税の引き上げは、自国内のインフレを加速化し、景気の動向に暗い影を指すといった観測が強く、企業業績は無論、世界経済が下降を辿るといった観測に押され暴落に近い急落を演じた。午後の状況が気になるが反騰力の鈍くなると思われる。これから順を追って開かれる各国の市場の成り行きと、今夜から始まるニューヨークの株式市場の動向が注目される。過剰に悲観した売りが重なると、深い突込みのあとの玉整理もできて軽い動きに戻る可能性も無きにしも非ずである。現在の国際環境にあった、大国が、全体の局面を俯瞰、大観せずして自国第一主義を叫び、勝手な行動に出ることがいかに大きな混乱を起こしかねないか如実に示している。
昨日のニューヨーク株式市場はおびただしい乱高下を繰り返して、結局大きく揺り戻してジャスダックはプラスに転じ15ドル高で終わったが、ニューヨーク株式の方は1700㌦安く下げを演じた後戻りに転じ、結局小幅の349ドル安でこの日の取引を終えた。1200㌦ぐらい戻した結果になった。目先の狼狽売りが拭われた結果とみるか、これを以て貿易戦争のショックを吸収し、状況の推移を見た相場圏に入るか、そずれにしろ相場の世界であり、世界的なアメリカの相互関税引き上げと、各国の対抗措置の綱引きの状況ゆえ、消化しきれない要素を多分に含んでいるので見通しが困難である。
私見だが、先ずはニューヨークがさらに急落したあと大幅な戻しに入って、ほぼ前日比と変わらぬ水準にまで納まったことは、世界の株式市場に大きな影響を与えるに違いないし、冷静に、そうなっていってほしいと期待する次第である。一方的な通知で以て外交を恣意的に収めていくことは混乱を招くことは当たり前であって、落ち着いた話し合いを以て事を冷静に収めて行くべきものである。焦眉の点は米中の確執だが、いい加減なところで英知を発揮した場面を作ってもらいたいものである。関税ん引き上げが、お互いの対抗措置を以て引き上げられていくと、景気減速を招き、米中発の世界経済の混乱を招きかねない要素を含んでいる。黄金時代を齎すというトランプの大言壮語とは裏腹に、経済の凋落を招きかねない。台風の渦巻く中で航路を定めるのは不可能である。天下泰平の波静かなるときに目標を定めること、是、人間が志向し決定する時の必須要件である。
4月8日
IPS細胞の応用、活用の現場
報道によれば、山中伸弥教授の発見したIPS細胞の治験が専門家によって進んで、現場での実証効果を得たデータが逐一発表されてきて喜ばしき限りである。再生治療による方法は、学者による長い研究段階を経、たゆまぬ実証実験を慎重に行って治験結果が有効と証明される段階に、多くのケースで出てきている。有効な治療方法が確立されれば、多くの患者を苦しみから解放することが出来る。報道によれば、大阪大発スタートアップのクオリプスは8日、iPS細胞から作製した心筋シートについて、その幾多の治験の結果、有効な処方に至ったとして厚生労働省に製造販売の承認を申請したと発表した。重い心不全の患者向けで、iPS細胞由来の医薬品としての申請は初となる。同社は治療効果を調べる臨床試験(治験)について、患者の経過を長期にわたって確認すると、病状がより改善する傾向がみられたため、申請に必要なデータを改めてまとめていたという。
医療界は再生細胞と、活性化による医目覚ましい進歩を遂げてきている。幾多の治験と、有効と実証されたデータと、その後の当該薬品の品質の確認を済ませたりする過程が何かとあるかと思われるが、ベンチャー企業の手掛ける場合には、十分な手法と手続きがスムースに行われ、一刻も早く治療を期待している患者の手元に届けられ活用されることを期待したい。他に提出されている幾つかの事例もあるが、それらが、もとより許認可を得ることが要件である故、迅速を要する監督官庁のさらなる努力を期待し、実現に向けて行くことを促したい。
4月9日
再生細胞による世界的治療法
トランプ大統領の強引な相互関税の引き上げの発動によって、世界の株式、金融相場が乱高下し、焦点が米中経済の摩擦と対立で、経済の世界的減速が懸念される中、連日の如く株式市場は急落して止むところを知らない現状は極めて危惧すべき事象である。今日の東京株式も前日のニューヨーク株式の下落の影響下にあって、日経平均も1500円からの下落が続いている。
こうした中で値上がりする株価も見られるゆえに調べたところ、サンバイオと云う新薬開発のベンチャー企業であった。20年以上にわたり地道な研究成果が実を結び、監督官庁の幾多の審査と許認可を経て、画期的な新治療薬が医療の現場で適用されて、苦しむ患者の救済に使用される見通しがついたという朗報に基づいている。
詳述するには専門的な知識が必要であるが、難しいことは別として、新薬とは「外傷性脳損傷」に伴う運動麻痺の改善治療に使用するものである。「アコーグ」と称するもので、脳障害の改善と治療に顕著な効能と効果を発揮することが証明された。このアクーゴは「脳内移植用注」と称して、損傷を起こした患部に注入する形で治療する方法と思われる。注入された患部はその後、細胞の再生への活性化が促され、損傷を受けて機能を失った患部が、以前の細胞を蘇生させることになるという理論構成かと思われる。脳細胞の機能喪失ということは、年齢とともに加速される問題でもあり、又病的現象の結果現れる症状でもあり、解決を急ぐ現代的課題でもあった。
医薬会社のエーザイがアルツハイマーの治療を行う新医薬を開発したが、脳の前頭葉の表面に厚く付着したたんぱく質が脳血管の血流を犯すことが原因であることを突き止めて、この物質を取り除く処方を開発したが、治療には患者に対する複雑な肉体的負担がかかるのと、大きな費用が掛かるるので一部の人にしか使用されないという不利があるらしい。脳血管障害も現代病の一つとしてあげられるが、小生の近辺にも脳梗塞をはじめとして病的な脳障害を起こしている人たちは多く散見されるので、人生が狂って被害甚大な様相であることは痛ましい。アルツハイマーだけでなく、脳血管障害、つまり脳梗塞による疾患をはじめ、開発と使用を急ぐ「アクーゴ」は広く応用できるような気がするので、出来れば例えば「パーキンソン病」や、「アルツハイマー」にも然り、機能を失った脳細胞の再生と、回復を目指す応用を重ねて早く多くの患者さんたちを改善、救出に向けて使用してもらいたいと、素朴に、かつ真剣に念願する次第である。4月11日
待望の大阪万博の開催
「いのち 輝く未来社会のデザイン」をテーマにした大阪・関西万博が今日、4月13日に開幕した。180を超える国と地域、国際機関の賛歌を得て、半年の184日間の間、有意義な展示や行事が繰り広げられ、幅広い範囲にわたって交流が行われる。近年分断と対立、断絶と争いが激しい傾向のさなかにあって、多くの人々が国境と人種を越えて互いに交流し合い、お互いの理解を深め、争いをなくして平和な道筋を築いていこうとする大きな目標を掲げている。万博の歴史をたどると開催の意義も時代を反映して、少しずつ変わってきている。1851年にロンドンで最初にかいさいされたときは、各国が自国の文化や産業広く紹介する場であった。そうした目標が長く続けられてきたが1990年代に入ってからは、世界が抱えている課題の解決を目指すものに変わっていった。テーマも大きく人類の共生と共存を目指す、時代的変貌に目的が変わってきている。
今回も未来社会を目指すデザインの中に、文化と平和と人権といった課題を掲げているし、加えて生物の多様性、SDGsといった八つのテーマについて会議や交流会を開催することになっている。ロシアとウクライナの間では未だにウクライナ戦争が続いているし、イスラエルとハマスの間ではガザ地区で凄惨な戦争が止まず、ウガンダなどをはじめ各地で小競り合いや内戦の戦火が絶えない現状は、万博のテーマで深刻に取り扱っている課題でもある。自然との共生と調和を無視してきた人間の責に帰すべきものが多く、今日までの難問を問いかけてきている現状である。
平和時に開く万博と違って、人類が直面する課題は余りに多くしかも深刻であり、敢えて言えば「向き合って」現在的である。我々が現在直面している課題が山積である。こうした現在的今にあって、共通の課題を含めて開催される万博こそ重要と云うべきである。ウクライナ戦争は三年4か月前に始まって未だに兵士の殺し合いが続いており、合わせて市民の多くが犠牲に巻き込まれており、それが毎日続いている。同様のことがイスラエルとハマスの間に繰り広げられている。そうした事案は世界の各所で、無益な行動がなされている。これによって利益を稼いでいる悪魔の人間が、陰でしきりにたむろしている。
顧みて、トランプが仕掛けた関税問題で世界の多くの国が不利益をこうむり、殺人行為はないものの、究極的な利益の奪い合いを演じて、戦争が「金と領土の奪い合い」だとすれば、今回の関税問題は即、貿易戦争に発展し、さながら戦争の様相を呈していると云っても過言ではない。関税の掛け合いであって、戦争とは違うという確かな論拠もあるが、関税と云う問題が広がりを見せて、国々の経済に影響を及ぼしてくると、貧富の格差が極まって、国民生活に影響し貧困を増長して、国民を飢餓に追い込むことだってありうる。被害をこうむるのは、そうした発展途上国の国々であり、貧困層と戦っている国々である。間接的に殺人を犯していることになる。一方、経済的影響力は大きければ、経済的混乱を来たし、政治的混乱につながってくる。政治的秩序の破壊の何物でもない。
マルクスは云っている。社会を単純明快に上部構造と、下部構造に分けて、下部構造が上部構造を決定すると称している。下部構造である経済的スキームが、上部構造である政治その他の文化全般のスキームを決定するというものである。
その証拠に、関税をかけ合いで経済が揺れ動いて、特に熾烈を極めているのは、米中の関税による対抗措置を互いに掛け合っているすさまじさである。子供がゲームを興じているのと同じで幼稚であり、一方がどこかで気がついて相手にしてもしょうがないと諦めるしかないのではないだろうか。そして勝手な安全保障を理由に、他国の領土を合法的に略奪しようとする悪辣な思想の台頭である。こうした風潮に対しては、余り当てにはならないが、国連を中心とした多くの諸国が結束し、特にフランスやドイツ、英国と云った良識的国々が立ち上がって、我が日本国も参加して、こうした旧態然とした帝国主義的侵略を阻止していかなければ成らない。
理不尽な国際環境の中で開かれる大阪・関西万博は、かような多面的課題の解決につながって究極的には「いのちを守り輝く未来へ」の力強い助走を以て、これからの180日間余の崇高な使命達成のため奮励、努力しなければならないと思う。我々も須らく、大阪・関西万博が平穏無事に、且つ成功裏に目的を達成してもらうべく協力し、関係者各位の尽力に感謝しつつ今日の開幕を心から祝福したい。 4月13日
トランプとの会談
赤沢経済再生担当大臣が石破首相の特名を受けて、トランプ関税の問題の協議のため、日米閣僚レベルの会談に臨み日本を出発した。緊張を隠し切れないが、全ては準備しつくした、余裕を以て協議に臨んでくると抱負を語って発っていった。日の丸を点けて政府専用機だろう、初夏の青空を勇躍して飛行して行くさまは、彼にとっても国際舞台で活躍する初陣と云うべき勇士である。眼鏡越しに見たまなざしは若々しく、青年の如くに見えた。
ワシントンに向かって飛行中、閣僚級レベルお席にはトランプ大統領も急遽参加するという情報が飛び込んできて、周辺はびっくり仰天したらしい。日本政府は深夜だというに、林官房長官をはじめ要人が首相官邸に急遽招集され、善後策について話し合った由である。そして肝心な事柄について再度、赤沢議員に伝えた由である。アメリカを代表するトランプと会うことが出来れば、何らかの確信的な意向を直に迅速に収集できるわけで、事態はこれに勝ることはない絶好の風向きである。日本としても迂回せずに直接国益にかなった外交交渉ができるはずであり、要求すべきこと、主張すべきことをデイールとして俎上に載せることが出来、信頼を交換しながら論議することが出来る。歓迎すべき絶好のチャンスである。
閣僚会議が始まる前に前沢議員はトランプ大統領の執務室に招かれ、会談に先立ち記念写真を撮った。赤沢議員の笑顔満面の、姿勢良き姿にも最高の好感度を印象付けたが、一方のトランプ大統領も自らの机に向かって赤沢議員と並んで喜色満面の喜びようが遺憾なく映っている。友、遠方より来たるや、まるで懇親の知己、朋友に出会った時のような喜びに満ちた両者の立ち舞いに、雰囲気は最高潮ともいうべきで、対等に立ち堂々たる風格さえ感じて云うべきことがないくらいであった。石破首相の指名を受け、日本政府を代表する赤沢議員については三実力の未知数を懸念する向きもあったが、人的品格抜群にして日米交渉の席にふさわしく、これからの難問の交渉に当たっていくに違いない。
偶然的とは言いながら、赤沢代表がトランプ大統領に対し敬意を表して、早くから謁見できたことは最高の機会だったに違いない。しかしこれを以て己れを見下して「格下の格下」と称する必要は全くない。我々日本国民を代表する立場に立つならば、そうした観念を持つことは無益であり、これを排除して、お互いが見識を以て胸襟を開きあって話し合う仲間だという認識に立って、事を進めていってもらいたい。我われが希望することは、写真に写る喜色満面のトランプ氏の笑顔が、そのまま日本国と国民に向けられて、お互いの繁栄と幸福のために用いられていくことを念願している。物事には、「始め良ければ終わりよし」という諺もある。しかしその裏腹で「はじめは処女の如く、終わりは脱兎のごとし」と云うこともあるから、気を付けるに越したことはない。「関税と云う言葉は美しい」とトランプ氏は先刻来発言してきているが、赤沢氏と撮った写真のトランプ氏の笑顔は、非の打ちどころなく美しいことは、ここでも断言してはばからない。
4月18日
一方的な関税引き上げで混乱
場当たり的で発作的でもあり、やみくも的でもあるトランプ外交。こんかいの世界に向けた関税位置率引き上げはそのよう良い一例である。発表して反響と英きゅのおきあ、そして自国が植えるマイナス点に驚き、急遽九十日間の猶予期間を置いて小生を図ると言い出した。朝令暮改も甚だしく、右顧左眄して決まるところがない。大上段で大見えを切っていながら形成がうまく進展しないと豹変する辺り、云うことと違ってどうも日和主義的な面がないでもない。視点と展望は、カメレオン的である。狼狽する各国は冷静を失って慌ててごいけんうかがい、機嫌取りに伺いに馳せ参じている始末に、どさ回りの田舎芝居を想像させる。親分気取りで有頂天になっているのがマントヒヒのトランプだから、どうにも困ったものである。トランプ流のデイールについては、焦らず急かせず慎重にと語る石破さんの東洋的思索に落ち着きを覚えて安堵している。
今までアメリカは多くの犠牲を払ってきた関税の不利な状態を改善して、「黄金の時代」をもたらすとして、国民の関心を買って出た。しかしこれは見事に失敗してきている。損もそも経済哲学に欠けるトランプ氏が、大統領と云う絶大な権力を手中に収め政権を担当するという理不尽が、皮肉にもいろいろな軋轢をもたらしているし、これからも齎していくだろうと思われる。不利だとする関税の引き上げ措置に踏み切ったことで、自国の株式市場が大きく急落し、物価上昇に拍車がかかって消費者の節約意識が強まって、輸入物価の上昇で生産者指数も低下傾向である。短期的にも景気後退が著しくなってきた。これではトランプの言っている論調とはまるで歯車が逆に回転している始末で、国民の間にも不満と、将来への不安が高まってきて、街頭に反トランプの大規模なデモがあったりしてきている。
マーケットでは混乱が渦巻いて、消費者も生産者も展望が開けないとまで言い始めた。取り巻き連中は忠誠心を誓ったイエスマンたちばかりだから、トランプの素性がはっきりしないだけに、経済音痴の政治家が、気まま勝ってな演出をするがゆえに、正直な民衆が大打撃をこうむる風潮になってきた。これはぜひとも回避しなければならない。矢継ぎ早に実行する手腕は大したものだが、的を外れていたのでは、全ては水泡に帰し残滓だけが残ることになり犠牲が大きい。トランプの大統領就任以来三か月がたつが、その間、乱暴に、場当たり的に打ち出してきた政策は、悉く失敗に終わっている。結果、気に入らないからと云ってFRBのパウエル議長の責任に帰して、連邦準備制度理事会のパウエル議長を「Mr、TOO LATE]とまで揶揄しつつ、解任するとまで言い始めた。景気の下支えに「金利を下げろ」と云うのだが、関税の引き上げ措置を注意深く見守る姿勢を崩さないパウエル氏と対立している。トランプの、法を犯して顧みぬ姿勢は危険である。 四月二十三日
小生が主宰している 短歌同人誌、淵の編集発行について、今月は小生が投稿者の歌評を受け持つことになっていたので、さっそく手掛けて見ることにした。投稿者の発表した短歌をあれこれと批評したり、添削したりすることは性に合っていないので好んだ歌を選んでそれに対して自分の心象を和歌に表して返歌という形を以て、前号の歌の批評としている。こうした試みは小生の独創的な試みであり、創作的な手法であって、他に類を見ないものだと自負している。取り上げる歌の数が多ければ、自分の創作する和歌も自ずと増えてきて、それ自体が労作の結果をもたらすことになるので遣り甲斐のある創作である。
今回、たまたま次号の淵149号のその原稿が早めに用意できたので、特別的な配慮としてこれをそのまま本稿で発表して、読者の興味に供したいと思う。小生の詠んだ返歌を味わっていただき、尚、読んで嚙み締めてもらっていると、和歌の深層にまで迫って、毎号の淵はその本道から外れていないが、今回は格別に興味津々な結果をもたらしてくれると確信している。
前号の歌の鑑賞 返歌 佐々木 誠吾
植田重雄の秀歌
○ふるさとの大根食べよと冬の日に友が持て来ぬふろふきにせむ
返歌
ふろふきを口に含みて大根を持て来る友のなさけ身にしむ
○乾しならぶ白きかれひの抱きゐる卵のあはれ冬の日に透く
返歌
魚やの店頭に置く乾かれい卵の透けて見ゆる哀しき
佐々木誠吾
○奥入瀬の酸ヶ湯あたりの豪雪の白夜に光る月の影かな
返歌
雪かさの高く積もりて奥入瀬の道ゆく女(ひと)の足もとのなき
〇限りなきイエスの愛の深きこと海の澄みたる淵の如きに
返歌
限りなき恵みを賜ふ我なれど恩に報ひて返す術なき
渋谷富子
○完璧な形に残る珍しさ踊る埴輪のしぐさを真似る
返歌
自(おの)ずから我もたのしく踊りたくなるよなさまの埴輪かしこし
○病(いたつき)に倒れし若さま命の啄木・賢治の無念の極み
返歌
ひなびたる東北の地より世に出でて啄木、賢治の今に生きたる
○「千恵子はいつも傍にいるから寂しくない」光太郎の愛 永遠なりき
返歌
我れが身の手にも持ちたる智恵子抄うたにも惚れし男ごころよ
大宮ふじ江
○手を挙げて踊る埴輪やおどけ顔見ている人もつい立ち止まる
返歌
立ち止まり我も手足を差し出して踊る埴輪の輪にも入りたし
○入学の手さげを作る生地選び託されし春の楽しみの増す
返歌
入学す孫の未来の夢を盛る手さげを作る我も楽しき
角田章予
○初富士や気高き姿柔らかく雲一つなく有難きかな
返歌
新玉の年のほがらに明けそめて気高き富士の我に及び来
〇暖かきお日様入る朝寝坊幸せいっぱい子猫のように
返歌
春浅きぬくむ床寝にありしまま若さのまさる夢多きかも
○いにしえの通い婚かや夫婦雛仕舞われたまま幾年月を
返歌
色あせし和紙にくるまる夫婦(めおと)雛取り出す白き顔のほほゑむ
大野雅子
○愛しき容姿めぐまれし幸いを自ら捨てて早世の女(ひと)
返歌
世に伝ふ佳人薄命と申されど生きてゆかなば謂ふべくあらむ
○マフラーをあれやこれやと思案して襟元楽しも我が交差点
返歌
マフラーは顔引き立たす衣装にて無粋の我もためし居るなり
〇待望の春の雨降り独居の胸に響きぬ雨だれの音
返歌
ひとり寝の時もせつなく打ちすぎて思ひもふかし春の雨の夜
大木静花
○ひゅうひゅうと口笛鳴らし威勢よく山駆け廻(まわ)る空っ風かな
返歌
吹きすさぶ赤城おろしのからっ風修行の僧が山をおりゆく
○白旗を面に幾度も振り上げし夫も敵わぬ春の花粉か
返歌
全国に飛び散る花粉の災ひに向きあふ人の戦果きびしく
〇頬染めて梅の蕾は福々とほのかに香る春の足音
返歌
初なつの青葉若葉にうめの実の花咲くあとに実るたわわに
さわだまりこ
○土留めの石の継ぎ目崩れる黒土にノイバラ白く満つる坂道
返歌
海鳴りの浜への道の足もとにノイバラ咲きて春を告げなむ
〇薄氷の光の中にじっと待つ雪割草の春の膨らみ
返歌
薄命の娘もいとほしく春の来る日を待ち望み仰ぐあかつき
○師のおらぬ同窓会の老酒(ラオチュウ)にザラメ入れれば陽炎たちぬ
返歌
師の居らぬ同窓会に師の霊の陽炎となり皆を包めり
伊達美智子
○千年余の年を重ねし金堂を見納めのごと目を凝らし見ゆ
返歌
大いなる太き柱に身を寄せて千歳(ちとせ)の世をばかえりみるかな
〇「いかるがのさとのおとめ」の歌碑新公園裏に密かに在り
返歌
秘めて立つ我れが思ひの歌の碑を見初めて立てる君のいとしき
○いにしへの奈良への想ひ歌あまた會津八一のしらべ豊けし
返歌
読みごたへありぬ八一の和歌にふれ旅も楽しきいかるがの里
丹波ともこ
○告白のあとの乾杯若かった終電車まで見つめ合ってた
返歌
終電車告ぐるランプの赤きあと追ひてもむなし果てに逝くひと
○関係はふたりで築くものだからひと日きちんと君と過ごせり
返歌
手をつかみ帰らないでと云ふひとを振り切りて来る我も苦しき
〇未来永劫泳いでいたい海の果て釣られぬペアの魚となりて
返歌
離れても遠くな行きそ呼子鳥わが恋まさる君なればこそ
木下容子
○大寒のすぎて快晴続く日を菫花咲き心ふくらむ
返歌
シャンソンの調べに咲きぬ春すみれ初めて君を知りぬあの日よ
○気掛かりのひとつ遠くへ投げとばさん朝空に厚き雪雲の中
返歌
気がかりなことと投げてもこころねのやさしき君にありて咲く花
〇艱難辛苦あれど心の桃源郷包まれているわれのプロムナード
返歌
喜びと感謝にみちたプロムナード神の恩寵に在りし君かな
新田教子
○多民族 宗教・信仰違へども平和に共存マレーの人々
返歌
もろもろの人を含めて助けあひ平和に生きる国の尊(た)っとき
〇年の瀬のチャイナタウンに旅行者の熱気に溢れて香ばしき匂ひ
返歌
食材をあまた揃へて夜店たつチャイナタウンの人のにぎはふ
○チャイナタウン店の屋台はぎっしりと観光客らの楽しい夕餉
返歌
雑踏の街なかに立つ屋台にも集まる人の仲間に入りぬ
蜻蛉日記
嘆きつつひとりぬる夜のあくるまはいかにひさしきものとかは知る
返歌
げにやげに冬の夜ならぬまきの戸も遅くあくるはわびしかりけり
4月24日
社団法人 昭和経済会
理事長




