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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

Vol.06-04 景気回復と行財政改革

 平成17年度の10~12月期のGDPが発表されました。それによると、経済の実質成長率は年率にして5.5パーセントという高い伸び率です。個人投資と設備投資が堅調に推移した上に、輸出も増加した結果です。このままで行くと、かっての「いざなぎ景気」を上回る戦後最長の57ヶ月を記録することになります。
 こうした状況を反映して失業率も昨年12月には4.4パーセントまで下がり、有効求人倍率も12年ぶりに1倍台を回復しました。企業の業績の回復も顕著で、これが新たに雇用を創出してきており、更には賃金の上澄みをするところも出てきており、労働市場にも明るい兆しが見えてきています。この時点での特徴は、顕著な景気の回復が、いまだ大都市を中心とした地域に絞られていて、力強く地方にまで波及していないことです。これは従来に見なかった改善しがたい時代的流れとも、変化とも受け止められます。
 一方で、国と自治体の借金は800兆円に迫ってきて、確たる改善の余地が見られません。民間企業は、大企業を中心に、構造改革と血の出るようなリストラで業績は大きく改善されてきていますが、次第に中小企業にも及んできていることは頼もしい限りです。財政再建は焦眉の課題となっています。考慮されるべき点は、思い切った歳出削減を強力かつ継続的に行っていくことでしょう。冗費を廃止し、公務員数の削減、公社の縮小、廃止、不要な国有財産の処分など、やるべきことは山ほどあります。ここでの安易な増税論は慎重を要するところです。
 国民経済が回復しつつある今こそ、将来に向けた国と、自治体の健全な在り方の基礎を構築し、国民本位の指針を打ち立てるべきであります。
 確実なデフレ脱却を目前にして、われわれ企業家は、新たな視点に立って積極的な果敢な見通しを以って挑んでいくべきと思っています。

平成18年2月20日

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾

Vol.06-03 高木新二郎氏の猛烈な事業再生

 産業再生機構・委員長の高木新二郎氏(当会理事)から、『事業再生』と題した著書が贈呈されてきました。先般、岩波書店から発行されたものです。
 高木氏は2003年5月に産業再生機構の委員長に就任以来、バブル経済崩壊後の日本経済の建て直しに、積極果敢に取り組んできました。即ち崩壊の危機に直面する企業の再建に辣腕を振って、具体的に再起させる方策を講じ、資金を投入して事業再生を図り、以って日本経済を長期低迷から脱却させる先鞭を拓き、インパクトを与える、文字通り現場第一主義の戦士の役を果たしてきました。その成果は今日各界に及び、経済活性の波及効果をもたらしています。高木氏の信条は、何事においても正確、敏速の行動主義であります。企業再生も要は、早期発見、早期着手、迅速再生が再建への鍵であります。
 今般、忙中の中、その熾烈な実体験に基づき簡潔明快に実情を著し、事業再生と活性を目指し、世の指針となしたものが本書であります。啓蒙、実践の書として、多くの企業と経営者に、更には若き青年諸君たちに熟読をお勧めします。

平成18年2月10日

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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