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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

VOL.23.5

新緑の匂い

  昨日、朝から始めて夕方までかかって、庭の掃除を妻と協力して終日かけて成し遂げた。繁茂してきた樹木の枝を払い、庭の芝生の雑草を抜き取ってそのあとを芝刈り機を使って軽く刈り取った。庭の南西に位置した90㎡ほどの畑を耕した後に、砧の農協から買って来た五種ほどの苗の植えつけを済まし、竿立ての作業も終えた。疲れ切った後だが、縁側に腰を下ろして空を見上げると、残照に輝く空が赤みを帯びて金柑色に光っていた。「きれいになったね」とお互いに深呼吸して空を見上げているとしきりと満足感に酔う気持ちであった。そして妻と協力し合い、一日かけて庭の整理を成し遂げた達成感に浸りながら、子供のような心境で夕べのひと時を楽しんでいた。

  明けて今日は5月の1日である。4月の29日から始まったゴールデン・ウィークの前半を迎えている。オフィスでは、目の前にある日めくりのカレンダーをめくるのも忙しい感じだが、この一週間は楽しみな毎日である。日めぐりのカレンダーでは5月の暦を案内する冒頭に、間近かな24節気の「立夏」の案内が記してあった。風薫る、初夏の季節である。「青空も、風も気持ちよい初夏の到来です。まだ本格的な夏ではありませんが、日差しも強くなり草木もぐんぐん成長して伸びてゆきます」 と。

  せっかくきれいに掃除をし明るくなった庭も、この分だと又鬱蒼とした樹木の茂みの中に入ってしまい、刈り切った芝生もまたぞろ伸び始めて、早くも暑い最中に汗をかきながらの労働になるかも知れない。今朝の澄み切った青空を見上げながら、早くも成長の横溢を極める「小満」の節気の暑い猛暑に怯えてしまう思いである。そのように考えると、5月初日は正に初夏に向かっての助走段階に立ったということが云える。青春真っただ中の、血湧き肉躍る季節を予測して、どきどきと胸騒ぎがしてくる今日の此の日である。   5月1日 


     

薫風のそよぐ旅路に心寄せ早やふるさとの家近きかも

さすらひの旅のはるけき遠きそら浮ぐも一つ陰り行くかな

富士やまと筑波の嶺もはるけきに光満ちたる初なつの空

庭はたの菜の葉の密に生へそろい朝食卓に山と盛りけり

サラダ菜の大きく育ち葉を包み大きな玉となりて楽しき

キャベツかと見まがうほどに育ちけるサラダ菜の葉の目にも涼しき

客人のみやげに摘みし庭畑の野菜の束の匂ひ含めて

垣根より隣の人の笑顔見て声かけあひて手を差し伸べぬ

初なつの風のかほりも詰め込みて野菜の箱を友に渡しぬ

客人のみやげに渡す庭畑の野菜の束に香り含めて

山椒の葉を摘みてくる我が妹子の笑顔やさしき初なつの朝

夕空の錦おりなす尾山台ハッピーロードの街赤く映ゆ

西かたに赤き夕日の落ちてゆく早や中天にかかる月影

美しきあの月影に鉄の筒打ちこむやから居りてあへなき

満天のきらめく星のかなたより天女の舞ひて下りてくるらし

見上ぐればきらめく星のかなたより琴かなでつつ天女おりくる

夢路にも妖かにまとうふ羽衣の天女がみたり我に寄りくる        5月2日


   憲法記念日

  今日は憲法発布記念日である。悲惨を極めた暴虐の第二次世界大戦が終結して、我が国は戦争の惨禍から立ち上がったが、制定された世界に冠たる自由と平和と民主主義の根本精神を盛り込んだ憲法によって、今日に至り未曽有の経済的発展を遂げ、国際社会をリードするまでに成長した日本国である。理念とする平和憲法によって我々は戦争を経験することなく、今日まで平和裏に生きてきている。他国の多くが戦火を交え無益な犠牲を払っている国際社会に在って、そうした脅威にさらされながらも、自国の安全保障に努力し、国是とする憲法の精神を遵守し、われわれの生命と財産も守られて平和的発展を享受してきたことは、以て誇りとし、幸せの一語に尽きると有難く思っている。

  国際社会において今危機的意識を抱いている所以は、例えば国連の中で常任理事国と称してこれに任ずる大国の一部が、挑発的は姿勢を以て他国の主権と安全を脅かしているように、何時どこにでも戦争の危険をはらんでいる状況は以て、大きな関心と注意を以て対峙しなければならない。ことは、我が国にとっても決して例外ではない。ロシアがウクライナに侵略を始めて既に一年と三ヶ月が経過しているが、依然として両国の激しい攻防の戦闘が続けられて、多くの尊い命が犠牲となり、財産が破壊されている。史上最大と思われる非情無比の虐殺、略奪、放火がロシアの侵略によって白昼公然として行われており、多くの民間人が犠牲を伴って悲惨を極めていることは慙愧の至りである。

  首謀者のプーチンはこの一切の責任を負わなければならないが、ロシア国内からは、戦争反対の大きなうねりが聞けないのがもどかしく情けない話である。兵士の雇用を図るロシアの犯罪者集団の「ワグネル」の悪辣さはもとより、ロシアの「プーチン」は現在、国際司法裁判所から戦争犯罪人と指名され逮捕される人物であり、世界的に追及される身となっている。にもかかわらず戦況は連日の如く緊迫の状況であるが、今日のNHKのニュースナインでの速報が伝わったが、無人機がロシアのクレムリンを攻撃してきたが迎撃されたとのことである。プーチン暗殺を謀ったと、ウクライナをロシアは非難している。ウクライナは目下のところ自国へのロシアの侵略を食い止める戦法を用いているが、ロシア領内に攻撃を仕掛けてくると、事態の急変は避けられない。クレムリンへの攻撃、即プーチンの首をはねる戦略と来るか、現実をとらえてみれば、戦争だからお互い様である。            

  我が国の平和憲法発布の記念日に、皮肉にもこうした論評を行わなければならないことは、以て残念至極である。であるからこそ、この機にあたり日本国憲法の根本精神を省みることに重大な意義を見出すのである。戦争放棄を歌っている憲法第九条の意義をかみしめる事態である。人間の知恵を発揮して、外交交渉によって問題の解決を見ることが肝心である。いかなる事情があるにせよ、戦争を回避する手立てを尽くさなければならない。 世界は終戦後に於いて、幾多の試練を乗り越えて大国同士の衝突と、挑発的行動を自制してきた結果、かろうじて今日まで戦火を交えずに相互に平和的存立の構築に努めてきた。しかし昨年二月二十四日に始まったロシアのウクライナの侵略行為によって、平和的均衡状態が崩壊されてしまった。

  ロシアとウクライナを軍事的に支援する欧米諸国との決定的対立を引き起こし、緊張は日に日に高まるばかりである。 NATOの軍事的支援を受けて反転攻勢を窺うウクライナの、戦闘意欲は武器弾薬の装備とともに高まるばかりである。武器弾薬と兵士の消耗しきったロシアの戦闘能力の低下を指摘する専門家もいて、窮鼠猫を噛むではないが、核兵器使用をちらつかせるプーチンの行動に注意しなければならない。もとより核兵器使用はロシアにとって自殺行為だが、暴走して狂いに狂った老人の思考能力を疑ってみて居なければならない。ロシア国民の良心に訴えるべきか。それが可能かどうか、日夜悩むところである。                                      5月3日

九条の戦争放棄の理念こそ国際政治を解く鍵の在り

何人も他者の領土と主権をば犯す能わず法の基礎なり

高貴なる国際法を遵守して自国の権威を守る此れ是や

日本国憲法の精神を見習ひて国際秩序と繁栄を期せ

誇りなり今や日本国憲法の精神こそを世界に伝授せん


    積読

  今朝の朝日新聞の「天声人語」を読んでいて、何か自分自身の重荷が取れたかのような気がしてほっとして胸をなでおろす気分であった。曰く、「本を読了しても、ほとんどの内容をすぐに忘れてしまうのも人間である」と。この天声人語を描いた筆者は、頭脳明晰で記憶力抜群の若者に違いないと想像しながら、斯かる優れた人物にして斯くの如しであるとすれば、記憶力、忘却力、読書力について多少疑義を挟むような気分になってきた小生は、さして気にする必要がない、そのままで走れといった気持ちに励まされてくるのは実に有り難いことだと、天声人語の執筆者に対し深甚からのお礼を申したい気分である。

  近ごろ自分の人生について、浅薄ながら時間が足りないと焦る気持ちと、書かなければならないという時間的制約に一種の焦りを感じて致し方なかった。読書に就いてはお恥ずかしいながら、新刊書は読まないことにしている。直木賞とか、芥川賞といった受賞作品についても、僭越極まりないことながら、読んでいる時間がない。そうした時間があるなら、少しでの自分の熟睡の時間にあてたいとおもっているくらいである。読書と云えば基本的に古典に集中してきた過去があるので、それすら天声人語の優れた執筆者が告白するように、忘却の彼方にあるとすれば、頼るところは自分の集積された頭脳の働きに頼るしかないし、だから自分の思いのままに書くしかないと、諦観的な考えを以て無責任を自覚しながら思いのたけを綴っているのがせめてもの慰めである。

  だから書き始めたら、別段何らかの資料を駆使して努力しながら書くわけではないので、作家の村上春樹ではないが、それ以上に創作的な色合いが濃いと思っている。世情、余りにも騒がれている春樹の作品を読んでみたら、途中で嫌気がさしてきて、時間の浪費だと読むことを断念したくらいだから、新刊書の発刊を以て生計を維持している本屋さんにとって、小生は少しの役にも立っていないことになる。ノーベル賞候補にも挙がっている作家である、春樹の本を読んでもすくに忘れてしまうなら、貴重な時間を用いて読まない方がいいということになる。その分、自分の筆を信頼して自分の時間にあてた方がいいし、春樹に付き合っていく義理もないわけから、下らぬ小説と思っているので、読めば小生にとって害にこそなれ、益になることはないかもしれない代物である。そもそもノーベル賞といった代物が一種の権威主義に陥っており、医学賞とか物理化学賞といったものはともかくとして、文学賞といったものに就いては、権威すらなくなってきたような気がしている。一種の商業主義に陥って騒いでいる気がしている。

  文章を書いて書きっぱなしというわけではないが、直感的に書いた文章は、実に正直であるし、自分に対して嘘、偽りがないから後悔することはない。ただし誤った知識とか情報は、これを伝達するようなことがあってはならないし、あくまで言論として真理に近い内容を、正しい価値観、これも時代によって変わっていく可能性があるかもしれないが、少なくとも書いている時点では自分の良心に恥じないものであって、そうした観念の則ったものでなけらばならないと思っている。自分自身から出た発想は常に生き生きとしており、独創的なものでなければならんと思っている。模範とする事象は沢山あるが、模倣とするものは何もない。直ぐに忘れてしまうということ、それはあまり気にすることはないと、今朝の天声人語を読んで学ぶことができたことは、これからの人生にとって実に有益な知識である。このことは直ぐに忘れたりするようなことはないであろう。   5月4日


  ゴールデンウィークに入ったばかりだが、気持ちの良いお天気につい口を滑らして「こんな日は箱根の富士ビューマンション」にも出かけてみるかとつぶやいたら、何時しか妻が旅支度を整えて、「さあ出かけましょう、遅くならないうちに」と急かす勢いである。普段の疲労をぬぐい去って休養したい、ゆっくりと昼寝を決め込んだり、近くの落ち着いた場所を訪ねたりしながら唯々諾々の日をのんびりしたいと願っていたのである。しかし追い詰められた心境で、渋々支度をしていくことにした。着替えの下着などはともかく、私が準備するものはいたって簡単である。最近は無精癖がついて二、三日髭を剃らなくとも気にしなくなったから、服装はどこに行っても通常通り、趣きは変わらない。昔のこと近所の狩谷さん一行とはk根の金時山に登る時に、ワイシャツ姿で紳士靴を履いて昇っていこうとしていた小生を見て、皆がびっくりしていたことを思い出した。みんなは大袈裟に登山姿でいざ出陣とばかりに気合が入っていたが、小生は普段のありのままの通勤姿であったからなのだろう。いくら何でもとばかり、友達の一人が運動靴を貸してくれて、それに履き替えて登っていったことがあった。ネクタイは外していたがワイシャツ姿のズボン姿である。

   だから今日もいつでも出動準備ができている。シックの安全カミソリだけを以て、あとは洗面道具を適当に納得のいく範囲である。車は愛車のBMWで三十年以上、四十年近く乗っている。この種の車のエンジンは最高にいいとメーカーが云っている通り、運転していてて実感できる高性能のエンジンである。快適に運転して御殿場迄の一時間、そこから箱根の県境にある長尾峠まで二、三十分の登坂道である。御殿場から一気に登っていく山道なので、極めて急な勾配である。途中の鬱蒼とした樹木の間に垣間見る景色は絶景である。高くそびえる富士の麗峰を仰ぎながら、広漠とした富士山麓地帯を一望し、豪快であり既に天下を睥睨する気分である。一方箱根国立公園から登ってくるときは眼下の景色は見事に織りなされ、箱庭を眺める気分で、優美繊細な趣であって味わい方が一変する。ゴルフ場の箱根仙石原と芦ノ湖を眼下に、点在する人家の趣に哀愁が漂っている。小生は長いこと、この二つのコースを行き来して長尾峠にまで通って来た歴史がある。花鳥風月、山川草木、神羅万象、自然の趣は不変なものがあって常に感動を覚えて止まないが、長尾峠にあった峠の茶屋はいつの間にか店を閉じてしまった。そこの場所だけが箱根全体を一望できる狭いが、ちょっとした展望台になっている。

   出掛けると決めたからには意気揚々として、家を出た。勢いだって環八から第三京浜に飛び込んでしまい、しまったと思いながら時すでに遅しである。走行して入るのは東名道路であり、第三京浜ではない。しばらく先へ走っていた用賀からである。仕方がない、そのまま走行を続け、都筑ジャンクションにまで出て一旦は一般道へ下り、再度、第三京浜から東名道へ入る道筋を尋ね乍ら、確認してから今度は慎重に走行していった。ナビゲーターを装着していないので、文字通りの勘頼みである。空を眺め方向を確かめながらである。しかしこの勘が優れていて東名青葉台までに至る長いトンネルに入ることができた。東名青葉台の空の光りを見たときはほっとしたが、目的に見事に的中、試行錯誤とまでは 言わないが、東名道にのって御殿場ジャンクションに向たって走ることができた。それにしてもいつの間にか出来上がった連絡道で、専ら長いトンネルを走行するのみであったが、膨大な金をかけて作ったに違いない。

   混雑が予想されたが、さしたる渋滞に会うこともなく、予定通りの走行速度と時間をかけて御殿場に到着。ほっと安堵の念をかみしめたのである。車中ではコンビニで買った握り飯を食べながら、お茶所を探したが見つからず、乙女峠を越えて箱根に入った。トンネルを出ると長い坂道を仙石が原に向かって下りで行くが、途中の浅黄のもみじの並木は目にも涼しく吹き付ける風も青い水滴を浴びるように清々しさを覚えていた。そのまま走り続け、行きつけの小田急ハイランドホテルに入った。ここの広いラウンジの安楽椅子にもたれ掛かって自部位コーヒーにケーキを取って一時休憩と決め込んだ。光差すベランダから広がった芝生の原っぱへ、妻は駆け足で飛び出していった。遠く離れて小さくなった姿で妻は振り返って、しきりと手を振っている。頂上を目指した子供が、頂きに立って得意になっているのと同じである。夕方近くまでハイランドに所在し、これからの富士ビューマンションでの支度を整えて長尾峠まで登っていくことにした。

  快晴の大空、夕焼けの光に包まれた富士山の黄金の夕日を、マンションの部屋から眺める絶好の時がやってきた。この世の景色とは思われない、それとて大宇宙の饗宴の一部でしかないだろう。


こどもの日


   最近でこそ端午の節句を祝う庶民的な行事は、一般的な家庭ではほとんど行われなくなってしまった。寂しい限りである。スマホが普及し社会生活も大激変をしてきているから致し方ないが、古くから受け継がれてきた日本の良き風習といったものが生活から次第に陰ってきてしまっていることは嘆かわしき限りである。スマホで申し込みし、スマホで決済したり、簡素化されてきて能率が上がっていいが、コロナ感染を経てから生活様式が一変した感じである。東名高速の御殿場インターに程近い場所で昼食をとるつもりで和食の店に入ったが、店の入り口が分からずに車を走らせていたら、用を足さずに、何のことはない押し出されるままにそのまま出口に出てきてしまった。ついでとばかりにその先の和風用の造作の建物に安心して「すし屋」に入ったが、広い店内で回転すしはいいとしても、席についてから全てデジタル化された食べ方に、最初のチャージの仕方に戸惑い、諦めて店を出てきてしまった。結局寿司を食べることができなかった。

  店を出たとたん、今日は子供の日なのに、鯉のぼりに出会ったことがないことに気が付いた。こんな地方に出て来て田園風景を楽しめるはずが、広い畑の中の一軒家、鯉のぼりを立てた農家が見当たらなくなってしまった。一般家庭では殊更ながら、伝統的なしきたりを守ってきている農村地帯までが風情なきこのありさまである。日本の景色も変わったと思われる。しかしながら観光地では鯉のぼりを沢山あげて観光客の誘致に活用しているところもある。鯉のぼりの文化は形を変えて滅びずに乱世を渡っていることは一面、男児のたくましさを継承しているようにも思った。原風景にいつまでも拘っていると社会から爪はじきされないとも限らない。最もモンゴルやチベットの砂漠地帯で牛を放牧をしている放浪民族でさえ馬に乗って、携帯電話をかけあっているご時世だから、さもありなんである。         5月5日


   日韓首脳のシャトル外交の再開

  ユン・韓国大統領の政権発足後、急速に日韓関係の改善が進み、長らく途絶えていたシャトル外交が再開される運びになった。日韓両国にとって真に好ましき限りである。心から同慶の至りと思っている。これを契機にして、ユン大統領の現実的政治思考と実行性に多大の期待を寄せる日本は、過日のユン大統領の訪日に対する返礼として7日、岸首相が韓国のソウルに訪問、ソウルの韓国尹大統領府で二時間近くに亘り双方による重要会談を行った。ユン大統領は会談の冒頭、「両国の歴史問題が完全に整理されない限り未来の協力に一歩も踏み出せない、といった(従来の)認識から抜け出さないといけない」と、信念のゆるぎない胸中を披歴、これに対して岸首相も「日韓関係強化の機運を確かなもの」としたうえで、「未来に向けて韓国側と協力していくことが私の責務である」と強調した。未来に向けて協力関係を築いていきたいと心情を吐露した裏には、今までの恨みつらみを重ねてきた日韓関係の根本的な改善を図り、新時代を切り開いていきたいとする岸田首相の切なる希望が脈々として伝わってくるのである。これは日本国民の総意といっても過言ではない。将来に向けた韓国の今日の決意を崩すことのないよう切望し、両国が国際信義をもとにして互いに最大の努力を傾注していくことが、平和と繁栄への道に繋がっていくと信じている。

  極東情勢は北朝鮮のミサイル発射が頻発の度を越えてきており、緊張が高まってきている。こうした中で日・米・韓が強固な結束を図り、北朝鮮の挑発に対抗するには、先ず以て日韓の関係が正常化し、強固なものに発展していく必要がある。幾多の難関を乗り越えて、わだかまりを捨て大同に就く機運は高まりつつあったし、両国が結束する機は熟しつつあった。まさに天の声と受け止めたいくらいで、岸田首相と、ユン大統領とが固い握手を交わした姿は画期的であり、歴史的に記念すべき事柄である。両国民にとってこの上ない成果であり、喜びとするところである。両国の指導者の見識と勇気、寛容と決断を高く評価し、以て心から慶祝する次第である。

この一事を以てしても北東アジアにくすぶる不穏な傾向をけん制、排除し、日米韓の政治的、軍事的同盟のゆるぎない結束が確実視されることになって、心強く覚えるのである。これから先の極東アジアの安全保障体制の確たる確立を目指して、いやしくも他国の侵略的威嚇や暴挙を阻止し、軍事力の行使を殲滅することを以て、自国の生命と財産を守っていかなければならないと思うのである。そしてそれを担保に、諸国との平和的関係を維持して、経済的発展を促し、以て地域に潜在する貧困の撲滅に心して行かなければならない。

  日本の岸田首相と、韓国のユン大統領の尽力に対し深甚の敬意を表し、労を多としてご苦労様と申し上げたい。     5月8日

歌詠みの自由

  会社からの帰宅途中、草臥れては良く尾山台の駅前のドトールによって、コーヒーを飲みながら一休みして帰ることがしばしばある。その間、何をしているかと云えば、雑記帳のメモ用紙に和歌を詠んで綴っている。こうしていると不思議と疲れが取れて爽やかな気分で帰宅することができるので、先ず安心するのは出迎えに玄関に立つ妻である。疲れ切った感じで帰宅すると、心配するのは家内である。体調を気にして、家内はいつも小生のことを心配して会社への出勤を短縮するように進言してくれるが、自分自身を自制するのはなかなか難しく、反って自由が利かないことが多々あるのは如何にも矛盾している感じである。

独唱を聞くはらからと友らきて共に楽しむ妻の良き日を

玉川の区民会館の竣工すこけらおとしとなるやこの日に

連休の初日と入りぬ爽快の日に独唱す妻の頼もし

独唱す妻の舞台に一筋の光さしきて魅き立ちにけり

この人の姿が在れば頼もしく何不自由のなきやこの世は

侍の奮起うながす韓国戦平和の友好の国を相手に

韓国の尹大統領の来日し連携を期し道を招かん

ふるさとの身内と共にいとこ会喜び出でむ今朝の妻なり

生憎くの雨となりしも春の日のさくら咲き染むいとこ会なり

心意気高く誉れの好青年大谷修平のマウンドに立つ

一、二塁走者一掃のホームラン大谷選手の快打響きぬ

今もなほ内の悩みとかっ藤し幸ひ夢に悪者出でずに

長々と勝手に喋り悦に入るひとりよがりの説教に憂(う)く

安眠を夢にさまたげられし身にされど悪しきことなきは良し
 
列島の野球ファンが熱狂す大谷選手の快打投球

春雨の上がるふるさとのすみずみに輝く空にあくる今朝かな

積年のわだかまりをば払拭し日韓友交の基盤を固めむ

振り仰ぐ春のみ空のはてしなくふるさと遠く偲ぶ山川

幾そたび襲ふ不安に打ち勝ちて己れを律しきたるこの道

信仰に近き己れの信念をまともに果たし今に至りぬ

尾山台商店裏の喫茶店もとの家族の四人集へり

子どもらが我れを案じ生活の日々を確かめ安堵し帰へり

この家をひとり気丈に守りをる気丈の女(ひと)の気高くに見ゆ

中庭に立つ赤松の老木と女の精気のいまだ残れり

十字架のイエスの苦悩がほほえみに見ゆるは何ぞ理由(わけ)のありしか

十字架の血に染むイエスのまなざしに神の慈愛のひかりみちみつ

我がうちにイエスは生きておられと昔も今も明日も明るく

イエスこそ我れが命のあかしなり現生の人となりを示して

すずしろの花のま白く咲きゆれてとなりの女(ひと)がもらひくるなり

区の行政に頼りて器械体操のきたえに参加いたすよき日や

うるわしきイエスキリストの血と肉を授かり聖餐さんの式を収めり

若者は自由奔放の意志のもと結ばれしゆく新しき道

神の子として洗礼の儀に浴しこれより我は自由きままに

われがなすこと全て主のもとい正義と愛の恵みあらはし

排便を済まし昨日ヤクルトを飲む効能かと身にて覚へし

初夏の風颯々と吹き過ぎてうぐひすの身に心同じく

さっそうと宇宙の旅につく弾の地には遠隔操作の人らが

小夜中に知らずおのずと手を合わせ明るき月に祈る我なり

神秘にも見てあの月に手で汚す浅はかな人居るを悲しむ

月に住むてふ横暴な科学者の説に惑いて他人のうごめく

公開すアイスペースの株の値の弾の行方に値上りを期す

饒舌にうきて窓べを見上げるに初夏(はつなつ)の空澄みて眺めり

雨風の荒れ去るあとの雲間よりまぶしき初夏(しょか)の光差し入る

冠者らの知恵と技術を集結し宇宙に行くかんとするやその夢

闇の世に行かんとするや火をかざし夢だに未(いまだ)だ旅の長きを

此の星を離れて外の惑星に住まんとするや人の愚かさ

ロケットに乗りて外の惑星にその途中にて会うヘる十字架

十字架の初夏のみ空の隅なきにそびえて平和の世をば招かむ

全能の神を信じて十字架を仰ぎて復活の主をばたたえん

初夏の風立つあした復活の颯々として主を仰ぐかな

青空の隅なくわたる今日の日の主の復活を祝ひけるかな

顧て主の復活の大ひなる意義を覚へる日をば称へり

芍薬の咲く一鉢を買ひ求め美しき主の姿偲べり

我ながら主のみことばを身にきざみ己れの道を抱きゆくかな

自づから厠を覚え有難き生理を済まし復活の身を

春の日のこのあたたかき桜見の日頃に浮かれ出でし気合ひに

有難たき主のみことばの取りつぎに愚かな女の無駄な時にも

春雨のしき降る宵の目黒川花のしたたる川面妖しき

桜見て偲ぶ女(おんな)の幻影に冷雨の降りてさだめうとまし

玉川の聖学園の院長の毎度の声に憂(う)きてあきたり

説教は心に触れず喚高きおんなの声に頭痛覚へり

桜見に川面にしきる宵雨に女の声のさめざめと泣く

説教の愚かに見えて速やかに終わらばよしと祈りけるかな

EUの諸国を巡りバイデン氏との会談に臨む首相よ

G7議長国を努むるに岸田の準備の日々怠たらず

G7議長国にて日本の責務も期待も遠大なりき

大いなる日本の指導と交渉に期して世界の秩序維持せん

中国とロシアの経済衰退に自由と民主の諸国の連携

EUの諸国を巡り指導者と連携深む岸田構想

警戒しロシア、中国の包囲網築く連携の構想のよき

夕映えに沈む夕日の今日の日よ努めを終えて我もわが家へ

赤々と燃えて夕日の落ちゆくに祈る心地に安き覚へし


仕事場の我を案じて夜遅く道に出迎ふ妻のいとほし

落雷に止まる東横線に我が身を案じる妻の留守電の在り

落雷す東横線の混乱に我が帰宅の怪しかりけり

落雷に東横線の混乱し帰宅あやしく戸惑ひにけり

東北の大震災も同様に富士屋ホテルに身を置きにけり

混乱の街なかに居て息子より動かず居れと携帯に在り

頼もしき息子の携帯電話にて確認し合い夜も安きに

グラグラと余震のありて恐怖の念止まずに夜を居寝ず過ごしぬ

東北の沖合深き震源の震度八にてかくも凄まじ

おおないの震度8にて発生す津波の高く陸に襲ひ来

山のごと高くうねりて大津波襲ひて大地に荒れ狂ひけり

逃げ惑ふ人らを無情に飲み込みて尚襲いゆく高き津波よ

東京のビルの谷間に居るリスク災害時にも備ふ我が身を

忘れ得ず大地の揺るる音のして薄気味悪し地の響きなり

おおないに起きる津波の山嵩に膨れて陸地に襲い来るなり

おおないに津波の山の押し寄せて陸地のなべて吞み込みて行く

海上にいつしか黒き山嵩(かさ)の波もくのくと膨れ襲ひ来

恐ろしき山の高さの津波来て人みな群れて山に逃げ行く

大震災ひとたび合へば東京の機能停止に追い込まれけり

恐ろしき気分、気運に在りし身の何時なんどきの天災の運

安穏に生きる日ごとの有り難く思ふこの日の年となりけり

されどなほ青年の気の躍如たり三十八歳と我に聞かせり

艱難をはじけと我に言い聞かし年を気にせで道を行くかな

ふんわりとクロワッサンを口にしてコーヒーを飲む味わいの良き

水色のステンドグラスのパン工房気に入り店に入りて茶を飲む

鉛筆の先に初なつの風ふれて走りも滑りこころよきかな

新聞の広告に見る北海道道南地方の豪華なる旅

豪華版北海道の旅の順新聞広告に目を落としけり

定山渓ホテル万世閣を思ひだす学院時代の修学旅行時

学院の修学旅行は道南の四泊五日の豪華なる旅

函館の灯はうら悲し海の面(も)にうつりてしばし偲ぶ女(ひと)かな

函館の湯の川温泉のうら寂し旅の明かりにともる川端

函館の灯は悲しきと詠むうたに心を止めし浅見先生

著名なる浅見先生に褒められし函館のうた未(いま)だ忘れじ

我がうたを万葉調と評されて浅見先生の思い出の濃き

著名なる文芸評論家の浅見師の足下に学びなさけ篤きも

NHK深夜放送に旅情濃き佐土尖閣湾の随筆を聞く

海沿ひの断崖を行くバスに乗りハラハラしてたと綴る先生

相川の岸の渚に佇みて蒼き光の月を見るかな

面差しの良き奥方の身を聞けば先ほど樽の舟に乗り居る

樽船に乗り海女みたり船を漕ぐ尖閣湾の波あらき海

思ひ出の修学旅行に浅見師とたどる大佐渡の相川の町

月の夜の波の間に聞く相川の歌の調べの悲しかりけり

海女ひとり月の渚に出て踊る影の優しく手振る仕草よ

月の夜の浜辺に出でて相川の音頭に合はせ踊る海女かな

樽ぶねの海女の一人が海に入り素もぐるりしたは又浮かびけり


      G7広島サミット

明日からG7サミットが広島で始まる。日本が議長国を務める。最近になって急遽、国内の緊急事案の発生で来日が危ぶまれていたが、首脳会議にバイデンが来て下さると聞いて安心した。G7にバイデンが来られないとしたら、あんこのない饅頭を食うようなものである。

  広島は、第二次世界大戦で世界で最初に原爆の洗礼を受けた悲惨な都市である。それによって日本は盲目の地から目覚めて、戦争が無益と悟ってポツダム宣言を受け入れ、連合国に無条件降伏した。愚かな日本の指導者たちは奈落の底に突き落とされ、非情な運命にあった広島の人たちは、日本国と日本国民を壊滅的地獄から救済するための大きな犠牲を払わせられた。原爆による犠牲者は十万人を超した。放射能の光線を被爆した人たちは、ケロイドに悩まされ呻きながら亡くなっていったし、後遺症に悩まされる人たちで気の毒な生涯を送った人達も沢山いた。

  学友で広島で被爆した二人の友達がいたが、被爆手帳を所持していた。出世街道を驀進中だったが、若くしてなくなってしまった。惜しまれてならないが、もしかすると被爆した後遺症の原因かと思われる。あの忌まわしい事件以来、人類は核の脅威にさらされて来、人類の破局すら感じて、核兵器の使用禁止と廃絶の歴史的闘争を続けてきているが、人間の本来的愚かな存在を実証するかのように、解決の道を模索し続けてきて、いまだに解決しきれていない始末である。それどころか昨年の2月24日にロシアのプーチンが仕掛けたロシアの前時代的な侵略、戦争行為によって、ウクライナ国の領土をめぐり性懲りもなく執拗な地上戦が繰り広げられており、侵略していったロシアの兵士の犠牲者が逆な結果をもたらし、その数何と25万とも30万ともいわれている悲惨さである。

  挙句にプーチンは、戦況の打開に核兵器の使用をちらつかせる発言をして、世界を再び震撼せしめている。更には北朝鮮の頻繁なミサイル発射と、核兵器の開発は、即ち世界の潮流に逆行する威嚇的、挑発的行為を平然と行ってきている。こうした緊迫した状況で行われる今回のG7広島サミットである。G7では大きな課題の一つに核兵器廃絶を取り上げている。原爆の被災地である広島での開催は、それを以てしても格別な歴史的意味を含んでいる。

  今回のG7では世界が直面する政治的、経済的幾多の課題が山積しており、それ等の解決策について十分な協議がなされるはずである。コロナ禍然り、追い打ちをかけるようにウクライナ戦争で世界経済は混乱を極めているが、自由で開かれた民主主義国家群が結束してそれらの難問の解決に当たってきていることは、平和と繁栄を目指す我々人類にとっては、真価を発揮して好ましい限りである。G7は、その象徴的役割を十分に果たしてきており、今回を以て更に飛躍的舞台を準備して目的達成にまい進しなければならない。日本は、主催国で議長国であり、それを務める岸田首相の責務は重大である。以てその労を多として、目的達成に向けて尽力されんことを念願している。       5月18日

   初夏の到来を告げる日差しが、広島の空に広がってきた。危ぶまれた天候は、幸いにして地の果てに去り、幸運の女神が新しい旭日の光りを日本列島の地上にもたらしてくれた。今日19日から主要7ヵ国首脳会議が被爆地の広島で開幕した。世紀の役割を果たすことになった日本国の地に、既に世界各国から優れた指導者たちが陸続と来日し広島の地を踏んだ。議長国であり、議長を務める岸田首相の重責は誠に大なるものがある。時は、正にロシアの侵略を受けたウクライナの攻防が続き、豊かな農地の広がっているウクライナの領土は、熾烈な攻防戦が繰り広げられており、戦場には想像を絶する死傷者が連日の如く目の当たりにして、激しい戦火を交えている最中である。

  あってはならない非人道的な殺戮が、戦争という身勝手な行為によって今日も続いている。長期化する事態に追い込まれているロシアのプーチンが、最近になって核兵器の使用をちらつかせ威嚇する発言である。そうした中での平和と、法の秩序と、経済の発展を議論し、同時にウクライナ侵攻の即時停止を求め、そのための国際支援などを議論する場となって、緊急性は誠に大きいと云わねばならない。特に、岸田首相が掲げる「核兵器のない世界」に向けた道筋を議論することにもなっている。尚且つ現代的課題の山積に、いかに対処し国際秩序の維持と対立の解消を期すか、議長を務める岸田氏首相の手腕に世界が注目している。これから始まる3日間のグローバルな会議の主導に、議長を務める岸田首相に神の栄光が注がれんことを祈念するばかりである。

   今回の会議の特徴は、岸田首相の世界観を以て、G7の会議にグローバル・サウスといった名称で新興・途上国の国々が招待されていることである。G7が始動し活躍していく地域のみを以てしては、グローバルな協力関係を構築し、連携を図っていくことに限界があると認識した結果である。グローバルサウスといった国々にはインド、ブラジルの大国があり、韓国、ベトナム、インドネシア、コモロ即ちアフリカ連合、そしてクック初冬などが含まれている。自由で開かれた太平洋を議論するには欠かせないくにぐにである。つまるところ、南半球にある東南アジア、中東、中南米、太平洋島しょう国などが広く招待されている。これらの国が一堂に参画することは画期的なことであり、以て公正で透明で、建設的な世界的潮流を形成していくに大きな役割を課すことにもなる。億歳会議の潮流は、分断と対立から、広く共生と協調をうながしていくことにもなる。

   サミットは19日の午前、平和記念公園での公式行事からスタートした。岸田首相の案内で、G7の各首脳らが原爆ドーム前に集まり記念撮影した。互いに談笑しあい笑顔で並んだ世界のリーダーたちが印象的であった。アメリカのバイデン、イギリスのスナク、ドイツのショルツ、フランスのマクロン、カナダのトルドー、イタリアのメロニー、そして日本の岸田ら各首脳である。残念ながら世界を二分した一方の陣営であるが、自由と民主主義を標榜し、結束を強める同盟国を代表する錚々たるリーダーたちで、一枚の写真に納まった。原爆ドームの前で並んで、付箋と核使用禁止、更には廃絶を訴える「平和と反戦の騎士」の面々である。

  各国首脳はそれに先立ち、岸田首相の案内で広島の平和記念原爆資料館をたずねた。視察は四十分以上、約一時間近くに及び、悲惨な原爆投下に在った広島の状況の夥しい資料を目の当たりに、その実相に胸痛く心に刻んだに違いない。視察を終えて皆、深刻な面持ちで資料館の会場から出てきた。G7の首脳たちが揃って資料館を訪ねるのはこれが初めてである。2016年にオバマ大統領が訪問している。世界の指導者たちにぜひ訪ねて悲愴極まる原爆投下の惨状を自分たちの目で確かめてもらいたい。78年前の悲劇が、いまだにくすぶり続けていることに心を割いて、戦争の惨禍と無益さを体験して今後の政治に生かしてもらいたい。訪問した指導者たちは、それぞれ芳名録に思いを記して記帳してくださった。


  続いて各首脳は揃って原爆死没者慰霊碑に献花した。中学生たちから献花の花輪を渡されると静かに供えた花束は、今は亡き安らかなみ霊の前に捧げられた。献花台の奥には永遠に灯る鎮魂の灯し火が、初夏の風に揺らいで心休まる気がしたのである。近くの場に移動した首脳たちは植樹祭に臨んだ。この樹は染井吉野を接木した2メートルほどの苗木である。しかも原爆投下の惨禍の中を生き延びてきた、「被爆さくら」と呼ばれている。太く逞ししく育っていき、爛漫の花を咲かせて慰霊の心に一層の慰めを与えてくれるに違いない。   


G7に参加してこられた各国の首脳者たちは、内外の政治、経済情勢の公務を処理しながら慌ただしい日程をこなしてきている。切り詰めた時間での国際会議である故、疲労も重なっていることに違いない。19日

   G7広島サミットに招待されたグローバル・サウスの構成国の中でも、インドのモディ首相の立ち位置が注目である。2日目、G20の議長国のインドなど、招待8か国の首脳らも交えた拡大会合を開き、食料・エネルギー問題を含めた地球規模の課題などを議論した。それに先立ち岸首相はインドのモディ首相と相対で会談し、モディ首相との真意をとらえておくべく努力を図った。

 冒頭、岸田総理大臣から、G20サミット議長であるモディ首相の広島訪問を歓迎するとともに、3月のインド訪問に際するモディ首相の対応に改めて謝意を表した。また、岸田総理大臣から、インド訪問の際にモディ首相から授与された菩提樹の苗木は、広島の植物園で育てていただくこととした、日印関係と同様、大きく育てていきたい旨述べたところ、モディ首相から、G7サミットへの招待に感謝する、苗木を広島で育てて頂き、大変嬉しく思う、広島でG7サミットを開催することは非常に意義のあることであると述べた。

  岸田総理より、今回のG7サミットの進め方につき説明し、その中で、主権、領土一体性という国連憲章の原則を守ることの重要性、世界のどこであれ力による一方的な現状変更を許してはならないこと、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持する重要性といった点を強調し、両首脳は平和の実現に向けて協力していく旨で一致した。また、両首脳は、国際社会が直面する諸課題に、幅広いパートナーが協力して対応することが重要との認識を共有し、G7とG20の議長国同士で引き続き連携していくことを確認しあった。

  両首脳は、二国間関係についても議論し、「自由で開かれたインド太平洋」の重要性につき認識を共有し、様々な分野で協力を進めていくことを確認した。また、両首脳は、留学生の増加や2023年度「日印観光交流年」等を通じ、人的交流の拡大に努めることで一致しました。

  インドは地政学的にもインド太平洋地域の要衝であり、世界貿易の中継点をけ生する重要な地域である。経済発展を遂げ農業、工業のほかIT領域に多額の投資を行って超近代化時代に対応する政策をとって成功を果たしてきている。人口は14億2000万人と言われて正確な数字がないくらいで、早晩中国を抜く勢いである。中国は従来行って来た一人っ子政策によって、その後の人口減少に歯止めが効かない。加えてコロナによる閉塞政策が長引き、経済低迷から脱却できない状態が続いている。中国を飛び越えていくインドの今後の政策と対応が、G7にとっても重要事項である。対ロ政策を巡っては、欧米諸国と一定の距離を置いた対ロ戦略を図っているが、対ロ関係についてはそろばん勘定で独自の政策をとっている。

  ロシアのウクライナ侵攻では、モディ首相のロシア訪問の際、彼はプーチンに対して「今は戦争をしている時ではない」 とプーチンに直接伝えている人物である。その国の動向が気にかかるが、インドのモディ首相をG7にひき向けていくことは戦略的にも見逃すことができないことは岸首相の心中である。欧米諸国がこぞって対ロ経済制裁を遂行している状況下で、唯一ロシアから膨大な石油の輸入を図ってきているしたたかな国でもある。今回のG7でのグローバルサウスの一員として招待されているが、大国の風格宜しく日欧米と中露の間に立って、良くも悪くも巧みな外交交渉を以て臨んでいる。岸田首相が最恵国待遇の国として一目置いて、都合宜しく歓迎する所以でもある。

    ウクライナのゼレンスキー大統領の参加

   オンラインで参加を予定していたゼレンスキーが外遊先から急遽、来日した。用意されたフランス国の専用機にのって広島空港の滑走路に無事に到着した。タラップを足早やに降り立った果敢な政治家に、戦場の祖国と国民の運命を双肩に背負って、獅子奮迅に活躍する一兵士の勇姿をみたのである。
  G7、そしてグローバルサウスの首脳たちが集まる広島サミットに参加するため、予定のオン来から急遽日程をを変更して直接参加へと、広島飛行場に夕方着陸、慌ただしくリスクを賭けた電撃的来日である。そしてその夜から可能な限り重要メンバーの首脳らと対面外交を演じ、精力的に問題解決の道を探った。近くに親しく見る同氏の面立ちに、誠実さと、情熱と意志の堅固さが強烈にうかがえたのである。ゼレンスキーの参加によってG7とグローバルサウスの多彩な会合は、より大きな平和へのメッセージとなって全世界の注目を浴びて更に連携強化のための団結と、実行力を伴い意義あらしめる結果となった。

  ロシアのウクライナ侵略の停止と即時撤退を呼びかけ、戦後処理を協議する段階に世界が固まって来ている。核使用すらちらつかせ、暴虐プーチンが主導するロシアの蛮行により、農業国のウクライナの被害は全世界に農産物の良好な需給関係を崩し、市場を混乱に貶めている。世界に蔓延している今日のインフレの元凶ともなっている。 人類にとってこうした最大の不幸を除去し、一刻も早く正常で秩序ある平和な国際関係を取り戻さなければならない。青葉、若葉の薫風そよぐ初夏の、広島に参集した世界の首脳者たちに、小異を捨てて大同に就く気概を以て連携し、以て尽力願いたいと思うことしきりである。これよりのちは、岸田首相が読み上げたG7広島サミットとグローバルサウスの、広島サミット採択の平和宣言を熟読したいと思っている。日本国の自由と博愛、正義と民主を謳い上げた憲法の前文を読み上げるような気持になってみたいものである。  5月21日

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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