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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

vol.16.12

いよいよ師走

   芝居見て思い出覚めて冬椿
   TPP衆議院可決山眠る       
   せはしなく僧の駆け行く師走かな    三郎

   いつもの年ながら振り返ると、あっという間の一年であった。歴史上記されるかもしれないほどに目まぐるしく動いた世界と日本国内の情勢であったが、その中で収めた成果が、将来に向けて有意義な基礎とならしめるか、逆に未来に対し不穏な混乱と瓦解の種とさせてしまうかは、これからの人間の賢明な思索と、勇気ある決断と、迅速な行動によるものである。寒風の吹雪く日、穏やかな冬の日差しの注ぐ日、師走の目まぐるしく変わる天候の空を見上げながら、しかし明るい前途を期待して今年の締めの月としたいものである。
   内外の激しい状況の中にあって実質一年に及ぶ選挙期間中、、世界が不安を以て注目したアメリカの大統領選挙がようやく終わった。次期大統領候補のヒラリークリントンが、共和党のトランプ候補に敗れた。予想外の結果であったが、民主党のオバマ政権が退陣することになった。代わって実業家出身で、政界では無名に近い共和党のトランプ大統領が新年早々からホワイトハウスで政権の指揮を執ることになった。既に政権移行への準備が着々と進められて、その輪郭がはっきりしてきた。政権人事をめぐって、トランプの危惧されてきた選挙中での過激な言動が緩和されてきて辺りに、トランプの本当の実力が垣間見られるようになってきた。この辺り、きわめて巧みな戦略と云うほかない。次第に着実な現実的政権構想の中身が分かってきて、アメリカはもとより世界中が安堵の念を抱き始めてきている。
   しかしトランプが打ち出した過激な公約は、依然として根底にあることも注意していなければならない。すべてを裏返して、都合のいい様に解釈し楽観視することは禁物である。そのうち厳しい対応を以て、次第に本性を現してくる可能性もある。政治家として本格的な舞台に登場することが確定した以上、至極当然である。最近は、より現実的な方向に舵を切ってきていることは確かである。これまで手を焼いていた案件について、ダイナミックに政策を打ち出してくるだろう。そうしないと政権交代の意味がない。内向きの、国内擁護の政策の採用はもとよりである。さりとて余り保護主義的で、極右的な傾向を生々しく打ち出してくれば、逆風にさらされるであろう。
   問題は対ロ、対中問題の対応には期待を持てるが、心配なのは、トランプの登場に刺激されて、極右勢力が台頭する気配が増すEU 諸国の今後の動向である。ドイツのメルケル首相が、最近の情勢について困惑している。EU全体に流れる悪しき風潮である。EU結束の目的を忘れ、履き違えた政治屋が、またぞろ跋扈する時代なのか。第二次大戦の惨禍を教訓にして生まれた大義を、彼らは見失いつつある。困った風潮である。移民や難民の問題も重要だが、要はその原因となっている政治的、経済的混乱の払しょくを図ることである。例えば悲惨なシリアからの難民の流出である。シリアとアサドの安定的解決さえ図れば、自ずと払拭されることである。国内の見対立と抗争を収め、強力な国際的布陣を以て治安と民生の安定に勤め、経済発展のスキームに持っていきさえすれば、悲惨な難民の発生は食い止められる。それが原因で起きているEU の混乱も避けられるのである。
   見方と発想を変えた軍事、経済大国のアメリカのトランプが、問題解決のために如何に実行力を以て出て来るかが大きな注目点である。トランプには内向きにならず、高々と帆を広げて広く海洋に出帆し、自由な平和な将来を目指した航海を続けてもらいたい。

   そこでトランプの大統領の指名が確定された後の世界の金融市場での動きが、評価の明暗を分けた点が注目される。暗い部分についてはその後のマーケットの動きで収斂され、ニューヨークの期待的評価を好感して連日の高値更新を記録している。このことは全くの予想外であった。日本を初め、世界はニューヨークの株価上昇に追随して、経済の追い風になっている。一時的かもしれないが、少なくとも世界は悲観と不信に陥ることなく、明るい兆しの未来を念頭に置くことが出来た。一時的なスタートが、経済回復の前哨戦となっていけば、これに越したことはない。走りすぎもあるかもしれないが、最初のインパクトが肝心である。このエネルギー、アメリカの物凄い力をまざまざと見せつけられる思いである。それゆえにアメリカでのトランプ新政権の今後の政策の一挙手一投足は、世界各国、各地に甚大な影響力を及ぼすのである。
   幸いアメリカは、選挙によって国を分断するような激震のあとを残したものの、ニューヨーク・マンハッタン洋上に燦然と立つ自由の女神が、アメリカ大陸を飄然として見渡している限り、自由と平和と博愛の精神の堅持に向けて、ゆるぎない歴史を刻んでいくことは確実である。大改革をめざし登場したトランプである。国内的にも、国際的にも問題山積の閉塞的状況を打破して、融和と秩序をめざし大判振る舞いで敏腕を振るってもらいたい。その限りにおいて、いい意味で他国をリードしてもらいたいと念願している。 その体力と才覚は、風格と共に、神から与えられている。
トランプ殿の選挙戦での大勝利を祝福し、ご健康とご活躍を、改めて心から祈念申し上げる。                                                  12月2日


トランプ政権に大きな期待感が

  連日の株式上昇に湧き立っている、このところの市場である。ドナルドトランプの現実的政策に対し、その派手やかな演出ンもさることながら、陣容を固めつつ奇想天外の人事は意外と手堅く現実的である。矢継ぎ早やに奨める外交は、来年初頭の政権移行を待たずに着々と進められている。四年の人気で圧倒的な支持を得て、問題の整理を図って素早く解決をいていこうとする姿勢がうかがえる。政権に連綿としていない大物の器である。その現実的な性格を好感し、はたまた積極的な政治姿勢を歓迎して、株式相場は連日好発進して高値を更新中である。この傾向が既に経済に好影響をもたらして、今まで斜陽産業の位置にいた経済圏にまで活性化を及ぼしている。
   仮にクリントンだったら、穏健な相場になって月並みの、材料織り込み済みの解釈で、相場は横ばい乃至は、低調に推移したに違いない。トランプに決まった後、ニューク・ダウはトランプ政権への期待感から既に2000ドルも挙げて、今や2万ドルを伺う形勢である。バブル的解釈ではないが、企業も家計も、大きな所得効果を生んで、生産も消費も、拡大化への効果はてきめんである。希望と期待を複雑に織り込みながら、トランプ政権は世界も注目して、その一挙手一投足に固唾をのんで見守っている。中国然り、ロシアも、トランプが起こす大きな波の行方をみまもって注視している。

*

三郎の徒然俳句
小春日の日和日記


あめつちに我ひとり立ち山眠る
屏風絵を広げてみれば富士の山
富士やまへ一直線の冬田道
オリオンの瞬く空に母の影
トランプの勝利に連騰のマーケット
トランプに期待の株式連騰す
安倍さんのトランプ会談御用納め
日本の平和行進富士の雪
国会に騒ぎおさまり松飾
民進党相も変わらず枯すすき
通り抜け禁止でもゆく酉の市
次の間に続くふすまの波がしら
トランプの顔描く師匠冬炬燵
トランプの笑顔親しき蕎麦の花
月光に光る積雪八ヶ岳
商ひを丸く収(おさ)めて年の暮
オフィスに飾りて置きぬ達磨かな
ローレックス銀座に出でし社会鍋
社会鍋銀座通りや人の波
植木屋を入れて迎へり年の明け
冬羽織はほりて行けば吾妻橋
この年を松前漬けに酒交はし
初詣行きたし場所の多くあり
早々とこれぞめでたき福寿草
茶柱や集ふ一門切炬燵
一門の揃ひし宅や鮟鱇鍋
餅二つあと一つ食べ朝の膳
この年も商ひ締めて力餅
冬景色おらが心も斯くありぬ
霜月と云ふ名の如く寒かりき
山小屋の親父と語る囲炉裏かな
上越の山静まりて切炬燵
探梅やあるじ久しく居りし宅
海荒れて佐渡の岬は海千鳥
豊洲より築地が安全波千鳥       以下、百句
                                    12月12日


三郎のつれづれ俳句冬日記
誰にでも詠める俳句や稲雀
寝る暇に無駄なく一句冬の月


この年の商ひ済まし力餅                三郎
冬景色おらが心も斯くありぬ
霜月と云ふ名の如く寒かりき
山小屋の親父と語る囲炉裏かな
上越の山静まりて切炬燵
探梅やあるじ久しく居りし宅
海荒れて佐渡の岬は海千鳥
豊洲より築地が安全波千鳥
不安なり豊洲市場の冬枯野
芝居見て思い出覚めて冬椿
汚染地の豊洲市場の冬寒波
定まらぬ築地市場や年の暮
こわもても笑えば親し大統領
独裁者カストロがゆく冬銀河
ドテルテと太鼓を鳴らすフィリッピン
習近平南沙造成漁り舟
プーチンの四島返還冬の陣
月光を浴びて輝く国後島
紅鮭の銀鱗白き択捉島
望郷の念こみあげて島吹雪
氷壁の北方四島の壁高し
安倍さんとプーチン鍋の差し向かひ
安倍プーチン地酒交わして切炬燵
慎太郎痴呆に化けて寝正月
長刀を振るふ椿や小池知事
小池知事いじめに遭ひて藁囲ひ
冬除けを覗けばいとし冬牡丹
寒月に餅を晒して青き夜
没落を晒す館の枯れすすき
蔦這ひて留守のやかたに他人の影
青函船冬満月の帰途につく
今は無き青函船の冬の旅
北陸の銀河鉄道雪起こし
夢路とも森羅万象(しんらばんしょう)山眠る
月光を突きて凍てつく槍ヶ岳
没日に北アルプスの山眠る
激しさや滾る落日前穂高
霜立ちて神留守がちのおらが里
箱根山軽く包みて枯野かな
冬の川奥羽を北へ流れけり
最上川北を巡りて出羽三山
冬めくや抜かれしままの芋のつる
知り尽くす浅草界隈年の市
蔦はひて居酒屋覆ふ年の暮
滝落つる音冬めきて新しき
冬ざれに鼻赤くして登校児
冬ぬくし漁村の家の明かりかな
冬の海荒野のごとく鳴り響き
九十九里果てなく光る冬の海
冬の浜波の沖にて消えにけり
半ばより止まる袋田冬の滝
岩山をかくまふ滝の凍てるにけり
風荒れて佐渡は遠きに波の花
大熊手景気付けたり酉の市
裏道をすり抜けていく年の市
一門を迎ふ門松勇ましき
居酒屋で酒飲みかはす年忘れ
蕎麦がきに松前漬けや年忘れ
屏風絵を開けし座敷の広さかな
備長炭包む筵(むしろ)の匂ひかな
練炭の穴噴くあとに崩れけり
練炭の穴より炎噴きあがり
ちゃんちゃんこ羽織りて暮れの蕎麦屋まで
最上川北に上りて月見舟
ほろにがき秋刀魚の腸に挟む箸
秋刀魚焼く脂滴り荒れる火よ
奪ひあう七輪の火や秋刀魚焼く
火の廻る秋刀魚の怨念あるらしき
火もまわるおん念のもと備長炭
火が回る備長炭に力あり
炭俵担ぐますらお山男
炭俵ほどき始めて年の鐘
総領が屏風を背にし初の膳
波音の高く聞こえてはみな月
海荒るる流氷の影水平線
せはしなく僧の駆け行く師走かな
あれこれと思い巡りて年の暮
電柱のカラスが滑る師走かな
何もかも流し忘れて年の暮
大年の夕日をのせて雲ありき
動かずに大年の雲陽をのせて
霜月の牛の息する白さかな
年越しの蕎麦にオリオン座からまりて
割りばしのそばを絡めて美しき
蕎麦を打つ音の静けさ年の暮
年越しの蕎麦美しくながながし
若菜集初恋を読む霜夜かな
嬉しさも半ばなりしや日脚伸び
鹿鳴集手にいかるがの雪の旅
初恋は胸にも熱き霜夜なり
初時雨小袖も濡れて京舞妓
初時雨友の病ひの如何ばかり
親友の多くが傷む霜夜かな
初時雨友の病ひを見舞ひけり
五十余年ぶりに東京の初の雪
道央(どうおう)の菓子はこの店六の花
牡丹雪花の彩る京の街
白壁に白く影付く牡丹雪
馬の目に我れが顔のありしまり雪
消炭の今日斯くありを見届けり
復活の刻一刻の我が身かな
恙なく過ぎぬ我が身や神の留守
神の知恵、力に浴す日永とも
鶴(かく)竜(りゅう)の艱難ののち優勝す
無愛想顔のほころぶ鶴と竜
神の留守九州場所の熱気帯び
鶴竜の優勝決す注連飾り
父につき人並み分けて酉の市
パク・ウネてふ女のあがき年暮るる
国民を欺く朴の年の暮
カストロの死去の知らせに年暮るる
独裁者カストロの死や冬銀河
カストロの良くも悪くも世代過ぎ
しめ縄を固く結びて気を締めて
何となく安き覚へし注連結び
注連縄を確と結びて梅古木
注連飾り終えて明るき灯篭かな
どんこ汁名物鍋を茶店にて
山形の里の名物芋煮なり
韓国の学歴社会海荒れる
大統領退陣の声冬の陣
朴女史の職権乱用厄落とし
葉牡丹の葉のほのぼのと色ずきぬ
葉牡丹の虹の色染め広がりぬ
冬牡丹風音の日の藁囲ひ
先取りす波乱万丈とも年の春
初日の出良くぞこの地に生まれける
初日の出富士山近く輝けり
まほろばの海を渡りて初日かな
おめでとふテレビでゑまふ明子かな
モーサテ今年も跳ねて初テレビ
正月や笑ふ女房の艶めきぬ
殊のほか艶めきてをり妻の春
まほろまを照らして光る初日の出
健常に今年も生きん初誓ひ
人のため世のため生きん初詣
一の字を筆に下して書初めん
褌をきりりと締めて初の酒
トランプが火付け役なり暮相場
化けの皮剥がす女の恐ろしき
彼岸花悪女の顔の崩れけり
侘助や朝鮮半島地割れして
侘助や朴政権の崩落す
金縛り五輪と豊洲の怨念の
千両と万両重ね歳明くる
大根を洗ひて吊るす軒の下
大根を洗ひて妻とすだれ干し
侘助や朴氏のひそひそ話して
晩年の顔霜枯れて慎太郎
艶めきて山椿かな小池知事
卒寿なり向ひの女の初笑い
歳明くる富士を仰ぎて第一歩
新玉の年を寿ぎ鐘をうつ
まほろばに光射したり明けの春
三井家の孫が礼して福の春
小池氏の主が礼して年初め
元旦や晴ればれと建つ富士の山
元日の端山の雪の黄金色
元日の畑の畝に青菜立つ
家族皆うち揃ひ福の春
羽をつく童の声や辻の先
注連縄(しめなわ)の匂ひのすがし裏千家
畳替え匂ふ座敷は十二畳
注連縄の匂ひめでたき佐々木宅
庭畑の土の匂ひの新たなり
蓬莱や雲より出づる富士の山
蓬莱の掛け軸かけて部屋広き
床の間に置きし水盤福寿草
米粉の散る床の間の鏡餅
床の間にどんと置きたり鏡餅
不動なり我が肝っ玉飾り臼
お祓いを受けて座るは飾り臼
縄を締め土間に置かれて飾臼
福藁(わら)を束ねて祝ふ飾り棚
ふくさ藁多少敷きたり庭の中
年賀状年々歳々寂しけり
年賀状確かに人の所在あり
書きそめに夢と希望と未だ書き
書初めに一筆たらし画龍点晴
書き初めや一字を縦に那智の滝
五反歩の土を耕しおらが春
金はなく心豊かに酉の歳
トランプも金のみでなく人の為
トランプに倣ひて飛翔す酉の歳
オリンピックやたら騒がず年の春
安倍さんの更に空飛ぶ酉の歳
鼾かく習近平の捨案山子
喧嘩凧上がるトランプと習近平
FBR利上げに為替のドル高に
急激な為替変動の歳の冬
鮭、鱒の踊る銀輪北の島
安倍プーチン会談に置く鮭と鱒
安倍プーチン話は引き分け二分割
プーチンが抜くか宝刀島返還
民進党すべて反対で年暮るる
議決せず退場・職場放棄なり
顔見世となるやトランプ初政権
ともかくも株価連騰暮相場
株上昇年末商戦好景気
したたかなプーチン外交暮の歳
遅刻癖プーチン外交冬の陣
ふるさとの寒月を見る元島民
安倍さんのふるさとの湯の冬景色
安倍・プーチン会談に見る雪見酒
人情に触れてもてなす安倍首相
流氷の四島返還のの厳しさよ
冬怒涛北方四島奪還戦
鮭・ますの光る銀鱗北四島
猪鍋に酒酌み交はす日ロ首脳       12月16日

  忙中の閑、このところ和歌のみならず、俳句を手掛けて心から発するままに句を作りしたためている。即興の句作なので、メモ用紙に手当たり次第に書いているものだから、これを綺麗に取りまとめるに苦労している。人手不足もあって、自分で書いたものを自分でパソコンに打ちかえている。パソコンに向かって文字を打ち込んでいると、それがきっかけで、和歌や俳句を詠んで行ってしまうこともあって、これは打ってつけだとばかりパソコンの便利さを創意、創造的に活用している。打っているうちに単に書き写すのではなく、その場で創意的に発想を文字に即座に打ちかえているので、便利であり効率的である。こんな調子で歌なり文章なりを書いていると、留まるところ知らずである。面白くなって、あとから後から新しい知識が湧いてくる。脳の回転が良くなってきて、その意識が自分でもわかる。パソコンを駆使できる小説家は、昔に比べると実にチャンスに恵まれてきている。質、量ともにである。電車の中をはじめとして、あらゆる機会を掴んでスマホを操っているが、あんまり見てばかり入りと、人間が馬鹿になる。スマホを使って自分自身をスマホに組み込んで、これを最大限生かす方法を工夫すべきである。

   トランプ騒動も、爆発的人気も漸く峠を越えた。新しい政権の枠組みも出来上がり、政治、経済、文化といった分野での思惑立った状況から脱却した。新政権発足前に、FRBもそれを見越して独自の金融政策に着手した。金利を0,25パーセント引き上げて、量的緩和政策を止揚する場面に入った。それほどにアメリカ経済はここ数か月にわたり、好調裡に推移してきた。連邦準備制度理事会はをれを見て利上げに踏み切った。市場は既にこうした動向を見込んでおり、利上げに赴踏み切った後のマーケットは、思惑払拭で逆に堅調である。為替も円安に振れて1㌦17円にドルが上昇している。トランプの選挙結果以来の短期間に20円近くもドル高を演じて、驚異的である。
   新政権は新年早々の一月二十日に発足するが。選挙中、アメリカ第一主義を声高にしていただけに、厳しい経済外交政策を以て攻撃的姿勢を崩さずに出て来る可能性がある。日米同盟を堅持することが、トランプ政権にとって有利であることを理解せしめるまでには十分な時間がかかるかもしれない。トランプにとって人事の布陣は実力第一主義をとって万全の大勢である。トランプ政権にとっては、国内経済の好調さは、追い風である。MAKE、AMERIKA GREAT AGAIN を目指して蛮勇を発揮するであろう。
   ソフトバンクの孫さんは、トランプに会って向こう五年間の間に五兆円の投資をする約束をしてきた。そして五万人の雇用を生み出すとしてきた。体は小さいが、気概は豪快である。受けたトランプも喜んで飛びついた。政治と外交は、民間人が直接時の政治家と向き合って話し合うことは、現実的であり、実際的であり迅速な効果を発揮する。相手次第だが、これでいいのである。孫さんの見方は的中している。私だったら倍の金を引っ提げて、トランプに確りとやれと云ってくるだろう。これからの日米同盟を強固に築いていこうとするなら、国土の狭い、資源のない国は、それで行くしかない。十兆円の金を公共投資に廻せば、ケインズの乗数理論を引き合いに出すまでもなく、消費に乗数効果をもたらして25兆円の所得効果をもたらす。更に、サミュエルソンの投資の加速度原理を応用すれが、相乗効果をもたらして35兆円の設備、研究開発投資を呼び起こす。これは経済原則である。民間企業を最大に活用すれば、経済は円満に稼働する。拡大過程で悪を排除した、均衡を保つチェック機能さえ正常に稼働させておく限りにおいてはである。指導者の力量が、その時に試される。
            *

   期待の内に、昨夜来日したロシアのプーチン大統領である。日本が北方領土四島返還を求めての日ロ交渉が、プーチンの来日を機に更に深刻、白熱した話し合いが、安倍さんの郷里である山口県の長門市の温泉ホテルで昨夜の夕刻から始まっている。通訳を交えて二人だけの会談となって、話し合いは深夜近く、九十五分に及んだ。じっくりと突っ込んだやり取りがあった模様である。日本にとっての成果は厳しいものがあるが、安倍さんにとっては、この解決と前進は年来の念願であって、何としてでも一定の成果を引き出したいところである。相手はしたたかな性格を持つロシアの人である。ましてやり手の政治家プーチン、プーチンとの友情を強調してみても、人情的には冷徹である。ソロバン勘定で譲歩することはないし、豹変することもある。彼にしても、ロシア国内の複雑な事情も負っている。
  事実今のところ絶大な権力を維持しているが、プーチンの人気は国内の経済成長の低迷と、失業の増加で一時は不穏な形勢である。原油価格の暴落と、ウクライナ併合に抗議した欧米の経済制裁で、国民経済は疲弊してプーチンの人気は落ち込んでいる。しかしウクライナ併合に見せた強権的政治手法で、ロシアは国威高揚に浸っている。そこにプーチンの人気が温存されているに過ぎない。経済的低落の現状から、プーチンの思惑はこれを何とか切り抜けたいところである。日本の経済投資と援助は、まさに垂涎の的である。ウクライナの政情の中、クリミア半島を奪い返したプーチンの人気が今、温存されているに過ぎないこの期間に、日本からの経済支援を手にしたいところが透けて見える。
   領土問題については、ロシアは昔から南下政策で歴然である。領土に対する執拗な拡張政策を以て歴史に臨んできている。そもそも手に入れた領土をたやすく手放すはずはない。北方領土返還についても、過去の交渉過程は一切無視である。だから平和条約締結交渉と、その後の二島返還については、すでに白紙状態である。しかもプーチンは最近になって北方四島は、第二次世界大戦でロシアのものとなったと言い出している。そして戦後70年経過している間に住民の多くはロシア人で居住を締め、インフラの整備も行われ一部は核ミサイル基地として防備が進められている。これらの島も極東地域における軍事基地として変容している。日ロの経済共同活動の特別地区に指定して、その発展過程の進度に合わせ領土問題を論じていくと云う、極めてあいまいな考え方になってきている。交渉の見通しはかなり難しい。
   交渉に来日したプーチンさんであるが、安倍さんのふるさとは、長門の風光明媚な景色を眺め、おいしいご馳走をたらふく召し上がってもらいたい。そして癒しの温泉に浸かってもらい、十分休息を得た後、信頼を基礎にした友好親善の旅を少しでも深めて行ってもらいたいものである。昔、三十年前ごろになるかな、著名な政治評論家の藤原弘達氏を招いて講演会を赤坂プリンスホテルで催した。その時、彼が北方四島の返還について論陣を張ったことが記憶にある。その時の彼の云ったことを今、まざまざと思い出して、今日の状況に重ね合わせてみたのである。 今日において考えられることは、おそらく領土問題を避けて、先ずは現実的な手法を以て対応することになろう。それは、日ロ両国に依る四島の経済共同開発構想を推し進めて、相互に信頼関係を築き上げてからの平和条約締結へと進み、領土の問題の解決への道を模索する、そうした結論かも知れない。苦渋の構想と選択だが、より現実的な道を選んだものとなるかもしれないし、そう解釈するしかないだろう。今夕に発表される共同声明が注目される。  12月16日

    17日付の各種朝刊紙の一面は、昨夜の安倍、プーチン会談での共同記者会見が行われ、北方四島での日ロによる共同経済活動を実現していくために、実務者レベルで協議を開始することを発表した。安倍、プーチン会談の結果は予想した通りのものであった。現段階でで領土問題を議論しすることは敢えて避けた形である。つまり棚上げされた。記者会見に臨んだ二人の印象について、特にプーチンの疲れ切った表情が印象的であった。それに対して安倍さんの様子は、どことなく自信があって落ち着いたものを感じた。記者会見のさなか、安倍さんは終始プーチンの発言について確かめるように見つめていたが、プーチンは常に原稿に目を落としたままの固い表情であった。この相違をどう見るかである。来日するプーチンの過酷なスケジュールの疲労が原因かもしれない。評価はまちまちで、プーチンの一本勝ちと表する者もいれば、安倍さんの現実的な対応で、プーチンを追いこんで、領土問題を暗に含めて今後の約束を取り付けたと評価する者もいる。しかし目論んできた領土問題については、両者から一言の発言もなかったことが、問題の深刻且つ複雑性を思わしめるものとなった。一層の疑心暗鬼を生むことにもなっている。大方の日本人が失望を感じたのではないか。交渉の成果を論じることは難しいが、後世の歴史が判断を下すことになる。
   1956年に行われた日ソ会談では、平和条約の締結に話を進め、然るのちにハボマエ、色丹の返還を確認した。そして両国の関係の這って㎜を見て、最終的に国後、択捉の二棟の返還がなされるものであった。しかしロシアの思惑は変化してきている。七十年余が過ぎて実効支配が進んで、ロシア人の入植者たちは年々増大してきた。世代は三世にも及んできている。ロシアにとっても極東の軍事基地にも変容している。なかなか日本に引き渡せない状況の展開である。その後の交渉では何かと紆余曲折が繰り返されて今日に至っている。二島返還どころか、棚上げになって、プーチンの云った引き分けでもなく、やり直しで振り出しに戻った。それどころか白紙と云う見解もある。従来の議論は踏み台にならず、新たな発想と仕組みを考え出していくことになった。今回は、そのための重要な会談と見るべきである。
    最近の国際情勢も微妙である。日ロの接近を冷ややかに見る国際情勢が背後にある。クリミヤ半島の併合で、日本は一方でG7と共同してロシアの経済制裁を行っているさなか、一方でロシアとの経済共同活動と云う構想を持ち出しても話自体が矛盾している。それとこれとは熱だという人もいるが、現実にとおる話でもない。北方四島に、それほどの魅力もないという経済人もいる。二者会談で表に出せない約束事があれば、又別の解釈もなされるが、その点については何もわかっていない。共同経済活動には、具体的に8項目の協力を挙げて合意がなされた。目的は、先ず経済協力によって相互の信頼関係の構築が確立してから、平和条約の締結に入り、そして領土問題の解決を図るという過程である。しかし基本的に大きな問題をはらんでいる。
   日本としては、領土問題を棚上げして、主権がロシアにあって、施政権がロシアにあったままで、経済協力が出来るかと云えば、その道筋も困難であり不可能に近い。そこで特別な制度を設けて、これを推進していくという構想である。即ち北方四島の、経済特区のような仕組みである。日本企業は安心して進出していけるような環境整備を整える必要がある。今ロシアは経済的な不況に陥っている。それは原油価格の値下がりによる打撃であり、ウクライナの併合に反発して、G7から受けている経済制裁である。ロシアとプーチンは、こうした状況から脱却したいと目論んでいる。そこで極東地域で、日本の経済協力と技術協力を得たいという思惑もある。どのように天秤にかけて交渉を進めていくべきか、それが重要である。
   今後の世界的潮流と展望は、来年一月二十日に就任するトランプの世界戦略とも絡んできて複雑な情勢で、日本の対応も重大な岐路に立たされて居ると云わねばならない。過去、十七回に及んだプーチン氏との会談の話し合いを含め、今回の難解な交渉に臨んだ安倍さんの懸命な努力を、心から多としたい。 色々な憶測はあるものの、結果生まれた今回の秘策である。九十五分間に及んだ二人だけの会談で、秘めた約束がなされている筈である。それは近い将来において、北方四島の帰属に関する問題解決の要となるものかも知れない。共同記者会見に臨んだ、安倍さんの自信に満ちた表情からうかがえることである。今後は、日ロ共同経済活動の構想を推進していくしかない。具体策はこれから出て来る。そこに日本の戦略があるとすれば、それはそれで良しとすべきである。  

           *
来日のプーチン閣下を歓迎し意義ある時を過ごし行かまし

流氷の寄する北海の厳しさに北方四島の今日もさらさる
歌ひけり山崎大佐の指揮を執るアッツ島での玉砕の歌
終戦の二年前に歌ひけるアッツ島での神国玉砕
兵士らを牛馬のごとく扱ひて素手で敵陣を攻めて死なしむ
終戦後侵攻開始のソ連軍満州、樺太、千島列島
悲惨なり物資補給の絶へしあと飢え死に、自爆の極寒の果て
大本営発表による出鱈目の宣伝の犠牲となりし日本
アッツ島玉砕のあとの戦争の死者の三百十万人なりと
白旗を掲げ素手で行く兵士らに機銃掃射の雨を降らせり
過去の事こだわり居ても仕方なし前に進みて事を解き行く
安倍さんの誠意の甲斐にプーチンを迎ふ故郷の旅の空かな
安倍さんの親愛こもる接待に恥らひ惑ふウラジミールよ
お互ひに愛称で呼ぶ仲なれど国益重視となれば別なり
ロシアには塵ほど小さき領土にて強欲丸出しの性の浅まし
戦争で得た領土だとぬけぬけと抜かすプーチンの今に至りて
ロシアより愛の映画は虚しけり安倍プーチンの不協和音に
期待せん安倍・プーチン間に交わされた信義に立てる密約説も
安倍さんの粘り強さにプーチンも勝負あったの負けの判定
トランプがプーチン、習近平と打ち合ひて場外乱闘とならなければ良し
ドナルドとウラジミールと呼び合ひて手を組み合へば世はおだしかも
世の中の平和の道は我を張らず欲をかかずに施すにあり
トランプに憂慮の点が潜むなり金権丸出しに進むそのあと
トランプのアメリカ第一を掲げ行く他は野となれ山となれでは
世の中はアメリカのみに在らずして丸く治めて米に返れる
仏教とキリスト教的精神を培ひ行けば世は安らぎぬ
狂信的妄想に長け他を排すトランプにも又自制求めん
交渉はウラジミールの勝負とも云うふ人もありどちらでもなし
強欲に生き強欲で人を刺す理屈を通す人まかり出る
安倍さんの努力虚しくプーチンの極めて悪ろき交渉相手に
戦争の勝利の結果取得せる領土と云ひて憚らぬ人
満州も樺太、北方四島も勝ちの戦争で得た土地なるや
白旗を上げて無条件降伏を受けし日本に攻めしソビエト
紅鮭の銀鱗光る北海の海の豊かに荒れにけるなり
生産性低き北方四島の日本企業の進出や如何ん
日ロ間あはぬ経済合理性北方領土の地政学のみ
プーチンの心を射るか島民のしみじみ綴る望郷の念
親しみのもてる安倍さんにプーチンの旅の疲れも癒しけるらし
北方の領土返還交渉をいきなり出してはことは進まじ
交渉はさすが大物同志にて秘かに約束交はす説あり
投資のみ盗られて四島の島々もとられる仕儀のなからんことを
紆余曲折あまりに多き交渉の戦後七十年を過ぎにけるなり
この年もあと幾ばくとなりにけり真さおの空に眺む富士の嶺
穏やかな冬の日和に打ち過ぎて陶潜の詩しばし読むかな
悠然と南山ならず富士を嶺を眺むる今朝の悠久の気や
簡単に行く気配なし商談の対ロ、対中のいかさま多し
日本にも不良外人のあまたいてあの手この手の詐欺横行す
外国にあまたの投資をするよりは安全安心の国内投資
トランプの世界戦略を視野に入れ日ロ関係の再構築も
ニューヨークダウ上昇に2万ドルまじかに見えて意気横溢す
トランプの米・第一主義の真相を確と掴みて先を見るべし
ニューヨークダウ2万ドルの達成の後も驀進の気配あるかも
快男児トランプ登場にアメリカン・ドリームに湧くアメリカ大陸
ポピュリズムとか云うべき風潮も仕分けしがたき民主制度下
トランプの独走を許す風潮も怪しき性と注意すべきや
中庸のある政治こそ持続性正規の道を歩むかしこし
指導者の思想と勇気の魅力あり如何んによりて斯くも変われる
都卵胞の多彩な人事に政権の実に才覚力量に富む
シェールガス更に汲み上ぐ機運にて砂漠に大型起重機の列
トランプの既に金銭の執着を断ちこれからは人のためにと
想像だにせぬトランプの躍進に米の未来に暁光の射す
マンハッタン洋上に立つ象徴の自由の女神の光り放てり
アメリカに所得格差のなき社会目指すトランプの現代的意義
若き頃たびたび行きしニューヨーク空高く伸ぶビルの林立
日本も米にならひて株式の二万をめざし追ひて行くかも
国力を示し数字のゆるぎなき米・経済のバブルならざる
リーマンの不正がらみの融資にて世界の秩序を壊す過去あり
日本のバブル再燃の来たらざる慎重融資の銀行姿勢
FOM金融政策のかじ取りの見ごたえありて穏健なりし
着実に資産の価値の上昇に見ごたえありて言を忘れる
国力の日々に増し行くアメリカのこれぞ市場経済の魔力なりき
資産価値上げて所得効果を発揮せり即ち購買力の上昇につなげし
この力侮れがたしトランプの大革新の世にもたらしぬ
トランプに習近平もプーチンも鳴りを静めて見つめ居るらし
混迷のEU、アジア、後進国トランプ旋風と波のうねりに
大物の世界に出でて実業家、企業家なれば異端的かも
良き点は見習い先に進むべし異端児トランプが良き兆候なりき
難民となりてシベリア抑留の捕囚と身にて死す友らあり
エネルギー革命下のロシア経済の原油依存の定め危ふし
戦争で勝ち取る北方四島のロシア領土と述べるプーチン
日本の北方四島に進出す企業の果たしてあるやなきやと
日本の企業のロシア統治下に共同経済活動の否
日本とロシアに利する制度化に共同経済の活動を期す
思いひ出す昔の軍歌にアッツ島山崎大佐の玉砕の歌
悲しみの歌とひびきてわが胸に山崎大佐指揮を執るなり
愚かなり第二次大戦の指導者の廃墟の果てに国は負けしも
氷壁のつながる果てにカムチャッカ半島在りてこれぞどの国
プーチンの青ざめし顔そわそわし反して和める安倍の顔よし
話し合ふさなかに右顧左眄するプーチンの謎解せぬ理不尽
日本とロシアのそもそもの国民性違ふ性格の顕はなりしも
振出しに戻り新たな発想に立ちこの問題を解くはかしこし
安倍さんの自信に満ちた表情に問題解決に核心を得てや
安倍さんがこだわる二つの課題あり謎なぞを解く難題に等し
プーチンの予想通りの豹変に北方領土の返還交渉
思い出す藤原弘達の達観に北方領土の先を見据えて
ふるさとに招く安倍さんの親しさにほろりとしたるプーチンの顔
温泉に浸かる間もなく離日せるプーチン来日の多忙なる日よ
北極の風にも等し択捉の海の狂へるカムチャッカにまで
北海の波の飛沫に鮮やかに見えし北方四島の影
若者は今住む気配うかがえず老人のみの望郷の念
オーロラの壁の天空にそそり立つ西より北に移りゆくなり
両雄の二人が話す会談に秘策を秘めて先に期すかも
日本の小さき漁船の波に消えまた浮かびつつ船の危ふし
根室より眺むる里は月光に白く輝く山なみの果て
北極の切り立つ氷河と思へしか択捉、国後の白き山なみ
国後の島の広さは歯舞前の何十倍とありし島とは
四島を経済共同活動の地となし成果ののちの条約
むずかしき条件交渉を成果とす日ロ会談の約束の末
うやむやの交渉にうやむやの結論を得てうやむやに約束致す
荒波のけはしく砕け岩頭にその間に見つる月光の島 
忘れまじ青函連絡船に乗り荒れる北海の幸の豊けき
幾ばくの距離にてあらん根室より北方四島のかくも近きに
望郷の念を綴りてプーチンに手渡す文をじっと読む彼      12月17日


トランプに習近平もプーチンも鳴りをひそめて見つめ居るらし
拡散すテロの攻勢にグローバル社会が打って立ち向かふべし 
難民を受け入れて立つメルケルの悄然たりしテロの仕打ちに
騒がしき世を逃れ来て竹林の住まひに墨と筆を運び来
陶潜の漢詩を読みつ酒を飲む悠然として富士を仰げり
竹林の仮の住まいに炉を結び酒飲みほしつ雲を見つめり
おもむろに青春時代の書を開き古き匂ひにしばし浸れり
キリストの情けに触れていみじくも神のご加護に在りし我が身は
世界よりテロと暴力を追放し平和の世にて富を使はん
庭に咲く小菊の花をたをり来て父母のほとけに供へけるかな
みほとけの童に似合ふまなこにて向き合ふわれに微笑みかけり
きりすとのなさけにふれていみじくもいましわがみのあるをおぼへし
前線の配置とはいえ温かき冬の日和に恵まれしをり
菊の香の匂ひ漂ふ庭先に憩ひてをれば雀よりくる
年の瀬のせはせはしきの束の間に和歌の数首を詠みてのどけき   12月21日


クリスマスイブ

  クリスマスイブは土曜日に当たった。朝から穏やかで温かい日和であった。勤務先は休日だし、窓から斜めに差し込む明るい光に気づいて目を覚ました。太陽の日は既に高くあがっていた。家内は洗濯を終えて庭で干し物をしている。まっ白な布がすがすがしいし、今日は絶好の洗濯日和である。家内が働いている間、小生はのんびりと寝過ごしてしまった。今日が休日であるということを、身体が感覚的に反応して、私に意識とは関係なく、充分休養をとるように別のところで指示した居るのだ。無意識の生理現象である。燦々とそそがれる太陽の光に当たっていると、自然の恵みを凝縮して授かっている自分に気づくのである。聖書の創世記にある言葉をふと思い出したりして、俗っぽい解釈を使ってしまい小生も神ってる感じになって来た。今年の流行大賞になったそうである。言葉の内容についてはさまざまな思いがあるが、努力の成果について然るべき恩恵を授かったこと、自分に不思議な力があって自信につながっていること、この二つを複合してそのような霊感が湧いた結果だとすれば前向きなこととして好ましいことである。けがらわしい興味本位な言葉でなくて良かった。人間は気持ちの持ちようで、どのようにも自分を変えることが出来る。特に若い人たちにとっては、人生の方向を選択する領域と可能性を秘めている。希望と自信に満ちた選択をした結果が、驚くような成果を齎す。決して偶然でないところに、神っていると受け止めて自信を持つことは素晴らしいことである。わけの分からない呪文を唱えることではない、理性的解釈の結果である。
  午前中は陽だまりに出て体を温めた後、庭の芝生にところ処で青く生えている荒れ草を引き抜いたりしていた。畑に入って、太く育った庭畑の大根も抜いた。青々としたみずみずしい大根の葉っぱを洗ってい軽い塩もみしてご飯に載せて食べたりするのが、この時期に味わえる上等の食事である。少々の護摩をかけると、芳ばしい味になっていいかも知れない。きわめて単純な美味を楽しめる。そうした手順を経て、軽い朝食をとった。クリスマスイブは、今年から午後4時に始めることになった。厳粛に祈りを捧げ礼拝が終わった後は、花より団子ではないが、自由が丘の街なかに繰り出して、ジングルベルの音楽を楽しみながら、どこかで食事でもとろうかと思っている。空もきれいに澄んでいるから、星のきらめきも仰げるだろう。12月に入ると、私にオフィスの周りは、星のまたたきをあしらって、イルミネーションのかがやきで光りにあふれている。銀座はもとより、丸の内のオフィス街も並木や窓に数多くのランプが光を放っていてきれいである。昔は飲んだり食べたりでどんちゃん騒ぎでイブを過ごしたものだが、当時から比べると年末商戦を含めて様変わりに感じである。時代が荒々しくなってきて、世界に争い事が昔よりも頻繁に起きたりしている。危険な風潮である。そうした中で、クリスマスの意義を理解するような気持に多くの人々が、クリスマスの過ごし方を考えるようになってきたに違いない。土曜日の私のクリスマスは、きわめて家庭的である。子供たちの家庭でも、それぞれ楽しく食事会を例年通り行うことになっているらしい。 どうも教会にはいかずに、サンタクロースと一緒になって、平凡な楽しみ方に過ぎるようである。拙宅で祝うクリスマスの出席者は家内と二人きりだが、教会のクリスマス礼拝では十字架を前にどんな歌を賛美し、どんな懐かしい歌がきけるのか楽しみである。お祈りの終わった後には、今年はクリスマスメッセージに牧師の神田英輔さんのみ言葉のとりつぎが行なわれる。国際的にも広く実践活動をして、貧民救済と貧困撲滅運動を繰り広げてきている神田英輔さんについたは以前に説教を聞いたが、深い感銘を受けたので、昭和経済に掲載して各位にお読みいただいたことがある。 現代意識にのっとって、企業化精神にも通じるところが大である。
年末に書いた何人かの知人への手紙には、冒頭にこう記した。「激しい変化の今年も残り少なくなりました」と。 世の中の変化にも今までにもなかった激しさがあったが、同じように自分自身を含め私自身の周辺にも又、劇的な揺さぶりをかけられた一年であった。私自身は英知を発揮し粉骨砕身、これに立ち向かって難題を撃破することが出来た。相手や他人に対してでなく、自分自身との戦いであったが、それは精神と気力と体力を以てこれに立ち向かった結果であった。何事においても、事態の解決は自分自身の能力との戦いであって、何事においても自分の責任を以て対処しない限り、問題の解決と勝利を手にすることが出来ないというものであった。四面楚歌の状況とは自分自身不注意と至らなさがつくりだすものであり、それを撃破するのは自分自身しかないと云うことである。一年を振り返って、ようやく難題を解決し、困難を克服し、新しい命に立ち返って、新しい成果を収めて今年を締めくくり、来年に希望をつなげる道筋を自信を以て立てることが出来た。これはまさに感謝すべき神の恩寵である。聖書を開くと、ローマ人への手紙にはこう記してある。「艱難は忍耐を呼び、忍耐は練達を呼び、練達は希望に繋がる」と。希望は成功への道を約束する。この言葉は私がかってニューヨーク滞在中のこと、五番街に建つロックフェラー・センタービルの礎石にも刻まれることを知っていみじく読んだのである。
  今年、世の中の、世界の具体的大変化、そして予想もしなかった大変化を敢えて二つを挙げるとすれば、それはイギリスのEU離脱決定と、トランプ次期大統領の出現である。来年はこの問題の影響がどう出て来るか、予断を許さない。おそらく、これを震源として世界は激震に襲われ、その都度人間の英知が試されることになる。更なる対立、抗争を招くか、それとも危機を乗り切って、事態を丸く収めて秩序を保ち、平和への道筋をつけることが出来るか、いずれかである。日本として問題を二つ挙げるとすれば、中国の戦略的行動と、韓国に起きている政治的混乱である。 続         12月24日


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    真珠湾での安倍首相・オバマ大統領の慰霊式

   先ず、我々が謝るべきである。然るのちに、アメリカの人たちが謝ればいい。これは基本的に日米間の問題である。莫大な犠牲と悲惨な惨禍を齎した、日米の戦いであった。無益であり、両国民にとって何らの成果、功績、寄与を齎すものでなかった。そして日本が負けて無条件降伏をした。その後日本は、アメリカの占領統治化を経て復興を成し遂げ、アメリカの近代的民主主義制度を取り入れて経済復興を成し遂げた。そして和解の力を示しあい、日米同盟の絆を不動のものとし、我々が、否、人類が今こそこの経験を活かして、不戦の誓いを世界に発信すべきである。何故かと云えば今日ほど、再び各地に利害の対立と抗争の頻発している時代はない。そうした危険をはらんでいるからこそ、不戦と核兵器廃絶の叫びをあげて、日米間でそうした訴えの叫びを世界に発信する必要がある。
   振り返って日米の間で凄惨な戦いを演じた時から、開戦の時から75年の節目を迎えている。開戦の発端と経過、そして今日の日米関係の状況、少年でも判るこの事実を曖昧にしていたのでは正直のところ、戦後の処理を終わらせたとは言えない。安倍さんがハワイの真珠湾に赴き、当時の日本の奇襲作戦で犠牲になった人々を慰霊してもらったことは、戦後七十有余年経ってしまったが、歴史的な出来事であり大変意義のあることであった。願わくば尚、思い切って謝罪してもらった方が我々してもすっきりしている。良識を持った世界の人々が反戦運動に立ち上がっている今こそ、過去を振り返り、真珠湾で戦争を仕掛けた我々が、最初に謝ることだ。それでこそ不戦の誓いが、世界の人々に通じてくる。勇気がいるかもしれないが、しかし不戦と平和を訴える安倍所首相が日本人の心を素直に示して謝罪し、アメリカはそれに対して当然、日本に原爆を投下した行為をオバマ大統領が謝罪すればいい。それでこそオバマ大統領が核兵器使用の禁止を訴える意味合いが深まってくるのであり、先般、原爆投下の被爆地に広島を訪れたオバマ大統領の心情が歴然として来るはずである。ノーベル平和賞を受賞した真価を発揮することになる。改めて不戦の誓いを行った安倍さんに就いても、同じことが云える。
  国の主導者の公的席での発言は時にして微妙であり、影響するところが大である。今回はそうしたことはないが、一般には外交的駆け引きがある。いまさら謝罪と云う感じでもないが、そうした意味合いは今までの日米の固い信頼と発展過程において示されていることである。日米間では、戦後から続いてきた同盟関係から、既に寛容と受容の精神でで育まれてきた事実を以て、暗黙の裡に相互に謝罪し合っているということも言える。だとしたらはっきりすべきだということにもなってくる。むしろ謝罪という言葉があるとすれば、中国、韓国が過敏であり、今度はそれを逆手にとって日本に要求してくる可能性があり、外交的に誤解を招き微妙である。
   孔子の教えに、諭しの言葉がある。「過ちを改まるに憚ることなかれ」と。日米間に限って両国に言えることは、虚心坦懐、時間がずれていても当然だが、お互いに相手の非を認め合い、許しあうことを以て和解となし、将来の道を手を携えて進むことが肝要である。謝罪をしたい心境は歴史的歩みを以て、既に表明されて理解されていることとし、強いて言うならば、歴史的認識の問題を避けて未来志向型の表明を成すことによって、日米同盟の不動の姿勢を確認し合うということである。次期政権を睨んでの思惑があるかもしれないが、トランプさんもこの点については異議をはさむ余地はないだろう。安倍さんの、日米開戦の発端となった今回の、真珠湾奇襲攻撃の犠牲者慰霊の旅の労を多とし、その意義の大なることを述べて感謝したい。日本人とアメリカ人の多くが、大多数の人々が、少しでも心のわだかまりを吹き飛ばすことが出来たことを幸いに思う。


先ずさきに謝るべきだ我々が米に仕掛けた戦争ゆへに

然るのち謝るべきだ米国がにっぽんに原爆を投下したこと

それでこそ日米和解の基礎となり不戦の誓ひの姿あらはに

日米が自由と平和を希求して戦争し合ふ国を諭さん

核兵器廃絶の道突き進み日本の平和の道を示さん
12月28日

   十二月晦日    つれづれの和歌

黄金の光り放てる朝日影あまねく照らす大和まほろば
若者と共に交じりて精勤す素直な心に魅かれ楽しき
庭先の梅に小さきつぼみ見て花を楽しむ時もまじかに
うららかに晴れ渡る日に恵まれて年末年始の時のすぐれし
さまざまなこと良し悪しに起こり来てこの年もあと一日なりし
良し悪しを秤にかけて佳きことを多く収めて恙なきなり
良き友をあまた招きて商ひを収め今年の目出度かりけり
行く年をめでたく収め来る年を希望に満ちて迎ふわれなり
トランプのラリー相場に年の瀬を愉快に閉じし大納会にて
ヒラリーがロシアのハッカー攻撃に遭ひ敗るると云ふも怪しき
対立と抗争よりも融和して和解に立つは相好ましき
和解して米ロ、日中、EUの世界を丸く治む術あり
この年は溌剌とした若者と相手に商議の王道を行きぬ
大晦日まえの晦日を忙しく動きまわりて事を収めり
夕映えの空虹いろに輝きて富士の嶺遠くあきらけきかな
十二月三十日を出社して銀座通りを帰りゆく我
澄みわたる晦日の空の暮れゆきてきはめて光る近き星あり
絹糸をさらし光りを散りなはち夕日雄々しく沈みゆくかな
カシミヤのコートを着付け街なかのシャネル銀座の店に入りけり
西方に赤き夕日の沈み行き俄かに光る近き火の星
文字通り年を忘れて聞かれれば三十八才と答へ笑へり        十二月三十日

快晴の遠きに眺む富士の嶺の白く光りて斯くも妙へなり
天候に恵まれ過ごす大晦日来る元旦の晴れやかなりし
一門が大晦日の午後集ひ来て年越しそばを食べて過ごせり
恙なく過ぐる今年も幾何ぞ来る年は尚栄へ行かまし
満天の星きらめきて悠久の宇宙の果てを思ひめぐれり
元旦の空晴れやかに澄み渡り初の日の出を拝み迎へん       十二月三十一日   


社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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