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Vol.06-09 量的金融緩和の解除
日銀は3月10日に開いた政策委員、金融政策決定の会合で「量的金融緩和」の政策、即ちゼロ金利政策を解除することに決定しました。「量的金融緩和」の解除は、日銀が2001年3月に導入して以来、5年振りの政策の大転換です。
この政策は経済危機を封じ込めるために、必要以上のお金をタダ同然で供給してきたもので異常な状態でありました。今回の決定で、漸く金利の上下の変動によって、市場原理が円滑に作用する正常な状態に回帰したことになります。日本の金融政策は正常に戻ったとして、内外の評価は良識を示して概ねこれを好感しています。
2001年3月に導入した量的緩和は、当時の不況を反映して金融不安が生じてきたことから、預金取り付けにおびえた金融不安の鎮静化をはかり、物価暴落と景気悪化のデフレスパイラルを食い止める非常手段でありました。市場金利をゼロ%にするばかりではなく、際限なく大量の資金を供給する手段を講じました。
かように量的緩和政策は、企業の金利負担を減くし、景気回復に役立ったことは云うまでもありません。反面、家計の利子所得は1995年の22兆円から2004年には4兆円余、ざっと5分の1にまで減少し、預金利子で生活する高齢者にとっては苦難の時期がすぎました。しかし企業の倒産が続出してゆけば、経済自体も立ち直ることは出来ません。家計にとっては、痛し痒しの選択でした。
加えて潤滑な資産供給は、企業や銀行の経営の救済と経営努力を後押しする結果となりました。同時に需要不足は回復に向い、物価下落の消息を得て、ようやく良好な循環に経済の状況が見通し得る状況となりました。経済的危磯を瀬戸際で食い止める非常手段が、一応の成果を収めたことは世界的にも注目されるところであります。
量的緩和を解除するに至った第一の理由は、国内景気の回復にあります。先に論及したように、12月朝の実質成長率が前期比で年率5.5%の高い成長を示したことによります。鉱工業生産は過去最高を更新し、有効或人倍率も1.1倍に回復しました。
解除したもう一つの理由は、欧米の金融政策との連動であります。米国では金利がFRBによって連続的に引き上げられてきております。連邦議長の交替によっても、引き続き金融政策の基本的認識と姿勢は変らないことが判りました。更には欧州銀行も利上げを続けてきております。いつまでもゼロ金利を続けることの不合理性、そしてデフレ脱却の確認がその背景にありました。
民間では、経済は既にデフレスパイラルを脱却して景気回復の強力な軌道に乗ったとして、対応を講じてきております。各種マーケットの数的指数と将来的動向は、長期的にも日本の力強い経済発展の兆候を織り込んでいくものと思います。当会では早くから指摘しているところですが、今日でも、企業家は行動について遅れを取ってはなりません。当会では三年前に発した「捲土重来」の宣言からですが、今もって信念堅持、機先を制して一気呵成に突撃すべきであります。景気はこれから先、堅調、且つ旺盛な成長力を持続し、経済の発展に期するところ大なるものがあります。
(機関紙『昭和経済』57巻4号巻頭言より)
平成18年4月3日
社団法人 昭和経済会
理事長