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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

VOL.20.10


先月を以て猛烈に最悪な9月期決算を潜り抜けた今日は、最初の 新年度入りである。株価の形成はどうかとスマホを取って開いたが、9時5分を経過しているのにどれ一つとして寄り付きの値段が表示されない。錬金術に長けた孫さんの評判がよくないソフトバンクのスマホだから、使い勝手が悪く困ったものと思ってスマホのせいにしていたが、値段が表示されないのは別に理由があった。事もあろうことに、東京証券取引所の障害によるもので、 機器の故障が原因かもしれないということで、原因がまだつかめていないとのことである。これによって全銘柄の取引が停止されている。原因の解明がつかず、結局この日は終日取引を停止するという、取引所開始以来の前代未聞の事態となっている。この日の取引額は、約3兆円前後と推定されるから驚きである。金融経済にとって、甚大なる影響である。

  新年度を以て希望に燃えて参加する経済人にとって、冷や水をかけられた格好である。世界に対する日本の信用失墜も大きい。取引所関係者の、全くだらしがない始末で、証券取引所でこのありさまだから日頃のでかい面も大いに反省すべきである。この際監督検査局のようなものがあるなら、監督指導に乗り出すべきじゃないか。責任者を明確にし、握りつぶすべきでない。

  お金の流通である血管を遮断されたようなもので、疾患は心臓麻痺である。 経済の生命にかかわる問題である。こんなことが起きるようでは、この際、東京証券取引の実態と経営改革に着手すべきである。1995年5月にもシステム障害を起こした事件があったに記憶しているが、今回はこれを理由に地方の証券取引所も取引を停止したというから大変だ。金に換えようと資金繰りで資金を調達できない人は右往左往である。役人根性で惰性につかり、清新の気を失っている連中が多い。 気の緩みである。   10月1日

   今日は営業年度の初日で会社出勤だが、久しぶりに同業者の信用絶大な一人が見えて商談を重ねることが出来て約二時間半にわたり要談、上等な滑り出しであった。ラッキーな機会をえることが出来ありがたく思っている。

又、今夜は中秋の名月である。天気予報では、ようやく訪れた秋の盛りの好天気で空は澄み切っている。満月が真っ青な空に浮かんで、静かに立つすすきの穂の先に眺めることが出来るだろう。以前にも増してこの頃、夜空を眺めていると月がとっても澄み切っていて、実にきれいである。
                                        10月1日


    持ち株の暴落が激しい

  事務所に見えた客人が心中を明かしていたが、コロナ禍とはいえ持ち株の暴落が甚だしいと嘆いていた。私は云ったのである。同じような心境でいるのは、私も同じである。会社経営は時代的環境に振り回されることもあり、その艱難を乗り越えて英知に長けた経営者が成功するので、投資先の会社を選ぶ投資家も、経営者の素質や能力をまず確かめる必要がある。経営のかじ取りを任せられた優れた経営者は、常に先を見て市場開拓と販売を確実なものとして働き関係者に報いていくことが使命である。これを果たせないリーダーは、自ら退任して有能な人物に交代すべきである。これに気づかないリーダーは、我々から見れば資格欠落者の、社長落第の頓馬というしかない。

  株価は、その会社の存在価値を総合的に見た社会的、経済的評価である。安い、低いということは、社会的貢献度が低いことであり、社会的認知はもとより、極端な言い方をすれば期待者の背信行であり、存在価値を失うに至っていくということである。期待者ということは、会社の勤労者、得意先、そして株主である。株主は会社の存在価値を株価で判定する。存在価値を以て、投資家は金銭的表示に注目し、投資の是非を決定する。我が事務所に来訪した投資家は、株価の下落を以て即座に経営者の交替を望みたいと断言していた。早い話、自分の経営方針のまずさを顧みず、常に環境の変化や、第三者の責任に転嫁するのみで、自らを顧みない経営者が多い。そうした経営者を見るたびに思うことは、経営者が反省と覚醒と前進を忘却しているとした結果である。  

  お灸をすえる人がいないと気が付かないで、いつまでも居座っている低劣なのがいる。 そして自分の会社がどのように評価されているか、と云った毎日の株価に無神経である。これでは、いつまでも坂を転げ落ちていく状態である。 投資先を誤った客人は、今になってしきりと嘆いている。10月2日

トランプ大統領が新型コロナに感染


   ワシントン共同の発信によると、トランプ米大統領が2日、自身が新型コロナウイルス検査で陽性だったと明らかにした。大統領の感染は不注意であり、感染防止に躍起になっているさなか、大統領が受けるダメージは大きいことが心配である。11月3日の大統領選に向けた最終盤での感染となり、集会開催などの選挙運動は難しくなるし、今までの感染拡大を過小評価してきた彼にとって政治姿勢は信用失墜につながるものである。ホワイトハウスにも感染拡大の懸念が無きにしも非ずで、側近筋の状態も緊張気味である。再選を目指す戦略に大打撃となる。高齢者は重症化の恐れがあるため、感染後の健康状態が懸念されるので十分注意してほしい。メラニア夫人の感染も確認された、とのことである。一個人としても、トランプ氏と夫人の速やかな回復を祈っている。 

   トランプ大統領の感染情報は、アメリカはもとより全世界を駆け巡っている。 トランプ大統領の新型コロナ感染については、これを政治的に公然と軽視する発言と行動の場面をたびたび経験してきている。 当初トランプ氏は自慢げに、アメリカには誰一人感染者がいないと星条旗を抱きしめながらおどけるような仕草を見せていたのが実に印象的であった。しかし事態はその後ますます悪化の一途をたどり始めた。しkasi t浴びた美の発言でトランプはコロナ感染の度合いを軽視し、直ぐに収束するとして進んで警戒を呼びかけることはなかった。

   一方の、新型コロナの感染の度合いの恐ろしさである。油断していた証拠で、アメリカは世界でも一番の最悪の状況である。感染者は現在727万余名、死者は20万人を越えると云った状態である。 一国のリーダーの発言と行動が、国民に及ぼしている被害は如実である。これが経済、軍事大国のアメリカだから、問題が深刻なのである。

   他人のことばかり気遣っても、自分自身に気を付けろと子供たちに叱られそうで、毎日元気に通勤してきているが、実はおっかなびっくりしながらである。元気いっぱいと胸を張っても、あの丈夫なトランプ氏だってコロナにかかってしまうくらい、その威力はすさまじいものがある。だから国連の手ドロス事務総長もパンデミックをしきりに警戒して注意を喚起しているのである。コロナの威力は謎めいていて、肥満で頑丈な体力の持ち主ほど重症化して、致死率が高いという話である。コロナの患者への適応能力が優れており、体力のある人間にはそれ相応にコロナの威力も変容する性質があるということである。体の弱い人にも、体の強い人にも等しく襲ってくるから、感染しないように注意していこうではないか。

   バイデンさんも注意していくべきである。小池さんも、菅さんもかコロナにからないように十分注意してもらいたい。東京の感染者の数も毎日発表されているが、一向に減少する気配がない。今日の発表でこの一週間の平均感染者数は、まだ184人という報告である。いつバ-ンと爆発するかもしれないと思うと過剰反応して、毎日の動向がいつも気になっている。

   小生もトランプ氏が感染したというニュースにびっくりして、明日から連休だが、その後の出勤を見合わせようと思っているくらいである。しかしテレワークだ、在宅勤務だと云われてみてもなかなか馴染めないし、若いうちから現場主義だからマスクをしてでも対面主義で客人と会話をしないと、真意が伝わらない気がする。いくら言っても聞かあない頑固親父だというわけで、いくら注意しても聞き入れない小生を見て、あきれてその後は無口になってしまった子供たちが、小生が通勤を自重しようと言い出したら安心して喜ぶことだろう。葡萄のマスカットを持って、励ましにやってくるかもしれない。          10月2日


    コロナ感染の回復後の後遺症

  一説にコロナ感染症の恐ろしさは、実体が謎めいており、もしかすると恐怖に近い疾患であるということが想像される。つまりいったん感染するとその後の既存の試行錯誤の治療を以て回復したとしても、安全が保障された治療でないため、どんな副作用が出ないとも限らない。そしてコロナ菌が体内で完全になくなり、抗体ができて再発することがないという保証は何もないからである。そして何よりも恐ろしいことは、回復後の後遺症ではないだろうか。

   トランプ氏は感染発祥と同時に入院して治療を受け今二日目に入っているが、当初発熱、倦怠感、咳が心配されていたが、何よりも血液中の酸素の濃度が急に低下したということで一時重篤に近い症状で緊張感が走ったというスポークスマンの発表である。今日のトランプ氏のツイッターでは、無事に感染症状から抜け出して元気であるということで何よりだった。持ち前の強靭な体力が、画期的な治療方法でコロナの威力に勝った結果である。しかし写真では心なしか頬がこけ、いつものように肌に艶がなく、日頃の精力的なトランプ氏から受ける印象的な感じが薄れているようにも見えて、「らしさ」が無かったことが気がかりである。多い少ないの違いはあっても、数字的に罹患者から死者が出ているという現実を軽視してはならない。世界を動かしている立場の、もっとも重要な人である。自重して、健全な回復ぶりを示してもらいたいと願うばかりである。

  感染症にかかった場合に危惧される点は、本人の知らない自分の体内の臓器になにがしの病的症状が潜在する結果である。いったんかかってしまったが,その後陰性とわかり回復した人の所見を聞いてみると、あとの体調が芳しくなかったり、説明出来ない何らかの症状を呈してくるというから完全に元の健康状態に復帰できたということではなく、後遺症として何となくこれが厄介である。たとえば倦怠感、頭痛、嘔吐、食欲不振、胸部圧搾、動悸、鬱と云った原因不明の軽微の症状が残ったりして、本人を悩ます結果にもなる。回復したからと云って安心はできないということである。人にもよるが、コロナから完全に切り離されたという保証はなく、罹患後はいつまでもwithコロナの状態だとすると不安である。だからそうした心配をしなくても済むように、コロナに感染しないということが健康維持に必要なことではないだろうか。完全治癒の治療薬が出来、新型コロナワクチンの開発と接種が可能になるまでは、自身が感染しないように、日頃の努力と我慢が必要である。10月4日

   名月と遊ぶ

紺青の夜空に浮かぶ名月の艶めく影に己ず魅かれり

得も言えぬ艶めく秋の名月の脇を天女が過ぎて行くらし

白鷺が飛ぶと見まがふ白たへの天女が月に向かひ行くらし

白妙の天女はひとり名月に向ひ舞ひゆく中秋の夜

中秋の名月に寄る火の星の光に染まり明けく灯りぬ

仲の良き間がらとも月と火の星のまじかに照らし合へるに

碧天の夜空の海を渡り行く触るるものなき秋の名月

名月に向かふ一羽の鳥の影もしや月への使者と思へし

澄み渡る宵は中秋の名月に甘き匂ひの金木犀かな

いずくにかきんもくせいの匂ひきて今宵の月の甘き夜かな

名月の甘き香りの花に身を置き便り書く女ひとりに 

白鷺の一人さびしく空を行く背に月影の青きしたたり

大てらの屋根を照らせる名月の光に映るいかるがの里    10月5日

トランプ氏が戻ってきた

  五日午後六時半、トランプ大統領は治療先のウォルター・リード米軍医療センターから出て、元気な様子でワシントンのホワイトハウスに戻ってきた。おめでとう。何はともあれご本人が云うように体調は極めて爽快であり、直ぐに職務に復帰したいと語っている。もとより本人次第だが、コロナの特殊症状で感染後は、普通二週間の観察、治療期間を経てみないと何とも言えないが、感染に気付いてから四日しかたっていないので、一か月を切った大統領選挙を前にして焦る心境は理解できるが、覚悟の早期退院とはいえ無理は禁物である。 トランプが入院した後のホワイトハウスは、側近たちがコロナ感染して19名に及んでいるという。ホワイトハウスが機能不全に陥ってしまったら大変である。最高指導者の誤った言動が原因だとしたら責任は重大である。だから軽率な言動は許されない。

   トランプ氏は10月1日の深夜に感染が判明した。2日午前に高熱が出て、血液中の酸素濃度が急に低下し、酸素補給を行ったと云われている。2日夕方に先のセンターに入院し、抗ウイルス薬レムデシビルや、抗炎症作用があるステロイド剤のデキサメタゾンの投与のほか、未承認の抗体治療薬も使われたという。極めて重症的な段階にあったと思われる。しかし賢明且つ最高の医師団の判断と処方で、コロナ禍を克服し元気を取り戻すことが出来た。幸いである。しかし激務に耐える力を発揮するには、暫くの時間が必要である。無理は大敵、自重してことに望んでもらいたい。

   感染したメラニア夫人はその後どうしているだろうか。旦那のトランプさんだけがいい調子に乗っているが、彼女のことについては、さっぱり情報がつかめないでいるが、可哀そうに接触を避けるため一人で隔離されているのではないだろうか、速やかな回復を祈っている。 そしてアメリカのコロナ感染者数は730万人に達し、死者も21万を超えている。世界で最悪の状態が続いているが、ニューヨークの一部で再びロックダウンが始まったと云うし、こうした中でのトランプ大統領の早期退院は、コロナ感染症の対応としては誤った措置ではないだろうか。コロナ感染をあまりにも軽視する行動であって、国民が権威ある大統領の行動を信用しきってしまう恐れがある。退院とは患者が完全に健康を回復した後の措置であって、大統領はその保証の限りではない。

   最高の医師団がついていって引き続き治療を行っており、むしろホワイトハウスの病院に転院した状況である。陰性であることが語られていない。いまだコロナ感染者であることに間違いがない。はったりで国民に誤解を与えてはいけない。ホワイトハウスがクラスターの場所となっていく可能性がある。対応と言動について、大統領としての資格を疑われている。自分の健在ぶりを訴えるのは自由だが、21万人の死者を出して世界最悪の記録を作っていることは、いったいどうなのかを詰問したいくらいである。だとしても今は、トランプ氏に一刻も早く改善の兆しが見えてくるように願っている。 

   日本では、幸いなことに日々の感染者数が1000人を割ってこのところ500人前後で推移している。東京でも昨日は66人と驚くほどに数字が減ってきているが、いつぶり返すかわからない状態で、楽観はできない。 withコロナでマスクし着用は、既に習慣的になってほぼ100%普及した。三密については、Go To Travel で国民は無我夢中で外にわんさと繰り出して、一週間後の状況はなんとも言えない。とにかく国民性だろうか、日本人は号令に弱いし、右へ倣いと云えば整然として隊伍を組む。マスク着用が号令とは言わないが、一家団らん旅行に出かけるなら大歓迎だが、戦前のように、戦場の鉄兜に軍靴だけは、それに進軍ラッパだけはご法度願いたい。  10月6日

   治安、安全の国、日本

   誇りとすべきは、日本國の治安と安全である。かって軍国主義と独裁、専制で突っ走って云った挙句に、完膚なきまでに味わった敗戦の辛酸さはまだ心に残っている。しかしそうした人たちも次第に少なくなってきた。しかしその教訓は、若き世代にも引き継がれている。その知的で冷静沈着な思慮と行動は、今回のコロナウィルス感染症の伝播についても、優れた手法が発揮されてこれが拡大を抑え込んでいるといっても過言ではない。

  昭和経済会では、小池東京都知事を招へいして去る5月26日に銀座三笠会館で恒例の講演会を開催する予定であったが、三密を避けるために急遽オンラインでの講演に切り替えることになった。会員に対する懇切丁寧な呼びかけは、昭和経済7月号に掲載されているが、読破してみると改めて都知事の優れた高度の賢察ぶりががうかがえて来る。事は左様に、政府の対応はもとよりだが、わが国の地方自治体の的確な判断と対処によって、全国的な感染の度合いを縮小し、伝播を抑え、封じ込めることに成果を上げている証左である。以てその労を多とするところである。


   もとより都民をはじめ、広くは国民の協力なくしては行政の能力の限界もある。 補助金や給付金の力によって企業経営者の持続可能な延命策を図ることになったが、力尽きて廃業や倒産に追い込まれる店舗や会社も出てくることは当然である。歴史的危機とまで言われるコロナウィルスの、経済に対する影響下である。観光業者をはじめとして広く、飲食業への打撃も大きいし、製造業までに及んで全般の景気動向を押し下げてきている。 不要不急の外出を控えてきたことから、その影響も大きかったが、今回そうした措置の緩和され、今はGo To Campainn と銘打ってさまざまな消費拡大策を講じてきている。感染拡大防止と、経済復興を目指して両輪のバランスを得た操業を期して落ち込んだ消費のぶり返しに務めている。しかし外国からの観光旅行者の回帰を望むに程遠い現実である。
                                      10月9日

   今回世界的に襲ったコロナウィルスの感染についても、日本のたぐいまれなる防疫体制を組んで感染拡大を食い止めてきた。コロナウィルスによる被害を最小限度にとどめてきている。軽視して初動抑制に立ち遅れた国や、野放図に扱ってきた他の諸国には、感染拡大を阻止することが出来ないままに多くの犠牲を強いられている国と地域があるし、軍事、経済大国のアメリカでさえ、世界最悪の感染者数と死者を出している状況は、以て理解しがたいくらいである。


米国の軍事経済大国のいわれも逸す体にあへなし

トランプのマスク不要の言動に自ら罹患すコロナウィルスに

トランプの無謀の行動にあきれ果て大統領の素質問はれし

トランプのコロナウィルスに感染し初期の重症に入院の要

裁判官指名の式典に要人の多く感染すマスクせずして

強引なトランプ手法に手を焼きぬ感染治療の医師団もなほ

ワシントン・ホワイトハウスに転院す医師団を連れトランプの旅

科学者の注意勧告も聞き入れで感染拡大のアメリカ市民に

完全に回復したと胸を張る背後に二十一万の死者

アメリカの感染者数と死者の数世界最悪に一言もなき

バイデンの七十六歳にトランプの七十三歳と高齢の弊

政治的劣化の進むアメリカの民主国家の神髄いかにや

アメリカの民主国家の観念の廃れし行くを嘆き悲しむ

分断と格差の進む民族のこれが今のアメリカ像なり

トランプの異彩を放つ政治家の台頭に今混沌の世相

アメリカの矛盾露呈を象徴す黒人銃殺の街の警官

大統領選挙のまじかにアメリカの社会のカイオスを覗く思ひす

近ごろの知らず俄かにうごめきぬアメリカ社会の恥部のあらはに

資本主義経済社会のカイオスを目の当たりにすアメリアカ社会に

富豪らの0,2パーセントがアメリカの国富の9割5分を収むと

この世にて孫正義の財産を棺に納めていずくにや行く

逝く時は無銭の旅路と思ふべし壺に納まり南無阿弥陀仏と

逝く時は南無阿弥陀仏のひと言に尽きて財宝の灰燼に帰す

空海の汎我一体のことわりを心に治め山道を行く

十字架に向かひアーメンとひと言を静かに吟じ天に召さるる

みほとけのご慈悲にすがりこの世をば旅立つ日にそ南無阿弥陀仏と

斯くや斯く思へど気にすニューヨーク・ダウ上昇の罫線のあと

しとしとと降る秋雨に我が内の濡れて悲しき詩を吟じぬ

いずくにか今日も暮らしぬあの時の思い出残るいとしおなごよ

五浦の海を旅せる朋友の共に喜びあへしあの時

逃げ惑ふ空爆のもと命かけ思ふ運命とは謎深きかな

鋤くわを振りでん畑を耕して米つくる日の身を満たしける

芳野村小学校に通う身の草鞋を履きて雪の道行く

ささやかな昼の弁当に麦粉のパン塩ふりかけて食めしあの頃

躍動す少年の気のおほらか未来の夢と希望描きて

焼け跡のくすぶる街のなかに立ちやがて仕返す反骨精神

清らかな天国に発つ旅路にて身軽るに行くを天命としぬ

経済の繁栄のあと人心の拝金主義の堕落への道                    10月9日

台風の季節

  今年は台風が少ないので安心していたが、やっぱり南方洋上に熱帯低気圧が発生した。次第に発達して台風の中心の目が形を整え、台風10号となって本邦に向かった北上し始めた。運よく、前線の影響で東海地方から東に向きを変え、運よく東海、関東への上陸はせずに、太平洋上に進み熱帯低気圧と変わっていった。コースも奇形に逆行し南に下って、いつの間にか台風の形は崩れてしまった。しかし、四国、紀伊と云った地域に大量の雨をもたらし、各地にがけ崩れや土砂災害を誘発している。特に伊豆半島や、大島などにがけ崩れが発生している模様である。
 
 本邦に接近しつつあった台風が遅々として進路を進まずに停滞した関係で、ここ一週間程、毎日ぐずついた天気に悩まされていやが、今日になってようやく秋の日差しを目にすることが出来た。庭畑に蒔いた秋野菜の種子が長雨にたたって、僅かにしか芽を出さず成長が危ぶまれて不安である。一週間ほど先に撒いた小松菜の種子は、気持ちよく畝に沿って芽を出して、長雨ではあってはいたがかなり伸びてきている。その一週間後に撒いた種子は、あいにく長雨にあって芽の出方が遅いようである。チンゲン菜、新菊、ほうれん草、といった背丈の低い野菜類である。今日からの秋らしいお天気で、今までの遅れを何とか挽回できそうである。

自ずから笑顔となりぬ長雨に憂きて日差しに降れし秋の日

幸いに去る台風のひむがしに雲の千切れに日差し眩しく

快き秋の日差しの和やかに注ぐ窓辺の朝の礼拝

長雨に飽きたる今の暗き世にコロナもはじく日差し豊かに

大いなる知恵と恵みを賜りぬ秋の豊かな日差し身に受け

思ひ出は尽きず少年の学び舎にいたはり合へる友と在りし

喜びに浴す太陽の日差しにて万象の身に力こもれり

恙なきパウロ先生の取り次ぎに神の姿の生きて浮かび来

学び舎の遠きに在りて近きかも在りし日の師を思ひ浮かべつ

頂戴すよしのり詩集の一冊を手製の三つのうちのものなり

手作りの詩集を頂き誇りとす遠藤先生の童謡のうた

清濁を併せのむとは人の謂う遠藤先生の清らかなうち

先生の昭経俳壇の選者たる日を懐かしむその句を読みつ

懐かしく拝読したる童うた遠藤先生の温かき詩

穏やかな秋の明かりに教会の窓に安けき光見るかな

遭うたびにお元気ですねが挨拶と心やさしき青年に触れ

青年の労をねぎらふ優しさに心打たれて奮起するなり

恙なく良き商談を進めんと張り切る青年の頼もしきかな

我もまた捲土重来と奮起せり五億損失を奪還せんとや

幾たびそ艱難辛苦に耐え抜きて近ごろ達観いたす気合に

主とともに有りしとと思ふ常日頃業の安きを賜りし身に

難しき些細なことは兎も角に天つちの間に在りぬわが身よ

礼拝の席の身近に妻が居て共に十字架を仰ぎ祈れり

みどり燃ゆ辺り一面に匂ひたつ夏草蒸せる青春の日々

さすらひの旅の美そらに望みえて我が道行きに恙なきかな


コロナ禍で各國の財政支出の膨張


   世界を折檻するコロナの猛威で、感染拡大に立ち向かう各国の財政支出が膨張の一途をたどっている。コロナ禍は、地球丸ごとの金員の支出の膨張であり、しかも等しくのしかかってくる財政支出の膨張化である。しかも果実を得ない支出であり、全ては無為に期するものである。生産性を伴なわない、全くの負の支出である。

  此度、国際通貨基金(IMF)は14日、新たな財政報告を公表した。それによると2020年の世界全体の政府債務残高は、国内総生産(GDP)合計の98・7%に達した。これは前年比で15・7ポイントも上昇するものである。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策が主な理由である。これにより各国の財政状況は急速に悪化して来ている。

   先進国だけで見ても、20年の債務残高はGDP比で平均125・5%と、前年から20・2ポイントの悪化を予想している。米国は22・5ポイント増の131・2%、日本は28・2ポイント増の266・2%となりっている。日本は、なぜか先進国の中でも際立って高い。 尚、新興国・中所得国は9・6ポイント増の62・2%に上ると予測している。

   又、報告書では、各国がこれまでに実施した新型コロナ対策の財政支援が、総額11・7兆ドル(約1200兆円)に上ると指摘している。今後とも各國の低金利政策が続くとみている。したがって低金利環境が続くことを踏まえ、「高水準の債務残高は、当面のリスクではない」との見解を示している。さらに景気回復に向けて、「少なくとも21年までは財政支援を継続すべきだ」とも各国に呼びかけた。楽観的なかもしれないが観測かも知れないが、各国で公共投資がGDPの1%分増えれば、先進国と新興国で2年間で最大、3、300万人の雇用創出が期待できるとの試算も示している。


   思うに財政状況の悪化は、先進国よりも新興国のほうがより深刻である。一部の新興国では、政府債務残高が急激に膨らんでいる。おしなべて新興国の多くは、米ドル建てで債務を抱えている。このため、自国通貨の価値がドルに対して下落すると、その分、ドル建ての債務返済の負担が高まってしまう。こうして現象は既に多くの新興国の方に現れてきている。今回のコロナ・ショックでは、インド、ブラジル、ロシア、南アフリカなど新興国のほうが、先進国よりもコロナの感染が深刻なので、世界の投資マネーは高リスクとみなされる新興国から引き揚げられつつある。その過程で現地通貨が売られて、ドルが買い戻されている。即ち新興国の通貨には強い、下落圧力がかかってきている。それによってドル建ての債務返済負担は重くなっている。

   このままコロナの感染拡大が続くようであれば、新興国の中から債務不履行,デフォルトを引き起こす国が出てくる可能性がある。ドル建て債務の返済が滞れば、債権者のほとんどは先進国の投資家なので、ブーメランではないが先進国の経済にも跳ね返ってきて、無視できない悪影響が彼らに及ぶことにもなる。 各國が連携して、こうした事態を回避する政策の発動が望まれる。 一国主義とか、自国第一主義がまかり通るような事態ではない。国境を越えた、グローバル規模の課題が相次いで発生している。コロナ感染然り、地球温暖化や環境の汚染問題など具体的には枚挙にいとまなしである。焦眉の課題は我々が住む地球環境であり、大気、水、土、生態系の変化は人間生活に密着するものである。それらがが互いに複雑に結びついて生じるものであり、相互因果関係を有していることから、自国内だけの環境政策の推進だけでは解決は不可能である。国際的な確たる連携が必須要件となってくる。保守仕儀的孤立政策は、以て時代錯誤というしかない。そのことを端的に、コロナの状況が如実に示している。10月15日


人類の物質文明の偏重にコロナの伝播が真理明かせり

塵一つなき秋ぞらを仰ぎ見て現代社会の矛盾明かせり

いみじくもコロナの伝播が人類の生存危機の真理あかせり

新しき生き方の知恵如何かとコロナに学ぶ我ら人類

現代の産業経済の修正を迫るコロナの意義を確かむ

マルクスもケインズもなき現代のコロナ社会の経済的意義

懐かしき堀江教授の授業にてマルクス理論を学ぶ夏の日

銀杏の葉の色づきし教室の窓に秋の日の注ぐ学び舎

大学院研究室に重鎮の酒枝教授の経済原論を

薄暗き教室なれど意義深き大内教授の英文購読

現代の経済社会の枠組みを破壊し新たな社会の模索を

現代の産業経済が破壊する地球環境の悪辣なさま

経済の根本理念の再考を促す現代コロナ禍の意義

現代の資本主義経済の修正を迫るコロナの意義をとらえん

コロナ禍の人間社会の構造を一気に変える業と力は

誤てる現代社会の在りようを軌道修正のコロナ感染

人類の覚醒はかるコロナ禍の人の乱脈の行動を制す

人類の未来社会を誘導すコロナが人知を促しにけり

秋の日のこの青空をもたらせるコロナの恵みのここぞあるかな

人の世の経済重視の過ちを解き開放すコロナウィルスよ

人類の動く奔放に警鐘を鳴らす現代のコロナ感染

マルクスも知らでコロナの威力にて資本主義経済の破壊凄まじ

資本主義経済発展の修正を迫るコロナの感染の波

このままで行けば我が地球環境も死滅に等しき最悪の時期

物、利益優先のトランプに挑戦状たたくコロナの姿見るかな

トランプ対バイデン候補の選挙戦米大統領のいずれかに立つ

白熱の米大統領の選挙戦トランプ、バイデンの舌鋒の末

接戦の報に慌てるロランプのコロナ感染の有無あいまいに

マスクして声を出さずに日々慣れて皆おとなしく争ひの絶ゆ

秋雨のさめざめと降る等々力の地に滝の音の聞きて日暮るる    10月15日


札幌行

紺碧の海と雲海の上を飛ぶわれがこの身の勇壮の旅

一世の上を逍遥する気概にて天下を俯瞰するは楽しき

空を行く巨大な機体に身を預け天空を舞ふこの身軽さよ


   商用のため北海道の札幌市にゆくことになり、久しぶりに羽田から飛行機に乗って行くことになった。9時半羽田発のJAL509便に搭乗し札幌に向かった。秋雨前線の停滞で、ぐずついていた天候も昨日あたりからようやく回復に向かい、幸いにも絶好の飛行日和となった。

  新型コロナ感染を避けるため、毎日の出勤時間を大幅にずらして行く習慣がついてしまい、通常に戻すのがつらかったが、羽田発は、早朝の時間に間に合って幸いであった。自由が丘駅から東急大井町線に乗って大井町駅に、そしてJRで浜松町駅、そこからモノレールに乗り替えて羽田第二ターミナルに予定通りに着いた。行程は、得意先に用意していただいたファーストクラスのシートに身を沈め、一時間少々の優雅な飛行を楽しむことになった。機内では朝食が用意されたが、既に済ましてきているので有難く辞退した。多少の睡眠不足があったが、体調は極めて良好で、この分でいけば仕事は順調に済ませられると自信がついた。ファーストクラスのシートではあったが、窓から二列目だったので下界の景色は眺めることが出来ず、たまに隣人を見越して眺める程度であった。しかし小さな窓には、大気の明るい日差しと下界の様子が映っていた。飛行中は、贅沢なシートにゆったりと身を沈め飛行を満喫することが出来た。
  ふと何年か前のことを思い出したが、モスクワから東京に飛行するとき、エコノミーであったが幸い窓辺に座った小生が満足してみたのは、日本海の上空に見た雲のキノコ状に盛り上がる様子の圧巻な景色である。さんさんと太陽の輝きを浴びて、天然の働きが醸し出す見事な造形であった。今回も、もしかすると運よく飛行中に眺めることが出来るかもしれないと、見の余る望みを抱いている。快適な振動を以て飛行機が滑走路を走り、やがて浮くように離陸していく感じは、何とも言えない気分である。水平飛行に移ってしまった機体には、何も感じないから不思議である。ましてやファーストクラスのシートなので余計にその感を強くする感じである。離陸するときと、着陸体制に入りやがて機体が滑走路に触れて、ずしんと鈍い音を立てて着陸する感触は身に染みて何とも言えない感触である。

寝不足を補うために仮眠を試みたが、うつらうつらしていたかと思っていたら、機体が着陸態勢に入ったらしく、ベルトを締めるようアナウンスがあった。そして11時に新千歳空港に到着した。着陸態勢にに入ってから滑走路に機体を下し着地bするまでの経過は、先に述べたとおりの感触の実感であった。実に爽快な体感であった。

得意先の東京本社の I 社長とご一緒だったので、社長の後に就いていくだけで身軽であり、何よりも安心である。新千歳空港の出口についてから直ちに、出迎えの札幌支店の社用車に乗って、目的地の札幌に向かった。札幌までは約40キロ、途中の大平原と小高い山々の間を走行し、折からの秋の紅葉を楽しむことが出来た。所要時間1時間20分程度である。札幌駅に程近く市の中心地に位置する札幌支店に入り、会社の幹部の方々と昼食をとりながら歓談。この日の行動予定の説明に従って、活動拠点と現場の様子をご案内いただきながら、一日の業務を進めることになった。

札幌に来たのは正直のところ、あまり記憶にないほどに古い話になってしまう。高等学院時代に、三年の修学旅行に行った時である。札幌と云えば、北大のクラーク先生がすぐに浮かんでくる。如何にも荒漠と広がる新天地を思い浮かべ、青春の気が脈々として伝わってくる気宇壮大の地である。そして北大の寮歌を思い浮かべ、「厳かに北極星を仰ぐかな」と口ずさんでみたくなるものである。札幌行はそれほどに久しく経験するものだが、つい最近にも行ったような錯覚に襲われるくらい、不思議な魅力を抱かせる。新聞やテレビで報道されることが多くなってきているから、親近感がわいて身近に知識を得ることが出来ているせいかも知れない。

  得意先の会社の幹部の人たちとは、札幌駅を中心にほぼ東西南北を制覇して車を走行してきたので、街の状態を「総合的、且つ俯瞰的に」頭の叩き込むことが出来た。俯瞰するとは、首相の菅さんが日本学術会議にいちゃもんを付けて使った言葉であるが、「大観して、鳥瞰する」と云った表現が勝っていいかもしれない。菅さんのこと、最初からこんな難しい言葉を使うこともなかったのだし、どうせ役人が菅さんのことを忖度して考案したものに違いない。そもそも俯瞰すると云った言葉は、役人だから使いがちだが、上から見下すと云った意味合いが強い。国民から負託された政治家が使うはずがないが、菅さんにしてみれば、つい、うっかりと云ったところだろうか。

   北海道の歴史は古くして新しいものがある。明治初期から国策で以て開拓民として送り込まれた先代たちが、艱難辛苦の末に切り開いて今日があることを忘れてはならない。整然とした都市計画を以て近代都市の建設が功を奏し、今日のような骨組みが出来上がった。都市の景観を大観して、本邦からあたかも独立したような国家形成を見る感じで、異国の感を抱きしめないものがある。津軽海峡を隔てているので、本邦とは違って地質形勢も手伝い、気候風土も成り立ちも異なって、歴史をたどればアイヌ民族による異種の文化形成を成し遂げた感じである。それが明治になってから、時の政府による強制的な移民政策が浸透して同化政策がとられ、次第に本邦に組み入れられていった経過がある。開拓は時に悲惨な歴史にもつながっていった。

札幌は、 街並みに豊富な緑地帯が設けられていることが特徴である。緑が豊富に配置されて街なかに溶け込んでいて、自ずと清潔感、安堵感を覚えるのはそのせいかもしれない。駅前の中央通りを西に向かっていくと随所に緑豊かな公園が所在する。そして美術館が多いのだろうか、名称も美術館通りと称して優雅に感じたし、折しも紅葉時の小高い山が近くに迫ってきて、京都の嵐山をほうふつさせるものがあった。言わずもがなの文化都市である。札幌市街を流れる豊平川は、さしずめ京都の桂川と謂った趣きである。この時期には、鮭の遡上でも知られる清流である。存在意義も確かめながら、古い都の京都と、近代都市の札幌が、いみじくも融合すると云った譬え遊びも浮かんできて、実に愉快である。この日は格別に快晴の日に恵まれ、大気が澄み切っていた。

札幌市中央区、札幌駅を中心にして周辺を巡ったあと、豊平川を渡り豊平区の一部を検証、再び引き返して森閑とした中島公園の脇に在るコーヒー喫茶の店に入る。洒落た造りの大きな店である。同行者は社長始め四人であるが、今日の作業の結果について話し合い、歓談して情報の交換を済ませた。そして日が短くなった夕映えの迫る街なかを、すすきのの繁華街を経由して6時ごろグランドホテルにチェックインした。小休止のあと近くの寿司店、「椿や」にゆき再び皆さんと合流、たしなんだ夕食には北海道の海産物の名物品を万遍なくご馳走になり、札幌の夜を静かに味わった。小生としては、これを以て札幌行の仕事はすべて終了し、後日に引き継ぎしていくことにした。 

  余談だが最近酒が弱くなって以前のように、陽気に騒いで座を盛り上げるということが不得手になってきた。家で飲む習慣が身について、食事の前に軽く飲んだ後はすぐに寝てしまう癖がついて、起きているのが大儀である。年だよ、と云われてしまえばそれまでだが、気持ちは常に青味がかっており、さわやかに胸を張っているつもりであある。人さまの前で居眠りするわけにもいかず、多少の我慢を強いられるがゆえに結構身に応えることもあるが、一杯飲んでしまうとそんな気分は弾き飛ばしてしまう。椿の席で心からのもてなしを受けながら、力強い紳士諸君たちとの歓談の席は実に楽しく学ぶことが多かった。 ホテルに帰還してから風呂に入り、充実した気分で一日を過ごし、ベットに横になって安堵の念に浸ったのである。 

  翌日8時40分に社用車が迎えに来られた。その前に朝食を一階のダイニング広場で済ませたが、こればかりは全国一律、コロナ対策で従業員も神経を使って大変な雰囲気であった。消毒の上に手袋を付けてセルフサービスでこちらとしても不得手である。家内に叱られるが、朝食はいつも定番、納豆にたくあんと云った粗食に慣れているせいで、不慣れなのかもしれない。口に頬幅って、そそくさに済ませてきた。直ぐにホテルを出発して車で新千歳空港に9時半到着。 30分遅れで東京発のANA機が着いて乗客がすべて降りるのを待って、それから搭乗の準備のための時間を要した。とんぼ返りのフル稼働である。大勢の修学旅行の学生諸君が搭乗したあとに一般客が搭乗し、私らもそのあとについた。行きの時と同様、帰りの席は贅沢にもプレミアム2Aの座席で、窓辺を取ってくださった。 I 社長には何かとご配慮いただき感謝している。本当に長い付き合いをさせてもらっているが、小生が健在なうちにT社に対しなにがしかの用を足して功績が挙げられれば本懐と思っている。

  帰りの飛行機では、ゆったりとした席で左手の窓から外の景色が手に取るように眺めることが出来た。意外にもジェットエンジンの翅がくるくると回っている様子を子供心に楽しみながら眺めていたし、巨大な機体が滑走路から浮き上がり飛び立つ瞬間も鮮明に記憶しており、身軽に上昇していく感触にうっとりして心酔する心境だった。そして悠々として天空を飛翔していく感動を一気に詠んだのが、冒頭の一首である。 

  帰途では、発着時の苫小牧港を睥睨する様子や、 着陸時の木更津上空からの様子など、仔細に頭に植え付けておいたので、実に印象深く脳裏に映ったままである。木更津吉原線国道沿いに在る、矢那神納の社有地の所在を確かめながら、木更津市の概要を空からつかむことが出来た。そして東京湾とアクアラインの様子、横浜、川崎の港湾施設と都市の形成もうかがえて参考になった。脳裏から、消えることはないだろう。 こうしてみると小生は元来、飛行機の旅が好きなのである。 

  最後に、お世話になったT社の益々の発展を祈り I 社長始め、幹部の方々に心から謝意を申し上げたい。                            10月22日

    トランプ、バイデンの第二回テレビ討論

  日本時間で午前10時かな始まったテレビ討論にスイッチを入れた。この種の放映では、はっきりしない同時通訳について、小生に限った問題かもしれないが、通訳は正確だと思うがアナウンスとしての言葉の発声がはっきりしないため、討論を交わしているしている内容が明確に伝わらないので諦めて退座した。残念だが、後でニュース解説を交えた番組で聞くことにする。

  経済、軍事大国であり世界をリードするアメリカ。民主政治が浸透し、ダイナミックなアメリカで行われる選挙なのに、共和、民主の二大政党から立つトランプ大統領、バイデン元副大統領が、いずれも高齢で老獪あることが面白くない。活力に富み、前進するアメリカに躍動する若者の立候補者が出てもいいのに、以て矛盾するアメリカの様態を見るにつけ戸惑いを禁じえない。残念である。

  良識と、常識を欠いたアメリカ社会は、民族の分断と対立をほしいままにして、しかも煽情的である。トランプの自国第一主義は、自分第一主義に跳ね返って、個人主義的性格が極めて濃厚であり、協同と団結を掲げるアメリカ民主主義に著しく反するものであり、それが今のアメリカ社会を象徴している。将来ともに、危惧すべき点である。トランプにもう少し寛容の精神と、国際連携の政治思想が備わっていれば、かなりの成果を上げられるに違いない。

  経済の成長と、株価の上昇は結構な話であるが、これはトランプの功績によるものではない。その一部はトランプ政策に寄与するものではあるが、全てではない。FRBによる抜群な金融政策と、民間企業の旺盛な経済活動の努力の結果であり、賢明な消費者の政経活動によるものである。

  そもそも大統領が納めている所得税が適法とはいいながら、邦貨にして7万6000円と聞いて驚く始末である。納税額は低所得者、一般労働者にも及ばない。脱法はしていないと云いながら、それだけを以て大統領の素質を問われるもので、常識的に失格である。しかし、それが堂々とまかり通るところに、今のアメリカ社会の不条理が跋扈して、今日の癒しがたい社会構造を垣間見る感じである。大統領が決まれば、ばらならに散らばった問題は収れんされることを期待したいが、浮き彫りになった民族の分断と対立、黒人と白人、低所得者層と富裕・中間層の深層は複雑かつ根深いものだけに、心配である。選挙結果も混乱気味という風評で、バイデンが優勢だった場合に、いきなりの政権交代も不安な感じである。11月3日以降も緊迫が続き、暫くは目が離せない状況かも知れない。

アメリカ国内の政治的混乱、民族の対立は世界にとっても不幸である。そうした事態は是非とも回避して面目を保ち、政治、経済の安定と繁栄を望んで止まない。
                                      10月23日


札幌行

天空は視界を遮るものなきに彼方は虹の色を帯びけり

上空の空を見つめて童心に竹とんぼにも乗る心地にて

真空を飛ぶジェット機の音もなく眼下の雲の如何に眩しき

札幌行立った二日の行程に十年奪還の成果治めり

意義深き札幌視察と検証に躍動感に浸り帰京す

轟音を立てて飛び立つジェット機の全ての馬力をこれに費やし

ぶるぶるとジェット機の翅ふるわせて飛び立つ機影の窓にでっかき

ふくろうのまなこに映る明らかに地上の愚かな人の争ひ

松茸の形をしたる眼前の雲の柱のそそり立つかな

うねりたつ雲の柱の幾すじに錦の帯を織りたてしゆく

木更津の上空にきて旋回す機体の斜めにひるがえし行く

天空を指して飛び行くわが背にも己ず生えるたる大いなる羽

一世の上を逍遥せる心地して天下を俯瞰せるの心境


    札幌行のANA56便の機上の身になってから小さな枠の窓に見た外の景色は青一色の空の空間であり、在るとすれば雲海の静かな波でだけで興を増すものは一向に見当たらない。ただ水平飛行を続ける機体の僅かな揺れと滑らかなエンジンの音だけで、モノトニックな世界である。動かずに座っている方が疲れるという話になってくる。

  宇宙飛行士の若田さんがスプトニークかに搭乗し先刻無事に我が地球に帰還したが、機内はさぞかし退屈な時間に違いない。なんと搭乗機関347日間という記録である。携えた研究科目に熱中している間はそれなりに充実した時間が過ごせて楽しいかもしれないが、熟達訓練士とはいいながら、ぼんやりして過ごす時間もあるに違いない。想像するに、そうした時間の過ごし方が大変なことに違いない。しかも地に足がつかぬ行動で、浮力にゆだねてふらふらしている生活である。天空を舞い、遠くには夢のような話になって、暗黒の宇宙を飛行し、あこがれの月に到達すると云った壮大な計画になって際限がない、そんなことを思ったら、そんな世界に行きたいとは思わないし、久米の仙人に聞いても同じ答えが返ってくるだろう。無重力の空間を浮いていることを考えると、身は川面の浮草でやるせない気持ちになってくる。

  もっと身近に考えてみた。一昨日お世話になったJAL50便と、ANAの56便を操縦している機長だってそうである。操縦席に座り、多くの大切な人命を預かっているので、もとより責任は重大である。いっときの余地もないくらいの緊張感に苛まれていることだろう。時空をこえて単調に単調で耐え睡魔も襲ってくるかもしれないが、そこは訓練の賜物である。自動操縦に任せているとしても、目をつむっているわけにもいかず、手放しをしているわけではないし、職場の任務と使命感からして、むしろ硬直して緊張気味だろう。

宇宙空間を飛行している機体は、ほぼ真空状態の無重力を経験しているはずである。そうした状態が長期にわたった場合に、身体はもとより、精神的な異常をきたさないだろうか、凡人はすぐにそうしたことを考えてしまう。地に着いた考え方をしろ、とは良く戒めに使う言葉である。万有引力が働いて、以上に重力があるからこそ人間は地に立って活動することが出来るのである。究極には、地に死を付けてわが身の存在を確と自覚し、実存を知るのである。

  宇宙に浮揚しながら、パスカルやニュートンや、サルトルのような頭脳をめぐらすことは出来まい。ニュートンだって自然科学者であり、数学者、物理学者、哲学者、そして神学者である。神学者であるというところが、意味深淵と云わねばならない。ニュートンをはじめおそらく大方の科学者たちは、真理の探究に迫り、突き詰めて行った先に、厳然たる「神」に到達したというから、人間の思索とは茫洋としたものであり、真理の探究に確たる信念をもって立ち向かう姿勢は頷けても、たどり着くところは賢者の一点、深淵に触れて絶対者である「神」の存在しかないということである。

  重力を無視した世界に住むことは無意味である。生を授かった人類の賢者たちは皆、地に足を付けて思索に努めた。重力の生きたこの地球こそ、宇宙から見た翡翠の如くかがやく貴重な「実存の物体」である。 水と酸素の生きた世界であり、この成り立ちと構成を、人間が砕くようなことをしてはいけない。 今までは気づかなかったことで、羽田と新千歳空港の僅かな間を飛んで、身に染みて感じた結果の瞑想である。                                            10月26日

         


社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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