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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

Vol.10-04 さくら

          


             さくら

 
        今年の桜は花持ちがよく、4月に入ってからの土・日の3日と4日、そして一昨日の土・日の10日、11日と、ほぼ2週間に亘って桜の花を観賞することができました。未だ不景気のため外出を控えてでしょうか、満開の桜の名所は各地で例年になく多くの人出でにぎわいを見せました。拙宅の庭には幹廻り1メートル余の桜の木が植わっていますが、種類は染井吉野の桜です。薄桃色の花びらには優雅な趣がありますが、そばに真っ赤な大輪の椿が品よく咲いて、色彩の綾を競っていますが、しかし桜は、そろそろ花吹雪と散っていくことでしょう。「 桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿 」とも申しますが、40数年経つと桜も古木の部類に入ってきます。桜には気の毒ですが馬鹿を承知で許してもらい、三年に一度ぐらいは大きく張った枝を庭師に払ってもらっています。桜の木が伸びたままにしておくと、樹の枝が広く、高く張って鬱蒼と繁ってしまい、庭に大きく日影を作ってしまうので、止むなく庭師に枝を短く切ってもらっています。幸い枯れることなく、勢いよく生命力を保って、毎年優雅な花を居ながらに愛賞することができるのは幸せであります。今年は大木の幹に、僅かに残された小枝に、薄桃色の可憐な花びらがびっしりと咲いて、小ぶりに開いた花の傘がひときわ優雅に写っています。染井吉野の花の下で、宴会ならぬ野点の長閑な茶をたてたくなりました。
     今年の気候は立春を迎えてのちも三寒四温の繰り返しが続き、朝晩の気温の下がりは顕著なものがありました。つぼみがほころび始めた桜に、冷たい風がその都度吹きつけて、開花の勢いを止められてきたからでしょうか。その間、五分咲きのさくらを長く愛でることが出来ました。さくらの花も全開したあと受粉をしてのち、散っていきます。花の役目は美しく見せて終るのだけではなく、大きな役目は受粉にあります。そして命を絶って散ってゆくのです。受粉をおえた花がさりげなく散ってゆくさまは、美しさの中にも一種の寂しさ、はかなさを感じるのは、そのためかも知れません。
     拙宅の近くには観桜の場所が幾つもあります。九品仏境内の桜を始めとして呑川沿いの桜、等々力不動尊の桜、目黒川沿いの桜と、枚挙にいとまがありません。猫じゃら公園のように子供たちが遊ぶ広場や公園にも必ずといっていいほど桜の樹が植えてあります。、そして極めつけは近所に点在する有機栽培の農園に咲く桜です。枝ぶりもよく、畑の肥料を充分に吸い上げて花にも勢いがあります。日本を象徴する花だけに、日本中到るところで愛されている桜は「 桜前線 」と称して、日本列島を日にちを駆けて縦断して、春の光を私たちに届けてくれます。そして私たちの心に、桜の花びらの華やかな舞いを残して去ってゆきます。


             竹の子掘り

      昔、アクアラインが完成間近ということで、木更津市街に接した矢那という所に1000坪程の土地を縁あって買入しました。かずさパークは、これよりまだ先ですが、現況は県道路沿いの地型のよい平垣な雑木林です。雑木林と思っていた土地には孟宗竹が混在して生えていて、毎年春の時期になると沢山の竹の子が生えてきて、近所の人が竹の子狩りに沢山来るそうです。所有者が東京のどの人か判らないので、その上、さしたる手入れもせずにあるので、自由にお採り下さいという感じで何年もきています。
      近所に住む好人物の大岩さんが毎年、竹の子が生える季節になると「竹の子が出てきたから採りにいらっしゃい・・・・・」と知らせてきてくれます。竹の子狩りにいく時は、竹の子が予め出ていそうな所に竿を立てて目印を挿してすぐに掘り易く、色々とアドヴァイスをしてくれて助かります。以前、家族と仲間で、3台の車で竹の子狩りに出向きましたが、収穫してきた竹の子は3台の車のトランクに一杯つめて、数えてみたら70本近く積んできました。その竹の子の美味たるや、八百屋やスーパーで売られているものとは違って正に絶品で、たとえようがありません。生育に手ごころを一切加えず、自然に出て来た野性的環境で生え、正に天然の産物というべきでしょう。毎年の落葉で土はふっくらとしており、豊かな堆肥に恵まれて出て来た竹の子は、旬にふさわしいものです。
     今年はニューヨークから3年半の任務を終えて帰国した娘が、「あの土地は未だ持っているの」と聞かれて、売らずにそのままにしてあるよ」 と云ったところ、竹の子を掘りに行きたいと云うのです。早速、大岩さんに連絡したところ、ちょうど竹の子狩りのシーズンなので、来る日に備えてロープを張っておきましょうと云って下さいました。4月4日、イースターの日に終日かけて娘たちが会社の人たちと連れだって総勢16名で出かけたところ、地元の大岩さん一家の大歓迎を受け、昼食には大そうな御馳走で温かいもてなしを受けてきたそうです。もちろん竹の子掘りも大いに楽しんで、この日の収穫は60本近く、それも持ちきれずに運んできました。日ごろの都会生活では手にすることのできない旬の生き生きしたお土産であり、手にした竹の子は、そのまま息づいていて可愛いらしいことこの上ないものです。竹の子の林には、孟宗竹と一緒に、桜の木や、木蓮や、山椿なども自生しているので、今の季節は「桃源境」をさまよう風情があります。
      一行には日頃仲良しの友だちでアナウンサーの木佐ちゃんや淳子ちゃんも参加して、未だ小さい子供たちも連れてきたので、大喜びで春の林の中を駆け回ったことでしょう。野生的で、自然のなかで竹の子掘りの楽しい体験もしてきて、この日の行楽は大満足だったようです。拙宅に届いた竹の子は、どっしりとして見るからに大きなものもあって、普通なら固くて食べられないのではないかと思うのですが、実際にはさにあらず、肥沃な天然の土壌で息づき顔を出してきた竹の子は、やわらかく、実に美味なことに驚きました。しっとりとした皮をむくと、クリーム色をしたつややかな竹の子の実が出てきました。それを大きな鍋でゆでると、あく抜きする必要もなく、適度に包丁を入れ、わさび醤油につけて食べるのです。そうです。竹の子のさしみです。これが絶品で、一杯飲み乍ら味わっていると、竹林で飲む酒に「李白の詩 」を吟じる心境になってきました。


       アフリカの資源


     資源欠亡国といってよい位の日本は、この種の戦略は官民とも一貫した戦略に乏しく、資本と技術のみに依存し、その活用度は、各国、特に新興国の情熱と勢いに圧倒されています。以前から指摘しているように、特に中国の戦略にたけた海外資源の獲得は抜群であります。最近は、アフリカに目を向けて、国家戦略を展開してきております。
     加えて最近は11億の人口を有するインドが、これに遂隨する形で積極的外交を進め始めました。更に急速に発展するブラジルのような新興国も、広大な領土と資源を持っていながら、同じような戦略を展開してきております。
      アフリカは石油やアメタル(希少金属)などの資源が豊富にあります。之が手付かずに眠っているので、経済発展国や先進国にとっては垂涎の的でもあります。既にアフリカに資源外交を続けている中国は、各地に莫大な資金提供を惜しみなく申し出て、アフリカ各国から資源鉱区の権益を取得してきています。人口13億超の中国経済の発展を持続させるには必要不可欠となる資源だからです。
中国の経済発展は、沿海地区から内陸地区へ、工業地域から農業地区へ、厖大な市場をかかえて躍起になっています。この大きな動きは止めようがありません。かなりの長期にわたって持続していくことでしょう。当局は過熱を適当にセーブしながら、成長路線を巧みに推し進めています。
      資源開発や、資源獲得競争の激化した国際情勢を大観するとき、日本の将来は安閑としていられないのではないでしょうか。官民一体の経済資源外交を、強く堅持していく必要があります。
サブプライム商品の破綻で、世界の金融界が一大衝撃を受けて金融システムの混乱が続きました。多くの金融機関が紙くず同然の金融商品を抱え込んで経営破綻に追い込まれていきました。その最大な規模となったのは、リーマン・ブラザーズでした。世界は大恐慌一色の不安に覆われました。それまでの原油価格は、市場最高値をつけた148ドル以上となって、多くの商品価格の暴騰をもたらしました。しかし、リーマン破綻後の世界経済の混乱と、市場萎縮におののくマーケットは、なべて急落し、原油価格は急落を続けていきました。
       私、並びに当会は、事態の急変と状況に驚き、国際社会が一体となってこの難局を乗り越えなくてはならないと、各種の提言をしてきました。例えば、暴落が続く株式市場においても極端に値下がりした株式には少しずつ買い物を入れていけば、必ず底を打つ場面がきます。急激な不安と暴落が一巡するときには、反転に転じていくこともあります。原油が40ドルを割ったとき、之を買い下がって日本は備蓄に備えろと提言しました。日本が原油を買い始めたということで、不安心理は払拭されて、穏やかなマーケットに戻るはずだと、そして百年に一度と言われた世界不況は収束に向かって起死回生の一打を打ち込むことと、世界史にその名を留めると革新的に伝えました。原油はその後さらに安値をつけましたが、今、80ドルをマークしています。
                                               4月12日。

忘れかけた経済危機

  人のうわさも49日というほどに、とかく世間を揺るがす事件も日にちが経つと、何もなかったことのように消し流されていくものでああります。良くも悪くも喉元すぎれば熱さ忘れてしまうのが現実です。
      世界的な金融危機の引き金となったサブプライム・ローンという化けものの正体が暴かれて、紙屑同然のインチキ金融商品が世界的にバラ撒かれていることが判り、それに頼っていた世界経済が一気に崩壊する運命にさらされました。お先まっ暗で、暗中模索するなか、各国当局の試行錯誤で救済支援政策が打ち出され、出口らしきものが見つかり何とか危機を回避して、ようやく立ち直りを見せてきたかに見える最近であります。
      同時に、あの忌わしいサブプライム・ローンと云う言葉も忘れかけて、その道のくせ者が、何かと形を変えてき始めたような気がしないでもありません。悪い奴らが、複雑難解な金融界をくぐり抜けて、或いはたくみに利用して、いかがわしい金融商品デリバティーブ、即ち金融派生商品でまたぞろ、忘れていたサブプライム・ローンを形を変えて編み出していて巨万の富を稼ごうとしているようであります。
     私はつい先頃、思い出したように、ホームページに書いたところですが。折も折、4月17日の日経夕刊に、これに関連する記事が久々に載りました。
     米証券取引委員会(SEC)が、米金融大手のゴールドマン・サックス社を証券詐欺の疑いで訴追すると発表したのであります。この報を受けて16日のニューヨーク株式は、125ドル安となって急落しました。ニューヨーク市場は幸いにも景気回復の兆候をうけて、このところ堅調に推移して、戻り高値を更新してきましたが、訴追の報は一時的かもしれませんが、これに水を差した感じであります。
 オバマ大統領も、この金融派生商品の取引について、「経済全体を危機に陥入れかねない」 と述べて、規制強化が必要だと表明しました。忘れかけていた詐欺的な金融派生商品の開発に、健全な投資家が犠牲にならぬよう、改めて想い起して、人のうわさも49日との言葉を以て、警鐘をならしているように思えます。秋の中間選挙を控えての選挙運動かの如く言う人もいますが、現実に、過去起きたことが懲りなく蠢いてきているところを見ますと、長い視点に立って金融界の倫理を確立定着させるためにも、改革改善は持続的に努めていかなければなりません。(4月17日)


H氏の 子沢山

      4年程前まで東南アジアで働いていた知人のH氏が帰国して、その後同僚たちとM&Aの会社を立ち上げ麹町に本社を構えていましたが失敗、しばらくして新しい名刺を持って姿を見せました。もと勤めていたT証券会社に返り咲いたとのことです。返り咲いたのか落ち着いたのか知りませんが、長い不況のトンネルをやっと抜け出してきた最近の経済情勢なので、M&Aの市場に希望が持てることでしょう。家族を日本に置いて専ら外国生活の日々は、単身赴任に近いものだったようです。
     その愉快なH氏ですが、子宝に恵まれて、中学1年の男の子を筆頭に6人の子供を授かっています。先日見えた時には近いうちに又子供が生まれると云うので、年子に近い子供たちで、さぞや賑やかで楽しいことに違いないけど、奥さんも大変だろうと云ったら、子供達が助け合って生きているから、意外と手間ひまがかからないと云っておりました。「9年年子に双子を産んで10が頭で11人」という、子福者を祝い喜ぶ俗謡もあります。「千の倉より子は宝」で、「足らず余らず子は3人」よりは、子は7人の方を私は支持します。経済的に許せば、天から授かった子供は何人いても結構なことと思っています。イギリスのことわざに「アレキサンダー大王も一度は赤ん坊であった」とあります。偉人も凡人も、赤ん坊の時は同じです。その後の努力と運命で、いろいろと差がでてきます。子福者のH氏は云いました。「うちの女房はすぐできるんです」と。「あんたがその気になるからだよ」と打ち返してやると、手で頭を掻いておりました。確かに子供は多いほど、親の手がかかるように見えるかも知れません。しかしひとりっ子のほうが実際には親の手がかかっているかもしれません。貧乏人の子沢山ですと、H氏は自嘲気味に大笑いしていました。それにしても呑気な亭主に、懸命で力強い奥さんの姿が浮んできます。
      H氏の家族構成は少子化の進む今の日本にとって、頼もしい光景です。昔は、3人、4人の子持ちの家庭は当り前でした。兄弟げんかも派手だし、ものの奪い合いももすばしっこいし、かばい会うときもあるし、社会での大人になるための訓練努力を、小さいときから自ずと正しく教わってきています。兄弟愛は、大きく飛躍して人間愛に広がっていきます。価値観の変化でしょうか、現代は独身を楽しむ傾向で、晩婚化がすすみ、未婚で家庭を持たない男性、女性が増えていく傾向があります。
      個々の問題は別としても、社会的傾向としては深刻な問題を率いでいます。少子高齢化の傾向は益々強まってゆくかもしれません。ホモ・サピエンスのフィールドで男性が弱くなって、女性が強くなってゆくのは、そもそも原形に戻ってゆく世界の様相かも知れません。そう云えばH氏のような男の姿、女の姿、家族の姿が、近頃は見かけなくなりました。
      16日、総務省は2009年10月1日現在の日本の推計人口を発表しました。定住外国人を含んだもので、総人口は1億2751万人で、前の年に比べて18万3000人減って、0.14%減の2年連続で減少幅は過去最大です。
 人口の増減の観察は、自然減と、社会減とに区別されます。生まれてくる人の数が、死亡する人の数を上回る時が自然増、下回る時が自然減となります。傾向にある人口減は、この逆転現象です。
      又、同様に国外に出てゆく人口の数と、国内に入ってくる人口の数の差を示す社会的増減の把え方があり、自然的増減と社会的増減を合計したものが、推計人口となります。景気、不景気によって人口は大きく左右されます。男性は5年連続で自然減ですが、加えて今年は女性が自然減に転じ、本格的な人口減少時代に入ったものと思われます。
     人間も動物も元来、居心地の良い所に集まり住みつきます。それは、生きものの本能的動作です。環境の変化で大きく移動してゆくでしょう。既述の自然的変化、社会的変化に特に大きく注目すべきであります。(4月17日)

               小学校の同窓会

        朋友の青山陽一郎君から前以って電話が入り、小学校時代のクラス会の開催日を知らせてくれたのち、海野章君から3月15日付で、芳友会同窓会のご案内として封筒を以て案内状を頂きました。5月18日(火)~19日(水)一泊二日で、会場は水戸から水郡線に乗っ、て福島県境に近い太子にあるホテル奥久慈館であります。日程の調整を計るべく、ぎりぎりまで頑張ったのですが、予定があって果たせませんでした。残念であります。欠席の返事を出したのが、今日4月18日(日)でした。4月半ばを過ぎたと云うのに、朝起きたらみぞれが降っていて少々の雪が庭に敷かれていてびっくりしました。
       今年は立春が過ぎてからも三寒四温が続き、天候が悪く、寒い日が突然来たりして驚くことが多かったのです。冷たい風が南から吹きついてきます。朝晩の気温もぐっと下がる日が続いています。今日は、お昼すぎから日が射してきて、ほっとししましたが、相変わらず風は冷たく吹き付けました。庭には桜は葉さくらとなったが、山吹き、もくれん、かいどうが咲き、あやめが株を増して濃い紫の花が咲いており優雅な立ち舞いであります。庭畑には菜の花が咲き、大根の花も咲いていて、日が射すと一気に明るく華やいできました。少し前から孫が遊びに来て、やかましくピアノの弦をたたいたりしていました。それが止むとCDをかけて、童謡のメロディーが聞こえてきましたが、懐かしい調べでがふと思いのなかに走馬灯のようによぎっていきました。 「赤とんぼ」 「菜の花」など、ふと郷愁を覚えて幼い頃を思い出したのです。欠席と芳友会・同窓会に返事を出しまたが、僅かな期間ではあったものの、田舎に住んでいた少年の頃を思い出して胸が熱くなってきたのであります。  (4月17日)


世界的景気回復

  4月20日の発表によると、米アップルの1~から3月期決算は売上高が49%増加、純利益が40%増加して大幅な増収増益となりました。
高性能機の携帯電話アイ・フォーンが好調であり、米ヤフーも好調で、米 IT、情報技術の大手の業蹟回復が鮮明となりました。何といっても世界経済の索引力を発揮するのは、アメリカであります。
もとより民主主義が定着し、巨大な物資力を背景に、国民の素質も平均的に優れています。政治的、学術的、教育的レベルが高く、国力を反映して政治、経済、行政スキームと、それを駆使する手法は優れて高度なものがあります。それだけ世界にとって信頼性があり、フレ―ムワークは健全に機能し、基盤は以て壊れがたく不動のものと云うべきでしょう。
そこで世界は紆余曲折の中、相対的にアメリカ経済の動向は、過渡期にある今の世界の安心、安定、信頼の構築に最善の選択肢といわねばなりません。ただ世界的な傾向ですが、景気回復には各国とも巨大な財政出動を以て解決に乗り出しましたが、気前よく歯車が回っていればいいのですが、財政赤字を抱えたまま何時になっても回復しないような国が出てきたりすると、財政破綻と言った事態になって金融界に混乱を招きかねません。こうした火種は、国によって燻ぶり続けている状況は油断がなりません。例えば財政危機に見舞われているギリシャのような事例であります。EU各国は金融支援に乗り出していますが、弱小な国がその予備軍として燻ぶっていることが気がかりなことであります。ギリシャがEUの金融支援を受ける代わりに、自国の財政再建策を打ち出して、健全化への道を明確に推し進めていくことが世界経済のためにもなるという固い決意を表明することが急務であります。
(四月二十二日)

       第二次大戦後の世界地図は、冷戦の中、米・ソ対立の構図はベルリンの壁崩壊と同時に大きく崩れ去りました。両大国の相対的地位が低下しつつあります。一党独裁の共産主義的思想と制度は、時代の流れに洗浄されて、大きく形を変えて国際社会に組み込まれつつあります。大きな進歩と捉えるべきでしょう。こうしたなか、気付かずに中国が大きく変容してきていることに注目すべきでしょう。 (4月22日)



G20の財務省、中央銀行総裁会議

  23日、ワシントンで開かれていたG20の財務省・中央銀行総裁会議が共同声明を発表して閉幕しました。G20とは従来のG7に加えてより多くの国々を包括した、よりグローバルな国際会議であります。日本、米国、欧州のG7に、新興国を加えた会議です。
        共同声明は「世界経済の回復が予想以上も進んでいる」と云う認識を共有することができ、我々にとっても明るい展望を描けるものとなり、安堵しています。今までは発表の文章の一部に「先行する楽観を許せるか…」と、いつも断わり書きがついていて、玉虫色のものに終っていたからです。但し、地域別、地域間にあっては依然として可成りの差があって、これが持続的、継続的発展による支障になっていると云うことも指摘しました。地域での対立、紛争の種ともなっております。国別、地域別にわたる不均衡是正も、依然として残された重要な課題であります。
       これに関連して、中国元の切り上げ問題も微妙な局面にありますが、会議では、これを敢えて意識的に回避したものと思われます。今までも米、中との間の貿易不均衡を、アメリカは度々指摘して、中国元が割高に設定されていると、その是正を強く要求してきています。会議でこれを取り上げて議論することは外圧をかけることになって、得策ではないと判断して据えたものと思われます。
       私見ですが、中国は外圧を受けて元を切り上げに踏み切ったと思われることを嫌い、自国の判断をもって威厳を保ち、これに対処したいと思っているに違いありません。自国の権威を維持することは大事なことでもあります。状況は、元切り上げに向いつつあり、早晩、自主的に切り上げに踏み切るに違いありません。環境は徐々に熟成しつつあって、ここ2.3ヶ月のうちにも元の切り上げに踏み切るものと推測しております。切り上げ幅は、5パーセント内外で、状況を見ながらその後は段階的に決定していくものと思われます。4月24日。



           東京スカイツリー

      4月24日(土)、久しぶりに晴れ間がのぞいて上空が徐々に晴れ上がってきました。11時から市川国府台にある菩提寺の即随時で、孝次兄の三回忌を行いました。当日、用意して持参する荷物があったので車を運転してゆくことにしました。拙宅を出た後、目黒通りを過ぎ、途中、白金台に近い目黒ジャンクションから主都高速に入りました。比較的空いていたので春の日差しの中、快適なドライブを楽しみながら、そして綺麗なスタイルの東京タワーを眺めながら新橋に近ずいたとき、十棟近い汐留の高層ビルの壁が立ちふさがるようにあったので、その圧迫感に改めて驚きました。
      銀座、京橋を通過する辺りから、遠くに建設中のスカイ・ツリーが目に入ってきました。こちらはあと2倍の高さまで伸びていくということですから、この地域に新たな名所が出現することになります。箱崎町から隅田川を渡っていると、近ずいてくるタワーは巨大であり圧巻であります。東京タワーの高さが333m、今建設中のスカイツリーは2倍の634m、高さ世界一を競う今回のタワーは、文字通り東京の名所となって、さびれた墨東地区に新たな開発の波が打ち寄せることになるでしょう。東上野にあって、御徒町近くで昭和通りに面してその昔、タカラホテルがありましたが、業績不振で廃業、経営上何かと話題をまいては何びとかの手に渡って、今は更地で駐車場として臨時に活用しています。現在、私の知人が所有しています。
      台東区の行政指導で、或る種の規制がありますが、中央の道路が癈道となり、合計1000坪以上の敷地であることから建築面積も1万坪を超え、さすがに規模も大きく開発には大きな資本が要るので難しい立地条件となっています。そこで、墨東に立つスカイツリーによって、赤坂、六本木、青山などの人気と人の流れの一部が秋葉原、上野、浅草、押上と所をを変えて繁華街も広がりを見せるものと期待しております。その仲介役を演じるのが、銀座、京橋、日本橋だろうと思っています。そこには、最近人気の丸の内界隈も含まれることでしょう。
      今、私の東京八重洲のオフィスの近く、京橋交差点は第一生命あたりが中心に、2000坪から3000坪の大開発が進んでいます。バラバラに建っていた大小のビルが買収の対象になって、いつの間にか次々と解体され、今は更地になって、周りを高く塀をめぐらせてなかで工事をしています。古い建物で、それ自体骨董的な価値があった、片倉工業の建物もその中に入っていて惜しまれます。ここが将来、どのように変容を遂げていくのか、少なくともここ2.3年後が楽しみであります。その時、スカイタワーの地元は、どう変容してゆくでしょうか。今、日本の資本の力の抜群さを見る気がするです。
      バブル経済、デフレ経済と十有余年~二十年近く、自信をなくした日本人、日本の経済がその知恵を駆使して再度、世界に挑戦してゆくチャンスが今いたるところにあります。暗いトンネルから出ることが出来ずに苛立っている日本人が、先ずその意識改革を内に向けて発奮すべきときではないでしょうか。経済ばかりでなく、最近は期待した政権交代もやや、閉塞感にありますが、これとて、過剰反応振りがむしろ懸念されるところです。


          上海万博と中国経済。

      中国経済の社会主義体制からの改革、解放を唱して今日の繁栄を築き、尚、前進しているそのバランス感覚は、中国のみに許されている歴史的、実証的成果と結果かも知れませんが、何かと勉学すべき点が沢山あります。北京オリンピックを成功裡に成し遂げ、今は一週間後に開幕を控えた上海万博は、その威力を持続的、発展的なものとして、これからも発揮していくことでしょう。約半年の間、入場者数一億人を見込んでいて、経済的波及効果は大きなものが期待されます。
      一方、日本の本格的な景気回復は遅々として気になるところですが、株式市況は、値動きにおいて堅調な回復軌道に漸く入り始めた感があります。企業業績に顕著な回復振りが出てきました。日本の場合、基本的にはデフレからの脱却は、地価の値下がりが止まって、上昇に転じることが第一条件でしょう。少子高齢化社会を迎えて、地価の値上がりは、これをむしろ政策的に、積極的に推し進めない限り限界があります。銀行の融資拡大も、地価の安定と、加えて漸進的上昇が前提だからです。
      何かと喧伝されてやかましい論議が渦巻いておりますが、長いことバブルと揶揄されてきた中国の不動産価格の上昇が、中国経済の発展的安定をもたらしている現状を見つめる必要があります。 沿岸部、都市部の地価の高騰が、バランスの取れた当局の打ち出してきた措置で大過なく調整が進んできております。漸く徐々に広大な中国内陸部に、農村、山岳部に吸収されていく過程を、当局は穏健にじっと描いていることでしょう。 そのためのインフラの整備はとてつもない規模に拡大されていくでしょう。内陸部の十二億の国民が、大河のごとくゆっくりと動き出す日がきっと来るに違いありません。そのときこそ中国の本来のあるべき姿がはっきりと、国際社会に現れてくると思います。今は秩序と混乱と調整を擁する試行錯誤を交えたある一時期の、それは秩序ある大いなる発展への過渡期であり、その未来は今しばらく続くはずであります。
      上海万博は、今週末、5月1日に開幕です。史上最大の規模となりますが、日本のパビリオンは最大の人気を今から集めているとのことです。日本の文化と、高い技術力を理解してもらう絶好の機会でもあります。カウントダウン、開幕までいよいよあと五日と迫りましました。開催中には約1億人の来場者を予定しているとの事ですが、私も満を持して楽しみに日本を出立したいと思っています。   (4月25日)


平成22年4月12日

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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