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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

VOL.19.5

新玉のゆかしき令和の年明けて喜び祝ふ大和まほろば  令和元年五月一日

新天皇の即位
大型連休に入って

  天皇の退位と新天皇の即位についての儀式が、今日の午前中まで開かれて、各社の報道に釘付けになっている。NHKでは親愛の情をこめて、改めて岩田明子さんの解説に聞き入っていたが、講演会での明快な口調と端正な面立ちが印象に残っているだけに一層の親しみをこめて見聞きしている。近くで又親しくお目にかかる時間が予定されているので、楽しみである。昨日の天皇の退位の儀式では、寒い気温に雨と云う不具合な天候になってしまったが、今日は一転して皐月のかすみの空が明け方には晴れ広がって、明るい日差しとなってきた。絶好の日和に恵まれて小生も思いつくままに歌を詠んだりして、その都度フェイスブックの自分の欄に載せて楽しんでいる。

  天皇の退位の儀式では、一抹の寂しさがこみあげてきてやる瀬ない気持ちにもなったりしていたが、退位の辞では、天皇の人柄がにじみ出て、短い文の中にむしろ万感の思いにしたっていた。思えば、まことに天災の多い世代であった。天皇はその都度被災地に足を運ばれて、被災者たちと思いを共に味わう旅を過ごしていらした。公務の多くはそうした旅に費やされてきたが、常に国民と同じ思いに立って、ひたすら寄り添う姿勢は、戦前戦後の苦しい日本の時代を過ごしてこられた思いからにじみ出たものである。戦争の一部を体験した天皇は、だからこそ平成の時代に戦争の無かったことが唯一の幸せであったと述懐することにも繋がったのである。悲惨な戦争の無かったこと、平和な日本のありがたさを思い知らせるものであった。

  新たに天皇に即位した立場の重責は知る由もないが、若々しさは毅然とした姿に及ぶ新天皇の印象である。即位の辞では、その熱い胸中を述べて、上皇の意志を汲み、国民に寄り添う気持ちと、平和を念願する希望に満ちたものであった。国の安泰と国民の安寧と弥栄を願って、祈りに充ちたものであった。加えて、新しい皇室と象徴としての天皇像を模索して、尚自己研さんに努めていく旨の心境も述べられていた。皇后となられた美智子妃も、気品に満ちて健康に見えたし、終始にこやかに明るい面ざしに安堵した。たびたび体調の不調を伝え聞くので、無理が昂じないよう健康に注意して公務に臨んでもらいたいと念願する思いである。

  皇位継承の順を追って、安倍首相も色々と多忙を極めて今日まで勤めを恙なく果してきたことに労を多として心から敬意を表したい。国民を代表して、平成天皇への感謝の言葉、そして新天皇へのお祝いの言葉を通して、憲法の精神を以て揺るぐない信条を示してもらえた。我々も又、新天皇の即位を祝福し、令和の御代が、うちには諍いのない平和な時を過ごし、戦争のない時代の構築にさらに邁進して、豊かな社会の建設に、以てわれわれも自己研さんに努めることとしたいものである。   5月1日

朝見す天皇皇后の新しき時代に示す思ひ熱きも

麗しきかすみの空の晴れ行きて令和の年の明くる朝かな

新玉のゆかしき令和の年に明け喜び祝ふ大和まほろば

平成の晦日を過ごしはらからと明るく令和の年を迎へん

この時ゆ平成の日の幕を閉じ新たな令和の御代を迎へん

信頼と敬愛のもと国民に感謝し退位されし天皇

平成の御代も若葉の燃え盛る皐月の雨に幕を閉じけり

万感の思ひを胸に簡素なる退位の式に臨む天皇

戦前と戦後の悲惨と苦しみを味はい人の鍛錬さるるに

上皇の経験さるる教訓を生かして進めて己が道にも

平成の御代も若葉の燃え盛る卯月の雨に幕を閉じるや

明日迎ふ令和の日より我が国の新たな道を模索するべし

麗しき令和の年に我が国の構造改革に着手するべし

平成の御代に特異な病状に侵されしまま過ぐる経済

ニューヨーク株式市場の活況に東京市場のこれに及ばず

平成を襲ふ経済の変動にその都度あつく思ひよぎりぬ

平成の晦日となりて己がじしさまざまなこと思ひよぎりぬ

平成の御代に別れを告ぐる朝さつきの雨に山鳩の鳴く    (和歌の順序は逆になっています)。


平成経済の残したもの


平成の御代に特異な病状に侵されしまま過ぐる経済

平成より令和に手渡す経済の特異な病ひの治療しがたき

ゼロ金利金融政策の無政策不治の病ひに如何に対処す

危惧すべき国家予算の膨張に歯止めかからぬ不治の病ひに

  世界情勢の変転もさることながら、過去に襲ったバブル経済の後遺症が未だ癒されてないまま、平成から令和の御代に変わった。元号が代わったから何かが変わるわけでもないが、経済の営みがこのまま続いて行っていいものか疑念に思うことしきりである。平成30年に幕を引き、令和の年に元号が代わったのだから、何か国民に利益をもたらすものがあってもいいと思うが、景気の低迷は明らかになってきて、現実にはそれが叶わず引きずったまま苦悶している。景気回復が足踏みしたままであり、むしろ後退気味なのが心配で、消費税引き上げの予定も危ぶまれてきている。景気が回復しないまま、国家予算ばかりが膨張の一途をたどり、先の国会では歳費、歳出が百兆円を突破すると云った異常な状況に突入している。これに対して当事者はもとより、異議、異論を唱えるものがだんだん少なくなってきて、慢性化してきている。
   借金づくめの予算編成、国債残高は一向に減る気配なく、ますます増加の一途をたどるばかりである。一千百兆円とも二百兆円とも云われている、天文学的数字の現状である。当局も手ごまねいている有様だ。日銀のゼロ金利政策の長期化で、歪められた金融システムは放りっぱなしの体でもはや手が付けられないでいる。結果、経営悪化の地方銀行の財務環境と状態は、おしなべて破綻に近い状態に追い込まれている。マンネリズムになって当局も有効な病薬、対策が見つからずに放心状態と云っても構わない。先ずもって、日銀のゼロ金利解消と、国債残高の膨張に歯止めをかける工夫が必要だ。これは平成に時代につくられた経済の慢性的病魔である。浮かれている場合ではない。

想起してみよう。例えば、株式投機、不動産投機の過熱を抑えるために当局は平成2年に総量規制を実施して金融引き締めに乗り出した。野放し状態だった金融機関の貸し出し抑制に出た。その後、急激に投資熱が剥げて行って、それなりの効果を奏し不動産の高騰は鎮静化した。しかし当局は事態を楽観して野放図のままにこれを放置し、株式市場はもとより、銀行は多くの不良債権を抱えるに至った。適宜を得た金融政策を実施していれば金融界、ひいては経済界の混乱を避けられて正常化に成功し得たにもかかわらず、当局は無能、堕落に走り、企業をとことん傷みつけるばかりで、いたずらに時間の経過を待つのみとなった。通常、当局による規制は、ある段階で徐々に緩和されるべきものなのに自立による再起不能にまで企業を追いやって行ったのである。正常な感覚、正しい使命を忘却した官僚の僻み、やっかみに他ならないと云いきるほどの執拗さであった。侵してはならない真の髄まで、銀行と企業を痛み続け、自律回復不能にまで追いやってしまった。その後遺症は未だに及んでいる。失われられた二十年という経済的低迷とその罪状は、余りに大きな損出を日本社会にもたらしたのである。失われし三十年という見方をして、未だにその残滓を見届ける始末である。今日世界から大きく後れを取っている、日本の経済的、社会的構造を目の当たりにする現状である。同時にこうしたことが官僚の質的低下を惹起して追い打ちをかけており、地方の役人に至っては知識の低下と理念の欠如を招き、地方の停滞を長期にわたってもたらしている原因でもある。罪深きは現場を知らない愚かな指導者、高級官僚の独善的、猛目的思考の実施であり、行政指導の誤りである。 猛省と改革を促したい。

  そんな感慨を以て元号の改変の日の今日を迎えたが、日本社会は少子化の一途を転がり始めている。人口減少は、国力減退、国家の衰退の兆候である。経済政策を誤っているから、青年諸君の結婚意識も脆弱しつつある。政府は、移民政策を以てこれに対応しようとして世論作りに懸命のようだが、目先にとらわれた愚問に過ぎない。人口政策を大局的に考えて、諸政策を動員すべきである。 小生が持論をその都度ホームページの理事長室から発信しているが、 国、即ち国民の一人一人に希望を持たせることが政治家の務めである。 5月1日


平成の忌み嫌ふべき災害と汚濁を拭ふ雨の晦日に

国民への信頼と敬愛とに支えられ感謝の念を述べる上皇

大役を無事果し得て退位さる平成天皇のにじむ人がら

一抹の寂しさの有り天皇の去り行く後ろ姿見るにも

瑞雲の棚引く空に目出度くも令和元年の初日昇り来

天皇の良き計らひに恙なく皇位継承を果たすこの国

明け初める茜の空に麗しき令和元年の仰ぐ初の日

象徴の責務を果たすと天皇の決意を述べて凛々しかりけり

ほのぼのと若さに満ちて天皇のすがしき姿に新たなる道     5月1日

大型十日連休明けの株式相場

  昭和の日、憲法記念日、みどりの日、そして子供の日と云った祝日が、毎年の行楽の大型連休になっていたが、今年はこれに天皇の退位と、皇太子の新天皇の即位と令和の改元の祝日が加わって、連続して10日間という超大型連休となった。繋がって長くなったのは、祝日に挟まれた平日は休日となり、振替日の休日も加わったが故である。
  天皇の生前退位は歴史的なものとなったが、崩御によって生じた新天皇の即位と違って、お祝いムードが一段と高まって、良い結果の祝賀行事となった。未経験であり10日と云う連休が長いことで心配されていたが、そうしたことが含まれて恙なく過ごすことが出来たのかもしれない。だらだらとした気分でいると、生活と活動に緩み、弛みが生じて社会に大きな影響を齎す結果にもなりかねない。人口移動で大混雑が生じたが、列島には大きな事故もなく恙なく過ごすことが出来て幸いであった。

  拙宅では夫婦二人きりの所帯なので、この時期の大型連休は、以前であれば絶好の機会と海外旅行へ飛び出しているところだが、行きたい国は大体生き尽くしているので、強いて大混雑の中を海外に逃避する必要もなくなってきている。むしろ自宅に居て好きなことを自由自在にやりのけて、ゆっくりと休養を採る方が好ましく思っている。単なる観光であれば、国内にもふさわしいところが沢山あるから、むしろ安直であり気兼ねが無くて済む。
  祝賀ムードで始まった連休の前半は、以前から続く天候の不順で気温が低く推移し、加えて雨風に見舞われて行楽日和とはならなかった。今年の連休は珍しく、皆が国内に滞在すると云う珍現象であった。そうしたなか、子供たちが計画してくれたのは、長兄家族が経営している千葉の長柄の牧場に二泊三日の日程で行くことであった。「ソリル生命の森」という地名である。幸いに天候も回復しきたし、5月3日の正午ごろ娘夫婦が運転する車に同乗して家を出た。後部座席に乗って、楽な行楽である。期待通り穏やかな日和となって、行く先々で豊かな自然を満喫することが出来た。アクアラインを通って海ほたるから海上に出た。東京湾のど真ん中を走っていくところ、五月の空と海は青くかがやいたいた。海上に幾隻もの大型タンカーがゆっくりと航行し、大空には大型旅客機が迂回して飛んでいる。小型化されたスマホ、SNSといったネット社会、時代でも、例えば人間や物資を運ぶ超大型スキームは根本的には変わらない。こうしたことが人間の姿、存在と意識を確認できることが唯一の救いである。360°の展開を眺望しながら木更津に出た後、山地や田畑の景色のなかを通過して誉田に向けて北上し、約一時間余で目的地に着いた。場所は市原にほど近く長柄と云うのどかな山間地の田園地帯である。アクアラインを渡らずに、東京湾沿いを経由してきた息子家族と目的地で合流した。連休の半ばであり、車の渋滞もなくスムースに走行できた。

  一帯は敷地100万坪、東京ドームの30個分に相当する複合レジャー施設である。昔大規模に開発された観光地域で、高層のホテルやリゾートマンションも建っている。その後さらに開発整備されて、広域にスポーツ・レジャー施設などが完備して観光客の誘致に成功している。このソリル正汚名の森の地域に隣接して、長兄の娘夫婦がエバ―グリーン・ホースガーデンという名の牧場を経営していて如何にも楽しそうである。この地域で一体となって存立しているので効率的だし、将来の展望も発展的である。飼育したり預かっている馬も含め39頭を牧舎に収容している。乗馬の訓練や、乗馬を楽しむこともできる。広大な敷地の一部にはレトロな山小屋風のレストランがあって、多くの観光客をもてなしている。 迎えに出てきた姪の家族も皆、カウボーイ姿のイカス立ち舞である。
 
 ホテルが満員だったので、敷地内に散在する山小屋風のロッジを二棟借りることにした。タイミングよく借りることが出来た。ホテルに泊まるより、ロッジに泊まった方が醍醐味があって面白い。巨木の立ち木に囲まれて、森閑とした山の生活である。 あたりに、鴬が盛んに鳴いている。隣り合わせに452号、453号と小屋を借り切ったが一棟のロッジには、中央を高い吹き抜けの居間に、左右に広い部屋があって、それぞれに独立した所帯が止まれるようになって、たっぷりとした間取りであり空間である。大きな窓から、緑陰と自然の庭園が楽しめて爽快である。こんな雰囲気で終日何もしないでぼんやりしているのも、10日間もの休日があてがわれたなら、もってこいの時間の過ごし方である。騒然とした都会の生活から、研ぎ澄まされた職場から解放された気分である。頭の中を、薫風が通り抜けて行く気がした。

午後、敷地内を車で走ってスポーツジムの会館に行く。プール、テニスコートを始め各種の屋内スポーツ施設を完備してあり、終了後は広い温泉にも入れると云う贅沢ぶりである。二階にある卓球を二卓借りて久しぶりにやってみた。全員参加のプレイで、皆からは、運動神経が抜群だと褒めちぎられたりして嬉しかった。くたくたになった後なので倅と一緒に入った温泉では、青葉若葉の草木を眺めながら疲れをいやすことが出来た。    

  つつじが一面に咲く庭園の館に入ったのは、七時過ぎであった。息子の嫁さんが手配して、夕食の場所を斯くも豪勢な屋敷風、料亭の一席を準備していてくれたのである。この建物は「翆洲亭」と称して、元スイス大使館の建物を移築したものである。 日本の古くからある格式に心酔した当事者が、気張って移築し建てたものに違いないが、粋で豪勢な作りである。 回り廊下に囲まれた座敷から、目を転じると、庭園も又植え込みの樹木や、燈籠、敷き詰めた踏み石など味わい深く、屋敷と庭が一体となって見事な風情で、折から皐月の花が埋め尽くして、堪能できるものばかりである。     続    5月3日
  


つぶやきで東証株式も台無しに令和の御代の初の取引

株式のご祝儀相場も帳消しに関税引き上げのトランプ旋風

米中の経済戦争の狭間にて日本の英知の示すところに

条件なし金正恩氏との会談の安倍首相の良しや決断

焦燥の念の激しさ露見せり又もロケット発射の北鮮

米中の貿易戦争の激しさにトランプ自身が慌て出しける

経済の理論に立った変動の予測できずに困惑の体

トランプのツウィッターのみで経済の大変動を示すこの頃

令和てふ株式相場の初日より波乱の世をば予測するなり

亡き兄の家族が営む牧場に我が一族の訪ね行くなり

新緑の光り溢るる森の道訪ねる先に竹林の宿

翆洲亭てふ館を移築す料亭の座敷に夕餉を採りし一族

格子戸を見越す和室の庭先に皐月の花の続く隅まで

今までになき十日間の連休も恙なく済み今日の出勤

米朝貿易交渉の難関


仕掛けたる米の挑みに中国の焦らずしばし冷静の時

米中の貿易戦争の激化する互ひに頭を冷やせ大国

米中の経済問題の抗争の世界に及ぼす影響の大

  米中貿易戦争がまたぞろ再燃の兆しであるが、お互いに頭を冷やし、冷静になるべきである。要はトランプと習近平の、二人の決断にかかっている。ふたりで向き合って大局的に話し合い決断すればいいのであって、交渉を下衆な担当役人に任せていてもらちがあかない。閣僚級、閣僚同士の交渉と云っても所詮、使い走りの脳欠陥の小役人である。だからいつまでたっても先が読めずにそのまま滑走し、経済大国が自国の利益、利権の奪い合いで互いに喧嘩をして止むところがない。之では世界に示しがつかない。いい加減なところで手を打って、ソフトランディングしてもらいたい。経済は刻々変わって日々動き、われわれは秩序に従って経済活動をしている。経済大国の米中が、争ってばかりいたのでは、世界各国に与える影響が次第に大きくなって、取り返しのつかないことになって仕舞う。

  結局騒いでいる米中だけが漁夫の利を治める結果になって、とばっちりを受けるのは喧嘩に加担しない、助け合いの弱い真面目な同盟諸国だと云うことになりかねない。本来であれば互いの関税をゼロにして、国境を払った自由な貿易ルートを構築することが世界、国際社会の使命であるのに、いつのまにか高い関税をかけあって壁を作り、自国の産品を優位に扱おうとしている。関税をかけることによって外国からの輸入を阻止し、自国の産業を保護し、雇用創出を図るとしているが、これは誤りである。

  今日10日1時を期限に就けてトランプが、中国が約束を守らなかったとして、10パーセントの関税を25パーセントに引き上げると公表し、中国がこれに反発、新たな貿易戦争の拡大を懸念して世界の株式が急落している。つまりこうした事態に対して、自国を含め世界の世論が危惧し反発していると云うことにトランプは気付くべきである。あしかしトランプにしてみればそうしたことはお構えなしで、そこが保護主義の恐ろしいところである。相手を極限まで追い込んで、自国の利益を確保することが目標だからである。それが結果として、自国にはねかってくることまでは考慮に入れていない。昔であれば、交渉決裂で、武力を以て相手国に侵攻していく段階である。
   それにしても恐るべきは、アメリカをはじめとした保護主義の台頭である。自国優先主義は、他の存在を無視することであり、国際化時代を迎えている国際経済環境にそぐわないものである。しばらくはこの時限爆弾に注意しながらも、こうした動向が早く鎮静化することが望ましい。 5月10日


フェイスブックから転載


   フェイスブックに書き込んで投稿していると、昭和経済会のホームページの理事長室からの発信が滞ってしまい、会員の人から苦情を受けてしまった。愛読者がいらして欠欄しておると寂しいと云うありがたいお叱りである。今日、昭和経済の編集を終え、原稿の全てを日本印刷に手渡した。午前中の会社の仕事を了し、午後から編集に取り掛かった。原稿の整理と誤字の訂正など、終日かかってしまった。この後に詠んで記載した和歌について、一首を取り上げて、細かく論評していくとエッセイが出来上がる。これは後日の楽しみにして、取っておこうと思っている。話題が交錯して列挙されているが、順序は、下から読んでいただくと時系列が分かって良いかもしれない。色々なテーマがあるので順を追って書いて行こうかなと、しばし筆を休ませたところである。

炎鵬の小兵の技の土俵上鮮やかに決め勝ち名乗りかな

大関の復帰を目指す栃の心怪力復活の白星驀進

米中の貿易戦争の泥沼化それに怯ゆる世界各国

撤退す企業が中国市場より産業空洞化を危ぶむ声も

多摩川の光る川面は銀鱗のアユの遡上に夏は来にけり

金持ちが金を巡りて奪ひあひ場外乱闘に傷を深めぬ

東風吹かばわれが便りの君のもと届かむかやとしきり思ふ夜

ぼうたんの濃き紅に咲く夕べ君が便りを読むも楽しき

ぼうたんの色鮮やかに咲き初めて夕べの里の暮るる頃かな

都よりはるかに西の村はしに君住む音の届き来るなり

さすらひの雲の片ひら西かたに行く素振りにて便り託さむ

粗末なる机に向かふ我がうちに様々な和歌しきり浮かび来

囀りてしきりにねだる小雀の羽を広げて乞ふも愛ほし

雀らの情けに染みて親が子に餌を啄ばみて分け与へける

餌をねだる雀家族が近寄ればパンをちぎりて妻と与へり

雀らのわれが袂に近寄りてしきりにねだる姿いとほし

人間の派手な振る舞ひに眩惑しその本性を捉ふ難儀さ

金持ちのケチりガツガツ行動しちぐはぐ人生を歩む愚かし

格言に長者飽くこと知らずと云ふげにトランプの性を指すなり

米中の二大経済大国の貿易戦争に歪む経済

米中の経済大国の紛争に仲介に立つ大人のなき

泥沼の米中貿易交渉の傍観に徹す世界各国

激しさを増す米中貿易戦争の係われば身に痛手負ひしに

見苦しき米中貿易争ひの見てみぬふりの世界各国

見苦しき米中貿易戦争の腫物に手の世界各国

株式の急落見舞ふニューヨーク米中貿易の火花見越して

中國の反撃喰らふ米国の報復措置と連鎖止まざる

消費税引き上げ延期の濃厚に国内景気の悪化理由に

何時までも争って居るかや愚かにも米中大国の貿易摩擦の

米中の貿易摩擦に我が国の景気動向に悪化の判断

日本の景気判断の悪化へと六年ぶりの危険信号

子等からのカーネーションの花の束妻に届きぬ良きや母の日

母の日にカーネーションの贈りもの子らより妻のもとに届きぬ

   小兵力士 炎鵬の活躍

今場所の平幕に入幕して活躍する、新進気鋭の炎鵬の活躍が楽しみである。身長168センチ、体重99キロと普通の人の身体と大して変わらない条件だが、大相撲力士として前頭十四枚目に加わって、頭角を現して大活躍中である。八日目現在、六勝二敗の好成績で発進中である。連日の勝れた取り口で、館内を沸かしているが、人気はうなぎ上りで連日、大入り満員の垂れ幕である。小兵、牛若丸だ。普段は大して興味を示さない妻だが、早くも炎鵬の土俵には夢中になって、盛んに声援をおくっている。小生は、炎鵬は牛若丸の表現にぴったりだと思うが、妻はむしろ単純に「可愛らしい」と激賞して、テレビの前で釘づけになって応援しているようだ。小生は、炎鵬の出番だと思うと、会社でテレビを盗み見して観戦、応援している。
国賓として来日するトランプ大統領も、今場所の大相撲を観戦する予定である。貴賓席で見るより、もっと土俵に近い桟敷で観戦したいとの要望である。いっそのこと砂被りで観た方が迫力があって楽しめるかもしれない。豪華な衣装に身を包んだ、行司の隣りに座っての観戦も抜群である。
  昔、味の素の常務をしていた城戸崎さんの奥さんの招待で、両国国技館の桟敷の一枡に座って大相撲を観戦したことがあった。茶屋からの飲み物や弁当などを飲食しながらの、奔放な雰囲気も味わったことがある。日本橋の割烹、藤井の女将も一緒であった。城戸崎さんは亡くなられてしまったが、女将の藤井さんはどうしているかなと思っている。花柳界の華やかさと人間模様を知ることが出来たのも、藤井さんのおかげである。日本橋の店を閉じてから、そのあと始末の手伝いをして差し上げたが、その後しばらくして消息が無く、音信が途絶えてしまっている。  五月二一日

                                 
痛快な土俵を見せる炎鵬の今までになき名演技とも

心体技その神髄たるやあっ晴れの土俵勝負の小気味良きかな

連日の土俵を沸かす炎鵬の小兵の技の勝れたるなり

炎鵬の大きな相手を翻弄し時に力士の美しかりき

声援をおくる炎鵬に連日の好取組に観衆の群れ

絢爛の衣装をまとう立行司入れ替わりみて歌舞伎舞台に

楽しげに観戦中の城戸崎さん、藤井女将の思い出もあり

天井に届けとばかり塩をまく力士の目出度い勝ち名乗りかな

土俵上仕切る力士の恰好よさしみじみ眺む今日の取り口  

            以下三十首


浅草三社祭

  故郷の浅草に伝統のお祭りがやってきた。初夏を告げる、浅草三社祭である。江戸三大祭りの一つで、この日は地元浅草界隈は全て休日、氏子たちは早くから総出で浅草三社のお祭りの準備に取り掛かり、この日の本祭りの宮出し、宮入りまで神輿担ぎを楽しんで初夏の到来を待つわけである。子供のころから最近のことまで、お祭りに係わる思い出は沢山あって、神輿を担がないまでもせめて、勇壮華麗な神輿担ぎの様子を見に、今でも足が浅草に向いてしまう。一昨日は、宮の神輿の三基が地元町内を巡って、氏子の肩に担がれられて練り渡った。騒然とした雰囲気は何とも言え力強さがあって、若衆の怒号にも似た掛け声あh魅力である。花棒に肩を入れて担いでいないと危険で、簡単には神輿のそばに近付けない状況である。迫力負けである。  雰囲気にのみ込まれてきて、思わず袢纏を着て肩を入れたいなあという気に燃えて来るのである。  5月21日


猿若の町なかに立ちててははの面影熱くよみがえりけり

ふるさとは昔の人を思ふおり物悲しくも偲びけるかな

隅田川渡る言問い橋に立ちふるさと熱く眺めやるかな

国賓のトランプさんにもふるさとの三社祭を見せてやりたや

初なつの風吹きそよぐ境内に三社祭の幟たつ見ゆ

みやうちに町内神輿の終結す百基もあれば熱気あふれり

鳩ぽっぽ豆を拾ふて手のひらに遊びてをれば夕日落ち行く

佐々木家の一族郎党が一の宮担ぐ神輿に霊気充ちたり

ふるさとの猿若町に一の宮巡りて来れば足踏み鳴らす

浅草の三社祭も昨日過ぎ初夏の匂ひの立ちて止まざる

浴衣着て植木市にも出かけんと馴染の芸者も従ひて来る

学び舎のなじみが座敷に出て酌を致して居れば出でてみるかな

福井てふ料亭を営む家に生れ修業の末に芸者になり出む

浅草の待合に在る植木市鳩山一郎も買ふていくなり

唐傘をさして旦那が雨のなか人目を避けて通ふ妾宅

こまやかな芸者の座敷のすたれ行くアッケラカンの今の時世に

赤坂の芸者と云へば本命に盛りの時を昔聞きしに

すたれ行く時代にありて赤坂の芸者育子の座敷姿に

赤坂の芸者育子の美しき踊りと座敷の姿追ふなり

快晴の空ほのぼのと明け初めて浅草三社の祭来たりぬ

浅草に夏の初めの訪れて三社祭に盛る街なか


多事多難の時

  内外の情勢は多事多難の時である。特に、アメリカ大統領に就任した共和とのトランプ氏が、自国第一主義をかざして、保護主義政策を大胆に取り上げ、こらを中国はじめ世界に叩きつける政策を取り出して、歴史的な騒動になっている。特に中国の世界市場への猛烈な進出を標的にして、大幅な関税の引き下げに踏み切って以来、その攻勢を止めようがなく、互いに応酬を繰り返し、米中貿易戦争の様相を呈している。近く首脳会談を予定しているが、双方とも引くに引けないところまでに追い込んでしまっている。しかしこのままでは際限なく、世界経済に与える影響は看過できなくなってきている。どこかで決着を付けなければならない。大人としての手腕の発揮すべき所以である。
  一方、トランプの強烈な攻撃で、中国経済の構造的欠陥も指摘されて、浮き彫りになってきた。これを是正していくことは、これからの国際経済関係にとって、有益なことである。米中の間の貿易不均衡が如何に大きかったかが、それが中国の国家権力も加わったものであり、世紀の市場経済をゆがめている実態も把握できたことは有益な点である。中国の受ける打撃も大きいが、跳ね返ってアメリカ経済を直撃する案件も出てきているから、ある時点で以てお互いに手を打ちなおすことも必要である。

  EUからの離脱を巡って、英国のだらしなさも浮き彫りになってきている。だらしなさが影響してメイ政権の危機にもつながっている。ヨーロッパでは今、トランプ主義の威勢を買ってまたぞろ、台頭する極右主義の傾向は、EU存続の脅威にもなっている。こうした傾向は、決して好ましいものではない。

  そこで、今回、衆議院議員、自民党の石破茂さんにお越しいただき、自民党政権と日本の進むべき道と題してお話を伺うことになった。石破さんは自民党内でも有力は政治家であり、場合によっては政権を担当する有力な政治家であり、衆目を集めている一人である。今、活躍中の安倍さんもいずれ退陣しなければならない時が来る。不穏極まる次期政権を伺っている連中も沢山いる。そうした中、明確に自分の信念と理念を披歴して右顧左眄せず政策を打ち出して、正直に、正面切って政権担当の意志を示していることは、安倍さんにとっても、日本にとっても良い傾向であると思っている。私も是非とも政権を担当して、日本の政治経済のかじ取りを託したいと、熱望している。講演会は6月10日である。                                                  5月23日

多難多事時局に当たり自民党石破茂氏にお話願へり

安倍さんのあとは石破氏しか見当たらず理念、信条、見識如かず

石破氏の政権担当能力の内在堅固に先の期待に

地方票集めて強し石破氏のこれを都市にも票を及ぼし

日本の真の政治家を送り出し世界の秩序に貢献さすべし

トランプ大統領の来日

  今日25日午後、令和の年の初の国賓としてトランプ大統領がメラニア夫人を伴って羽田に到着した。四日間の日程だが、その間、きわめて親密に外交交渉をすすめていくようである。堅固な日米同盟を確認し合い、之を世界に発信して国際関係の砦として捉える意図である。
  同時に国際問題で位置した認識を確認し、貿易問題と北朝鮮の核開発の禁止をめざし、トランプは、これからの日本の立場と共に協力を求めて行くものと見られる。  米中の貿易問題でし烈を極めている現状は、日本にとっても大きな影響を及ぼしてきている現状にかんがみ、狭間に在って言動に厳しさと慎重さが求められるところである。安倍首相の奮闘を多としたい。   5月25日

新緑の山河と天気晴朗の令和に初の国賓の友

和を以て尊しとなす我が国のトランプ夫妻を招く意義あり

歓びと情けを示しトランプ氏夫妻を招く美味し大和よ

物足りぬこともあるべし大相撲伝統格式日本ながらに

升席をとり厳戒の観戦にいついずこでも不自由な身よ

ゴルフ場あとに大相撲観戦のあとに居酒屋といとまなき身よ

和気藹々ゴルフの後は居酒屋に接待外交も容易ならざる

これからの三泊四日の滞在に日米友好を更に深めん

両雄のゴルフと相撲に居酒屋と接待ずくめの日米交友

天皇と皇后との初会談トランプ夫妻の令和の目出度き

最終日安倍とトランプの首脳会談貿易問題は先送りとし

目出度くも最初良ければ全てよし接待行事も気に入りて良し

ディールてふソロバン勘定にトランプの執念あれば油断せまじに

極東の地域に平和と安定の楔を打ちぬ契機となさむ

日米首脳会談と猛暑

  外交関係と外交交渉は常に微妙である。アメリカが日本を盤石で揺るぎない友好国とし、日本は殊更、堅固な同盟関係を強調し合いながら、アメリカは貿易問題では日本の外堀を埋めにかかっているようだ。おもてなし外交、接待と揶揄されながら、逆に弱身に付け込まれて言質を採られてしまっているような暗示でもある。共同記者会見では、両方がちぐはぐな感じを与えるようなところもあったりして、トランプの表情は全部オッケイしたわけではないような後味を残しているように思えた。トランプさんには大統領選挙を控えて、日本は対中国同様、解決しなければならないことがあると云い、安倍さんにしても7月の参議院選挙もあったりして、それまでは波風の立つのを好まないでいる。双方の思惑が一致しているような感じで、お互いに譲り合い、かばい合っている感じである。
   トランプさんは、場所と席が代われば、元に戻っておもてなしを受けたことなどすっかり忘れてしまい、頭のなかは現実的なソロバン勘定の問題に戻ってしまっている。ツーショットで映った安倍さんとトランプさんの写真は、和気あいあいの大笑いで実に傑作な写真だが、万事がこの調子であってほしいと願うばかりである。
簡潔を願った新天皇は、新皇后と一緒に宮廷晩餐会を立派に終えられた。国賓として迎えたトランプ大統領夫妻を温かくもてなし、7分に及ぶ歓迎の辞を述べられた。トランプ大統領も、令和初の国賓として招かれたことに感謝の意を述べたうえ、日本の古来からの文化の誉れに接したことに感動する旨の愛さ血があった。万葉集の歌人の大伴家持と、山上憶良の名を挙げて、万葉集の素晴らしさを褒め上げたのにはびっくりした。歌詠みとして自負する小生も、大統領の学識の深さに驚き、この点トランプ大統領に更に深甚の敬意を申し上げる次第である。

   令和が、麗しい季節を象徴する季節に来日したトランプさんを契機として、和をもって貴しとなすとの教訓ではないが、ソロバン勘定の話で言い争いをしないように、これからの交渉を進めてもらいたい。ところがそれに待ったをかけるように、このところの猛暑はただ事ではない。5月だと云うのに全国の気温がぐんぐん上がって30度以上の記録的暑さを演じている。北海道に至っては、九州より暑いと云うありさまである。帯広で39・5度を記録し、温度計が壊れてしまった由である。アスパラガスがひなびて出荷できなくなり、これからが盛りと咲くチューリップの花がみんな枯れてしまった。気象的には説明し得ても、それではなぜこの時期に、そうした気象状況をもたらしたのかと云えば、云うところの地球温暖化現象の結果と云うしかない。CO2削減を謳ったパリ協定から離脱したトランプさんは、今足もとの日本に国賓としてやってきている最中である。一言、感想を聞きたいものである。記者の諸君から、そうした筆問が出なかったのが不思議である。又日本に出発する前に、アメリカは原子爆弾の臨界実験を行ってきたと云うのである。    

日米の同盟国の盤石の絆を確認し合う会談
国賓として来日のトランプ氏アメリカ文化を逆に持ち込む
アメリカの第一政策を堅持して一歩も引かぬ性の強さよ
随行す家来の勇夫がトランプの身を固め居て交渉の難儀さ
万葉集詠み人二人を取り上げて文化を語る米大統領
見事なり山上憶良と大伴家持の名を讃ふ大統領は     5月27日

  資本主義の牙城を築き、保護主義を標榜して世界を席巻しようとしているトランプ氏である。その選挙公約を以て大統領に就任したがゆえに、世論の支えがあって、22年の次期大統領選を目指して選挙準備中であることは言うまでもない。スピード感を以て世界を相手に、自国の利益優先で幾多の難関を突破してきたスタミナは言語に絶する。国内経済の歪みは随所に出てきているものの、おおむね好調な経済の指標を以て絶頂である。関税引き上げ戦争に痛手を負った農業部門については、政府の補助金を出してこれを援護している。一方で、中国に対しては、国営企業の補助的政策を非難しながら平然としている。
  美辞麗句を以て日米首脳の宴は済んだが、このあとが手厳しい状況である。トランプは物おじせずに「交渉は中国と同様に行って行く」と、共同記者会見であからさまに述べている。アメリカはTPPとは無関係で、かかわりはないとまで言及している。トランプさんは、きっとゴルフをやりながら安倍さんに何かと気遣って譲歩し、参議院選までは交渉の結果を要求しないとしている。しかし8月にはすべてがうまくいくだろうと勝手にスケジュールを立てているところを見ると、内容には手ごわいものがある。それを察知している安倍さんの表情も、心なしか沈んで見える。既に結果は決まっていると思われるが故に、借りを作った安倍さんの窮地が見えるようだ。しかしアメリカ同様、日本も国益重視で迂闊な妥協は避けて行かねばならない。トランプ大統領の来日を期に、この成果を軸にしてウイン・ウインで、将来にわたって米国とは緊密の間柄でなければならないが故に、日本経済の発展のために、安倍首相の奮闘を期待したい。

日米の宴のあとは現実に戻り貿易交渉の場に

厳しさを増すトランプの要求に我が国益の如何に死守せん

日本の国土の三十倍の米国に尚トランプのアメリカ・ファースト

揺るぎなき友と力の絆なら強欲ならず応じられたし

難しき日米交渉のテーブルに難問山積の波の寄せ来る

アメリカの国内産業に打撃有り関税引き上げのブーメラン現象

アメリカの大豆輸出の急減に農家救済に出でしトランプ

トランプの武器は単なる関税の引き上げのみに勝る知恵なき

自民党長期政権にマンネリと老朽化を見て先の危ふし

自民党長期政権に老朽と驕りの透けて見えし昨今

官僚の官邸に忖度するあまり不正、隠ぺい、虚偽の露見す

忖度も社会に礼の一つにて良き風習となる事もあり

気遣いと人の情けの表現に忖度の礼の意味合い深き

米中の貿易戦争の深刻に世界経済に暗雲を落とす

手加減を知らぬ飼い主の揚げ機に窮鼠猫を噛むとも

中國の窮すれば念ずの自己防衛期せず思惑のはずれし事も

14億の人口を抱ふ中国の隣国としてや侮れがたし

将来を大観しつつ米国と中国の間を利する日本

米中の経済戦争の熾烈さに世界経済の減速けはし

米中の貿易抗争の長期化に拍車のかかる悪化への道

EUの存立の破壊行為にも等しき英国の凋落の道

知恵足らずメイ氏の鈍き感覚に周囲の気配に先手打て得ず

キャロメンのついうっかりの行動に国の前途を危機に晒せり

日本にもついうっかりの見通しで大損をした野田氏が居ります

軽薄に解散しましょうよと安倍さんについうっかりの弁に落語す

安倍さんの衆参同日選挙にて思惑走る永田町なり

輝きの空を仰げば蒼々の果てに故郷のありて嬉しき

ふるさとは心にありて思ふものいついずこにも思ひ偲びぬ

和を以て尊しとなすこの国にトランプ夫妻を招きり

新緑の山河と天気晴朗の令和のさとに招くトランプ

朗らかに大和の空の晴れ渡り令和の年の今明けて行く

仰ぎ見る令和の年の厳かに明け行く富士の嶺のかがやき

あきらけく令和の空の明け初めて真中に聳ゆ富士の高嶺の

最果ての知床岬に初なつの風吹き過ぎて舟の行く見ゆ

毎日が休日と友の云いしより早やくも二十余年の過ぎゆく

小田原の国府津に赴く今朝の妻うれしき様子はの友と会ふため

小田原に昔住みたる妻なれば酒匂の汐のさも懐かしく

活き活きと大根の葉の青く立ち根元に白き実の光りをり        5月28日


引きこもり事件

   あまり目に就かなかった引きこもりの件で、最近、これを原因とした社会的事件が多発して識者の関心を集めている。連日の如く報道されているのもだから、必要以上にあぶりだされて、あたかも引きこもりの人たちにとって逆風となって益々引きこもりに追い込んでいくような気がしてならない。社会から断絶を図っていくことが何よりも心配である。胆略的な結論を引き出して、事件の誘発をきたさないように注意する必要がある。
    20代から50代にかけての人たちが何らかの原因で周囲の人たちからの接触をとうざけて、職業から離れ、自活と称して自宅に引きこもる傾向が強まってきている。その数56万人と推定されている。言うなれば働き盛りの人たちである。正常な環境に在って生活し、円満な人間関係に立って職場に仕えている場合であれば問題ないが、そうではないがゆえに問題は複雑である。自己中心的に物事を判断する期間が長く続いてきたりすると、周囲が自分とは反対の方向に進んでいて、限られた思考の中で狭隘化して、ひいては社会に対して敵対心を持つにいたる。もとより自制心がきかなくなってくるだろう。陰湿な沈黙は神経を研ぎ澄まされたものとして表面化し、過激なものとなって暴力や薬物使用を以てはけ口を求めてくる。家庭内暴力で、家庭破壊に通じてくる。そして更に先鋭化して妄想し、社会的犯罪に移行していく結果となる。性格と感興にもよるが、隔離された孤立こそは、その人にとって最大の敵となる。
  犯罪の遠因は、そうした経緯に潜在化して、引きこもりに人に限ったことではないが、多くの人に内在しているものに違いない。無関心が続いていると、それが何らかの時点で誘発され、表面化されると、責任を外部に向けられ、転嫁して思わぬ反社的事件、犯罪を起こす結果にしてしまう。最近起こった川崎の園児刺殺事件や、父親が引きこもりの息子を刺殺した事件などは、周囲の環境の改善や社会の対応によっては、犯人を犯罪に追い込むことなく避けられた事件でもある。事件を起こしてしまった案件を考えると、悲惨であり、あってはならないことであり、避けられることであって、われわれも大いに反省しなければならない。苦しみ悩んでいる人たちを何とかして助けてやれないかと、追い込んで行ってしまう前に食い止めることがないかと、始終考えてやるべきである。勿論、行政もそうした努力を積んで行ってもらいたい。

諍ひの有る家庭こそ生きていく力溢れて頼もしく有れ

口論も己が意見の披瀝なり自由闊達にも求む自制を

兄弟の仲良きことは嬉しきに口論も又楽しきことに

口論に暴力排除の思想あり基本をこころへ述べる自説を

過熱せず中庸を得て何事も訓練なれば先に進歩す

引きこもる人との対話が要諦に言葉を交わし性の和めり

老人も冠者もなべて没頭すスマホの危機の身にも迫りぬ

車中にておよその人が没頭すスマホの画像に混雑のなか

閉じこもる人の時間のおおよそのスマホに費やす目的もなく

四六時中スマホの動画に見飽きせず部屋にて一人語ることなく

激しさを求めて動画の熾烈なる画像が犯罪の引き金にもなる

無言こそ腹のふくるる業なりと兼好法師も斯くや語れむ

物言わずは腹のふくるる業なりと徒然草に確と記せり             6月3日


外国に保護主義を煽るトランプ氏

   日本での行事を終えたトランプ氏は、今、英国を国賓として初めて訪問中である。トランプは、英国のメイ首相との共同記者会見で、混乱が続く英国の欧州連合(EU)離脱問題について、「英国はEUを離脱するだろうし、離脱すべきだ」と迫った。強硬離脱を掲げる英国の政治家と相次いで接触を図り、支援する姿勢を鮮明にした。
   しかしこれについては、英国はいずれの方向に進むかは別として、自分自身でEU離脱問題を解決するだろうし、又解決すべきである。トランプの謂うことが全て正しいわけではないし、アメリカの過剰な保護主義政策は、次第に翳りを見せてきている。他国に行って盛んにけしかけている感じで、傍から見て居ても甚だしく見苦しく、不快の念を禁じ得ない。英国も往時の盛況はないし、それでいてプライドだけは過剰であり、今以て捨てきれないでいるから始末が悪い。
保護主義、単独主義は今の経済的に強大なアメリカだから云い得るものであって、どこの国にも可能なものではない。イギリスがEUから離脱することによって、自国の落日の日が早まるだけである。嘘かまことか知らないが、エリザベス女王は英国に動乱が起きた場合には、素早く退避する術を講じているとのうわさも流れる始末である。極右勢力の台頭で、それほど国内政情が悪化しているイギリスである。国内を説得し切れなかったメイ首相は調子に乗って舞い上がり、予告したように死に体で、政権を放棄してしまった。そんなメイさんに例えばトランプが何を云ったところで最早得るものは何もない。賢明なメルケルが忠告しているように、英国は、EU連合に参加していることによって、経済的には相互幇助、協力関係に立ち、安全保障上の擁壁構築にも役立っていることに気付くべきである。うっかり、がっかり、,ばったりを繰り返す英国の始末にはあきれ返る。
  が、しかし即ちEU結成の要因と成り立ちの原点に返って考えるべきであって、目先の利益にこだわると取り返しの着かない結果にもなる事を銘記すべきである。もう一度国民に賛否を問い、正気の沙汰を確認すべきである。前の首相でうっかりをやってしまったキャメロンが、盛んに唱えている。
                                             6月5日

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社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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