line

社団法人昭和経済会

理事長室より
LAST UPDATE: 2017年10月11日 RSS ATOM

HOME > 理事長室より

理事長室より

Vol.07-05G7の開幕

  十三日にワシントンで開かれたG7の財務省、中央銀行総裁会議では、現在の世界経済を「過去三十年以上で最も力強い持続的成長」と表現して,十四日共同声明を発表して閉幕しました。
二月に起きた上海株の急落をきっかけに世界同時株安の連鎖におびえた世界経済でしたが、幸わい不安と恐怖心理は一時的な過剰反応に終り、その後の市場は平静さを取り戻し、ようやく堅調な市況展開となりました。結果は、それまでマーケットに充満していた高値不安感のガス抜き効果を齎らすこととなりました。その後の動きは、世界金融市場は、この上海ショックを無事乗り切って、経済の接続的成長を自づから確認したことになります。
現在はむしろ、かねてからの好調な米国経済での,今の調整局面が、その軟着陸に成功するかどうかが焦眉の課題です。しかし、それは成功するでしょう。そうした中で、日本経済の確実な回復への努力が、同じような意味あいで世界から注目されています。とりわけ日本の株式市場が依然として軟弱な点が憂慮されますが、日本経済の病み上がりからの確実、鮮明な脱却と、そこからの経済の底力を示した力強い上昇を期待したいものです。
   世界経済の持続的な発展は、幸いインドを初め、中南米、アフリカなど新興国の成長の期待にかかっており、こうした経済圏への技術的、資本的支援が、世界経済の成長への推進力となることが焦眉の課題です。アメリカ、日本、EUなど、先進諸国の経済が不透明な状況にある今、新興国市場の役割が更に重視されてきています。今、日本を始め、EU、アメリカ等は国内の需要の余力を、そうした国々の市場の拡大、育成に積極的に活用し、総体として前進的な効果をもたらす支援が必要であります。同時に日本は目先の動きに神経質にならず、内需拡大にトライすべきです。
    G7の共同声明には、この日、米、欧の景気の波の違いが認識されましたが、世界経済がこれら新興国を中心とした主役の登場によって更なる新たな展開に期待を寄せるものとなりました。


平成19年4月17日

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾

Vol.07-06 温家宝首相の来日

 中国の温家宝首相が、昨日(十一日)来日しました。中国首相の来日は、二〇〇〇年十月の朱鎔基首相以来、六年ぶりであります。この間、日本では小泉純一郎氏が首相をつとめていました。靖国参拝にこだわり、事あるごとに中国と無用の軋轢を作ってきました。その間の国益を大観すると、双方にとっても馬鹿げた話に終っております。
 安部首相は首相就任直後、先づ電光石火に中国、韓国を訪問し、アジアを重視した近隣との友好と親善外交を強く印象づけたことは、それまでの外交政策の大転換を意味するものとして賞賛に価すると、私は述べたのであります。とりわけ、日中国交の信頼関係の樹立なくしてはアジア外交の発展は考えられないはずです。そのことの重要性を、小泉内閣とその側近たちは見誤ってきていました。それからまだ間もない今日の変化した状況を見れば、それまで日本がとってきた対中、対韓・外交の無益さは歴然としています。六カ国協議に見せた連携プレーをみても、明白であります。今後はこうした拙劣な過ちをおかさない様に気をつけてもらいたいと思います。もとより過去の生活の上に、今の私たちの生活が成り立っていることはいうべくもありません。お互いに歴史的認識を強調する点は、そこにあります。改めるべき点はこれを改め、反省すべき点はこれを反省し、その所在をはっきりさせることは、とりわけ国家間では大切な事柄であります。その上での信頼関係の構築は、将来にむけて不動のものとなるはずです。それは小異を捨てて大同につくことであり、王道をゆく姿勢を貫いて毅然として歩むべきことであります。
 日中の経済関係は今、拡大の一途をたどっており、揺るぎないものとなっています。その重要性は、今後に大きく影響を及ぼして参ります。温家宝首相の来日に始まる日中関係は、先づ経済関係の取り組みから始まったことに、大きな進歩と意義があると評価してります。両国の間に、経済関係会議を創設したことに賞賛したいと思います。これは先に安倍首相が訪中した際に確認しあった、日中の戦略的互恵関係をさらに一歩進めて、具体的に踏み込んだものであります。
 特に重要な論点は、膨張を続ける中国経済のエネルギー政策と、それに伴った環境問題です。この二点については、日中とも重大な相関関係を維持ししており、日本の役割を拡大させる機運は充実していると云っても過言ではありません。またエネルギー産業では、両国とも多岐にわたる課題を持っています。差し当り、東シナ海のガス田の共同開発を友好的にすすめてもらいたいと思います。
 又、環境問題についても、近時、急速な経済発展をつずける中国内外での環境汚染が問題視されています。特に二酸化炭素の放出については地球温暖化の問題もあって、アメリカ、インドを含め事態は深刻です。今回、この分野での日本の支援は、日中相方にとって大きな利益をもたらし、今後の国際社会に、より大なる影響を与えるに違いありません。また例えば、最近における中国の石炭の増産と事業の拡大は、現場で多くの事故に見舞われ、多大な犠牲者を出しており、悲惨な情報がたびたび寄せられています。炭鉱事業の、前時代的な様相に驚くばかりですが、これについても日本の高度な技術支援が必要です。日本の石炭掘削の高度な技術を以って、中国の石炭産業の旧弊を改善し、以って安全で、効率的増産をはかり、これを高度に精製する過程も活用すべきです。
 このたびの温家宝首相の来日は、日中関係の更なる促進に絶好の時期を提供するものであって、これを逃したら両国関係の堅固な絆は結ばれがたいものでありました。柔和にして堅実、信念堅持な親日家、温家宝氏の来日を政府のみならず、日本国民はこぞってこれを歓迎しております。まづ相互理解と協力関係に立って、将来に向けた両国政府の真摯な態度こそ、重要であります。

平成19年4月12日

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾

Vol.07-05 イランによる英国兵拘束

 3月23日、ペルシャ湾のイラン・イラク国境線で15名の英兵が領海侵犯した理由でイランに拘束されたことは、中東情勢に新たな火種をもたらすのではないかと危惧しておりましたが、強硬姿勢をとりつづけてきたイランのアフマディネジャド大統領が大統領の恩赦として全員解放するとしたことは、対立を続ける中東情勢に良き兆候をもたらすもので、大いに歓迎したいところです。国際社会の舞台で演じられる下らぬ対立抗争には、ほとほとにうんざりしていますが、是非とも知恵を出して、人間同志の争いごとは平穏に収めてもらいたいものです。何ごともないのに、いたづらに緊張感を作り出したがる政治家や、これをけしかけて儲けようとする商人が、世界に限らず日本にも沢山います。
 今回どうであれ、イギリス兵を釈放するといって会見に臨んだイラン大統領の笑顔は、なんとも綺麗ではありませんか。彼の顔からは、血を呼ぶむごたらしい戦争など、全く想像できないものです。アメリカのブッシュ大統領も、北朝鮮の金正日首相も、笑顔で国際舞台にのぞんでもらいたいものです。さすれば、無知蒙昧なしもじもの人々には、石を投げたり、火をつけたり、弾を撃ち込んだりする必要も無くなります。世界中の人々が価値ある教育を受け、人間としての勤めを果たし、真に国際社会と人類の平和的生存のために、働く戦士として登場してくることになるでしょう。

平成19年4月5日

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


copyright (c) Showa Economic Study Association サイトマップ プライバシーポリシー お問合せ