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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

Vol.8-16 2008年を振り返って

 

大荒れの世界経済の年を越しやがて収まる先となさしむ

  ニューヨーク発、サブプライム問題に端を発した世界的な金融市場の混乱も、株式市場の今年の激しい上下を含めて、ようやく落ち着きを取り戻してきました。実体経済に及ぼす影響は計り知れません。既に金融機関への公的資金の注入も、産業界へも波及してきました。
    アメリカのビッグ・スリーの救済に象徴されるように世界的不況に突入して、デフレスパイラルに陥入っています。これを何とか最小限に喰いとめようと、各国が対策に乗り出しています。
 幸いなことに、アメリカ次期大統領にオバマ氏が決まり、新政権の布陣が概ね決定し、即座に政策遂行に着手できる陣容と体制が出来上がったことは朗報で、世界経済に一縲の安堵を与えてくれました。多難な船出ですが、経済大国アメリカの再起が待たれます。
   世界的な不況を目の当たりに、147.27ドルの最高値を付けた原油価格は、今、何と40ドル割れを演じています。4、5ヶ月間に100ドルも暴落するとは信じ難きことです。もとはといえば、アメリカが戦争を起こし、野放図に過ぎた経済の総括的結果としか言いようがありません。道徳、倫理、徳性を欠いた拝金主義の蔓延の残骸です。しかし、現実は、経済の実態もそうですが、世界のお金の動きが超スピードを以って、全てをスピード化させている状況で、これには驚くばかりです。いいか悪いかはともかく、これに対応していくことが緊急の課題です。急速に襲って来た経済のハリケーン、この不況の危機に国際社会が一丸となって足並みを揃え対応していることは、高く評価できます。
   アフガン、イラク戦争の悪夢の解決と、世界経済不況の克服に連携して、巨大公共事業を打ち出すオバマ新政策に期待し、それがアメリカ経済の悪化を喰い止め、結果、良好な世界経済の展開へと繋がることを、今年の願望と祈りとする次第です。戦争に費やす莫大な資金を、経済復興に役立てていけば、今のこの混乱状態を可なり改善できるはずであります。

    ひるがえって日本の経済もこの世界的な経済の暴風をもろに受けて、渦中に混迷の度を深めつつあります。日本の経済を牽引してきた巨大優良企業の業績悪化が急速化しています。無敗を誇ったトヨタ、ホンダの赤字転落が、急速な現実の問題として浮揚してきました。産業界に与える影響が深刻であります。アメリカがゼロ金利を発表する段階に、一挙に円高が進み、昨日現在、80円台後半にまで進んで、輸出産業の打撃は甚大です。厳しい状況はこの先とも続くかもしれませんが、旋風に巻き込まれた動きに可なり織り込まれてきているものと思われます、悲観に過ぎていては、何事も出来ずに傍観しているのみで、進歩がありません。
    しかしながら、こうしたときこそ輸入大国の日本の占める為替メリットを最大限に活用する手立ても大いに必要です。原油を初めとした原材料のコスト低減は、企業の収益向上にプラスとなるはずで、いたずらにマイナス面のみ強調する風潮は戒めなければなりません。円高のメリットを積極的に活用すべきであります。今こそ日本の立ち遅れている分野を検索し、改善、開発、着手することが必要であります。そして新たな市場を開拓していかなければなりません。また、アメリカ国内のインフラは相当の部分で老朽化が進んで、今や更新期に差し掛かっています。公共投資の必要性が叫ばれ始めたのも、こうした歴史的意味合いもあります。日本にいたっても、都市部を中心としたインフラ整備と拡充が大切です。バラ撒きでない有効な公共投資を確実化し、内需拡大による有効需要の喚起を促すことも大切でしょう。
    従来の景気循環とは異なった経済の激変ですが、経済の悪弊、悪習を断ち、経済そのものを浄化して、経済活動の真の理念を発揚して、その後にはきっと晴れ晴れとした大空を仰ぐような 「世界経済」、「地球経済」、「人類経済」 を樹立する好機を捉えようではありませんか。それでこそ、百年に一度といわれますが、むしろ有史來の初めての、激変の年を潜り抜けてきたということが言えるのではないでしょうか。


     ところで我が昭和経済会は、来年、創立75周年を迎えます。機関紙である月刊誌の「昭和経済」は、発刊60周年に当ります。今日まで一巻も休むことなく、連綿として続けられてきていることは、先達たちの思想と信条の正しさと普遍性に根ざし、会員各位の弛まぬ努力と尽力の何物でもありません。、まさに時代の使命を負って、社会において意義深く活躍、貢献してきた足跡を如実に物語るものと自負しております。新年元旦に発行される「昭和経済」は、その特集号として各位にお届けいたします。                                             12月19日。

平成20年12月19日

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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