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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

Vol.14.11

   

     諸事雑判


   私事でしばらく休養を取る身となったが、その間も相変わらず世の中が激しく動き回って止むところを知らず、安倍さんも、孫さんも、地方の首長さんも大変な忙しさである。休養も休息もとる暇もないほどに感じて、うっかり付け込んでのんびりとすることもできない。国会中継を見ていたが、答弁する諸君も大変である。いつ何時火の粉をかぶらないとも限らない。政治と金で思わぬ激震の走った時だが、与党、野党の諸君も心して早くそうしたやり取りから抜け出して、山積の重要法案の審議に取り組んでもらいたい。最近の世の中の激しい動きの中、社会が情報化時代になって久しいが、こんな調子で世の中が動いていると、多くの人間は大切な寿命を締めていく結果になりかねない。うまく生き延びても普通の人ではないような人間だけが残っていくことだろう。無神経な人間の増大である。無神経で欲望だけが身についた人間が、こそって情報を求めあさっている様子は、奇妙にも感じる。そうした人間を相手に付き合っていくと、うっかりすると簡単に裏切られて崖から突き落とされてしまうということだって、大いにありうる社会である。無神経なうえに、矛盾だけが生き延びていく様相である。危険ドラッグを吸いながら車を運転する連中がいかに多いか、街中を油断して歩けなくなってくる。
   休養中、ただ一つの情報源しか持ちえなかった私は、暇さえあれば部屋のテレビをつけて、限られたわずかな情報をあさっていた。そこで心配だったのは南大東島付近に連日のごとく繰り出す多数の中国の蜜漁船である。最近は小笠原諸島周辺まできているようだ。中国で人気のあるサンゴを取るために日本の領海すれすれまで侵入してきている。蜜漁といったたぐいのものではない。205隻に及ぶ船団である。いくら13億の人口を抱える大国とはいえ、おびただしい数に驚かざるを得ない。現場の海域は中国本土から2000キロ以上も離れている。往復のガソリン代も馬鹿にならない。相当の収穫を得ない限り本国に向きを変えるわけにはいくまい。本当だとしたら、黒幕のボスがいて労務者を安い賃金て雇っている蜜漁である。大群は小笠我諸島近海まで北上してきている。日本領海にまで入り込んでサンゴのあさっている。太平洋上に浮かぶ島の住民は、一面において、こうした不可解な行動に怯えている。これは単なる蜜漁ではないかもしれない。背後に隠された陰謀があるのではないかと、勘ぐってしまう。
   日本政府も、それなりに対応しているに違いないが、中国政府もこれだけの大規模な数の蜜漁船の不法行為を犯している事態に、何らかの目に見えた措置を講ずべきである。おりしも周辺に勢力の強い台風20号が接近中とのことである。中国の漁船には、危険が迫る場所から早く退避することが賢明である。大きな遭難、海南事故につながらないないよう祈っている。
                                                11月5日

地方活性化と創成の時代的テーマ

   第二次安倍内閣で新設された地方創生担当大臣にせっかくの大物の石破・元自民党幹事長が付いたのだから、ましてや安倍内閣の最重要課題に取り組み、成長戦略の唯一強力な武器として推進する戦略的項目であれば何をか謂わんやである。目的完遂のため、あらゆる障壁,障害を排除して望んでもらいたいところである。アベノミクスの恩恵が大都市偏重から地方の、日本の隅々までいきわたるようなものでなければ、アベノミクスの成果はなしえないし、挫折してしまうことになる。強力な実効性を持った政策実現を目指さない限り、無味乾燥なものとなって霧散してしまうだろう。総花主義でなく一点重点主義で臨むこと、あとは付随的に付け足せば済む課題がある。採るかどうかは石破さんの英断と勇気を待つしかない。
   それは首都機能の地方への移転である。霞が関の総省の一つ二つを、条件の適った場所に移すことである。交通至便の土地、広大な取得可能の土地、平坦で災害の少ない場所など基準にして考えればい、いくらでも候補地は上がってくるはずである。霞が関の土地を一部高額で売却し、これを以てすれば移転にかかわる経費は簡単に賄えるはずであり、新たな財源を求めなくても可能である。昔、国会を移転すべきという議論が沸騰した記憶がある。候補に挙がった場所が、先回りした思惑で地価が沸騰したという話が合った。こうした現象が顕著に起きるようだと実現は難しくなるが、国有地を中心に周辺土地の短期取得を制限すれば、こうした困難は避けて通れるかもしれない。中央省庁の一つが移れば、それに関連したたくさんの官庁も一緒についていくだろうし、波及効果で莫大な人員の移動を促すことになり、たちどころに地方の活性化に寄与してくるはずである。現状のままで金をばらまくだけでは、創成の意味がない。ここは安倍さんはじめ主たる閣僚の知恵の見せ所である。
   2003年の年に国会等の移転に関する特別委員会が設置されたことがある。しかしいつの間にか立ち消えとなってしまった。これは都市の一極集中化を避けることが目的であったが、喧伝されたほどには話が具体的に進まなかった。デフレ経済に見舞われていた時期だったから、大した有効な知恵も打ち出せなかったが、今回の状況は全く違った意味合いがある。東北大震災の後の復興の加速化と、安倍さんが国民の大多数の信任を得て打ち出した経済政策委のアベノミクスの集大成の一つだからだ。この際思い切って実現可能な地域を決定してみたらどうだろうか。政策遂行のために周辺にいち早くあみをかけて、不要な摩擦と思惑を排除してしまうことだろう。そのために新設した地方創生局と所轄大臣の設置であり、大物の実行力のある石破さんを担当大臣に据えた意味があるからだ。壮大を以てやりがいのある男の仕事であり、まさに臼のでかい石破さんに適任であろう。
    国会の機能移転の時には東京以南の地域も含まれた様だが、今回は過疎化に悩む地方を選択する必要がある。東京以北で、霞が関の機能の一部をまず候補に挙げて移転構想を打ち上げてみることだろう。過去に於いて筑波学園都市が建設に成功し今日、多大な活躍をしているところを見れば、十分に納得できるはずである。ましてや新幹線や高速道路が完備してきているうえ、さらには実現に踏み出したリニア高速鉄道の敷設だって可能である。さしずめ群馬、栃木、福島あたりが有力候補として、適地として、浮上してくるかもしれない。何を以て適地とするかは客観的に検討されるべきだ。
   ちなみに先に挙げた3条件の上、地盤の固いところが適地であることは言うまでもない。火山列島の日本であり、太平洋プレートが交差する日本列島には地震が頻発している。さらには火山性地震に見舞われても動じない建築技術は、今は当たり前の世の中の建築進歩である。成功した筑波学園都市を念頭に入れ、距離的に見て関東地方として考えると、さしずめ広大な那須塩原高原は検討に値するのではないだろうか。地質もよいし、水も豊富だし、平坦な高原い広大な国有地を持ち、風向明媚な場所とくれば申し分ない。経済的インパクトも手伝って、都市機能の効率的実現を果し、新規巨大都市の実現の端緒となれば、これに越したことはない。新都市建設の、完成度の高いものとなるかもしれない。那須高原には古くから御用邸もあって、知名度は高い。世界外交の拠点となるにはふさわしい条件を兼ね添えている。
   地方活性化の初動は堅固不動にして、永続的な効果を発揮するもの、而して政策には哲学的思考が必要である。
                                      11月7日 続

日中首脳会談の実現

    お隣同士の近くて、顕在的な緊密を図っている日本と中国の間がこんなにも遠くて難しいものであえうことが不思議である。日中両国の首相同士が、お互いに笑って握手を交わすことができないでいるというばかげた現実である。難しさは、簡単で平凡でである。A級戦犯を祀っている靖国神社を、政治のトッポを務める日本国首相が、参拝するかしないかにかかっているというのである。これが政治認識の違いであって日中両国のの基本的価値判断になっている。太平洋戦争に辛酸をなめた国民の頭にある映像は、あの時の時代の軍国主義の独走を許した日本のアジア政策と、アジア太平洋地域に対する侵略行為であった。これは国策として推進されたもので否定できない事実である。これによって犠牲になった人は数えきれない。せめて言った人も、責められた人も、何十万人という人命が犠牲になって痛ましい思いを持っている。次第にそうした思い出と歴史も忘れかけて云っている。歴史は繰り返すではないが、実際にそうした戦闘がおこらないとしても人々の間で心の葛藤とした台頭してくることもある。こうした傾向が、人々の穏やかな香料うと理解を妨げていくことは確かである。そしてそれがあるときちょっとしたことがきっかけで暴発するのである。
    水面下でいろいろと画策して、ようやく日中首脳が胸襟を開いて会談する機会が作れた。しかも、APCA・アジア太平洋経済協力会議が北京で開かれたが、そのついでのわずかな時間にである。きっかけをつかむのが難しいということだが、何も威厳ぶる必要はないし、気さくに逢えばいいものなのにと思うのである。何はともあれ、その難しかった出会いにこぎつけたことはよかった。だから二人の顔が何となくこわばって、リラックスしたものでなく、ただでさえのっぺり顔の習近平の顔がやにこわばって、仏頂面して愛想のないものだった。靖国神社のことをまだ根に持っているのだろうか。移ってしまった安倍さんの顔もほころびることはなく、こわばっていた。歌舞伎役者のいい男がもったいないではないか。相手がいかめしく構えていたなら微笑み返して握手した方が、心に雅量があって東洋的である。とは言ってもいくら安倍さんだからといっても、そこまでは気が回らないだろうお互いに握手しあえただけでもいい。その前に官僚の諸君が無難に合意文書を用意してくれて、これももれなく発表されてしまい、やることがなかったのだろう。これにしても、お互いに読み上げて一応納得し合っただけでもいい。これを第一歩として、これからの交流の突破口としていけばいいのだから。相互不信の基本問題は、靖国参拝である。これさえなければ歴史認識はお互いに理解しあえるものなのだから、そんなに難しい問題ではない。靖国に参拝しなければそれで片が付く。その位の鷹揚さがあってもいいのではないか。靖国に参拝した結果、大国同士の仲が悪くなって、平気で喧嘩しあうようなばかげた事をしでかすこともあるまい。考えてみれば大人げないし、実に滑稽である。
    靖国神社の問題は我が国を二分する意見があるほどに、それ以上に気にしているには特殊な人たちである。一般的にはさほどに意識していない。世代がますます若返って意識も変化してきている。大体が一般平民や祖国のために歴史上悲運にも犠牲になった平民が祀られており、その中でA級戦犯が若干名祀られていることで、多くの殉職者たちは戸惑っているのではないだろうか。騒がしい時には、静かに眠っていることもできないでいる。首相が参拝したからと言って平和をもたらすかと云ったら、はっきりしたことは言えない。むしろ人々の意見の違いで軋轢をもたらすことにもなる。国のために尊い命を落とした英霊に尊崇の気持ちを表したいとするなら、決められた日を選んで仰々しく拝することもない。静かに目立たずに参拝するところ人としてのにゆかしさがあって御霊に拝することができる。
   対中国の外交問題で、不信を買うとすれば、靖国参拝に必要にこだわる日本人の側にあるような気がする。ちょっとしたことでお互いの利益を失い、あまつさえ傷つけあうような事態になっては何をかいわんやである。靖国神社を参拝することで日本の権威を発揚し、国威高揚に努めるなんて言う効果を国内外に期待すること自体が、時代錯誤も甚だしいと云うはなければければならない。多くの国民が過去に於いて、国のために殉死した人に畏敬の念を払うことは自然な国民感情である。いろいろな意味合いを以てそうした人々が祀られているわけである。時と場合によっては、別の思いがあって参拝しかねるということもあろう。それぞれに気持ちが異なってあることは当然である。m、足手や戦争犯罪人にかけられて死刑に処せられた戦争犯罪人が祀られているとすれば、加害者としても国民感情としてこれを支持することを固辞する場合もあろう。加害者の多くには逆に多くの国民を失った事実があるからである。いわんや被害者の立場は想像に余りある。こうした風潮をあおることにもなって、再び日本に軍国主義をあおり、大げさになって、帝国主義、侵略主義の国家形成をもくろんでいるに違いない。そんな国と手を結ぶことはできないというわけになる。だからそう見られている安倍さんを、習近平さんは手放しで喜ぶわけにもいかず、かたくなな表情になって仏調面で握手してしまうのかもしれない。受けた安倍さんも硬い表情になっており、お互いに大人になりきれないで困ったものである。首脳者同士はそう言った認識がなくとも、国内向けにそうしたポーズを足らざるを得ないといった国内事情があるかもしれない。例えそうではあっても、主催国の習さんにしたってマナーとして笑って出迎えるべきでり、客人の安倍さんとしても笑顔で挨拶してもいいのではないだろうか。どちらもこわばっていてしまっては、ほぐしようがない。どちらかが笑っていれば、もらい笑いになって、お互いの硬さが取れるというものである。それが東洋人の持って生まれた習性みたいなもののはずなのだが、どうもそうはいかぬと見える。初めから、太平洋の波高しである。まあ避けて通れる摩擦なら、避けて通るべきであろう。
   事前に作り上げた役人同士の合意内容の文書であったにしても、取り交わすだけでも前進である。日中両首脳同士が会って握手するのは二年半ぶりというから、意義ある結果であった。問題はあったうえで何を語りあうかが問題である。そうでないと問題解決にならないし、前に進むこともできない。これを突破口に二国間のかたくななに閉じられている扉を少しでも開けて、風が吹き抜けていけるようだといいのだが、ぜひともそれを期待したいところである。 11月13日

消費税率引き上げの延期か

   浜田宏一教授は来年十月に予定されている消費税10パーセントの引き上げにもともと慎重な意見を述べられていたが、今日の新聞記事によると消費増税は先送りされることが濃厚となってきた。安倍さんはかねてから7月から9月のGDPの数値の発表を待ってから決めたいとしていたが、8パーセントに値上げして以降、巷の景況感はあまりよくなく景気回復が遅れてきていることを見て、浜田教授の意見に傾いたきたきらいがある。小生の職業的領域においても、景気回復は株価のように鮮明でなく、実態はかなり厳しいようである。中小企業の資金繰りも楽でなく、地方に行くに従ってますます落ち込む気配が濃厚である。安倍さんはいつも日本の隅々化で景気回復が行き渡るように、これがアベノミクスの目的であるという主張であるとすれば、消費税のさらなる値上げについては慎重であるべきで、景気の腰折れを特に警戒すべきである。せっかくの生きたアベノミクスが期待されなくなっては、元も子もない。その真意を国民に問うということで、解散する意向であるとも聞く。それはそれで結構である。政権の基盤が緩まないうちに確たるものとしての延命策に打って出るということで、民主主義の原点に返って国民にしンを問うべきである。それも適宜を得たものでなければ、政党として当然考えることであろう。
   黒田日銀総裁が先の日銀政策決定会合の後、さらなる金融緩和に乗り出したのは、景気の回復力に今少し力の陰りを見たからであり、また消費税値上げに対する援護射撃の側面があった。サプライズとして株式市場には交換を以て受け止められたが、街中の景況感がそれについてこないようでは仕方がない。そうした折にsだらなる増税となると、消費の落ち込みをもたらして好循環を期待するのには無理が生じてくる。経済面に無理が生じて先行き悲観的な予想が蔓延してしまえば、アベノミクスは失敗してしまうから、ここは無理せず体裁にこだわる必要はない。法律で決めたからと言ってかたくなに考えるよりも、むしろ経済の実態を見極めた段階で決めた行くべきが政治である。そこで12月2日公表、14日が選挙という線が濃厚になった。暮れの忙しい時期だが、贅沢は言っておれない。それよりも消費税率の再引き上げが延期になったことで、消費者心理が安定し、消費マインドに水を差すようなことのない年末商戦を迎える方が、景気に持続性をもたらし、企業業績の向上が、好調をもたらしつつある国の税収の持続を確保して、財政再建の道筋をつける結果になって、景気拡大に自信を持つことになって、結果はむしろいい方向にまとまっていくのではないだろうか。
   一般国民の税負担の軽減に努めることはいいことである。安倍さんの決断に敬意を表したい。さらに期待するには、先の野田さんんの解散発言の理由の一つに議員の定数発言があった。国民に負担をお願いするのであれば、国会もみずからが身を痛める改革の必要性を求めたものだが、これには安倍さんも同意したはずであった。この方の努力も問われる選挙となろう。しっかりした安倍さんの政局担当能力を試されるところだが、なにも安倍さんのやることが全ていいわけではないけど、政局の安定が一番だから、今のところは野党の諸君には忍耐と切磋琢磨の時間がかかっても、しっかりした選挙運動を展開してもらいたい。国民は、政治の質の向上を期待している。  11月14日


経済界の好調な朗報
 
    報道によると上場企業の7割が、金融危機水準までに前の業績を回復してきて市場最高益を出しているとのことである。アベノミクスが目指した企業業績の回復は、金融緩和による円高水準の訂正と、輸出産業の好条件を作り、景気回復による株価上昇を最初に目指すことであった。
   株式市場の活況と株価水準の押し上げは、株式資本主義といわれるくらいに、金融資産の増大に結びついてくるものである。これは直ちに購買力をつけることになって、国民の消費の増大に結びついてくる。これが実現できるならば、企業は商品の在庫補充に走るであろう。始まるのが、在庫投資である。製品が売り払われてしまった後の補充をしておかなければならない。
    そこに新規の生産が始まり、生産部門を賄う企業の活動は始まって、初期の小規模な設備投資は行われるようになる。消費部門と生産部門において企業活動が活発になってくれば、新規の雇用も発生することだろう。失業者や、非生産的労働者の減少を以て、各部門の雇用の上昇につながって、消費も生産も活発な動きを呈してくることになってくる。雇用の増大と同時に賃金の上昇だってありうるだろう。経済の好循環がここに始まってくることになる。
   アベノミクスの目的は、最終的に設備投資までに波及し、経済を拡大路線につなげていくことであり、今はその過程にある。円安の実現で初めにスタートしたのが、技術を誇る日本の自動車産業であり。電器産業である。自動車産業では、前期比2パーセントから9パーセント、電気は8パーセントから12パーセント増益率が拡大したという。
    押しなべていえることは、デフレ期に企業体質の改善に努め、成長分野にかじ取りを切った企業や、構造改革を思い切って実行した企業が、折からの円安が加わり、稼ぐ力が一挙に高まったということがいえよう。この素晴らしい循環過程を持続して、格差是正に努めることで、何とか日本の隅々まで景気回復を謳歌できるようにしたいものである。
    いうなれば、大企業から中小企業に、都市経済から地方経済に、富裕層から中低所得者を含めて、まんべんなく経済の恩恵を享受できる社会と時代を作り上げていかなければならない。11月17日


サプライズな出来事が多い

サプライズなことが多いが、ここにきて日銀の政策決定会合の決定を踏まえて20兆円の金融追加が発表になりカビ化が一気に上昇した。アメリカの連邦準備制度の政策発表は、これとは逆で、金融の緩和拡大の縮小に回っている。一定の経済効果を上げてきた結果であり、影響は二つの見方に分かれているが、おおむね胚性は市場で世界は安どしている。日本銀行が金融拡大の手を緩め尚ことが確認されたが、これは消費税値上げ後の景気回復がきっかけとして遅れ気味にきずいた結果の結論であった。したがって意見も一票差という厳しい選択であった由である。
    内閣府が17日に発表した7月から9末までのGDPは、これもサプライズであった。個人消費の回復が鈍く、前期比0,4パーセント減の年率換算1,6パーセント減となってしまった。市場予想なプラス3パーセントであったからショックは大きかった。株価はこれを嫌気して500円安まで行くありさまで、景気悪化を懸念して、期待の祝儀気分は一気に吹き飛んでしまった。
    これを受けて来年10月に予定されていた消費税10パーセントへの値上げは、ほぼ絶望的である。安倍さんはどのように判断を下すのか注目するところだが、無理強いは危険である。おそらく1年半か2年間ぐらいは延期するはずである。だとすると野党がアベノミクスの失敗と騒ぎ立てるであろう。安倍さんの人気にも影響するところだから、政局は一気に流動化する気配である。
    サプライズは、異常気象に見舞われた竜巻みたいなことになってきて、いつ世の中が変わってしまうか、油断も隙もあったものではない。こうした時こそ健康第一と励み鍛錬の季節とすべきである。急に寒気が落ちて来るかもしれない。今年は暖冬との予測であるが、あまりあてにもならない。当意即妙、柔軟性を以て世の中に臨むべきだろう。いつ何時、火の粉がわが身に降りかかってこないとも言えない。  つらつら人の世の、無常を身に覚えるこの頃である。    11月15日


   アベノミクス解散


     22日衆議院が解散した。消費税値上げを延期してその信を国民に問う解散である。消費税を予定通り8パーセントに値上げして以来、景気回復に大きな支障を生じていることが統計的に判明した結果を踏まえ、来年の10パーセントへの値上げを危ぶむ意見が大きく浮上した。巷でも消費者の景気判断でも実感として影響が大きく、アベノミクスが掲げる全国津々浦々まで景気回復が行き渡るような状況ではないことも実感された。
ここでゴリ押しの値上げを決定すれば、せっかく回復途上にある経済に、水を差す結果となってしまう。それでは元も子も失いことだ。政局の問題意識とは別に、国民経済に直接悪影響を及ぼしかねない。デフレ経済に逆戻りするような悪循環さえ招きかねない。安倍さんが、このまま消費税の値上げを先送りするだけででは、かえって野党の猛烈な攻撃に晒されるだけであり、加えて国民の不信を増幅させて,不安だけが先行する形になって、安倍政権にいいわけがない。専門家の間でもアベノミクスの不信だけを残し、経済政策について失敗を何かにと取り沙汰されて決していいことはない。むしろ消費税の増税延期の是非をめぐって、これを広く公論に決すすことが望ましい。
選挙に打って出た安倍さんの判断は、正しいと見なければならないし、国民としても、うやもやな内に、どっちつかずの政策運営に晒されても困惑するばかりである。ましてほかに関心事もある。政党支持もさることながら、何も自民党だけの肩を持つわけではないが、大きな犠牲を払い、英知と勇断を以てここまで景気回復を成し遂げてきた安倍さんには、国民の期待に応えて尚、景気回復のすそ野を広げていってほしいし、あと二年といわず、成し遂げるまでの時間を与えてやりたいと思うのである。今のところ自公民にとって代わる政党諸君は見当たらず、でくの棒の野党諸君である。いまだ彼らは、我々の信託を与えるほどに成長していない。
  私見としてもここまで順調に、見事に景気回復の道筋をつかんで進んできたからには、この先何とか失敗しないように、十分な余裕と力を与えてやりたいと思うのである。確かに大企業の景気回復は目覚ましく、史上最高益を記録する企業も出てきている。これが中小企業にも伝播していくには時間がかかるとしても、そうした潜在的力を温存して、経済政策のかじ取りをするのが政治である。すべてが一様に、同時に恩恵を受けるわけにもいかないのが現実である。長くかかるか、短い時間で済むか、タイムラグの問題であって、何とかこれをスムースに成し遂げなければいけないというのが実感である。そこで、今回の選挙でも自民党の圧倒的勝利を望むわけでもない。現状維持で過ごせば上出来である。むしろ穏健で、常識ある公明党の諸君の善戦を期待したい。公明党も宗教色から脱皮して、真の国民政党として大きく成長してきたと思っている。そして公明党には期待して、自民党内に台頭する右傾化的傾向をセーブする力を蓄えた方が、安倍さんにとっても好都合の政権運営を行っていけるのではないだろうか。均衡の取れて勢力配分が重要である。
   安倍政権には、なお課題山積の状況である。消費税問題と関連して、幾多の経済財政政策もさることながら、安全保障の問題や、原発再稼働の問題も難問である。特にまた、特定秘密保護法案の制定や、集団的自衛権の問題もある。憲法の根幹にかかわる重大問題である。さらには中国の海洋進出、韓国の反日政策など、特にアジア外この問題解決がある。これらを総合すると国際問題も含め、日本の政治の世界は大きな岐路に立っているといわねばならない。今回の選挙ではこうした問題意識を以て一票を投じる姿勢が、国民一人ひとりの冷静沈着な判断に負わされていることになる。    11月22日

  

2014.11.01

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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