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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

Vol.10-01 謹賀新年

 謹賀新年

    おほらかに隈なくわたる初空に富士の嶺高く雪をいだきて

   葉牡丹に松と白うめ万両と水仙も活け春をむかへり

   多摩川の堤ゆ眺む山並みの上に気高き朝の初富士

  

  今年も会員各位のご健康と、ご繁栄を祈念申し上げます。

       元旦

雲ひとつない真っ青な空が大きく広がって、金色に輝きながら登ってくる初日を拝めた元旦は、終日うららかな日和に恵まれた、幸先のよい出だしを味わうことが出来ました。
     三が日は、冬型の気圧配置になって、太平洋側では快晴の日が続きましたが、日本海側では吹雪に荒れ模様の気象となって、近来にない積雪を記録しております。大雪の年は概ね豊作に恵まれるとは、古くから伝えおよぶところです。
     昨年は、日本でも政治的に大きな変革の時代を迎えました。長く続いてきた自民党政権に代わって、民主党政権が誕生しました。それまで国民に知らされなかった、知っていなかった政治と行政の仕組みと、その手法が赤裸々に映し出されて、驚いたことが沢山ありました。政治を国民の手に取り戻したということが、これまでの率直な実感ですが、之を細部にわたり、具体的に実現していくことが今年の課題であります。政治主導ということが実際にどうゆう事を指して言うのか、具体的に提示させてもらって、その中身が把握できたことは国民にとって大きな収穫となりました。この実益を、これからも支持して持続できるものとしなければなりません。
    今までの制度や、仕組みが時代に合わなくなってきたことも、国民も漸くき気付てきた事であって、これからの時代は自らが立って自分たちの社会や地域の生活を、人任せにしていないで率先して改革し、その責任を果たしていく国民的意識を堅持しなければなりません。同時に、今までのような硬直化した発想と、手法を以てしては、日進月歩の激しい国際社会にも遅れをとってしまうことは明白であります。惰眠を貪っていた自民党政権に代わって、民主党政権に国民の信託を与えたことの意義は、正にそこにあるといえましょう。言うなれば、事ここに至るまで国民の一人ひとりが、社会を良くしていこうとする気概にかけていた点も又大いに反省すべきところであります。これからはこの点に留意して、国民的意識の発揚に心がけなければなりません。
    新しいことを試み、改革して挑戦していこうとするときには、必ず大きな痛みを覚えます。しかし、それを成し遂げていった先には、大きな望みと進歩が体験できることも事実であります。今年はその第一歩と為さしめていこうではありませんか。老いも若きも、心身ともに日々健康に過ごし、進んで、ご活躍してくださるよう祈念して止みません。
         

       
         * 孔子の教え

    急激に膨張し発展しつづける中国に、今、孔子の教えを学び普及させる動きが大きく広がりつつあります。民衆から自然発生的に出ているのか、それとも国策として儒教思想を広めようとしているのか、はっきりしていません。孔子、孟子の教えは家庭と社会規範を遵守していく根本的な教育思想でありますが、中国では最近まで敬遠されていた時もありました。
    ダイナミックな経済発展の裏に、十三億の国民のごく僅かな民衆が、高額な所得を得、資産を持つ一方で、大多数の国民が低所得と貧苦におかれている構造が、社会的に大きな問題として表面化してきている。ダイナミックな展開をする経済の裏で、こうした貧富の隔差がひろがりつつあります。
    同時に、民衆間の対立が表立ってきました。モンゴルを始め、各省に散在する小数民族の民族意識の抬頭であります。富を勝ち取ることで社会的意識が芽生えてくること、同時に格差の不満から来る気持ちが相乗的に作用して、この勢力抬頭をいかに抑えて今の社会体制の中にとりこんでゆくかが問題であります。
     一方で、孔子の教えと教育が見直されて普及しはじめている理由に経済中心主義に、人間性重視を考える思想が生まれてきたことも社会的背景としてあります。主として余裕のある富裕層に出て来ているもので、経済的恩恵に芽生えてきた余裕であります。子供に高度な教育をさせて、社会で指導層に置いておきたいという肉親としての願望であります。
儒教思想が民衆に普及しはじめたこの傾向は、今の中国政府にとっても好ましい結果を齎(もたら)すと考えているに違いありません。
もとより孔子の思想は、肉親間のあたたかい関係を基本にしています。
     第一は自然な愛情から出発した人間同士の親愛、そこから調和的な人間愛の精神を養おうとする「仁」であります。
     第二は家族間のみならず、広く人間社会において伝統的な、階級的な秩序の根幹であり、それを確立しようとする教え、「礼」であります。
     人間社会は「仁」の精神によって結ばれ、「礼」の確立によって秩序づけられなければならないと論語で孔子は言っています。

     市場原理と競争社会を導入し、国威の基本に猛烈な経済発展をとげる今の中国社会に、前述のような社会的きしみが随所に惹起されつつある時は、自然発生的であるかどうかは別にして、儒教思想を民衆の間に敬愛させてゆくことは大きな意味をもってきます。
    今の中国には、驚異的な経済発展の裏に、いろいろな問題が表面化してきています。これを解決してゆくには、現実的な政策の舵取りと、教育的な学習指導が挙げられます。つまり短期的処方箋、長期的対策といった二面作戦が必要となってきました。

    私は学生時代から論語、孟子の思想を学んできました。特に高等学院時代に、漢文担当の船津富彦教授がいてユニークな勉学手法を以って人気を博していたことがあります。その拙劣な知識を以て、本誌でもたびたび取り上げて、人生に臨んで自己研磨に努めてきた思いが強くあります。論語を流暢に語る時、何やら充実した人間育成に役立つような気がしてくるのです。家族愛と人間性に立った教えで、普遍性を持ったものだと思っております。むしろ、そのことが今、中国で再認識され、多くの面で取り上げられてきているといった社会状況に、むしろ解決すべき、重要且つ根深い問題が滞留しているのではないかと思います。
     従って一方で、この人間的な基本的な思想を、時代的為政によって作為的に、ご都合主義的に利用されることに大きな違和感を持っています。ある時期、孔子の教えを教育指導に使うことが排除されていたこともあったのでしょう。それは、私の思いすごしでしょうか。しかし中国で、中国の社会で、家庭で、儒教の教えが見直されて尊ばれる傾向になってきたということは、歓迎すべきことではないでしょうか。
   
     孔子の教えのなかで、学生時代から好んで暗誦している文章があります。暗誦はしておりますが、果たして自分自身にとって身についた教えとして刻み込まれているかどうかは、残念ながら全く別問題であります。しかし無意識のうちに、これまでの人生で大なり小なり影響を及ぼしていることは事実であります。曰く
     「我十五にして学に志し、三十にして立つ、四十にして迷わず、五十にして天命を知る、六十にして耳順( したが) い、七十にして己の欲するところに従いて矩 (のり) を越えず」
    これは実に明快であり、優れた人生訓であります。七十三歳まで生きた孔子が、自分の人生を振り返って感慨深く回想したことばで、これ自体、人の一生の指針と教訓を示していて余りあります。思い出すままに孔子の言ったことを一部申し上げてみます。
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    「学んで時に此れを習ふ、亦、説 (よろこ) ばしからずや。朋、遠方より来たる、亦楽しからずや。人知らずしていきどおらず、亦君子ならずや」
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     「巧言令色、鮮 (すくな) きかな仁」          

 君子は食飽くことを求むる無く、居安きを求むる無し。事に敏にして言に慎み、有道に就きて正す。学を好むと謂 い) ふべきのみ。
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     「政を為すに徳を以てすれば、たとへば北辰の其のところに居て、衆星のこれに共ふが如し」
 (政治をするのに道徳によっていけば、たとえば北極星が動かずに自分の場所に居て、沢山の星がその方向に向かって取り巻いているようになるものである)。
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 故 (ふる) きを温 (あたた) めて新しきを知れば、以て師たるべし。 (即ち温故知新のことばである。人の師たるべき重要な資格である)。
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     「学びて思はざるは則 (すなは) ちくらし、思いて学ばざれば則 (すなは) ち殆(あやう)し」
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     「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」
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     「利によりて行へば、怨多し」
   (利益本位ですると、うらまれる)。
         
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     「飯疏食飲水、曲肱而枕之、楽亦在其中哉。不義而富且貴、於我如浮雲」
 (粗末なめしを食べ、腕をまげてそれ枕とする。楽しみはそのような貧しい簡素な暮らしのなかにも、やはり自然にあるものである。不正な方法で金持ちになり、自分が高くなるのは、私にとっては浮雲のようなはかないものである。うらやましいものとは思わないことである)。

                

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(  事務局からのご報告 )

       去る12月28日午後6時から、昭和経済会の平成22年度の予算並びに事業計画について検討、審議の総会が日比谷きく川で開催されました。野田常任理事の議事進行に従い、議長に佐々木理事長が指名され、事案について慎重に審議した結果、全会一致で承認決議されました。    以上、事務局。
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日航再生法申請

日本航空が東京地裁に会社更生法の適用を申請し、事実上破綻しました。之を受けて官民が出資する「企業再生支援機構」が日航支援を決定し、政府も之を承認しました。日航の運行や営業は平常どおり続けるとのことでありますが、国民や利用客の気持ちは、不安であり暗いものがあります。グループの被害総額はいつの間にか、何と2兆3000億円までに膨らんでしまいました。機構は3年以内に経営再建を目指しています。当会の、元「産業再生機構」の高木新二郎氏に続き、今回は又当会の、「企業再生支援機構」の西沢繁宏氏が陣頭指揮にたって、その重責を負うことになりました。日航の再建に向けた氏の活躍と、健康をひたすら願うものであります。


年明けに予期せぬことの日々起きて政・官・財にわたるさまざま

日航の負債総額に最大の2兆3000億とはたまげおるなり

  年明けに波立つことのさまざまに起きて落ち着くひまのなき世よ

旧態の役所と民間の馴れ合ひに経営理念のなきなれのはて

だらしなき会社経営の救済に又も血税の多く使はる

国民の怒り心頭の声聞かず安全飛行の担保とられて

墜落の悲劇に遭はず着陸す日航再生の日の滑走路

日本の空の象徴の日航機安全運行におののきつ飛ぶ

予想だにせぬ経営破綻の運命にかろうじて飛ぶ日航ジャンボ機

政・官・業癒着のついの姿にて経営破綻の日を迎へけり

初春の空を日航ジャンボ機が行く再生への重荷負ひつつ

豪雪に光る富士山の上を行く鶴のマークの日航ジャンボ機
   
  

1月20日


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         一国民からのお願い

       国民の大きな期待を以て船出した民主党政権でしたが、鳩山首相の偽装献金問題や、小沢幹事長の政治資金規正法違反容疑で思わぬ波乱を呼んで、出鼻をくじかれた思いで国民は落胆しています。折角の政権交代が、まるで昔日の、自民党政権時代に逆戻りしてしまったような印象で、実に嘆かわしい限りであります。
       かといって、只今の国民の心情としては、民主党政権に引導を渡す心境にもありません。国民は狭間に立って、困ったものだと戸惑っているのが実情です。今の国民には、国会や政界の状況がどう変わろうと、編み出す知恵もなければ、なす術もありません。どうしたらいいか全くわからないといった状況です。
       なんとか政治の混乱を回避して、与党、野党の区別なく、小異を捨てて大同につく雅量を持ってもらいたいと願うばかりです。それが国民のためになる政治であります。民主、自民にどう有利に展開するか、どちらを支持するか、どちらに贔屓するかは、今の国民にとって全く無関心事であり、問題外なことであります。政権交代を果たさせた国民にとって、今さら自民党に、という心境ではないはずであります。むしろ今、その弱点をあげつらい民主党政権を混乱させて国会での法案審議を渋滞させ、国民経済に打撃を与えるようであれば、国民の不信を買って野党である自民党にとっても不利益な結果であります。
       野党の立場で政権与党を論戦に巻き込んで、単に政治と金の問題のみで政府を追求するのであるならば、国民は自民の主張に期待しないかもしれません。国民にとって解決すべき緊急な課題が沢山あります。それは民主党のみならず、自民党の責任でもあります。自民党は大事な政策論争で国会での法案審議に積極的に参加して、その実力を国民の前で発揮すべきであります。政治と金の問題も大事な事柄でありますが、之に関しては国民のほうが情報的にも心情的にも、よく把握し理解していることであって、しかも当局の公正な手にゆだねられているわけであって、国会がこのことのみしか取り上げられないようでは、国民の支持を得ることが出来ないかもしれません。
        五十年の政治史を根底から覆したことは、革命的な意義があります。政治と金の問題もその一つでありますが、自民党政権下で老朽化した諸制度や悪弊、腐敗しきったマンネリズムに終止符をうって、世界のグローバル化の時代にあった清新な国民本位の政治を奪還すべく、政権交代が実現された今、之は国民が選挙によって決定した現実的な事実であります。之を踏まえて改革の道を進むことこそ肝要であります。
        五十年余の自民党政治に比べて、民主党政治に変ってまだ半年しかたっておりません。大きな成果を求めることは無理でありますが、色々と矛盾も出てくることですが、しかし、勇気を持ってよくやっているのではないでしょうか。これからの民主党政治に国民は大きく期待して、一刻も早く政権政党としての貫禄と技能をつんで発揮していってもらいたいと念願しているのです。下野したばかりの自民はあせらず、その状況と意義をもう一度考え直して冷静に対処し、政治と金の問題のみが重要なのではありません。それはそれ、これはこれとして、時には民主党政権に協力する姿勢を展開することによって、あるいは国民の大きな感動を得て、将来の捲土重来を図ることも可能となるでしょう。政界は一寸先は闇とはよく言われますが、まさかそんなことを期待しているわけではありますまい。そんな次元の低いことを以てして、国民が翻弄されてしまっては困ります。今の状況からして、政権奪還が五年先になるか、十年先になるかわかりませんが、目的は政権の有無ではなく、国民本位の政治が肝要であります。
      政権交代は国民の厳粛な意思の決定によって為されました。国と国民は今、経済的にも国際外交的にも大変な状況にあり、大きな選択の岐路に立たされています。その意義を以て国会の事態が打解されて、国民本位の正常な国会運営に戻ることを祈るばかりです。渋滞は許されません。公正を期し、効率的にお願いしたいものです。                    1月21日
 

平成22年1月1日

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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