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VOL.25.2
豆まきと立春
玄関わきから庭にはいる入り口の左側に、昔から紅梅の樹が植えてある。毎年春が近づくと真紅の花をつけて真っ先に春の訪れを知らせてくれるが、今年はなかなか気づかずにいた。花の咲く時期がずれていると思っていた。風よけとなる場所に植えてあるせいか、日当たりの良い場所なのでいち早く一輪の蕾がほぐれて咲いているのを訪ねてきた人が知らせてくれた。見るとほかの枝にもちらほらと赤い灯を灯すようにいくつかの花がほころびかけていた。訪問客と話し合っている間に、音もなく花が開いたのかもしれない。少しずつ花びらが開いて動いていく様子を確かめていたら、きっとその場を離れずにじっと観察しているうちに、お互いだけの言葉が出来て、話し合っている時間をあたえられるかもしれないとおもった。そんなことを思いめぐらしている間にも、七つばかりの花の子供が産声を上げて、お天道さまの光を浴びている。花の開く速度も上がって、次第に梅の枯れ木を埋め尽くし、数日後には枝という枝に真紅の花がいっぱいに咲きつくだろう。紅梅の盛りには、近所の人や通りがかりの人たちが邪魔に入って、自分は最早咲きかけた梅のはなと、密かに語り合うこともできなくなってしまう。仕方ないと思っている。足元にはクリーム色の水仙が、ちらほらと咲いている。長い幹を伸ばして、寒い北風のなかでも寡黙に気品を保っている。
そんな贅沢を云うのも最近、娘に薦められて、小生には高級すぎるドイツ製の補聴器を購入した。少し耳が遠くなりつつあるので、仕事の上でも不便をきたし何とかしなければならないと思っていたが考えている時間もなく今日まで来てしまった。この補聴器を装着するようになってから、客人との会話もスムースに進んで商機を逃すことなく進んでいることはあり難いことである。僅かな注意を払うことで、随分と得をしてきている。実利の世界から風雅な話に戻るけど、梅の花との会話もそうかもしれない。戻ってきた雀との会話も、さえずりを以て聞き分けることもできるかもしれない。楽しいなあ。 2月1日
豆まき
二十四節気では明日は立春である。立春だから春めいた暖かい日差しかと思いきや、さにあらず、日本列島上空を強烈な寒気団が押し寄せて文字通り、西日本では大雪がもたらされて、豪雪地帯の被害が連日の如く知らされてきている。天気図では関東地方は快晴が続きカラカラ天気だが、このカラカラ天気で東京をはじめ関東、東日本では子供たちのインフルエンザが急増中である。患者の来院で医療施設がパンク寸前で今になって医師不足が騒がれている。文明国家の名も高い日本にしてこのありさまだから、世界の貧しい国々では、専らいびずな社会構造が正常な機能を消滅させている現状が伺えて来る。
子供のころから節分の豆まきは悪癖の権化と知られた鬼が、豆まきの対象になって、この季節が来ると鬼にとっては厄介な日が続くことになって、子供ながらに可哀そうで気の毒に思っていたことがある。小さいころに見たり読んだりした絵本「鬼が島の鬼退治」の鬼たちも悪さをしてばかりいる象徴な存在であったりした。第二次世界大戦、即ち大東亜戦争の真っただ中であったが、(終戦もあと、二、三年という時期であったかもしれない)そのころはまだ穏やかな毎日であった平和な生活であった。浅草の金龍山浅草寺では節気に伴う祭事は大そう信仰心厚く執り行われ一年を通じて季節感にあふれていた。節分の際も然りである。この日の夕方になると盛装をした父が神妙な顔をして神棚に授けておいた炒り豆をうやうやしく下ろし、店の丁稚らを従えて家の中をうごきまわる。付き人たちに窓を開けさせ、あたりかまわず大きな声を張り上げて豆をまきをし、「福は内、鬼は外」と豆をまいて、撒き終わると即座に戸を閉めて次の場所に移っていっては同じことを繰り返していたことを思い出したりしている。信心深く、元気な父の尊敬すべき勇しい姿だと思っている。
豆まきの声高々と聞こえきて近所の人も習いゆくらし
豆をまく先に赤鬼、青鬼の逃げ惑ひゆく北風の夜
我が後に妻従ひて戸を引けば我直ぐさまに豆を打ち撒く
豆まきの行事も最近では一般家庭ではほとんどやらなくなってしまった。市民の生活もマンション住まいに慣れて近所付き合いも疎ければ、おのずと遠のいてしまい大きな声を出すことも憚るご時世である。下手すれば誤解されて、夫婦喧嘩が高じて110番の連絡をされかねない。家ではいまだかって夫婦喧嘩といったことは、経験したことがない。記憶にもない。亡くなった高木新次郎君は以前、そうした場合に一度でも喧嘩をしたら、致命的なのが多いと云っていたことがあったが、弁護士だったから嫌というほどそうしたケースに立ち会ってのことだろう。些細なことで言い合ってもすぐに忘れてしまうタイプだから、糠に釘といったタイプかもしれない。大声を出して豆まきをやっていると、もしかするとハラスメントやらで、うちの家に向かって鬼は外とは何事かと、隣人から怒鳴り込まれたら大変である。住んでいる人が乱暴な人だったりして、喧嘩を売り込まれても大変なことになりかねない。幸いにして拙宅の辺りは大きな屋敷地域になっているので隣近所の干渉を受けないで済んでいる。以て幸いとしなければならない。
大きな声を出して憚らない人と云えばオペラ歌手ぐらいではないだろうか。多くの人はスマホに入りびたりの生活に浸かってしまうと、大きな声を張り上げる機会もないし、会話すらしなくなって、声を出す機会も少なくなり、勢い声帯も薄くなってささやく程度に落ちてきている始末である。できれば運動のためとは言わないが、せめて一年に一回ぐらいは豆まきを利用して、マイクを使わずに思う存分声を張り上げてみる機会としたいものである。個室に入って歌うカラオケが流行っているのも、そうした世相の反映かもしれない。
ところで豆まきも最近は神社やお寺さんの境内で、有名人を招いて行われることが多い。多くの人が集まって、有名人の撒いた豆を懸命に拾っている人たちが押しかけているが、その分、家庭で豆まきが行われていない証拠でもある。相撲取りが、小さな豆をまいているのも滑稽だが、拾っている多くの人を見ていると何となく哀れに見えてきてならない。昔、貧乏な人が物乞いをしたりして、裕福な人が憐れんで施し物として投げてあげている人の場面を思い起こしがちなのは、少々穿った味方かと云われるかもしれない。そもそも鬼退治に使って投げつける豆である。その豆を拾っている人と云うのは、そうか、豆まきの豆でなく、あの豆は「福豆」だったのか。しかし福豆なら投げて差し上げてもいいという理屈は通らない。縁起物で、拾った福豆を食べて、消化が悪ければ下痢をしたりしないとも限らぬ。万事はその時の縁とタイミングで、この世が流れていることが多いから気にしたらきりがない。世の中にはやたらと変な奴が多いから、油断すると問題を起こしがちだから、外に出たら余り人の目を交わさない方が良いとは漱石がつぶやいていたことではある。人の撒いた豆に当たらぬように、常日頃気を付けるに越したことはない。そうでなくとも何が飛んでくるかわからぬご時世だし、ガザやウクライナに住んでいる人たちは気の毒でならない。福の豆をまいて、平和な世界が戻ってきてくれる様、神頼みではないが、石破、トランプの日米首脳会談を成功させた一方の、トランプさんの意気込みに期待して、解決してもらいたい。
日米首脳会談 大成功を収めた石破さん
我が日本の総理総裁の石破首相の重厚な姿勢で臨んだ日米首脳会談は、相手のトランプ大統領をして敬服せしめる雰囲気と石破諸種の信念と情熱、そして大統領に対し、西郷隆盛の風貌を以て悠然と対峙した石破さんは、トランプ氏が豹変するというよりはむしろ確実な思いと抱く彼の英知と才覚を見て敬意を払い、ディールに臨んだ場面は圧巻であった。初の日米首脳会談では、偉人同士が胸襟を開いて臨んだ面談に、感動と共鳴を抱き、日米の課題に対して誠実に対応した結果の大なる成果であった。石破さんが、トランプ大統領をして、タフでナイス・ポリティシャンと言わしめたのも、むべなるかである。共同記者会見の席上、西洋風にリラックスして前こごみで語るトランプ大統領に対し、終始胸を張って東洋風の威風堂々たる風格を示した石破さんに安堵の念を禁じ得なかった。日米の相互理解と連携を高みに挙げて、凱旋して帰国の途についた石破さんの労を多として、深甚の感謝と敬意を表したい。石破さんには折があったらまた昭和経済会の会合に来ていただいて、親しくお話を伺いたいと思っている。 続
USスチールの問題
「鉄は国家なり」といった時代は実に古めかしく感じて遅れを採っているが、今、日本製鉄が斜陽産業と化して衰退の一途をたどっているアメリカのUSスチールの買収に巨額な資金を以て攻勢に出ているのが不思議な感じがしている。なんでいまさらと云う思いで事態の成り行きを見守っているところである。プロイセン王国のドイツのビスマルク首相が演説で「鉄は国家なり」と称して、国力の象徴を示すものと考えられていたが、当時の経済産業時代の重厚長大を旨とする産業の根幹をなしていたことは事実である。USスチールと日本製鉄の落ちぶれどうしが沈没を防ぐために打って出た話であって、鬼の首でも捕ったような騒ぎの仕方で違和感を覚えるのである。鉄鋼製品に代わって、今や鉄よりも強靭で軽い製品が駅上がってきている時世である。時はまさにIT, AI,人工頭脳の猛烈な開発競争に躍起である。錆びついて廃墟と化したUSスチールの工場に何の魅力があってのことか、衰退していく産業に無駄な資金を投げ捨てるようなもので、巨額な投資をかけてみる産業ではないと思っている。効率上、分が悪いと思われる。ましてや国の資金を使ってまでと云うことになれば、事はなおさらである。
日米首脳会談でも要談されたらしいが、買収は不可能押していたトランプが、買収ではなく投資なら結構だと、株式も過半数を持ってはいけないと妥協策を講じた。そもそも民間企業同士の事案について国が関与したりすて悶着をつけることが問題であって、それほどに対面を重んじてのことなのだろう。何にでも口出しして目ざといトランプの真贋力も精彩を欠く始末と思われる。この後トランプは鉄鋼とアルミに関して、関税を25パーセントの値上げに踏み切った。自国産業の保護のためである。トランプの経済政策には大きな矛盾がある。アメリカ第一主主義を標榜するあまり、衰退する製造業を重視することで雇用を維持し経済成長を遂げていこうとする点である。先に述べたように、今や時代的要請は、鉄鋼に代わる強靭な製品が出来てきている。鉄よりも堅牢で、軽い柔軟な製品である。旧態然とした産業の復興を試みて、鉄を作れ、石油や天然ガスを掘って掘りまくれと檄を飛ばし、雇用の創出を図ろうとする、あたかも17世紀時代に起こった産業革命を彷彿させる事態である。これは間違っている。
そして関税の引き上げを武器に国内製造業の復活を図ろうとしている。関税の引き上げは、引き上げられた額だけ国民が負担して物品を消費することになる。かけられた関税額だけ国内の生産物の価格に跳ねあがり、しいては消費者物価の上昇に跳ね返ってくることになる。つまり消費需要がいまだ旺盛なアメリカでは、これが追い打ちとなって、このまま物価上昇の傾向が続くことになる。即ちトランプが得意とする関税の引き上げは、国内の物価を総体的に引き上げる結果となることは明白である。国内のインフレを助長し、ひいては産業経済の競争力を弱体化することにもなる。同時に貧富の格差社会は更に拡大し、分断と対立の世相を促して益なしである。格差社会の解消にもつながらないだろう。一時的な劇薬で、急場をしのぐに過ぎず、根本的な解決策にはならない。そもそも黄金時代とは何か、哲学的思考にほど遠いものかもしれない。黄金時代を築くには、貿易の障壁を取り除き、物品の流通を円滑にし、無限に広がる人類社会の、新機軸の開発に新規の投資を行っていくことである。関税を引き上げてアメリカの黄金時代を作り上げるという夢は、砂上の楼閣であって、一人よがりのかってな妄想に終わるかもしれない。
これからの世界は、関税の障壁を取り払って、物と人の自由な行き来をもたらし、世界の貿易量を増やしていくことが重要である。トランプは自前の関税の引き上げを以て外国とのデイールに動き出したが、世界は戦々恐々で、将来に於いて跳ね返りも憂慮している。しかし慌てることはない。経済大国を成し遂げている国が、こうした旧態依然とした政策を採っていくにしても、いずれほころびを生じてきて軌道修正を余儀なくされるであろう。単純だが、愚策と云うしかない。2月8日
最大級の寒波到来
そして春一番
東京は、この冬最大級の寒波到来である。寒くて強烈な北風が吹きすさび、会社への出勤もままならぬが、「特別な用事がなければ、休んでしまいなさい」と忠告する妻の声を後にして、元気を出して尾山台駅まで歩いて行った。電車に乗ってしまえば寒風も気にならず、途中の乗り換えも駅舎の中であり、中目黒始発の日比谷線は、地下鉄銀座駅に着けば、数寄屋橋側の改札を出てからは、銀座の地下アーケードの建物の中の道のりを行くだけで、冷たい風にもさして当たらずに難なく会社についてしまう。問題は、家を出る決心だけである。あとは幸いにしてマイペースで、ひたすら都会の道路の冷たいタイルを見つめて足幅の歩数を勘定しながら行けば、気分的にも収まってくる。会社での仕事は量も内容も厳しく休む暇すらない。仕事は専ら自分で作り出していく方なので、逆に休む暇がない。頭は常にフル回転である。
それにしても今日ばかりは、うっかり外に出ると北風がもろに吹き付けて、飛ばされそうな中、実に難儀に思えた。終日部屋で仕事に熱中する一日であった。帰りは同様の道のりを往復するだけであったが、自由が丘駅からは、タクシーに乗って家に付いた。横着するわけだはないが、この日はマフラーやコートを着たまま二階に上がり、パソコンを打って今日の必要な原稿を書き始めたりした。思いついたときに書いておかないと忘れてしまうからである。家に入ると二階に上がるのも億劫な気がして、動かなくなってしまう。この日は玄関に入るなりそのままの格好で二階に上がり、小さな自分の個室に入り、能率よく仕事を始めたのである。風呂に入って寝巻に着替え、落ち浮いてしまうと仕事をする気にもならなくなって、飯を食えばあとな眠くなるだけだし、目が覚めればテレビのニュースの見通しになったりして、まるでそのままの姿勢で寝床に付く仕儀である。勢いいつも就寝に付く時刻は、ニューヨークのマーケットが始まる11時半以降になってしまう。寝つきが悪いので床の中でイライラしながら不安であり、夜中の1時ごろには眠りに入れるようである。腹の具合の満腹状態は、睡眠にとっては良くない。夕食は7時半ごろには済ますので、就寝に付くまでの体調は気になる処である。
そうかといって腹が空いていると胃が変調をきたすので、そうした時は絹ごしの滑らかな豆腐を少々食べることにしている。夜中の二時ごろになる。人間にとって、否生き物にとっては普遍的な事柄であるが、睡眠こそは、会食、快便、快眠ではないが、快眠こそは健康維持のバロメーターである。睡眠が十分に採れた日は心身ともに爽快であり、仕事の成果も運が付き、歯車の回転も良好である。精神衛生上も極めて良好で、そのまま健康状態にも反映してくる。無病息災と云う心境である。まあこんなところで日常の生活は済んでいるが、年を取ってくると体調の塩梅が難しく、それなりに気を使っている。
猛烈な寒波は日本海側では猛烈な吹雪となって大量の雪を齎し、新潟や秋田、それに北陸の富山や山口にも場所によっては3mを超す積雪となっている。例外の地として思いだすのは、青森県の十和田湖に近い奥入瀬渓流のところである。学生時代に訪ねた旅行先の有名な酸ヶ湯温泉の場所であるが、4メートルを超す積雪だそうだ。こうした変化も、気候変動のもたらす現象で、雪に悩まされている地方の人たちの生活は難儀なところがあるが、雪との戦いは、日々大変なご苦労であるが、人々の恙なきことを祈り、思い案じているところである。
2月13日
春の大雪
春一番
大寒波襲来の報に北国の雪にそなへて又もかく雪
奥入瀬の酸ヶ湯辺たりの豪雪の白夜に光る月の影かな
蔦沼の湖水に宿る白鷺の雪にしずもる色の悲しき
純白の月の夜に焚く炭小屋の蒼き煙ののぼる静けき
音もなき雪の世界に一人いて蔦の湯あみにひとり浸かる夜
大寒波襲ふ列島に人の皆動く能わず冬眠に入る
静かさに目ざめて仰ぐ月の夜を渡る鴨さえ鳴かず飛び行く
奥入瀬の蔦沼温泉のひとつやど積雪深く息の根を絶つ
凍結す奥入瀬渓流の三里半雪の根に聞く碧きみずおと
留守居するおなごの一人宿にいて雪女とてなりにけるかな
大雪に埋もれし宿の部屋暗く僅かに雪の明かり差すらし
蛍雪のひかりを当てにいにしえの人は読み書き致す習ひに
電灯のなき時代にそ賢人の世に輩出すことわりや如何
奥入瀬の宿の廊下の雪の筒くぐりて先に灯る薪の灯
とろとろと燃ゆる囲炉裏の薪の火に黒くくすぶる梁の太さよ
薪の火の如何にも弱く見えしかど黒松ゆえに終夜灯れり
大雪の降りしく歳は豊作の兆しと古く人の伝へり
枝豆の苗を仕入れて庭畑に植えたる日にそうぐひすの鳴く
近頃の気候の変化に対応し農耕作業も手間取りにける
新緑の光り輝やく日頃ともなりうぐひすのしきり鳴き居り
さわやかに吹きすぐ春の風の色水色なれば空にとけゆく
主イエスの癒やしの深きあかしなり口もと赤く燃え尽くしけむ
限りなきイエスの愛の深きこと海の澄みたる淵の如きに
主イエスにみ顔を仰ぎ伏し拝むその美しき身にも触れけり
精霊の全地をおびて活きいきと復活の道備へ給へり
大空を仰ぎ聖霊のこの世をばおほひ給へる実相を観ん
壮麗な三位一体の実相を如実に示し我に迫り来
我れが身に息を吹きこみ永遠の命を給ふイエスキリスト
人の世の神の掟にさからひて愛の一字を忘る愚かさ
大君の天地創造の主なれば意に従ひて生きてゆくべし
幾そたび艱難辛苦の道を経て聖霊により立ち起きてきぬ
近ごろの命を刻む一刻の音の夜中に聞くはあやしき
黄金の時代を築くとトランプの言に従ひ動く民衆
黄金の字の解釈の知らずして民にもだまし討ちするトランプ
古びたる時代に鉄は国家なり今やゴリ押しいたすトランプ
愚かなりUSスチールの買収に出たる日鉄の古き面々
万象の息吹を身にも触れし夜の動きを確かと捉えけるかな
今の世を手に収めてる大国の米中なれば連携を期さん
米中の諍いをやめこの丸ろき地球を治め先に進めん
ウクライナ戦争の悲惨を目の当たり耐えがたきかな多き犠牲者
朝飯を食らふ時にも凄惨の地にそ命を落とす兵士ら
死を恐れ逃げだす牛もある間にも人を殺めて悔いる無き奴
幾萬の人を殺めて豪邸を構える将校と闇の商人
ウクライナ戦争を断つ仲介にディールと称し立てるトランプ
見るからに吸血鬼なる風貌に近くなりつつあるはプーチン
国を逃げいずこに居るや吸血鬼シリアのアサドも末は地獄に
ウクライナ、ロシア双方が声高に戦果を誇るさまの空しき
前線を一キロ進むその間にも戦火に倒る若き兵士の
熾烈なる銃弾撃つち合ふ双方にあまたの兵士が命落とせり
牛、馬の如く人間を操りて戦地に送るサタンのプーチンよ
反攻に転じたウクライナ将兵のロシア連隊の抵抗にも遭ふ
戦場に散る息子らの命をば知りて育てし親はなかりき
一日一首、和歌を詠もう
歴史があって名高い短歌同人の会、淵の主宰を引き継いで二十年近くになるかもしれない。大方は創刊者の意思に反して、長持ちせずに廃刊に追い込まれるケースが多い中、幸いにして日本の誇りとする文化を守り抜いてきていることは喜ばしい限りである。世評、短歌人口は増加の一途と云いながら、短歌を素直に詠み、これを以て自己研磨、人格の陶冶に役立てている人は周囲にあまり見かけないのが実情である。俳句にしても同じことがいえるに違いない。これは小生の持論であるが、和歌の一首は、短編小説を凌ぐ内容を包している場合が沢山あるほどに、俳句にしても然り、実態の全体を包含して凝縮し、結論を引き出した結果であると言い切っている。和歌の一首を以て一生を駆け巡る人もいれば、一生の間追求してやまない人もいるほどに、三十一文字の和歌の一首は重々しさを以て迫ってくるのである。
一日一首と云いながら、小生の場合はペンを持つとおのずから感情のほとばしりを即座に三十一文字の和歌に切り替えて書き残す癖がある。出来栄えと云うこともおかしな話だが、詠みみ上げた一首の良しあしについさほど気に賭けないでいる。即座に読み上げた和歌については、後で読み返してみると、その場の雰囲気と自分の感情が一体化されて、頷くことが多いのである。臨場感があふれてきて感情の高まりが、即経験値になって蘇ってくるから、実体験は時間を超越して不思議な力を持っている。そうしたことが遠因となって、歌を楽しみながら記して実感を会得し、記事にしたためておくことも実益につながってきている。実益は例えば短歌同人誌、淵に発刊ではないだろうか。淵の創刊者は会津八一と、その愛弟子の植田重雄である。お二人とも近世を代表する大歌人と称されており、ともに早稲田大学名誉教授の称号に浴している学者であり、教育者でもあった。小生は単に仙達に追随することなく、己れ自身の立ち位置を得て独自性を以て、一日一首ではなく自由奔放となれば何首でも楽しく読んでいってしまう癖が身についてしまっているようである。自己満足しきれないまま、無限の広がりと深さを以て迫ってくる世界に挑戦しているのである。
2月14日
ウクライナ戦争終結に立つトランプ外交
びっくり仰天のトランプの発言である。ロシアの侵攻を受けたウクライナのゼレンスキー大統領を捕まえて、選挙を経てない大統領であり独裁者と呼びつけた。根拠のない彼独特の詭弁であるが、更には、ウクライナ停戦の報酬の見返りにウクライナの鉱物資源の権益をよこせという、闇討ち強盗、山賊にも等しい振る舞いに世界がびっくり仰天である。如何にもトランプらしいが、ここまでくると彼の正体を炙り出してみないと何もかも信用できない感じである。もともと彼は根っからの詐欺師でありペテン師であるとは、前政権時代のペンス副大統領が言っていたことである。そして我慢できなくなった側近の多くが彼のもとを去っていった。彼の悪行は今に始まったことではない。今までの娑婆を潜り抜けてきた経歴グレイゾーンゾーンであり、やくざ稼業同様の実態を彷彿させるものであったからである。そんな男が何故アメリカの大統領にと訝しく思うばかりだが、どうも説明できないのが今のアメリカの理性、感性のありようなのである。国民は分断と対立を煽られ、犯罪は増加の一途であり、トランプの手法をまねる企業家や団体が多く成ってきている。昔、日本でも馬鹿な総理大臣が出てきた。そして言った。貧乏人は麦を食え、と。弱きものをたたきどん底まで突き落とし、強きものを味方に付ける。弱者救済の道ではなく、弱者はどん底へ突き落し、強きものを擁護する、いわば浄化作戦みたいな思想の持ち主である。だから他国の戦力に頼るウクライナは弱気者つまり敗者であってとことん選別されるわけである。採れるものは何でも取り、捨てるべきものは巣b手廃棄するといった徹底した弱肉強食の発想である。絶対主義時代の指導者である。民衆はバラックに住んでいても、もとから備わった低所得者であり、自分は悪行を重ね強者に上り詰めた成功者で強者であるから、豪邸に住み財貨を収奪し贅沢をして憚らぬ。その代わり金品を差し出せば何でもこなせる才能は持っている。ウクライナは三年前に、プーチンの侵攻を赦し国土の収奪を許しているが、停戦と平和の到来を告げてトランプが仲介に立つはずであったが、途中から豹変し、自分もプーチンに加担してウクライナの財貨の収奪を見返りにして出て来たのである。痛みつけられている弱者を見込んで、物捕るりの山賊に豹変したのである。
勝ち馬に勝負をかけて負け馬にさじを投げたるトランプ政治
脅迫と威嚇で領土拡張を目ざすトランプ外交の手の内
プーチンと手を組み勝ち組の戦略に手を貸すすトランプ独裁者とも
何を云ひ何仕出すか見通しの立たぬ相手のトランプ政策
古くより嘘つきトランプの異名とる詐欺師と名のる人もありけり
欲望を露骨に示し力以てねじ伏す術も心得ており
権力を手中に収め思ふまま振る舞ふトランプの仕業危ふし
トランプの力にまかせ熟慮なき場当たりすぎる外交政策
関税の値上げを武器に国内の産業育成を図るトランプ
日本の自動車産業を直撃す関税十倍の二十五%
トランプを支持する貧困層はそのままに富の蓄積を図るトランプ
政策の矛盾あらはにトランプの外交政策に惑ふEU
石破氏の巨象にライオンのトランプ氏いづれも王者の風格ありし
株式の人気で云えばカイ気配ストップ高の巨頭相みる
絶対に首相になると確信す講演会の彼の姿勢に
二時間の講演会の席上の隣りに彼を見つめ極めり
昔より伝ふる祭事の素朴なる村人たちの稲を供へて
野党まで成功を評す今回の対トランプの石破会談
石破氏の少数与党を踏み台に野党の諸説を取りこみにけり
鳥取の砂丘に立ちて日本海果ての大陸を望む石破氏
仰天すトランプ外交の異状さに事態の逆転に立つる陣営
大統領令をひん発すトランプの権力乱用を止める人なし
仰天すゼレンスキーは独裁者との発言にEU首脳ら
大砲と戦車の代替に関税を武器に戦ふトランプ戦術
プーチンと手を組みウクライナ戦争を逆手に戦利を図るトランプ
ウクライナ戦争終結を利用して米ロ対立の解消も又
ウクライナ戦争の原因をロシアのみ在らずウクライナにもとトランプの説
何十万てふ死者を出すウクライナ戦争の惨状を中止すべきは是
トランプの外交戦術の度肝抜く手法に衝撃受くるは誰か
ウクライナ戦争終結にトランプの大胆戦術に惑ふEU
ゼレンスキー大統領を独裁者呼ばわりしたるは何の意図かも
手の裏を返すトランプ戦術の敵とみかけて攻める口実
トランプの能弁に伏す民衆の何故か貧民層の厚く多きに
ウクライナ戦争の終結で消解す米ロ対立は繁栄の道
大国の米ソ対立の解消はトランプの言う繁栄の道とも
牧草の広がる大地の空を飛ぶミサイルのにっくき姿映りぬ
牧草をのどかに食べる放牧の牛をかすめてミサイルの飛ぶ
プーチンの撃った弾丸のミサイルのどこに落ちるも決めかねてをり
交渉に立つトランプのひょう変すゼレンスキーを悪者扱いに
弱き者をもともとたたくトランプの脅しと恐喝を使い追ひこむ
米ロとの和平交渉の進展の果実は平和と繁栄の道とも
ウクライナ戦争をてこにトランプとプーチンの手を組む別な意味にて
新たなる国際秩序と平和への道を模索すトランプ外交
米ロとの友好関係の確立は国際平和の道の根幹
戦争を仕掛けたプーチンと手を組みてゼレンスキーをなじるトランプ
トランプの想定外に腰抜かすEU首脳のトランプの仕儀
ウクライナ戦争を巧みに活用し米露関係の修復を期す
確実に米ロ関係の好転は世界平和と繁栄の道かも
トランプ氏の策略
最近のトランプの凄まじい外交戦術には度肝を抜かれっぱなしである。悲恋にも等しい境遇に差し掛かっているゼレンスキーの足元を見透かしたトランプのおねだり戦術は、弱きものを相手に度を越している感じである。ウクライナの戦争を支援する見返りに、否、支援してきた見返りに、ウクライナの国土に眠っている豊かな鉱物資源の発掘権益をよこせと言い出して、差し出せば将来の支援を約束すると恐喝にも等しい出方である。EUの援助はウクライナに対する貸付金だと言い切ったトランプに、フランスのマクロンは、いや、70パーセントは贈与を含んだ支援ですと訂正されて照れる始末である。トランプの支援はデイールであって、危機に瀕したウクライナについて、民主国の自由と平和、人権と平等を擁護して結束を図るといったものではない。アメリカ第一主義の暴れ馬に乗った気持ちのすさまじさ、露骨さで、さすがの侵略者プーチンも、このところだんまりを決め込んで時機到来を狡猾に見守っている。 2月26日
嘘つきのプーチンと詐欺師のトランプを相手に悲しゼレンスキーよ
嘘つきと名だたる詐欺師のプーチンとトランプ相手に哀しゼレンスキーよ
仲介役と称してディールにトランプの豪欲さらす厚かましきに
あれよこせこれをよこせと強要す山賊に似て下劣至極に
あれこれと強請(ねだ)るトランプの下劣さに黙して世界も嘲笑しける
ハイエナの如くあさりて人のものかすまでさらふけだしトランプ
白骨と砕かれ壺に納まりて人の末路のかくもあはれに
桐ケ谷の斎場に行き参列す身内の葬儀の端の席にて
いと辛き亡骸に触れ泣く妻の棺の夫の愛ほしきに
この世にて持ちたる富も名も地位も灰燼と化しいとも虚しき
大人も骨壺に入り動かざる大地に帰り土と化せるに
しみじみと思ふこの世の虚しきを避ける能はず覚えゆさだめと
欲をかく人の焦りの止まざるを良しと構えて先を歩まん
骨壺のこと思ひなばこの世にて生きる力も失ひにける
白骨と化しても粉々に砕かれて壺に入れられふたを閉めらる
よっぽどの悪童と思ふ死のあとの始末を見ればその人のこと
黄金の世界に住みても避けがたき死神の来てさらいゆくらし
欲を張る人を善人と扱ひてこの世を渡る種族ありけり
自国主義貫き叫ぶトランプの強欲晒し限りなきなり
気味悪く青白き顔世にさらし獲物の来るを待つやプーチン
プーチンも顔負け残虐無比の奴その名もシリアのアサドとぞ謂ふ
関税を世界各国にかけてなほ土地や資源を強請るトランプ
関税はやがては自国に跳ね返り物価高にてインフレ懸念が
トランプの大胆不敵な取引に戦場に起きる地殻変動
戦争を仕掛けたプーチンと手を組みてゼ蓮スキーをなじるトランプ
確実に米ロ対立を解消し和平は繁栄の道となるべし
トランプの想定外に腰抜かすEU首脳と官僚の面々
ウクライナ戦争を巧みに操りて自国を有利に運ぶトランプ
戦場に異臭ぷんぷんにたちこめて放置されたる戦士あまたに
ウクライナ、ロシア双方の戦場に山と積まるる遺体は何ぞ
無気味なる夜の怪(け)物(もの)の訪れて遺体を刻む音のおぞまし
トランプの対ロ交渉後の代償に鉱物資源の強奪図る
ウクライナ戦争終結の見返りに鉱物資源の権益を得んと
この世にて名だたる悪者プーチンとトランプの間の哀しコメディアン
コメディアン故に悲しき演出もトランプ、プーチンの剛腕相手に
国の為若き血潮を戦場の荒野に映し光る月光
寒風の吹きさぶる夜はしかばねの声うらめしく聞こえくるなり
嘘つきと詐欺師の名だたる政治家を相手に苦悩のゼレンスキーよ
ててははと良きはらからの泣き叫ぶ声むなしくも渡る戦場
この世にぞ良き絆にて生まれ来ぬされどその道を絶てる悪童
和平の日近づき来るも無に近き屍の声聞くもむなしく
ウクライナ戦争に散る戦場の死体を照らす冬の月光
交渉の裏で大国がにぎり合ふウクライナ強奪の謎の勘定
戦場の死体をあさる鬼畜なりプーチン、トランプの手をにぎり合ふ
ウクライナ交渉の裏でにぎりあふプーチンとトランプの悪しきソロバン
悪者のはざまで悩むウクライナ弱者が故に哀しかりけり
最大級の寒波到来
そして春一番
東京は、この冬最大級の寒波到来である。寒くて強烈な北風が吹きすさび、会社への出勤もままならぬが、「特別な用事がなければ、休んでしまいなさい」と忠告する妻の声を後にして、元気を出して尾山台駅まで歩いて行った。電車に乗ってしまえば寒風も気にならず、途中の乗り換えも駅舎の中であり、中目黒始発の日比谷線は、地下鉄銀座駅に着けば、数寄屋橋側の改札を出てからは、銀座の地下アーケードの建物の中の道のりを行くだけで、冷たい風にもさして当たらずに難なく会社についてしまう。問題は、家を出る決心だけである。あとは幸いにしてマイペースで、ひたすら都会の道路の冷たいタイルを見つめて足幅の歩数を勘定しながら行けば、気分的にも収まってくる。会社での仕事は量も内容も厳しく休む暇すらない。仕事は専ら自分で作り出していく方なので、逆に休む暇がない。頭は常にフル回転である。
それにしても今日ばかりは、うっかり外に出ると北風がもろに吹き付けて、飛ばされそうな中、実に難儀に思えた。終日部屋で仕事に熱中する一日であった。帰りは同様の道のりを往復するだけであったが、自由が丘駅からは、タクシーに乗って家に付いた。横着するわけだはないが、この日はマフラーやコートを着たまま二階に上がり、パソコンを打って今日の必要な原稿を書き始めたりした。思いついたときに書いておかないと忘れてしまうからである。家に入ると二階に上がるのも億劫な気がして、動かなくなってしまう。この日は玄関に入るなりそのままの格好で二階に上がり、小さな自分の個室に入り、能率よく仕事を始めたのである。風呂に入って寝巻に着替え、落ち浮いてしまうと仕事をする気にもならなくなって、飯を食えばあとな眠くなるだけだし、目が覚めればテレビのニュースの見通しになったりして、まるでそのままの姿勢で寝床に付く仕儀である。勢いいつも就寝に付く時刻は、ニューヨークのマーケットが始まる11時半以降になってしまう。寝つきが悪いので床の中でイライラしながら不安であり、夜中の1時ごろには眠りに入れるようである。腹の具合の満腹状態は、睡眠にとっては良くない。夕食は7時半ごろには済ますので、就寝に付くまでの体調は気になる処である。
そうかといって腹が空いていると胃が変調をきたすので、そうした時は絹ごしの滑らかな豆腐を少々食べることにしている。夜中の二時ごろになる。人間にとって、否生き物にとっては普遍的な事柄であるが、睡眠こそは、会食、快便、快眠ではないが、快眠こそは健康維持のバロメーターである。睡眠が十分に採れた日は心身ともに爽快であり、仕事の成果も運が付き、歯車の回転も良好である。精神衛生上も極めて良好で、そのまま健康状態にも反映してくる。無病息災と云う心境である。まあこんなところで日常の生活は済んでいるが、年を取ってくると体調の塩梅が難しく、それなりに気を使っている。
猛烈な寒波は日本海側では猛烈な吹雪となって大量の雪を齎し、新潟や秋田、それに北陸の富山や山口にも場所によっては3mを超す積雪となっている。例外の地として思いだすのは、青森県の十和田湖に近い奥入瀬渓流のところである。学生時代に訪ねた旅行先の有名な酸ヶ湯温泉の場所であるが、4メートルを超す積雪だそうだ。こうした変化も、気候変動のもたらす現象で、雪に悩まされている地方の人たちの生活は難儀なところがあるが、雪との戦いは、日々大変なご苦労であるが、人々の恙なきことを祈り、思い案じているところである。
2月13日
春の大雪
春一番
大寒波襲来の報に北国の雪にそなへて又もかく雪
奥入瀬の酸ヶ湯辺たりの豪雪の白夜に光る月の影かな
蔦沼の湖水に宿る白鷺の雪にしずもる色の悲しき
純白の月の夜に焚く炭小屋の蒼き煙ののぼる静けき
音もなき雪の世界に一人いて蔦の湯あみにひとり浸かる夜
大寒波襲ふ列島に人の皆動く能わず冬眠に入る
静かさに目ざめて仰ぐ月の夜を渡る鴨さえ鳴かず飛び行く
奥入瀬の蔦沼温泉のひとつやど積雪深く息の根を絶つ
凍結す奥入瀬渓流の三里半雪の根に聞く碧きみずおと
留守居するおなごの一人宿にいて雪女とてなりにけるかな
大雪に埋もれし宿の部屋暗く僅かに雪の明かり差すらし
蛍雪のひかりを当てにいにしえの人は読み書き致す習ひに
電灯のなき時代にそ賢人の世に輩出すことわりや如何
奥入瀬の宿の廊下の雪の筒くぐりて先に灯る薪の灯
とろとろと燃ゆる囲炉裏の薪の火に黒くくすぶる梁の太さよ
薪の火の如何にも弱く見えしかど黒松ゆえに終夜灯れり
大雪の降りしく歳は豊作の兆しと古く人の伝へり
枝豆の苗を仕入れて庭畑に植えたる日にそうぐひすの鳴く
近頃の気候の変化に対応し農耕作業も手間取りにける
新緑の光り輝やく日頃ともなりうぐひすのしきり鳴き居り
さわやかに吹きすぐ春の風の色水色なれば空にとけゆく
主イエスの癒やしの深きあかしなり口もと赤く燃え尽くしけむ
限りなきイエスの愛の深きこと海の澄みたる淵の如きに
主イエスにみ顔を仰ぎ伏し拝むその美しき身にも触れけり
精霊の全地をおびて活きいきと復活の道備へ給へり
大空を仰ぎ聖霊のこの世をばおほひ給へる実相を観ん
壮麗な三位一体の実相を如実に示し我に迫り来
我れが身に息を吹きこみ永遠の命を給ふイエスキリスト
人の世の神の掟にさからひて愛の一字を忘る愚かさ
大君の天地創造の主なれば意に従ひて生きてゆくべし
幾そたび艱難辛苦の道を経て聖霊により立ち起きてきぬ
近ごろの命を刻む一刻の音の夜中に聞くはあやしき
黄金の時代を築くとトランプの言に従ひ動く民衆
黄金の字の解釈の知らずして民にもだまし討ちするトランプ
古びたる時代に鉄は国家なり今やゴリ押しいたすトランプ
愚かなりUSスチールの買収に出たる日鉄の古き面々
万象の息吹を身にも触れし夜の動きを確かと捉えけるかな
今の世を手に収めてる大国の米中なれば連携を期さん
米中の諍いをやめこの丸ろき地球を治め先に進めん
ウクライナ戦争の悲惨を目の当たり耐えがたきかな多き犠牲者
朝飯を食らふ時にも凄惨の地にそ命を落とす兵士ら
死を恐れ逃げだす牛もある間にも人を殺めて悔いる無き奴
幾萬の人を殺めて豪邸を構える将校と闇の商人
ウクライナ戦争を断つ仲介にディールと称し立てるトランプ
見るからに吸血鬼なる風貌に近くなりつつあるはプーチン
国を逃げいずこに居るや吸血鬼シリアのアサドも末は地獄に
ウクライナ、ロシア双方が声高に戦果を誇るさまの空しき
前線を一キロ進むその間にも戦火に倒る若き兵士の
熾烈なる銃弾撃つち合ふ双方にあまたの兵士が命落とせり
牛、馬の如く人間を操りて戦地に送るサタンのプーチンよ
反攻に転じたウクライナ将兵のロシア連隊の抵抗にも遭ふ
戦場に散る息子らの命をば知りて育てし親はなかりき
如月の月を通して荒れた天候に恵まれてきたが、西日本の寒波と大雪は記録的であって人々の生活を直撃した。その影響は甚大である。それに引き換え東日本ではおおむね快晴の日が続き乾燥しきった毎日で、カラカラ天気が影響してか、感染症の疫病が流行したりして医療体制が混乱する始末であった。本邦の乾燥しきったこともあって、岩手県の大船渡地域に発生した山火事などは、折からの強風にあおられて延焼が拡大し、飛び火もあって広範囲にわたって延焼が続いている。時計的に消火活動もはかどらず、この先どこまで燃えつくしたら気が済むのか見当がつかない有り様である。住民の生活がおびやかされないことを祈っている。
これからは日を追って暖かい季節に近付いていくはずだが、三寒四温、弥生の月の暖かさは今のところ確信を以て断言できないが、初旬までは寒さがぶり返す日もあるとは、余り当てにならない気象庁の予報である。それにしても窓辺に揺らぐ明るい日差しは、すっかり春の気分がみちみちて、炭坑節の一節ではないが「心うきうき、気はさせほ さのよいよい」と口ずさんでい居たりている。今日は、如月の大晦日である。明日から弥生の月に変わるけど、明るい陽気でこんまま静かにを引き継いでいってもらいたい。
如月の月の大きく登り来て影の隈無き夜を光らせり
如月の月は冷たく澄み渡り星も大きく明かり灯せり
如月の夜の大空の隈無きに四辺の無窮に広ごりし端
振り仰ぐ家内と二人如月の夜空に惚れて飽きることなき
如月の月と別れて明日よりは弥生の空と遊びまくるは
梅の香をほのかに嗅ぎて銀色に輝き染むる花に見とれん
銀色に輝く梅の満開に妻と楽しむときを過ごせむ
いと優し弥生の空のあきらけく花散り舞よふ頃を迎へむ 2月28日
独裁者に共通した事
ウクライナ鉱物資源をかっぱらふ火事場泥棒に似たるトランプ
足元を見すかしディールすトランプの詐欺師顔負けのトランプ外交
トランプの厚顔無恥の本番にて嘘付きプーチンをディール相手に
和平、平和連呼しながら漁夫の利をあさるトランプの厚顔無恥さよ
首をつる者の両足を引っ張って手助けするとはこれいかんとも 2月28日
社団法人 昭和経済会
理事長