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公益社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

VOL.21.9


昨日までの猛暑が嘘のような今日の涼しさである。暦は正直であって、季節の巡りを素直に伝えてくれる。九月の初日の今日、以前から慶応病院に九時半に診察の予約を入れておいたので信濃町の慶応病院に出向いて、先般済ましておいたMRその他の検査結果の報告と、主任教授の診察を受けた後、会社に向かった。今日の仕事を終えて、オフィスを午後4時半に出、自由が丘に出迎えに来た家内の車に乗って出た言葉が、「なんだか寒い感じだな」であった。さほどに涼しさが身に染みて、昨日までの猛暑が嘘のように感じた。

  一昨日、主だった方々にメールで「残暑お見舞い申し上げます。佐々木」と打電したばかりである。パラリンピックが始まっているさなかで、相変わらずの暑さにうんざりしながら、暑中お見舞いを失礼していた友人たちに簡単な時候の挨拶としたばかりであった。いちにち違いでこうも季節感が変わるものかと思った。風呂に浸かっていると裏庭で虫の啼く声がする。初めて聞く虫の可愛いらしい声にききほれて、静かに湯船に浸かっていた。

   パラリンピックは体の障害を克服して超人的な肉体の力と速さ、敢えて付け足せば記録への挑戦と執着である。競技種目によっては、オリンピックに登場するアスリートたちと比べて格段の人間的な凄味を感じて圧倒される思いである。精神力の強さと、強靭な肉体の練磨を感じないわけにはいかない。スポーツ評論家ではないので、詳細な説明は出来ないが、華麗さと凄味を織り交ぜて、スポーツの無限な広がりを覚えた。スウィッチを入れると、テレビはいかんなく現場を映し出して、詳細な画面を以て選手たちの一挙手一挙足とはいかないが、それを克明に説明してくれるので、無観客云々を通り越した迫力を習得するすることが出来た。身障者の人たちであるが、心身の欠陥を克服して、肉体と、意志と感情の表現を最大限に見せてくる迫力は、圧倒的である。   

  9月1日の朝刊の一面に、米軍のアフガン撤退の文字が大きく踊っていた。2001年9月11日に起きた米同時多発テロで、当時のブッシュ大統領は「テロとの戦い」を宣言し、アメリカ全土の高揚感がわいた。翌月アフガニスタンの空爆を開始した。砂漠と山岳地帯を舞台に、タリバン打倒にアフガン戦争が始まった。 その年の12月にはタリバン政権は崩壊した。そして翌年の6月にカイザルがアフガニスタン大統領に就任した。しかし統治はままならなかった。そもそも脆弱で未熟な組織と構造であった。2003年3月にはイラク戦争が勃発、米軍の電撃的侵攻にバクダッドが陥落し、暴君のフセイン政権があっけなく崩壊した。

   荒漠の山岳地帯に逃走したテロの首謀者ビンラディンを追って、戦いは続行された。そして2011年5月米軍が、パキスタンに潜伏していたビンラディンを見つけて殺害した。 生かしておくと国際裁判に掛けたりしてテロの誘発を招く恐れがある。だからその場で決着した。アメリカの大義が達せられたが、テロ組織は各地に散在して米軍を悩まし続けた。ガニと云う人物がその後アフガニスタンの大統領に就任した。

  もともと狂信的なイスラム教を国是とするアフガニスタンに莫大な軍隊と資金を投入して、欧米型の民主主義国家を打ち立てようとする計画に現実的価値がないのに、反政府軍タリバンとの戦いに、アメリカは膨大な犠牲を払ってきたことに、長い間気づかなかった。 振り返れば2461人の米兵の犠牲を生み、4万2千人からの民間人が死亡した。つぎ込んだ金は250兆円ともいわれている。その他の大テロ対策費など総計すると880兆円にも及ぶとの報道もある。アメリカはその間4人の大統領が入れ替わった。火遊びに夢中になっている間に、国際情勢は大きく変わってきていた。間隙をぬった中国の対外外交の展開と、軍事力の増強と、海洋進出である。一帯一路の外交経済政策は、周辺諸国に強靭なくさびを打ち込んでいる。アメリカは戦費に金をつぎ込んで借金を作ったが、中国は建設的な投資に金を振り向けていた違いが、歴然と力の差に出てきている。

  2021年8月31日深夜、アメリカ軍の最後の飛行機がアフガニスタンの首都カブールの国際空港から飛び立っていった。喧騒と混乱の首都の明かりが点滅する中、飛び立っていく黒い機体の映像が、戦争に疲れ切った敗北の姿に映った。 一部の場所から花火が打ち上げられ、イアスラム国万歳と、祝福と歓喜の銃砲の火花が天空の闇に一瞬の光のあとを灯していた。政権を奪還したタリバンの幹部は、社会に秩序と解放を保証すると云って笑みを浮かべた。これより先政府軍のガリ大統領は、膨大な現金を積み込んで飛行機で国外に脱出していた。軍隊と役人の汚職は絶えず、統治能力ゼロの政権と組んできたアメリカが、馬鹿をみたことになる。水泡に帰した20年を目の当たりにして今、アメリカには無力感が漂うばかりである。撤退を決行したバイデン大統領は焦心することなく、自由と民主主義を堅持して尚、奮起してもらいたい。

  アフガニスタンとの戦争終結後の対応は、ヴェトナム戦に学ぶことが多くある。そのうちのもっとも重要なことは、アメリカが戦ってきた反政府軍のタリバンと一致して、テロ組織と闘う構図である。岸雲この点においては利害関係が一致するはずである。アフガニスタン全土を掌握した照り番だが、統治能力に力不足であり、加えてテロ組織との戦闘が残っている。治安回復と安定した国家の建設には、皮肉にもアメリカの力が必要である。戦争終結のあとに、仲直りの連携をうまく活用していくタイミングにある。 ロシアや中国に漁夫の利を預ける愚策を回避し、建設的な道筋を付けてアメリカの新たな平和的関与が重要になってくる。 アフガニスタンの新政府は、十年前とは確かに変わってきているし、それは歴史の必然である。。 

  アフガニスタンには、アメリカに協力してきた民間人がたくさん残されている。秩序と解放を約したタリバンだが、それを固く守って国際社会に信頼される第一歩の姿勢として踏み出してもらいたい。そうしたことが、アフガニスタンが戦争の廃墟から立ち上がる大きなエネルギーとして成就されるに違いない。 続    9月1日


    寝たふりしている菅さん

ぼんやりとして焦点の定まらぬ感じの菅さんだが、さにあらず、虎視眈々とうかがう政界の有象無象のなかに在って、謂うなれば援軍なしの政界に在って、一匹狼の、なかなかのしぶとい策士である。苦労して駆け上がって天下をとった男だけに、簡単につまずくわけがない。機を見るに敏で、乾坤一擲、素早い行動には驚いた。対抗馬と目される岸田元政調会長が党改革のために党人事の刷新案を発表すると、老齢ながら実力者の二階幹事長の退任を取り付けるあたりの大芝居は見事な演出である。次期幹事長の人事権を素早く手にした形をとった。先手を打って攻勢に立った。総裁選挙前に党人事の刷新を図り、内閣改造にまで手を付ける姿勢である。そして四面楚歌の人気をうち払い総裁選で優位に立ち、自ら総選挙に臨むという戦略である。

   メディアは保身に走る云々と称しているが、力量、才覚いわば実力の云々はさて置くとして、菅さんにしてみれば当たり前な話である。派閥の領袖でもなく、安倍内閣時代には官房長官を地道に努め、決して表舞台に出る役者でもなく地道な役柄に徹してきた。しかしあっという間に総理、総裁の椅子を射止めた実力派である。安倍さんのしりぬぐいを負いながら、悪いイメージをかぶってきたが故に国民の支持率最低甚だしく29%に迄に下落したままである。コロナ対策が不評を買い、政、官の汚職や腐敗で人気は冴えず、五輪開催に起死回生を狙ったが得点を稼げず、追い込まれてとうとう総裁任期と総選挙が迫って来た。奇手を以て打って出る菅さんに、胆力を示した証として一応の声援を送りたい。いろいろな重要なこともやってきているが、コロナと五輪で消されてしまっている。派閥からの支持を手堅く得たものの、流動的である。前回の総裁選挙と違って、今回では党員を含む投票だからである。只、政界は一寸先は闇と称するように、晴天のp霹靂と云うことが生じやすい。

   今日は秋が一気に走ってきた感じで、一日中秋雨がしとしとと降り続けて、底冷えさえ感じた。政局が慌ただしく動いたまさに風雲急を告げ先の混乱を予兆する一日でもあるし、めまぐるしくなってきた。繰り返すが、最近は何が起こるかわからないし、全ての戦場は一触即発の動きである。そうしたなか起死回生に打って出た菅さんだが、一年の総理、総裁を務め、コロナや政管の違反、汚職に心身を削りやってきたが、努力のわりには分が悪い結果になっている。時の運と云うべきか。。

  ミュールと云う新たなコロナウィルスの変種株も発見されて、デルタ株と違った変質ものらしい。コロナの話とは別に、小生は昨日に引き続いて、今日も慶応病院に行って要件の診察が終わったのが4時近くだったので、結局オフィスに出勤することが出来なかった。大した用事もなかったので、事務員にすべてを任せて気楽に過ごしていた。9月2日

仕事で駆けずり回っていたら、帰社して驚いた。菅さんが自民党の総裁選挙に立候補しないと、事実上の退陣を発表したとのことである。「政界の一寸先は闇」とはよく言われているが、まさに青天の霹靂である。頑固なまでに政権に固執しているように見えたし、何かと手を打って周辺を固めてきているものの、それが裏目に出て窮地に追い込まれてしまった感じである。ご本人も総選挙は、議員諸侯が抱いている「菅さんでは選挙が戦えない」という状況を、感じ取ったものかもしれない。コロナと、選挙の両方に向き合っていくことは大変なエネルギーがいるし、自分としてはどちらかを選んで責任を果たしたいとなると、やはりコロナを選ぶことになると、言い訳がましく聞こえたが、執拗なコロナ禍で、ご自身は満身創痍、良くも悪くも確かに疲れ切った感じで、何となく先が見えて来てしまった。コロナ禍で総裁就任した時点で、コロナ対策優先は然り、一年後に総裁選挙があることは十分承知していたはずだ。

  総理、総裁に就任したのが去年の9月14日、けじめをつけて潔く退陣を決意して良かったかもしれない。訥弁ゆえに原稿の棒読みとまで揶揄されて、相変わらずの、国会答弁、記者会見だが、朴訥とした面もあって、田山花袋の小説、「田舎教師」を思わしめて一面、秋田産の人柄を表して好感が持てたものである。謝ってばかりいたが、それは前の安倍さんからの問題であり不始末であって、じっくりと振り返って見ても、菅内閣としては結構、重要な課題を丁寧に処理して実績を積み重ねてきている。しかし持って生まれた癖で、国民に対して説明不足、説明下手といった嫌いはあった気がする。起死回生を期待した東京五輪も、何ら好影響をもたらさず、むしろ裏目に出た感じである。

  今日の菅さんの総裁選挙不出馬は、事実上の菅内閣の退陣であって、早いかもしれないが労をねぎらい、一年間ご苦労様であったと心から申し上げたい。     9月3日

       パラリンピックの閉幕

今日の22時10分、13日間にわたって開かれていたパラリンピックが目出度く閉幕した。懸念されていた事故もなくテロもなく、コロナ禍で異例の無観客であったが、選手たちが精いっぱい活躍することが出来た。世界から参加した4、403人のアスリートたちの熱戦が繰り広げられ、多くの記録を打ち立てながら13日間の祭典に幕を下ろした。障害を乗り越えて力強く生きる選手たちの、一人の人間としての逞しい姿とドラマを感動を以て見つめることが出来た。人間社会の明るい未来を見通し、試練を乗り越えて力強く生きる術を教訓として与えられた祭典であった。

開催前は五輪について国民の意見も賛否両論に分かれて拮抗して、ややもすると開催が危ぶまれるような世論であったが、面子にこだわる主催者が強硬突破を図ったきらいがある。支持率急落で29パーセントを割るような菅政権も、五輪開催をバネに期待をかけたが却って墓穴を掘る結果になった。何と菅政権が、開催中に事実上の退陣に追い込まれるという醜態に至ったのである。誤算も度を越して、もはや操縦不能の旅客機を飛ばしているようなもので、乗っている国民はハラハラの連続の日々である。以後、注目は次期総裁候補がどのような顔ぶれで登場してくるか、熾烈な権力闘争を苦渋を以て見守る日本国民である。

候補者の中で想定されるうち、河野太郎さんと石破茂さんには、ここ2年のうちで昭和経済会の講演会にもそれぞれ講師としてお越しいただいており、心情的にはお二人になっていただきたいと思う一念に変わりがないが、どちらかにするとなると年齢的にも熟成度の点でも、石破さんにやってもらいたいと思う。河野さんは未だ若いし、幹事長などの要職について実力を蓄える必要がある。ここは石破さんに日本の政治を任せてみたらどうだろうか。中央政界の選挙ばかりは一寸先が闇で何とも言えないが、石破さんなら人柄、見識からして立派な政策論を身に秘めて、着実に実行していく素質を持っていると思う。そして幹事長に河野太郎さんを付けて、自民党の改革路線を敷いていくと,
物になる気がする。石破、河野がその逆でもいい。派閥で権力闘争をしていたのでは、国民の意志がいつになっても通じてこない政治状況を作り出している。派閥の解消が自民党の活性化につながる。その上、官邸主導型の政治で横暴を極め、一方で長年の忖度政治の横行で官僚諸君も覇気に欠けてきている。政、管ともに濁ったコップの水を入れ替えるには、適宜を得ていると思う。

意義深き世紀の五輪の祭典の今日つつがなく幕を下ろせり

コロナ禍に東京五輪の閉幕す夢と希望の虹を描きて

この世にて健常者、障碍者ら手をつなぎ人間賛歌の道を進まん

人類の道自ずから明示して希望と歓喜の五輪祭典           9月5日

日経平均の続伸

  菅さんが総裁選挙に立候補を取り止めたことから、菅首相退陣と受けとめて日経平均株価はその後、既に2000円近く上げて今日は531円高の29、650円を付けてこの日の取引を終えた。連日のコロナ騒動は常態化し日常化した感じがして危機意識が薄らいできているが、依然として社会生活を憂鬱な雰囲気にして経済活動の停滞を招いている。それは兎も角として、加えて案じられた東京五輪は終了したし、世の中を覆っていた不透明感が薄らいで純経済的な立場に立って景気観測をし、企業家が見通しができるようになったことが、心理的に大きく影響している。反騰、続伸と云っても選別の基準は大きく変わってきているので、新規投資は極めて難しい局面である。

   例えばソフトバンクグループである。二か月前のこと決算発表の際、4兆5千億の利益を生んだと胸を張った孫正義さんの会社の株価は、1万円台から今や6千円前後に落ち込んでしまった。事業会社によっては見通しの厳しい判断をされがちである。コロナで社会全体が暗鬱な様相の時、せめて景気回復を買って株価だけでも明るい展開をしてもらうと民衆は助かることになる。 

   小生の会社でも、コロナ禍で同業者の経営実態に危険信号を灯す会社が散見されるようになったので、現実的に対応する姿勢である。withコロナと云われても自分だけの問題でなく、社会全体の問題だけでなく世界全体の動向にかかってくるから、自己の判断のも限界が生じてくる。いかにして生き延びていくかと云った極限までも内に秘めて考えるところまでに来ている。 戦争と敗戦後の社会状態を体験しているので、楽観的だが、常に危機意識を持っている。近年には気候変動の激しさもあるし、いざとなったら自給自足に入れるように、土地はかなりの広さで取得してきているので、今は余計なものは処分する姿勢であるが。 経済環境が厳しい折、現金化して手持ち資金を潤沢化して経営に備える姿勢をとっている。企業規模の大なり小なりの相違だが、基本的には変わらないはずで、いつも周辺の人たちには斯様な見解を披歴している。     9月6日

コロナ重症者の続出

   約一か月前の8月の5日、東京での一日の感染者が5045名と、又8月19日に5773名と発表され、その後も5000名台が4日間も続いたときは時は、さすがに絶望感がよぎって、時はまさにオリンピック・パラリンピックの真っ最中であってみれば、世界各国から大量の人流を以て、どんちゃん騒ぎは止まないし、いよいよ以って日本もコロナウィルに壊滅状態かと胸中の騒ぎは収まらなかったし、その上菅さんまでが慌てだして発作的に総裁候補には出ないと言い切ったりして、世の中に何となく薄気味悪い緊迫感が走った。幸いにして、それから感染者数は順次低減する波の傾向に、もしかするとピークアウトするのではないかと云う期待と気配が感じられるようになって、胸をなでおろしている。

感染者の低減傾向はいいとしても、完全にゼロになってウィルスが消滅するという理想的な環境は望めそうもなく、最近はwithコロナと云う観念が定着して、企業も家計もそうした事態を見越して永続的に対応しているようである。どのくらいのウィルスが、どの程度はびこって人間生活、社会活動を蝕んでいこうとしているか、見極めと対処が重要になってくる。最早インフルエンザのような疾患と認識するかどうかである。日本で在宅医療を強いられている人は12万ともいわれており、死と背中合わせの重症患者が2000人を超している。後遺症の症状も深刻である。しかもこの疾患については謎だらけである。したがって長期的に見ても医療現場は戦場であり、野戦病院を増設しなければならないと云った状態だ。

  穏やかでないが、最近周辺に訃報が相次いでお悔みに向かう日が続いて、先週末から今週にかけて慌ただしく時を過ごした。幸いコロナで亡くなったという話は聞かないので安堵している。その代わり通夜と告別式のいずれかに伺いたいと、時間のやりくりに気を使って居る。コロナ禍のもとだから通夜に行ってもお清めの席は省略して、飲食の支度はもっぱら自粛しているので、この方の時間のやりくりも気を遣う。6時から始まって7時半まではかかるし、そのあとの夕食時間となると8時過ぎになって体に差し支える。マスク着用の上、会話を控えろというわけで、何しに行ったか分からないこともある。

通常、人間の行動様式が変化してくると、人間の性格も変わってくるし、顔つきも変わってくるに違いない。人間の行動様式によって生活の態様が決められてくるから、心を表現する人間の表情は信用する大切な手立てである。ところがコロナ禍にある今のような状況だと、肝心の表情の判別はマスクで顔の七割がかくされてできないから、大変な間違いを起こさないとも限らない。初めてお目にかかる人物にマスク着用のまま名刺を交換されても見当がつかない。目的の二割しか達していない。否全、部かも知れない。最初の印象が大事なことは教えとして良く云われてきたことである。

  日興証券の若い女子社員が顧客訪問に訪ねてきた。マスク着用が礼儀に適っていると確信しているから、挨拶もそのままだし、話している間も同じ格好をしている。俗にマスク美人と云われているが、この子は一体全体どのような顔立ちの人なのか、自分で想像するしかない。用意されたコーヒーを前に、それを勧めたところマスクを脇に外した一瞬を逃さなかった小生は、この子はマスクが邪魔をして勿体ない人だと思った。瞳は大きくていいが一重であるし、強い印象がない。しかしマスクを横にずらした時に見た鼻筋と、口元は綺麗であり涼しそうで文句なく美人だと思った。又逢ってもいいと思うくらいに、さっぱりした面立ちで好感が持てると思った。日興証券の社員に限らず、商談を進める際は、基本的に面談と人柄とその雰囲気に重点を置くので、必要に応じてマスクを外し容姿の全体を紹介する機会が必要である。

  菅さんのような朴訥とした表情にも、むしろ信頼感がわくはずだ。人気取りの演出は上手ではないが、この一年間のやってきたことを見ると充実した政策を幾つも打ち出してきている。出馬を決めかねている石破さんが、矢張りそのことを指摘していた。菅さんは安倍さんが残して行った負の遺産を引きずって、最後には横浜の市長選挙でまさかの敗退を期し止めめを刺された形である。説明不足が祟った面もあるが、本人の所作であって仕方がない。菅さんにしても今思えば、マイクを前にしたときはその都度頻繁にマスクを外すべきだった。マスクを取って挨拶する、最初の礼儀として、むしろ必要性を感じている。 証券会社の社員が顧客回りをするようになってきたことは、日経平均が3万円台乗せで株式市場に弾みがついてきた証左かも知れない。 世間が少しでも明るくなってくることが望ましい。    9月8日


    淵の原稿

  主宰する短歌同人誌淵の原稿を書くのが遅くなってしまい、関係者に少々迷惑をかけてしまっているかと心配である。原稿のゲラ刷りが今日会社に届いたので、早速急いで始末しようかと思っていたが、来客や仕事が重なってしまい手つかずのままに帰宅した。原稿を書いたりしているといつの間にか筆が走りすぎて止まらずに、結果長すぎたりして後から削除したりすることになり困惑することがある。そうした折には沈思黙考して気を静め、時を過ごすに限る。すると次のような和歌を詠んでしたためておく時間が与えられて満足である。


純粋にこの道を行く主とともに怖れなき日を突き進みゆく

人生の目標をを指し主とともに進む我こそ王道なりき

十字架のまことに照らし我が道を強く踏みしめ進みゆかまし

主を讃えゆく十字架の道なれば先に怖るる者のなきかも

み言葉を心に刻み勤め行く日の満たされて悔ひの無きかな

富士やまの高くそびへて揺るぎなき姿めざして峰を目指さん

主の前に立ちて誓へりわが道の恙なく過ぎ世にぞ尽くさむ

み言葉の永遠に正しくいしずえの固くしあればその岩に立て

我が道の巌と熱き人生の影にイエスの力ありけり

全能と全知の神に付きていく我こそ力なりと信じて

伊豆山に住む友人の安らけく在れと日永に祈る我なり

土石流しもに流れてすさまじき轟音に伊豆の渓は崩れり

伊豆山に黄昏来れば月影の淡く灯りて偲ぶ遠き日    9月10日


     9、11から20年

   ニューヨークの世界貿易センターに旅客機を激突させて崩落させた、あの凄惨なテロ事件から20年の年の歳を迎えた。あの衝撃的は事件は、多くの人の胸に痛ましく傷ついて残っているが、多くの若い人たちには理解し得ないだろうし、もしかすると知識として把握していないかもしれない。怒り狂ったアメリカは報復に転じ、貿易センター攻撃の首謀者であるオサム・ビンラディンを追ってアフガニスタン、そしてイラクと破竹の勢いで侵攻し、始まった戦争は泥沼化していった。11年後に漸く潜伏していたオサム・ビンラディンを捕まえ殺害し積年の恨みを果たしたが、テロとの戦いはその後も続いて、侵攻によって完全勝利を得られぬままに出口を見出せぬままに来た。アフガニスタンに民主主義的な精子を敷こうとする努力も虚しく、アメリカは7月30日を以てアフガニスタンから軍隊を撤退させた。そのあとに侵攻してきたのが旧アフガニスタン政府のアルカイダであった。アフガニスタンは、アメリカが侵攻していった前の政権に戻ったのである。これ以上の犠牲を出すわけにはいかない。

   アメリカが他国のために自国の軍隊を出すことは出来ないし、アメリカの利益にならないと判断して撤退を決断した。勝敗はどうあれ、これ以上の戦いを続けることは無意味であり、人道上許されるものではない。結果、これを以てアメリカの敗北と受け止める人たちが大多数である。しかし敗北を認めるとしながらも、バイデン大統領の決断は英断であった。アメリカの去った後のアフガニスタンには、再び元のアフガニスタンのアルカイダ政権が戻って来た。そして今、旧アルカイダの要人が新政府樹立に懸命であるが、未だに包括的な政府の骨格が決まっっていない。戦果に疲弊した現状には、混乱だけが残されて、民衆が深い痛手を負う毎日で不安が生活に追い打ちをかけている。早く新政権が発足し、国際社会が受け入れられるような形態を作り上げ、20年前とは違った体制を組んで民生の安定化を図ることが求められている。

  20年前に起きた同時多発テロの今日、追悼式が行われているが、3000名近い犠牲者の名前を一人一人読み上げて遺族の涙をそそっている。あの爆破攻撃の映像は、昨日起きたような衝撃度を以て小生の胸に刻まれている。そして始まったアフガニスタンへの電撃的侵攻作戦の映像も未だ鮮明である。破竹の進撃で、アメリカ国民の高揚感はこれまた凄まじいものがあった。ビン・ラディンをかくまっているとしてイラクのフセイン打倒にイラクに侵攻し、瞬時に崩壊させた。圧倒的な軍事力を以て敵国を瞬時に破壊するさまは、同時にアメリカの世界の警察官としての揺るぎない力を世界に見せつけ、更なる国威につながるものであった。

  そこから始まって先般、「米史上最長の戦争」 は米軍撤退で半ば強引に幕が切って落とされたのである。バイデンの強烈な決断がないと、果たされるものではなかった。専門家の推計では、対テロ戦争の経費は20年間で8兆ドル、邦貨にして880兆円の巨額に上り、死者は米兵や敵対勢力、一般市民合わせて90万人前後に及ぶという。古今東西、戦争ほど無益で底知れぬ罪悪を人類にもたらすものはない。ニューヨークでは追悼式が粛々と行われているが、全世界が反省の上に立って、犠牲者の人々に、心から哀悼と冥福を祈り、かかる愚行を繰り返さぬよう祈るばかりである。 9月12日

短歌同人誌・淵のゲラ刷り

  楽しみな短歌同人誌淵の次の234号に載せる小生の原稿のゲラ刷りが、印刷担当の大木静花さんから届いた。先週の金曜日であったが、仕事に忙殺され、見直す時間がなかった。明けて週明けの今日、私は手際よく仕事をかたずけて3時半ごろからゲラ刷りを開いて校正を手掛けたのである。そして問題は、中に飾る写真と和歌を選ばなければならないが、奈良の二月堂から眺めた東大寺の写真が傑作品として保管されていたので、これに自作の和歌を書き込んで載せることにした。優雅なⅠページが大いに期待されるところだ。東大寺の大屋根にかかる秋の月を詠んだものである。丁度季節感があって、秋の名月を色々な場所から眺めることを存分に堪能できるきっかけともなる。
                                            9月13日

   平成の末から令和に掛けて、開催の賛否をめぐって散々物議をかわしてきた五輪の開催であった。騒がしい世の中でテロでも起きなければと案じながら、コロナ禍も上手に切り抜けてが、計算出来ないほどの赤字を出してまで無理をし、結果は全て国民の税金の負担となった。政府、東京都、オリンピック組織委員会などの、逃げ腰の、責任のなすり合いだけが残った気がする。

   今日は午後から慶応病院に予約がしてあったため出向いて山手線の千駄木駅から信濃町まで乗って二駅を通り過ぎて行ったが、途中窓越しに見る何とも異様で巨大な箱モノを見るたびに、あの始末はどうするんだと思うことしきりである。五輪のために旧・国立競技場を解体し、後に巨額な資金を投じて作った新・国立競技場の異様で怪物的な姿である。あれが称賛を浴びて採用された、これまた高額な設計図に基づいたものだ。日本人の、目の置き所が狂っているとしか思えない代物である。下らないセンスを見せつけられ、美的感覚もなければ、思考するところもない、ただ図体のでかさをさらけ出している箱ものである。環境を重視して材木を組み立てたとは云いながら、無味乾燥の、物質万能の世界を表現した、品格無き代物と云うべきものである。そんな時、電車の中でふと考えたことが、次のことである。

年号が「令和」に代わった時にある著名な詩人が「令和の時代は波乱含みになりそうだ」と云うような不吉なことを言っていたが、気にするわけではないが、最近の内外の様相を見ていると、おかしな現象が起きてきている。手繰り寄せてみると皆関連性があってのことだとすると、そこに因果関係があって、科学的な裏付けができているように思う。

世の中がどうあろうと自分さえしっかりしていれば、どうにでもなると腹をくくったような気持でいるが、風が吹けば吹くなりに、雨が降れば降るなりにわが身は守勢に立たねばならぬ。その時の踏ん張り方と、度胸の在り様で何とかなるということかもしれない。天変地異も人知の及ばざるところとして放置しておくと、飛んでもない結果を及ぼして来る。産業革命以来、猛烈なスピードを以て社会変革をもたらし、人間社会が大きく変貌を遂げてきた。楽になって便利になった部分、天然資源が乱獲されバランスを失って、自然界の秩序が破壊されてくる。さすれば社会秩序も同じテンポで破壊されていく可能性の中に我々も立っている。全て関連性を以て天下は動いているわけである。
  
   科学と文化が大きく関連しているように、自然と人間の関係も緊密に絡み合っているとみるべきである。なかでも一番身近で注目し懸念されている点がある。地球温暖化という問題だ。雨が降るたびに、風が吹くたびに、日が照るたびに、猛烈な規模で災害をもたらして人間社会を襲ってくる。われわれの経済産業界でも二酸化炭素の問題が騒がれ始めて久しいが、事実認識に欠けることが余りに多すぎる。二酸化炭素の排出によって、地球を取り巻く成層圏に異常をきたす。地球を取り巻く気象状況はもとより、オゾン層の破壊で太陽の紫外線が直接に地上に及んで熱を堆積し、地上の形態を大きく変化させてしまう現象である。

  北極圏の分厚い氷山が解け始めてから影を消すまでに大した時間が要らなくなってきた。シベリアのツンドラ地帯の氷土が地け地下からガスが吹き上げている。一事が万事で、こうした異変現象によって地球上の生物の生存すら危機に晒されてしまう結果すら招きかねない。自然破壊との戦いは、人類の覚醒によって食い止めるしかない。人工的産物の制御を図り、人類の一致団結した思考と行動によって、自然界の均衡を奪還する手立てを講じることが求められてくる。    続    9月15日

公益社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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