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公益社団法人昭和経済会

理事長室より
LAST UPDATE: 2020年09月19日 RSS ATOM

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理事長室より

VOL.20.9

爽快な実りの秋

  一陣の風が、爽快な秋を運んできてくれた。確か一週間前の本欄に秋の気配をそっと書きとめておいたが、今回は本格的な気がする。昨夜からの雨が北から吹く冷気と変って、これまで終日の猛暑のため付けていたクーラーを止める気になった。外の空気が涼しく感じて、久しぶりに部屋の戸を開け放った。爽やかな初秋の風に引き込まれて庭に出てみると、激しい雨を降らせた雲がはじけて、満月に近い月がちぎれた雲の間から煌々とした光を辺りに投げかけている。秋の風に気づいたのか、草陰に虫の音がかすかに聞こえてくる。今日の日中の暑さでは各地で37度台を記録している。こんな調子では。虫もまだ鳴く気にならないでいた。しかし今日を境に、さまざまな秋の虫が出番とばかりに分厚い緞帳を上げて、得意の演奏をし始めるに違いない。一か月近く開幕する、そのオーケストラの演奏を聞くのが楽しみである。 

  今朝は朝早く生きて、トマト、キュウリ、いんぎん等の庭畑の役目を終えた植物を引き抜いて取り払い、シャベルを使って一部の土を掘り返した。これはかなりの重労働である。数日かけて時間を振り分けて、秋まきの種を撒くべく用意するつもりでいる。この年の暑さは異常であるが、土深く休眠していたミミズが、驚いて元気よく飛びはなていた。雨が少ないのに、ミミズの生育が闊達である。それと云うのも井戸水をくみ上げたもので、いつも夕方には散水をしているので、豊富な夕立に遭っているようなものである。肥沃な土壌の様子が、ミミズの存在で立証される。これに十分な追肥をした後に秋物の種を撒けば、豊富な野菜類の収穫が楽しめる。

今の収穫時期にとれる成りものはゴーヤに獅子唐、オクラやピーマンといった成りものが主だが、これから秋野菜の種まきの準備をしなければならない。旧来の方式でスコップを使い、固まった土を掘り起こし、細かく砕いて土壌を細かく砕いてやっておくと、土は十分の酸素と追肥を吸収し、その後に植えられた植物は広く根を張って栄養を吸い取ることが出来るし、微生物や生き物も活発に活動するようになる。実は、それまでの準備に相当の体力が消耗されるが、その完成度が体の心身の健康状態を観察するに最適なバロメーターになる。気ままにやることだし、三、四日はかかるだろうと思っている。肉体労働のあとの快感は、喜びにつながってくるし、エネルギーの、活力の源泉にもなっってくる。       
  
   見上げた雲に、秋の気配を感じている。光の柔らかさ、積み重なる雲の様子に身近になってくる穏やかな秋の報せを感じてくる。農村地帯に行けば、今頃はどこにでも黄金色に光る稲の穂の波に、おおらかな実りの秋を実感するはずだ。豊作を祝う盆踊りがコロナ禍でたとえ中止になったにしても、きっとどこかで笛や太鼓の音が森や草原を越えて聞こえてくるに違いない。目をつむり耳を澄ますと、遠い昔の原風景がまぼろしのように浮かんで、青い月の夜を満たしてくれるだろう。
    
立ち上る入道雲のその先に秋を知らせる風の雲かな       9月1日




自民党総裁候補者が決まる

  自民党総裁選挙の立候補者が決まった。石破茂氏、岸田文雄氏、菅義偉氏の三人である。石破茂氏は確たる信念を以て自民党安倍政権に批判的であり、今までも総裁選挙で戦ってきた経歴の持ち主である。国民的な人気があり特に地方に強力な支持者が多い。今回は総裁選出方式を簡略したため全党友、全党員投票が実施されず不利な立場に立たされている。独自の政権構想を持っており、温厚篤実な人柄と、ゆるぎない信念の持ち主が魅力である。政策的にも、時代的認識を以て重量感があゆえ適任者ではある。右顧左眄せぬ政策と信念の持ち主であり、是非総裁選挙に勝利して国政を担ってもらいたい人である。

  まさか総裁選に出馬などありえないと思っていた官房長官の菅義偉氏の出馬決定は、正に意表を突いたもので意外であった。病気故の退陣とはいえ、政策実現で志半ばと悔やむ安倍首相の後継者として急遽浮上し、政治の継続性を訴えて有象無象の派閥の領袖の支持を取り付けて優勢である。首相候補として有望であるが、余ほど細心の注意を払っていかないと首相になったとしても、短期で終わる可能性が大である。安倍さんを助けて官房長官の要職をこなし、官僚ににらみが効く。官邸主導型が行きすぎて今回の幾多の不祥事を逆にもたらしたのであり、謂ってみれば良いところも悪いところも一蓮托生の荷物を背負いこんでいる。熟練を通してきて危機管理内閣としては大いに手腕を発揮してくれるだろう。安倍政権の未解決の案件を引きずっていくと、野党から、世間からそこをつかれたりすると余命いくばくもない。苦労人の熟達者であるが、長年スポークスマンとしての官房長官を務める故、日頃のぶっきらぼうの調子が印象強いので人間的深みが減殺されているところが惜しい気がする。

  反面、苦労人で情にもろく、安倍在っての官房長官であって、安倍が居なければ単なる使い走りに過ぎない。しかし使い走りのなかで、切磋琢磨して努力し、内実に詳しくなり安倍政治のかじ取りの術を身に着けたかもしれない。つまり何が出来て何ができないのかを熟知したはずである。したがって又、安倍の出来なかったことを成し遂げるといった、人情秘話の通じる世界ではない。むしろ7年8か月かけても駄目だった北方領土の問題、北朝鮮の核開発とその他の問題、憲法改正の問題など安倍の出来なかった政治ついてについては、触れただけで内外に逆風を巻き起こすだけで無駄である。そうした問題についても手法を変えて、別の観点から見ていく必要がある。安倍後継内閣で短期内閣で決めたいなら別だが右顧左眄せず、折角天下を取る勢いならば、独自の考え方を進めていった方が立派であり、安全であり確かである。

  政調会長の岸田文雄氏は、安倍首相からの禅譲を当てにしてもっぱら公家的な動きに終始してきたがゆえにのんびりし過ぎて後れを取って不利な状況である。勉強家で政策にも精通しており、人間的にも深みを感じてくる。先にいち早く共同記者会見に臨んだ麻生、細田、石井といった派閥領袖をはじめ二階などもそうだが、恩讐のかなたにといった連中ではない。岸田の表情には一点の曇りもない気がする。正直、勤勉、誠実さがあってそれが逆に頼りなさを与える結果になって気の毒な感じである。機を見るに敏といった感じでないところの世界は務まらない。毒々しい政界で、総理総裁には不向きかもしれない。選挙だからふたを開けてみないとわからないが、議員数で既に枠が決まっている以上、石破と競合してしまうのが惜しい気がする。

権力を身に着けたら、正々堂々、石破、岸田を有能な政治家として閣僚に起用する雅量があってもいいだろう。つまりは特に、未だ六十三歳の石破の力量、才覚を国家、国民のために使わないことがいかに国益を損んじているかということに気が付かないと、真の政治家とは言えない。

  安倍首相の後継者を決める自民党総裁選は8日に告示され14日投開票することできまった。長期政権、安倍一強政治に幕を閉じるが、いかにもあっけない幕引きである。安倍政権では、安倍首相が陣頭に立って活躍した割には今になって見ると派手な演出が多く、内実を伴わない、印象の薄い感じであった。成果を上げるよりも印象の悪い、負の遺産を残したといっても過言ではない。 謂うところの森友学園、加計学園、桜を見る会に始まり公の私物化が公然と行われ、忖度を口実に官僚の悪しき習癖を増長し、公文書の改ざん隠ぺいを図り、その為の人事を思いのままにした。長期政権ゆへに惹起したおごりと怠慢の結果である。

  安倍首相の表裏、善悪を強いて列挙すれば、DNA鑑定から見た分析が正鵠を得ているように思う。昭和政界の妖怪とまで言われた、岸信介元首相を祖父に持つ。東条英機内閣の片棒を担ぎA級戦犯で小菅刑務所に拘留されたが恩赦を受け、戦後の政界に異例の復帰を果した。強運のひとである。自民党の総理総裁を務め日米安保条約を成し遂げ、日米同盟の基礎を築き戦後経済の繁栄を作った。父の安倍晋太郎は性格温厚で誠実さが災いするくらいであった。外務大臣を務めたが、目立つような功績を上げられずに無念にも病気が原因で他界された。そのあとの地盤を継承したのが安倍晋三である。こうしてみると退陣を表明した総理大臣安倍晋三は、嘘つきの岸信介と、正直な安倍晋太郎のDNAを内に秘め二人の長所を上手にこなしてきた二面性を持った人物である。 安定した長期政権を確立して、それなりの成果を収めてきた。しかし、画期的な官邸主導の政治を確立しながら、逆に官僚の忖度を醸すことになり、優秀な官僚を委縮、無能化させ気力喪失をもたらしてしまった。挙句に、そのための不祥事が噴き出る始末となった。怠惰と惰性、忖度と責任回避はが安倍政権の特徴であったが、野党の未熟とだらしなさが国民の信頼を失い、安倍政権以外に期待が持てなかったことが、良くも悪くも、安倍内閣の7年8っか月を持続可能にしたのである。しかし確実に際立ったレガシー、政治的成果を残すことが出来なかった。    

自民党派閥の連合の支持によって菅官房長官の総裁立候補が決まったが、 安倍政権で成しえなかった案件を持続的に引き継いでいくと表明した菅さんは、政権掌握のための美辞麗句であればいいが、本気で考えているとすれば、政治家として政権の座に就く意味がないし、無様な選挙管理内閣、暫定政権で短期生命で終わるだろう。 一国の総理総裁の地につこうとするならば、自分の意志と覚悟を表明するようでなければ魅力に欠けるものとなって国民の支持を得ることは出来ない。政策の継続性を説きながら時局を大観し、ご自身の主義主張を明確に述べて、むしろ解散に打って出て国民の信を問うくらいのものでなければ、新味に欠ける短期政権で終わるだろう。今までにない事例だが、派閥を持たないから、派閥力学によって生まれたことになる。 それは又派閥力学の揺り戻しによってつぶされることになる。それは見るに堪えられないものである。 苦労人を自他ともに認められている菅さんのこと、派閥力学の上に乗って上手に手さばきをしていけば大丈夫だろう。小派閥で風見鶏と云われながら、行政改革、特に国鉄の民営化に尽力し政界に名を遺した中曽根さんを顧みることもいいかもしれない。 内外ともに問題解決の難しい時ながら、一刻の猶予も許されず為すべき課題は山積している。 

 総裁が決まる前に早々と、派閥の領袖三人が元気な顔を見せて会見に臨んだが、 普段はあまり表立って顔を見せないだけに得体が知れない。老醜をさらすとは言わないが、元気旺盛で強欲な素振りは頼もしい限りである。 他の派閥の親分にしてもそうかもしれない。細田、麻生、竹下の三派閥だけでも、加えて二階派もそうだが、国会議員の三分の二の議席数を確保した菅さんである。 地方選ともいうべき党員数141票の割り振りからして菅さんの勝ち馬が有力である。勝ち馬に乗ろうとする議員諸侯の慌てぶりが、手に取るように見えてくる。既に閣僚の椅子の争奪戦でいじめられている格好である。 丸い顔の背の低い菅さんが、ますます小さくなってしまう気がする。 不当な圧力に対してはこれを跳ね返し、信を得て実力を発揮して民生の繁栄と安寧に努めてもらいたい。

  建前は安倍政策の継続性を訴えてもいいが、なってしまえばそんなことは大した問題でないし、気にする必要もない。むしろ弱点を突かれて返り血を浴びる結果になって、無益である。安倍承継は良いところは引き継いで、悪いところは排除して極力浪費を省くべきである。安倍政策以上の素晴らしい構想が打ち出せれば、むしろ国民はそのことを熱望し期待している。独自の政策を打ち出せないようでは、さっさとやめた方がいいということになってしまう。それと同じように、派閥の力に振り回されて埋没するようでは絶望的である。苦労人で熟達し、ここまで来た菅さんのこと、目下は問題山積である。新総裁に選出された暁には、国民に目を向けた政治家として、踏ん張って足柄山の金太郎か、現代の牛若丸を期待したい。     

政界は魑魅魍魎の世界にて有象無象に気も緩む得じ

艱難は辛苦を辛苦は練達を生み品性は希望に達すと 

混濁の世界に希望の灯をともし司が走る大和まほろま   9月3日

超大型台風10号の通過

   南大東島付近を北西に向かっていた超大型台風の10号が、気象庁の発表によると気圧が920hP,瞬間最大風速80メートルという次第で正に史上最高の規模でびっくりして、その進路を固唾をのんで注目していたが、その後、若干勢力を弱めながら巨大な中心の目は九州南部をかすめて北上し、朝鮮半島に上陸後北上していったものとみられる。九州南部やその周辺には大量の雨をもたらし、鹿児島県や熊本県では、河川の氾濫などが報じられているが、被害の詳細は不明である。
  
  東京では、朝から雷を伴って激しい雨が断続的に降り、台風の余波と思われる。太平洋に張り出した強力な高気圧のおかげで、台風の進路が阻まれて、幸いに本邦を避けて左を通過していった。その分被害が最小限に抑えることが出来た。もって良しとしなければならない。活発な前線が東日本各地に出没、ゲリラ的に激しい降雨をもたらしている。小生は十時ごろ雲の切れ目を見計らって家を出、妻の運転で自由が丘駅までいつものように通勤して、八重洲の事務所に十一時についた。

  日比谷線を銀座で降りてB4の出口に出ると並木通りに出たところ、服部時計店が新たに新築した8階建ての THE SEIKO MUSIUM GINZA がある。いつも通勤に通って行く道なので、今朝、開店祝いの花が並んでいた。不思議と人の気配がなく、ふと気づくと、通りに面してビルの玄関の右わきに幅1m、高さ6mの大きな振り子時計が飾ってある。金、銀の装飾が見るからに豪華なもので、古式蒼然として重奏な趣である。思わずスマホで写真に収めてみた。贅沢できらびやかな光沢がして、振り子がゆっくりと左右に大きく振れている。圧巻である。ふと見上げた空が真っ青に光って秋の気配濃厚である。久しぶりに見た大きな、豪華な装飾品で、さすがに名門の服部時計店にして仕でかした名品展示である。 何時か時間が出来たら、帰りに寄ってみたいと思っている。そのうち知れ渡って、並木通りの名所になるかもしれない。 

銀座の並木通りは高さ8メートルほどのシナノキ(科の木)が今青い葉をいっぱい茂らせ厚い緑蔭を作って、この夏、厳しい日差しを遮断してくれている。春は朝緑の葉がみずみずしく、秋には黄色く紅葉してきれいである。夏の盛りには、小さなクリーム色の花をいっぱいにつけている。私はこの科の木の並木の下を通って、快適な通勤をすることが出来て感謝している。銀座4丁目の地点から1丁目まで続いている。下にはアジサイが歩道沿いに続けて植えてある。その通りにできたセイコーの大きな振り子の時計である。通勤の途上、眺めていくのが楽しみである。時間の小さな刻みを、巨大で豪華な振り子で確かめていくのも、私にとっては大きな意味合いがあるように思う。   9月7日


野党の国民的、国家的使命

  枝野幸男氏を代表とす新党、立憲民主党が誕生した。以て日本の民主政治の盾となるべく自己研鑽に努め、国と国民のために大いなる活躍を期してやまない。国民の信頼を勝ち得れば、強力な自民党からの政権奪還も遠い夢ではない。しかし政権奪還は手段であって目的ではない。目的はこの国と国たみの平和とと繁栄のために粉骨砕身力を出し切って、国家国民のために最善の成果を上げ、以て国際社会の平和と安寧をもたらし尊敬を受けることである。こうした考えに立って、多くの国民は立憲民主党が真の実力を蓄え、国民から信を得て、自民党に代わるべき真の政治集団となることを期待してやまないのである。枝野幸男代表の就任を祝し、小異を捨て大同につく覚悟を以て、国民のための大政党に成長されることを望んでいる。

  立憲民主党が成長していくことは、取りも直さず自民党が躍進していくことにもつながる。二つの大きな政党が互いに切磋琢磨して自らを磨き上げ、牽制し合いながら決して誤った政治を行うことのないように奮闘していってもらいたい。奇しくも自民党の長期政権を樹立してきた安倍首相の退陣に合わせ、次期総裁選挙が行われようとしている。それに呼応すかのように立憲民主党が旗揚げをした今日、何か暗示めいたものを意義深く感じないわけにはいかない。先般、枝野さんの安倍政治を批判し退陣を求める街頭演説を、銀座数寄屋橋交差点で聞いた次第であるが、力のこもった内容であり、真面目で誠実さがうかがえて好感を持てた次第で、親近感を覚えたりもした。是非とも日本國と、国民のために頑張ってもらいたい。そして自由民主党と、立憲民主党の、両党の奮闘を願う次第である。他の野党もこの際、党利党略にはまらず大同団結の道を模索して、実現に努力してもらいたいと願っている。

日本の国益重視と邦民の栄へに向かう立憲民主党

  自民党総裁選挙の三候補いずれ劣らぬ愛国の士よ

  自民党も野党の立憲民主党も互ひに切磋琢磨して行け

  くにたみの栄へと安き道を行く民主政治の根源に立ち

  コロナ禍といえど良し悪し潜在し世の欠点をあぶり出しけり     9月11日


 

      イスラエルとバーレーンが国交回復

今日歓迎すべき好意的ニュースが飛び込んできた。イスラエルとバーレーン王国が和平協定に合意したとの、仲介役に立って努力してきたトランプ氏の発表である。先に発表されたイスラエルとアラブ首長国連邦との国交回復への合意に至った発表に続くもので、このところ失言の多いトランプであるが、しかしこれが又、歴史的な突破口がまたあったというトランプの云う通りであり、画期的な成果である。服部時計店が、先日銀座並木通りに設置した大時計の振り子ではないが、あまり大きく左右に振り子が揺れるので、トランプのそそっかしい言動にはひやひやしているところである。

   バーレンとの国交樹立を祝福したいところだが、米とイスラエル・バーレーンは共同声明で、「全面的な国交」樹立を宣言したあと、バーレーンは今月15日に米ホワイトハウスで行われる式典で、イスラエルとの合意文書に正式に署名することに同意したことを確認した。

    又 声明によると、バーレーンのハマド国王と、イスラエルのネタニヤフ首相は昨日の11日、トランプ氏と協議し、国交正常化に合意したとのことである。暗雲立ち込める中東情勢であるが、コロナ禍が静かに浸透して中東情勢も少しずつ変化してきた結果である。石油の需要が減速し価格が暴落する中、石油のみに依存してきた諸国に変化の兆しが出てきている。脱石油であり、イスラエルの進歩する科学技術に活路を見出そうとする経済的動きである。

  9月11日と云えば、19年前に起きたイスラム過激派による同時多発テロが勃発して、世界貿易センターが崩れ落ちた日である。爾来、二十年近くにわたり世界が混乱し続けてきた歴史がある。悲惨な記憶を想起して、奇しくも険悪な情勢から脱して緊張緩和の世界的動向を掴みえたことには、実に意味深いものがある。     九月十二日


高揚感なき自民党総裁選定石どおりに静かに決す

老練な道を究めて政権の官房長官の菅首相へと 9月14日

    同人短歌誌、淵230号

  淵の発刊が230号を迎えるにあたり、何か特集号としたらどうであろうかとの同人からの提案があり、歴史を顧みて創刊者、植田重雄早稲田大学名誉教授の名歌をしのび、又過去の偉人の優れた歌を思い出に鑑賞して掲載しようと相成った。小生は、植田重雄先生の和歌の中から心に留める歌を選んだ。同時に百三歳で亡くなった茅原退二郎氏の歌を選歌することにした。茅原氏は九十歳の時に歌をはじめ亡くなるまでに幾多の歌を残し、淵にも燦然とした足跡を残しきておられる。立派で優れた歌として、同人の胸に刻まられていることは周知のとおりである。

  茅原氏に和歌を追い求めていくと、淵115号辺りの書物の中から探し出すことになる。三十年ぐらい前の作品である。九十歳にして詠む歌とも思えない艶めきと感性が漂っていて、今読んでみても若々しい情熱的なものである。内面に秘めた力が、百三歳の天寿を全うさせるに十分な証拠にもなると感じた。選歌を終わったあと、小生は作者の作品をただ羅列するだけでは意味がないと、所感を込めた返歌を即興的に読んで原稿に追加したのである。

  そもそも茅原大翁に対して返歌を作りながら、創刊者の植田重雄教授の作品に対して返歌がないのは公正を欠くと云われて、すぐさま思いのたけを数首読んでその場で印刷所の編集者にメールして、間に合った次第である。その即興に詠んだ歌とは、

対象をさぐり真理を求めむと心を燃やす植田先生

さまざまなこと思ひつる先生と飲みつ語らふ時もありけり

フーヴァーの我と汝の翻訳書買ふ教文館の古き書棚に

先生の誘ひに神田の八木書店会津八一の書庫の秋の日

ふくろうのごとき先生の眼差しに深き思索のあとを偲べり

ふくろうの啼く夜は嬉しと先生の詠むうたに我つひて行かむや

敬虔なクリスチャンが行く雪の夜のマイトプロンの教会への道

先生の聖母マリアに心寄せ嘆きの群像に祈り詣でり         9月15日


菅政権の誕生

  だらだらと惰性気味だった政局が、精神溌溂とした気分で一気に可動することが出来、いよいよもって菅政権の始動である。めでたい限りで 恙なく政権運営に当たってもらいたい。めでたいか、めでたくないか、今後の手腕の発揮ににもよるが、「国民のために働く内閣」を目指すと所信を述べているので、それを信用して我々も協力していこうではないかと、安心して言えるのは、これを以てまずめでたいというしかない。がんばってもらいたい。

  退陣した安倍さんにも労を多としたい。長期政権を更新して時間的には良く粘り強く力を尽くしてこられたが、だらだらとした政権運営で、緩みや綻びが出てきて、晩節にはあまりいいことがなかった。折角成果を上げながら帳消しに終わった感じである。公私混同して、いい加減でやり過ごすことが目立ってきたのである。官邸と、家庭を間違えてきた感が否めない。 それと国民の目からしても、長期政権に飽きが来たのである。これは安倍さんのせいではない。国民が、なんとなく見飽きてきたのである。そしてやることなすことに、嫌気が差してきたのである。独裁国家なら権力を以て、こうした動きを封じ込めることが出来るが、 日本は歴っとした民主国家である。 無ざまで体たらくな政治には、限界がある。 ましてや横暴と暴虐は許されない。 有り難いことに、自浄作用が自ずと作動してくるのである。 続   9月18日

     
                               

公益社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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