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公益社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

VOL.22.8

個人的には殺人的猛暑

  先月、7月の1日の本欄には、冒頭から「記録的猛暑」と題して真夏の暑さを身に感じて綴っていたが、8月も期せずして1日早々から更にトーンを上げて列島を襲っているこの記録的夏の暑さを書く仕儀と相成った。気象庁の発表では「危機的猛暑」と云って暑さ対策を自ら講じてほしいと呼びかけているが、外に出てみると「殺人的猛暑」といっていいくらいの熱さである。既に体感的には殺人的といった方が警鐘力があるが、社会的に広く発信するとなると挑発的に響いて、聊か遠慮したくなるが、表面的な言葉とすれば、文字通り殺人的であって、熱中症にかかって死に至るものである。居間に居て、程よい冷房を効かせた環境に居れば全く別世界に感じて、この暑さを軽視しがちだが、いきなり庭に飛び出したりすれば、人によっては目が眩んでふらついて意識を失ったりする可能性があるから要注意である。ぶり返したコロナ感染も全国で20万人前後を往ったり来たりしており、東京では4万人余を記録してから、ほぼ3万5千人あたりをうろついている。これも要注意である。報道によると医療現場は崩壊、若しくは崩壊寸前だという。助かる命も助けられずに、多くの悲劇に直面しているという。こうして日本人は今、猛暑とコロナの両面から脅威にさらされているので、不要の外出を自粛するように役所からも促されている。今日、小生は猛暑の中、自由が丘まで出向いて用を足しそのままオフィスに向かうつもりでいたが、外の暑さに耐えきれず喫茶店に入りしばらく涼をとっていた。

  お昼近くに事務所に連絡をしたところ、職員の山本君が電話に出てその場で事務的な仕事を大方終えたので、この暑さだから特別な用事でもない限り無理して出勤しない方がいいとの忠告を受けて様子を見ながら再度の電話をして決めることにした。携帯電話を所持している限り「動く事務所」ではないが、顧客先の連絡は出来るし、顧客との面談の約束でもない限り半ば用事は果たすことができる。ここに来るまでに既に早くから在宅勤務を果たしてきている具合だから、午後からの仕事についても今日の日程としてはほぼ予定をこなすことは出来るはずである。気分的な問題で8月に入っての最初の日だから、大相撲の土俵ではないが初日は白星でスタートを切りたいといった情緒的な気分の問題だから、在宅勤務で上手に仕事をこなしていれば自分自身を納得させることは出来る。しばらくしてから山本君に連絡して、事務所には出向かずにここから帰宅することに決めたと連絡した。喫茶店では気持ちよく涼をとりながら、歌を詠んで次の淵に発表する作品がたくさんできたので、心のゆとりだ出来たという安ど感が収穫となった。

  街なかを見渡してみると、どこの喫茶店でも涼をとる若者たちで結構混んでいたりする。パソコンを打って仕事をしている人もいれば、書き物をしている人もいて、能率的に仕事をこなしている風景である。狭い自宅に居て冷房を効かせた部屋で仕事をしたり勉強したりしているよりか、一応なりとも外に出て仕事をこなしているという意味では区切りをつけて自分を納得させ満足させることができている。十分な成果を上げたとして自認することができる。私も一応家を出て職場に向かう途中であり、仕事の区切りをつけて何某かの成果を上げているとすれば、在宅勤務の延長として8月の初日を有意義に過ごし得たことになる。

  外は相変わらずの猛暑に変わりはないが、全国的に36度を超す気温であり、伊勢崎では39・8度という記録である。さらに上昇する気配である。日陰に居てもこの始末だから、日照りに当たったら直に卒倒してしまうだろう。救急車のお世話にならないとも限らない。街なかは目に見えないコロナ菌と熱中症の危機にさらされて、殺人的である。気象的には、いい塩梅の状況である。地上で熱された空気が上昇して、上空の冷気と合流し、大量の雨を含んだ雲となって上空を覆うと、局所的に大雨をもたらし、時には豪雨となって被害をもたらしたりする。分厚い雨雲や積乱雲が発生して、にわかに荒れた天気になって猛暑の日照りには警戒を要する。天候は変わりやすい。地震や火山の噴火もそうだし、疫病も含めて自然現象もそうだが、一面、怖い世の中に生きているものである。

  しかし、戦火を交えるウクライナの戦場よりは比べるすべもなく安全である。それは有難いことに、日本は平和だからである。昔、フランス映画の「天井桟敷」を見たが、出てくるタンブラン大通りが「犯罪者通り」と呼ばれていたが、あの人混みは、やくざ者のちょとした小競り合いがあって始末が悪い盛り場であるが、物語とはいえ理不尽な「ウクライナ戦争」のような悪さはしていない。白昼堂々と仕掛けた平和な地域と国家に対する無法な侵略であり、戦争である。今のほうが昔より悪質であり、それも国家が大々的に行っている蛮行であるから、しかも性懲りもなく繰り返されてきているのだから、悲しいかな、人間の性は一向に改良されていないことになる。プーチンがロシアの稀代の皇帝だからと誤って喧伝されて、そこで女好きのプーチンが遺伝子を保存されていて、同じプーチンが沢山の試験管を使って何匹も作られていったら、この地球はもはや地獄である。罪のないウクライナ住民多くが重火器で殺され、殺人魔に侵されながら国を追われて行くこの大きく矛盾した行為は如何ともしがたいが、さりとて今の国際社会がこうした蛮行を許すわけにはいかない。 ウクライナを強力に支援し、クライナ領土からロシアを追い返して悪しき策略をせん滅するしかないだろう。   

  この年は、火傷をするようなこの猛暑のおかげで、いまだに蝉の泣き声を聞いていない。樹木の多いこの近所周辺では、今頃は驟雨のように蝉の声が聞こえるのだが、今年は確か一瞬の間に聞いたような気がするといった程である。一方、有難いことに、普段たくさんいるやぶ蚊もこの暑さで殆どいない状態だから不思議である。きっと熱い空気を吸って心臓が破裂してしまったのだろう。 さしずめ池の鯉は茹で上がってしまうかもしれないから、 水の入れ替えは必要である。そして人間社会であるが、海や山に出かける健康的な人たちにとっては、コロナ禍はどこにもあるご時世だから致し方ないが、自分の体調を見極めて準備を怠らず、さすれば夏の海や、夏山を十分に堪能してきてもらえるに違いない。    


大空に入道雲のもくもくと力みなぎる夏は来にけり  

匂ひ蒸す夏草の山登りきてはるかに望む大和まほろば

この暑き日差しに耐へて野辺に立つ仏の笑みて我を招けり                 8月1日

石油からできる製品のボイコット

窒素、リン酸、カリ、と云えば植物の生成、成長に欠かせない三要素ということを小学校の理科の学習で学んだ知識であり、農業従事者でなくとも知っている常識である。今「下水」が貴重な国内資源として注目を浴びている。今は下水に流される人間のうんこや小便には、こうした栄養要素を多分に含んでいるので、昔は近郊の農家の人が畑作の肥料として集めに来たものである。人の排泄物は流すものでなく、通常はためておく便所であった。東京でも終戦前は各家庭に「こいだめ」が置かれてあって、いっぱいになる頃に近郊の農家が荷台を引きながら「こうだめ」から糞尿をくみ取っていき、お礼に大根を一本置くいて行ったりしたものである。都庁の下請け業の清掃業者たちは、専用のバキュームカーを使って各家庭のふん尿を集めて走っていたものである。汚いものを扱う商売だから、事業としては大いに繁盛して利益を上げていたようである。都会の生活に下排水がなかったころである。辿れば江戸時代の中頃で、し尿は肥料の原料として当たり前に高値で取引されていたという記録がある。

  隅田川をのぼっていく「汚わい船」があった。平べったい大きな船が隅田川を川上に向かってポンポン船に引かれて登っていくのどかな風景があった。言問い橋から見ていると、その「汚いぶね」が通って行った後には必ずくさい臭いがしたものである。だから汚わい船が通って行ったらすぐに駆け足をして橋を渡っていく時があった。汚わい船は、今でいうと石油を積んだタンカーであった。それほど貴重なものを摘んで運航していたわけである。集められたうんこや小便はこれをしばらく放置して置き、発酵させてから畑に直かにまいていったのである。若しくは稲わらを刻んだり、落ち葉や干し草を積み上げて、そこに人糞をまいて発酵、熟成させて、つまり腐らせて細かく乾燥させて堆肥として田畑の肥料としたものである。実に高栄養素の肥料が自然に出来上がっていた。これ即ち謂うところの「有機農業」である。人糞の代わりに、牛や馬、豚やや山羊と云った動物の糞尿は、更に価値のあるものだった。こうした人間の排泄物は、現在は下排水が完備して全て浄化されて、或いは生放流されて肥料としては活用されていない。尾篭な話であるが、もったいないことである。

  ロシアによるウクライナ侵攻があって以来、戦火は収まっておらず天然ガスから作られる窒素系の肥料や、ベラルーシから原料を輸入しているカリウム系肥料も入ってこなくなったりして高騰を続けて農業従事者を困惑させている。ここに目を付けたのが国産の「し尿」である。まさに昔に帰れで、学ぶべきは循環型の自然回帰である。技術の進歩はそれを大いに拡大して、化学肥料からの脱却を促している。間接的に有機肥料をつかった 有機農業の推進であり、健康食品の拡大である。

  人は出来上がった食物を口にして、賞味しながら生命力を保持する。つまり栄養を補給して労働のためのエネルギーを摂取する。口にしたものは、のちに排泄物となって体外に出る。対外に出た排泄物には窒素、リン、カリなどの豊富な要素が含まれている。これらは植物の生成に不可欠なものである。農作物にとって欠かせない栄養素である。これを十分に与えて、植物は活発に実を結ばせる。それを収穫して、又人間が食べる。そして又栄養素となる糞、小便を排泄し、のちに大地に戻すといった好循環を維持して、廃棄物ゼロの人間社会を構築するすべを知る。乞食の糞、小便と、デヴィ夫人のそれとは、内容と質においても大して変わらず、贅沢していない乞食の方がむしろいいかもしれない。このように決心さえすれば我々は科学肥料のような無機質の世界から、有機質の息をする、生きた世界に戻れるのである。

  問題は人間の糞、小便だけの話ではない、生活排水をはじめとして不潔などぶの汚泥すら重要な毎日の問題である。ましたや無駄として廃棄される残飯を始め、ありとあらゆる有機的廃棄物を集めておけば、自然にバクテリアが分解して有益な物産に転換してくれるのである。知恵と発想の使い方でエネルギーすら微生物の活躍で膨大な量を確保できる世界であり、古くして新しき生きた世界である。今人類が標榜して期待している「循環型の経済社会」の実現である。思考のねじを巻き戻し、原点に帰るべきである。資源消費国は、他国の、地下資源に振り回される必要がなくなってくる。 今となっては夢物語的、原始的発想に近いが、大きな舌を出して笑っているアインシュタインの意味深な顔が浮かんできた。      8月2日


隅田川上る蒸気のポンポン船重き汚ん船を引きて喘ぎつ

大量の人のふん尿を満載すおん船を引くポンポン船よ

のどかなる春の裏らの隅田川ポンポン蒸気の船が往き来す

    ペロシ下院議長の訪台

  米国のナンシー・ペロシ連邦下院議長(民主党)は7月31日、下院の民主党議員団を率いて、インド太平洋地域に位置するシンガポール、マレーシア、韓国、日本を訪問すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開いた。この歴訪スケジュールに、問題視する台湾は含まれていない。ペロシ議長が今回発表したプレスリリースでは、「議員団はシンガポール、マレーシア、韓国および日本でハイレベルな会合を開き、平和と安全保障、経済成長と貿易、新型コロナウイルスの流行、気候危機、人権、民主的な統治など、共通の利益と価値を高めるための議論を行う」として、アジア訪問はあくまでインド太平洋地域における米国の戦略的関与を強めるためのものと位置付けている。

  ペロシ議長のアジア訪問については、同氏がかねてから中国を念頭に米台連携を深めるために強い意向を持ってきているので、インド太平洋地域の訪問のスケジュールに台湾訪問を不問にしていることにむしろ強い疑念を表明する中国政府は、ぺロシ氏の訪台は、中国の主権を侵害するものとして今までにも激しい反対の意向を伝えてきている。しかしぺロシ氏はマレーシアの訪問を終えたあと政府専用機で、中国が実効支配している環礁地帯の南太平洋の上空を避けて迂回し、太平洋上に出た後向きを変え、2日午後11時に台湾に入国した。翌日には台湾の蔡総統と要談、記者会見に臨んで持論を展開した。台湾の併合に意欲を示す中国に対し、ペロシ氏は台湾の領土と主権を堅持して独立国家としてこの先も支援していくことを表明した。猛烈な反対を示す中国は、烈火のごとく激しい怒りをあらわにして、王毅外相の発表を行っている。      8月4日

  これに反発する中国は、4日から7日までの間、台湾を囲む形で6か所の海域で、実弾射撃を以て大規模な軍事演習を行うと発表している。この海域に向けたミサイルの発射も辞さない覚悟のようである。海と空からの攻撃的模写訓練になって一気に緊張が高まるが、今日の午後1時を以て開始する予定である。一方で今まで経験しなかった中国の軍事力の実態と、訓練を通じて、万一に実戦段階の様子が可視化されて便利な利点も生じてくる。双方にとっていい経験になると、冷静になってよく解釈することもできる。アメリカと中国が対峙してにらみあう形になっているが、偶発的な衝突を回避できるか、緊張が高まっている。

  ウクライナ戦争で世界が苛立っているときに、今度は近くの台湾を巡って米中が一触即発の状況となると落ち着くことができなくなってくる。平和であれば日本にとって、両方が経済的に大事な取引相手であってともに繁栄の道を歩んでもらいたいのが本音である。ロシアからは非友好国となり、中国ともぎくしゃくしてくると、日本の立ち位置は厳しく、極論すると敵に包囲網を敷かれたりする状況にもなる。利害対立が激しくなると、日本の安全保障の危うさが露呈されてくる。ウクライナ戦争開戦前後にも、中露合同艦隊の日本周回、爆撃機などの連携飛行、北海道東部での大規模演習などのロシア軍による軍事的圧力が行使されている。

何時の世も喧々諤々の状況だがこればかりは宿命とみて、我が国は、自由主義と、民主主義を標榜する国々と国際的に広く連携して国の安全と栄を確保し、国民生活の安寧を図っていかなければならない。岸田さんも大変な責務を担って日夜奮闘されているが、健康に留意して過ごされんことを願うものである。    8月4日

   四海波

  謡曲に出てくる「四海波」は、目出度い儀式や行事の時に厳粛に謡って味わい深いものがある。鎌倉に住む弟は東京大学在学中に趣味として謡曲のクラブに在籍して腕を磨き、舞なども試みて粋を極め、社会に出てからもこれが仕事の上で大いに役立ったといっている。学生時代には謡曲部の部長を務めたりして、大曲に在った観世会館で披露することがあって、小生も鑑賞しに行ったぼんやりとした記憶がある。三菱商事に勤務し、出世してのち「サウジ石油化学」のCEOに赴任し、サウジアラビアの経済界では縦横の活躍をしてその名をとどろかせたくらいである。佐々木の名を知らぬものは潜りだとも言わしめたそうである。なかなか知被けないサウジの王様と昵懇になるには大変な努力が必要のようであるが、王様との付き合いで、趣味とする謡曲と能を披露して好評を博し、これが大いに受けて日本文化を広めていきながら事業の拡大を図ったとのことである。「芸は身を助く」 否、芸は身を伸ばすの典型かも知れない。

  親父の代から謡曲をたしなんできた家系的なものがあって、小生も時折口ずさんだりするが、中でも「鶴亀」とこの「四海波」は初歩的なのでうってつけである。ちなみに目出度い文言と云えば、

四海波静かにて
国も治まる時津風
枝を鳴らさぬ御代なれや
あいに相生(あいおい)の
松こそめでたかりけれ
げにや仰ぎても
事もおろかやかかる代に
住める民とて豊かなる
君の恵みぞありがたき
君の恵みぞありがたき

  実に内容の豊かな文言で謡うにも馴染みやすく、気分のいい時にはこれを口ずさんでいると、おのずから目出度い気分になって心が大きく広々と開けてくるから不思議である。日本は周囲を豊かな海に囲まれて、国の山河は峻嶮だが、尚樹木に覆われているし、相対的に僅かであっても平地は肥沃で緑にあふれている文字通り風光明媚の地である。

    「風と共に去りぬ」のペロシさん

  アメリカのペロシ連邦議会の下院議長が台湾を訪問したことで、中国がいきり立って居り、しばらくしないと怒りが収まらないようである。それでも自重しているようであり、ペロシ議長が次の訪問国の韓国に向けて台湾を去った後の4日から、本気になって大規模な軍事演習を広範囲に行うと発表している。台湾を守ろうとするアメリカ軍と不測の事態を招きかなないから、頭を冷やしながら演習してもらいたい。中国は、台湾の海を巡って周囲の6ヵ所の海と海域に向けて本土から11発のミサイルを撃ち込んだらしく、うち5発が日本国の排他的経済水域内に打ち込まれたという。由々しき問題であって、岸防衛大臣が抗議を申し入れたとのことのことである。飛ばしたミサイルの標的が誤ってしまったとすると、余ほど精度が低いミサイルと思われる。派手に行っている中国の軍事演習が、8日までと期限を切っているが、それ以降はあまり波風を立ててほしくないというのがほんいである。海と空で、中台を仕切っている中間線を何度も犯しているようだが、演習を含めこうした行動が常態化しないことを祈っている。約束の8日が過ぎたら軍事演習は即刻中止して、将来の展望を友好的に描く努力をしてもらいたいものである。

  国際情勢からして日米の強力な連携に対する嫌がらせかも知れないが、南シナ海で勝手に環礁地帯を埋め立てて基地化を図る中国に対し、日本だって実に嫌な思いをしていることを感じてもらわないと困る。人権問題もさることながら、力を以て一方的に現状変更を試みる海洋進出さえなければ、世界から友好的な姿勢を示されるのではないかと思うくらいである。日本が中国に対してG7と一緒になって中国を非難しているということで、予定されていた日中外相会談を前の日になって一方的に中止したことも嫌がらせである。腹芸が小さいと思われても仕方がない。ロシアにしても中国にしても広大な領土を有していながら、他国を侵害してまで尚今以上に領土を欲しがる動機が分からない気がする。国際社会を相手に、端正な風貌の王毅外相が、嘘つき爺さんのパプロフ外相と一緒に腕を組んで行動を共にする光景は、あまり似つかわしくないように思われる。

  ところで来日したおん年82歳のペロシ議長を間近かに見て、小柄な彼女の方が生き生きとして落ち着いており、立派なものである。今もなお瑞々しく気品があって、名画、「風と共に去りぬ」に出ていた女優の若きヴィヴィアンリーのような美貌の淑女であり、若い時の写真よりも今の方がお人形のような優しい顔をして超美人である。そのペロシさんは「夜間飛行」で台湾に入り、同じく夜の飛行で韓国へ、日本に来るときも昨日の午後10時過ぎで夜遅くであった。余ほどロマンチックなムーンライトがお好きのようである。そして今日は岸田さんと、官邸で朝食をともにして会談した由である。本来なら、「ティファニーで朝食を」と行きたいところだが、岸田さん相手では恋の芽生えも老いらくの恋、岸田さんも好男子だが、ペロシさんはさらりと受け流して、そろそろホームシックになって、政治のことは忘れて水に流し、「風と共に去って」 行くことが賢明かもしれない。あくまでヴィヴィアンリーの面影を引いて、気品のある思い出を残していくあたりは流石に役者である。

  長年、権威ある下院議長を務めてアメリカ議会の象徴的で見ていても美しい存在だが、個人的な意向の強かった今回の実際的な行動とは言え、ここまで国際政治を動かしていく力量の大きさは、特に中国の反応だが、これ又別な思いがしてくるのであ る。アメリカ連邦議会の下院議長としてアジアの友好国との連携促進のため儀礼的に訪問したはずと思っているのに、難題を置きものに残して立ち去って行かれては、あとが在らぬとばっちりを受けかねないので、日米連携で動いている日本にとっては、結果として困惑が増すばかりで迷惑千万な話でもある。夜間飛行を楽しんでもらって、品の良い「お遊び旅行」であって、習近平氏が語るところの「火遊び旅行」でないことを期待したい。   8月5日

公益社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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