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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

Vol.9-03  オバマ政権稼動

  1月20日の大統領就任式を終えたオバマ政権が,本格的に稼動して1ケ月が経過しました。アメリカ国内はもとより,全世界から熱狂的な歓迎と支持を受けて登壇しましたが、現実の難問山積がオバマ政権の前に立ちはだかっています。金融市場の混乱は、世界の実体経済に連鎖的に波及し、経済は大恐慌以来の最悪の状況であります。オバマ政権はこの困難の克服に向かって、勇猛、果敢に立ち向かっています。
        アメリカ経済が回復を見せない限り、世界経済は更なる悪化を呈する情況です。オバマ政権は矢継ぎ早やに、大胆な政策を発表し、迅速に実行に移していますが、見通しに楽観、悲観が錯綜して予断は許しません。79兆ドルにのぼる、景気回復予算を持って議会の通過を図りましたが、更なる追加支援が必要な状況です。金融機関のみならず、一般企業の救済も焦眉の点であります。自動車ビッグ3の救済措置も大きな問題を孕んでいます。株式市場はこれを深刻に受け止めて、NYダウ平均株価は連日安値を更新して7200ドルをうかがう状況にあります。各国の市場も概ね安値更新、停迷の域を出ないでおります。賢明に対応するオバマ大統領に、強力な援護を惜しまずには要られません。世界各国が連携してこの経済危機を克服するには、アメリカ発の経済回復が大前提だからであります。        日本に至っては政治の不信が相次ぎ、内閣の不人気は目をおおうばかりですが、景気対策も大なたを振って、一刻も早く実行にも移してもらいたいと思います。わが国でも目を抜かれる思いの業績悪化が優良企業に出てきております。新しい分野での産業の育成に心すべき、経済構造の変化が起きているものと思われます。変化に対する迅速な対応が必要であります。政治の不信は何をか況やでありますが、何時までもこだわっているわけには行きません。経済の先行き不安視する傾向が拡がりつつあるので、先ず関連法案を速やかに通して実行すべきであります。幸い、ここにきてドルの信認も一時の87円台から95.6円台に回復してきていることは一つの良き兆候であります。
        こうしたなか、2月25日アメリカの上、下院の両院合同会議で、オバマ大統領が、初の施政方針演説を行いました。深刻な経済危機に対して、短期的対策は景気に大きく迅速に効果を発揮するとの認識の下、更には、強力且つ長期的な繁栄の基礎を築いて、米国の再生を立ち上げるものであることを強調した、溌らつとして力強い内容のものでした。特にエネルギー、医療、教育といった国家存立の基盤でもある面を重視した政策は、若さと共に知性あふれる政策で、議会の支持を得て魅力を感じました。同時に拡大化する財政赤字に対しても事前に歯止めをかけ、無駄な歳出の削減を打ち出しています。悪政の渦中に埋没した前ブッシュ政権との決別を鮮明にし、既成の圧力を排除して、全く正反対の対応を果敢に打ち出して、思うに勇気ある政策の選択であります。経済、外交に顕著な成果の実現を期して止みません。
      現状はどうあれ、大統領選挙の結果が民主党のオバマに勝利の女神をもたらしたことを今以って歓迎しております。アメリカ国民が、自国の危機と内部崩壊にきずいて、新しい知的な指導者を持って自国を導こうとした決断は何より増して正鵠を得ていたことでした。全面支持しえた喜びは、これが逆であった時の暗澹たる世相を想像して、身の毛がよだつ思いであります。今は、全てを良しとしてオバマ氏にのみ多大な期待を寄せるのではなく、私たちが正義と、公正と、自由と、平和を標榜する民族として、地球人類として存命するためにも、良き指導者を得たと考えて、国際的に足並みを揃えて前に進むべきであります。
       そこにあるべき世界は、今までとは違った新しい価値観に根ざした、輝くような世界でしょう。敵対する国との対話を重視する姿勢は、今までの策謀的、排他的、独善的外交から、融和と受容に心がけ、相互理解を通じ、相手国の、窮状を打開支援するものに代えていくときに、平和な道筋が開かれてくるのです。そうした努力がなされなければなりません。さらに踏み込んでいくなら、テロリストの、何が不満なのか、を尋ねて、可能な主張であれば、これをサポートするくらいの雅量と勇気を試してみることも必要でしょう。理不尽なことばかりではないと思います。北朝鮮の問題についても、柔軟な、それこそ大胆な対応をもって臨んでみることでしょう。巷間の北朝鮮に対する情報は、多分にセンセーショナルなところがあって、冷静な情勢分析と大胆な試みが必要になってきます。それを以って民衆の窮状を先ず解決してやることでしょう。テロリストや、敵視する国の存在を利用して巨万の富を得ている悪徳商人もいるかもしてません。正に、獅子身中の虫にきずかない我々かもしれません。              
       個々の政策に於いても共鳴するものがあります。地球温暖化防止のためにも、風力や太陽光などの再生可能なエネルギーの増産は顕著な例です。ブッシュが反対してきた京都議定書の重視につながるものです。又財政赤字を最初の4年間で半減させる諸政策の実施です。イラク戦費の削減は戦争拡大でなく縮小、中止を目指したものです。これらの思想は外交に直ぐにも反映されます。敵対関係にある国際情勢でなく、対話による平和的打解を示しています。これこそがグローバル化、フラット化した現代の国際社会ではないでしょうか。歴史の本流を曲げたり止めたりすることは出来ません。
      対イラン政策にしにしても然り、これらは全て、ブッシュ政権では実行できないものばかりでした。正にブッシュの逆手を取って反ブッシュを鮮明に打ち出し、実行可能な政治展開、経済、外交手法を勇敢に、知的に、技術的に駆使したものと評価しています。戦争に使う非生産的支出を、貧者と、悲惨な経済にある国国にこれを廻せば、世界は自ずと明るくなってなってくるでしょう。オバマ政権は、そのことに向かって最終的には実現していってもらいたいと願わずには居られません。 オバマ大統領とオバマ政権に神のご加護を。          2月25日 記

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      短歌同人誌  淵  について


        私たちの日常生活のなかで、昔から身近に親しまれている習い事があります。それが日本独特の文化を形成して、精神生活に多大な影響を及ぼしてきています。例えば茶道、華道、舞踊、書道、画道、歌道など、又、武芸には、弓道、剣道、柔道などなどでしょう。共通した点は精神的な修業を目的としたもので、おしなべて言葉の下に「道」がついています。道に励げんで、人間性の向上を図るという意味が込められています。その人にあった趣味を通して、芸を深めていくところに、道をたどり極めた先に奥義を求めることもできます。
       このうちの一つ、俳句もそうですが、私は和歌を詠むことを趣味として持っています。少年の頃から続いていますが、本格的にこころざすようになったのは、はっきりしたことは覚えていませんが、大体、40才前後ではないでしょうか。学生時代は無論のこと、初めは万葉集はむづかしく感じていたので、専ら明治以降の作家や歌人の作品を好んで読んで、その感興に浸っていたという程度のものです。しかも、漫然としたものでした。書棚にある古ぼけた文庫本を見ても、そうだったろうと思い出しているのです。
       私も和歌を詠んで長い歳月が経ちましたが、一流の歌人としての自覚をそろそろ自負してきています。「和歌を詠ませて日本一、書を書かせて日本一」と豪語した会津八一ほどの神経のおおらかさ、瑞々しさはありませんが、内心自負するところは持っています。五・七・五・七・七の流れるような言葉のリズムは、和歌に備わった日本独特の大和言葉のポエムで、世界に誇るものです。私は、その場の即興詩人的な感覚で詠んだりしますので、形式ばった原稿用紙は決まっておりません。その場にあるさまさまな紙を使って、その場の感じ取ったことを書き記していきます。作品が物凄い数に至っています。八一は自分の和歌に校正を何度も々々も重ねて、まるで相撲取りが贅肉をそぎとっていくように、感性の道を究極にまで追い求め、その完成を目指したようです。したがって一生のうちで詠んだ和歌は、たった三百余首といわれております。しかも歌壇から絶縁し、孤高の人といわれておりました。私の独学独歩、独立の境地は八一に似ております。
       私は先生に就く暇も無かったからでしょう。結社とか、同人誌とか、グループとかいった集団には加わったことがありませんでした。あえて申せば、若い頃の読書と、常に万葉集と、新古今和歌集は座右の銘としておいてありますが、それとて最近は読んでおりません。但し、自作、自演の境地を広げ、ひとり静かに味わっております。
       しかしこの度、私は秋竹道人、会津八一の系統を引く短歌同人誌 淵 を主宰する立場になってしまいました。八一の愛弟子の早稲田大学名誉教授で歌人である、文学博士、植田重雄先生が五十年前に創刊したもので、今日まで営々として年六回発刊されてきております。和歌の伝統をついで格調の高いことで知られております。私は十二年前に、植田先生の勧めで、その同人に参加しました。先生の歌人としての自由で、ひとりの人間として権威を持って、独自の道を切り開いていく姿勢に共鳴を覚えたからであります。先生は私の詠んだ和歌について高く評価してくださっていました。一首に万葉調のひびきと格調高さがうかがえて味わい深く、とてもきれいに歌い上げているといってくださいました。惜しくも先生は三年前に他界されました。その後、会の存続を巡って幾多の協議がなされ、ようやく存続の意義を再確認して、暫くして私が引き継いで行くことになりました。会津八一、そして植田先生の遺志を継いで、将来への橋渡しを担うことになりました。勿論、私はさらに詠歌に勤めていくことは無論、率先垂範して切磋琢磨の道を進むことになります。八一の学規の一つですが、正に「日に真面目あるべし」の毎日を勤めるべく、精進の身であります。
       昨年の暮れのことです。「2009年の短歌年鑑に、私の和歌を三首を載せさせてもらいました」 との知らせが講談社からありました。その前に、産経新聞の広告部から、「短歌年鑑に載った中から、さらに選んだ二十人の作家が居て、その中に私がが入っている」との知らせを受け、ありがたさに戸惑っていたところです。
       そんなことがきっかけで、色々なことを勉強しました。俳句と同様、短歌を読まれている人は沢山居られます。短歌の結社や、同人誌や、同好クラブ、投稿者など全国的に見ると何千、何万とあるに違いありません。一年間に詠まれる短歌は、それこそ星の数ほどあるに違いありません。そうしたなかで、権威ある短歌研究社の選者の方のお目に留まったということは、奇跡的な嬉しさを感じています。このことは、これからも自己と自己の世界に向き合って、益々自己研鑽の励みとなるものであります。和歌を詠むことは私にとって喜びにつながり、心の癒しともなっています。   2月3日 記

平成21年2月27日

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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