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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

Vol.13-1 謹賀新年

   謹賀新年


    年明けの空朗々と明け染めて栄への年を迎ふまほろま

   経済の再建、再興を目指し行くわが国たみの奮い立つ日よ

   政権の交代に湧く日本のデフレ脱却と経済成長と

   仰ぎ見る富士の高嶺の白雪の初の光に映ゆる朝かな

   雲海の上につらなるアルプスのなほ突きいでてきはむ富士やま

                                     平成25年 元旦

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近来にない絶好調の滑り出しであります。東京築地市場の初セリで、大間知の黒マグロが一本1億5千万余の史上最高ねをつけたのを祝うまでもなく、東京株式市場でもいち早く元気な様相で年末から待望の反騰場面で推移して民間経済に大きな期待を寄せて、久々に新春を明るい表情で迎えることが出来ました。たった一人の政治家の登場で、たった一人のその人の言葉の発信で、将来の期待がこうも激的に変化するものかと、良くも悪くも身に染みて感じるこの頃です。政権交代がないままに年末年始を迎えたとしたら、日本人の心と表情は今までと変わらず、ややもするともっと落ち込んで家籠もりで鬱々として過ごしたことでしょう。政治の顔が野田さんから安倍さんに代わったことは、国民が選んだ結果で、日本国民の人としての自意識はいまだ健在であることの証左であります。これに期待し且つ高く評価した外人投資家が、総選挙を機に日本株式を猛然と買ってきています。悪いこと全てを織り込んだ今の株価です。底値で鍛えられてきた株価です。解散は状況の大転換のきっかけであります。この株価でなら盲目的に、目をつむってやたらと買ってさしつかえないでしょう。特に円安で業績落ち込みの輸出産業は驀進的に買って出てかまいません。つれ安している銘柄もそうです。私はやっていないから分かるのです。散々にやって懲りたから分かるのです。五年前、いや十年前に株式から相場を張ることはやめました。妻のご託宣でやめることにしました。事業一筋に行くことにしました。社会経済、国際経済に振り回されずに信念一筋に生きていくことにしました。以来株は現物として保有しています。その時、持ったままの株です。値が上がればうる、値が下がれば買う、あとは配当取りの女性的な投資です。イライラせずに、おかげで平穏な毎日ですが、しかしその分自分の仕事が増えて懸命ですが、半世紀ごとに巡ってきた捲土重来の時を、確信してみているのははなはだつらいことですが、国や社会や、国民がたんまり儲けてくれれば、それでよしとして満足しています。ところが辛酸をなめてきたままの日本人は疑心暗鬼で、相場で今会出動する勇気を持っていません。勿体ない話です。してみると機を見るに敏な外人の、異人さんの目からすれば、日本人はまだのんびりとした人種で、いつもグローバル化の餌食になっていることでしょう。弱肉強食の世の中は、国を巻き込んでますます激しさを増してくるはずです。自国のことのみを考えて、他国の動きに気づかずにいると、ますます餌食の対象になっていくことになります。経済の国際化に日本が収奪の対象に狙われないように自国の力を鍛えなければなりません。昔中国が欧米の列強の侵略の対象になって欧米による植民地化をゆるし、国民は散々な目にあった歴史に、多くの教訓を学ばなければならない状況に、皮肉にも今の日本は置かれているのです。軍隊を出して他国を占拠し支配することはできなくなりましたが、経済力によって他国を占拠、支配することはますます勢いを増していくことでしょう。ましてや経済的柵はどんどんと取り払われて自由化の波は地球規模であります。うかうかしていると、いつの間にか外国資本に国も国民もその支配下に置かれて動きが取れなくなっていることにもなりかねません。アダム・スミスの違った概念で、経済(神)の見えざる手が及んで、いつの間にか日本と日本国民が、外国資本と経済力の下にあるということです。そのように見方を変えて時局認識をしてみると、国際協調という名のもとに熾烈な経済戦争は競争力をむき出しにして多国間を戦場に火花を散らしています。かっての中国のように列強の餌食となった植民地時代を振り返えり、今は、中国は多くの試練と教訓をえて努力し、まだ問題を残しているものの、日本を追い越して経済大国として国際舞台に堂々の振る舞いを演じています。この事実は動かし難く、日本は政官民が一体となって、この事例に見習う謙虚な姿勢が必要であります。
    日本は昔日の経済力を復活させ、強力な経済力を背景に、武器に、この機をとらえ万全の態勢を奪還して果敢に国際化の波にいどまなければなりません。その象徴として大胆な政策を発表した安倍んは、これからにの有言実行にもよりますが、気分一新、野田さんよりも良かったことになります。少なくとも右顧左眄の党内分裂状態の政党に、日本の政治を任せておくわけにはいきません。顛末の果ては国民を裏切ったばかりでなく、泥船をこいでいくありさまで醜態そのものであります。消滅すら危ぶまれ、ネット化された社会の威力はすさまじいものがあり、これを看過してきた政党の責任は重大です。風向きがいつ変わるかしれません。泥船についていく国民こそ危ぶまれるところでした。そうでなくともいまだに泥船に乗っている国会議員は沢山います。すべからく追放し禄でもない政治家を振り払うことで政界の一新を図ることでしょう。一人のよき指導者でことが決まる官僚組織に、日本は良くも悪くも時間をかけてきています。つまり明治以降の日本の封建社会から脱却して、近代化に乗って列強の欧米諸国に対抗して、生き抜いてきました。
    今回の野田さんの11月16日に解散しますと安倍さんに約束した時点で、日本は大きく変わりました。私はそのとき、たまたま国会中継の党首討論を見ていて、今や歴史的瞬間となった問答を妻とみていました。野田さんは自分に有利に展開すると信じて云ったことが、結果的に墓穴を掘ることになってしまいました。この墓穴は天の申し渡しであります。こうしたことはよくあることですが、状況判断を間違えた付けが自分に回ってきたことであって、国民にとってはむしろ転機を促す決定を授かったことになり、天の声と聴くべきであります。野田さんの決断は逆に自らを捨てて王道に着く、即ち私心を捨てて民意の実現に尽力したことで、立派といえば立派であります。動機は自らの政権の延命を図るものでしたが、結果はその動機を覆すものとなって国民のために尽くしたということで、やむなく私心を排除され、天命をもって職責を果たしたと解釈していいのでしょう。私は妻に言いました。株は即刻買いだなといったのです。若い時の私であればテレビを即座に切って、株屋に電話して「成り行きで買ってくれ」とまくし立てていたかもしれません。しかし最近はあまり軽はずみなことには手を出さないようにしていますので、血気に膨らむ腹を押さえて、じっと我慢していました。よい方向に向く兆しとなった今、極論すればひとりの良い指導者と、これを補佐する大臣がいればいいことで、あとの国会議員は飯のただ喰いで、議員削減など朝飯前の議論であります。あとの雑魚の議員に対して国民は、無駄な経費、即ち税金を払わせられていることになります。世間では、私どもの世界では落選した国会議員と、その秘書くづれは使いようがありません。品の悪さはもとより、張ったりと恫喝的な振る舞いで、こうした人たちと接触しただけで一般市民は信用を無くすこと必定です。煮ても焼いても食える代物でないとはこのことでしょう。ひたすら利権をむさぼり、人の金をかすめることに生きてきたものばかりです。古今東西、何時の時代でも大きな課題の一つでしょう。仕事がそれだから仕方がありませんが、国会で堂々の発言をしていても、総理の座から滑り落ちた野田さんも、今は平凡に、上さんを前に沢庵喰ってお茶づけをかき込んでいることでしょう。野田さんにあってこの始末ですから、落選した御仁にとっては失業の身で、生活が懸かった何とも惨めな毎日であります。学生と一緒に就活に過ぎる毎日でしょう。国会と選挙のことを考えると、民主主義と自由、効率と選択の社会、これからの人類が生きていくうえで一つの重大な案件かもしれません。とにかくそこからくる被害と犠牲を少しでもなくしていくように、国民は英知を発揮して取り組んでいかなければなりません。
    東京築地市場の、 初セリの大間の黒マグロといい、景気の良い兆しの東京株式市場といい、近来にない新春の好調な出足であります。これを持続して、低迷する日本経済からの脱却を目指した将来の展望を確たるものとしたいものであります。積年のデフレ経済から脱却することが第一であります。アベノミックスと早くも一般化した政策の支柱は、三本に集約され、大胆な金融緩和策、財政出動による景気刺激策、経済の成長戦略ということです。現下の情勢からすれば、いずれも矛盾したもので難しいかじ取りが要求されるものです。しかしこれまでの長期化した、悪質化したデフレからの脱却を目指すには、こうした政策を迅速鮮明に内外に発信し、心理的効果を発揮するにはきわめて有効な手段であります。株式や、為替市場は直ちに反応し、需要市場に徐々に浸透してきます。継続的に進めれば、資産効果の起動がうまく効を奏して、全体の市場に需要を喚起していくこと、これが起爆剤となって長期に生かしていくことが知恵の発揮するところでしょう。為替の90円台、株式の11000円台を目指す展開となればしめたものです。日本経済は活路をめざし民意の高揚に湧いていくに違いありません。民意の発揚とは市場経済の機能回復を目指すものであり、民間企業を活性化をもくろむ民間経済の発揚であります。アベノミックスの特徴は巨大な政府の強力な市場介入、つまり公共事業と日銀政策に立ち入ってインフレ目標値2パーセントの強い要求であります。しかしこれらはあくまで民間企業の活性化と活動に対する「誘い水」、呼び水に限定すべきであって、だらだらといつまでも続けるべきものであってはなりません。政府の公共的政策の発動によって、経済が動きだし、それがきっかけとなって本格的に民間経済が動き出すのが本筋であります。政府がいつまでも関与する経済構造になってしまうと、国家主導型の経済になってしまい、その先は破たんしかありません。安易な道には誘惑があり自活、成長の道を損なう催眠があります。基本を忘れず希望を以て、ただし何時の世も慎重に対応していきましょう。これからの激務に耐えて、安倍さんの健康を願うものであります。                     1月4日
                     *
          豚みたいに食べつくした後の七草粥

    拙宅では久しぶりで家族全員が元旦にそろって、新春を祝うことが出来ました。例年は誰かの都合がつかずに,どうかすると家族全部の顔がそろわなかったものです。拙宅でお屠蘇を飲んで、お節料理に箸をつけることが少なかったのですが、しかし今年は全員がそろって賑やかに元旦を寿ぐことが出来ました。昔のこと、いつも浅草の実家に全員が集まって元旦の挨拶をして、気風のいいお袋が、今で云えばダイナミックに作ってくれたお節料理を前に、お屠蘇をなみなみと注いで健康と栄えを祈願したものでした。広いうちだったので家族が何人も泊まって、何時までもお屠蘇気分でいたことを覚えています。近くには名所旧跡が沢山あって江戸情緒を満喫できるので、多くの人たちが訪れてきて、何時まで経っても正月気分が抜けきれずに、下町情緒に浸っていたものでした。 「待乳山聖天さまと浅草寺観音さまのご利益の身よ」 とうたを詠むほどに、私たちは霊験あらたかな御利益と恩恵を授かって、隅田川の水にも浸かってとでも言いましょうか、大きく、丈夫に、健やかに育ってきました。しかし時代が過ぎて父、母がいない今は、いつの間にかふるさとの浅草を離れて久しく、世田谷の等々力の住まいで、私が一家の当主になって、居間の正面に座らされて采配を振る立場になってしまいました。その昔、一緒に座っていた親父を思うと、いまだに貫禄負けがしてきます。今の自分は威張って座っているような感じもあって、内心は聊か照れくさく、恥じらいの気持ちがないわけではありません。しかしここはしばらくの辛抱であります。私としては、いつも末席のほうで責任のない席で気楽に座っていたい心境であります。いつも若いつもりで振る舞い、思考も若く保ち、身体強靭を旨として頑張っているのですが、その分人生をもっと楽しんでいきたいと念願していても、時間が短すぎて物理的にかなわなくなってきています。いっそのこと発想を転換して内容の濃いものにしていく手法を考えなければなりません。効率重視で人生に臨む決心をしました。するとやりたいことが沢山出てきて、これが又一方の悩みであります。何時までもルンルンでいたいと、そのための努力は若い時と変わらず、切磋琢磨の毎日だと、やはりのんびりできない性格なのかもしれません。こうした自分を育ててくれた両親をふと思い出しては仏壇に手を合わせて、つらつら思い起こして感謝しております。おかげで家族全員が無病息災といっていいほど元気に暮らしてきていることにまず、感謝して、これからも精進の道をそれぞれに励んで進んでもらいたいと、年頭の希望として神仏にお願いしたところであります。
久しぶりに 家族が全員そろったからには、賑やかに初詣に出かけるということに衆議一致しました。お昼近くになって、息子家族と娘夫婦、それに私たち夫婦がドライブがてら、二台の車に乗って直ぐ近くの深沢神社に向かいましたが、初詣の人たちが境内から外にあふれて、目黒通りにかけて長蛇の列を作っていました。この有様ではいつになったら神社の鳥居をくぐって神殿にたどり着くかわかりません。穏やかな元旦の昼下がりですが、のんびりと待ち時間を過ごすわけにはいかず、次の場所を目指し、そのままアクセルを踏み続けて環八通りを気持ちよくわたっていきました。日本人の宗教心は、物事にこだわらない鷹揚なところがあって、この国の根深い文化のゆえんかもしれません。ここが駄目ならあそこにしようと、融通の利くところに神仏のありがたさも湧いてくるような気がします。多摩川に向かって五百メートルほど行った先の左手に、等々力不動尊があります。境内を降りていくと有名な等々力渓谷があります。等々力渓谷には谷沢川が流れています。多摩川から水を引いている川です。普段は静かな景勝地でゆかりも深く、参詣するには霊験あらたかな気持ちになっていいのですが、実はここでも多くの参詣者が並んでいて、他の適当な場所を選んで探していくことにしました。不動尊にお参りした後は、そのままの渓谷に降りていって、川に沿った遊歩道を散策してあることも、しばし武蔵野の面影を楽しむことが出来て家族にとっていいチャンスでしたが、残念ながらほかの計画に変更しました。そのまま多摩川に向かってノン・ストップでしばらく行った先を、丸子川に沿って左折して樹木の多い住宅街に入っていきました。川べりに沿って閑静で風雅な住宅の建たづまいを見ながら田園調布に向かって車を進めていきました。巾五メートルほどの堀割のような流れですが、この丸子の川上は多摩川から水を引いて、川下で再び多摩川に注いでいます。ここは私の気に入った場所で何度か車を走らせて、静かな雰囲気と田舎っぽい景色が気に入ってしばしば訪ねてきています。道のりのやや突きあたったところを左に昇っていくと、右手に田園調布二葉学園があります。そこの手前を左折してナビゲーターが示す鳥居を目指していくと、右手の角に、人目のつかない小さな、可愛らしい神社を見つけました。鳥居をくぐって階段を二十段ほどを登っていくと小さな広場に出ました。そこが樹木に囲まれた神社の境内です。穴佐神社という名の小さな神殿が正面にありました。何という気品でしょうか。こんなところに、こんなに可愛いらしい神社があろうとは、今まで全く気が付きませんでした。この日の感動すべき新しい発見です。素朴で、純心で、厳粛にお参りできるものでした。参詣する人影は二、三人しか見受けませんが、小さな社務所が一人前に構えてあって、きれいな巫女さんが二人座って新年のお札や破魔矢を売っていました。気持ちのよい高台で、多摩川が眺められ遠く丹沢山系を突き出て富士山が遠望できる絶景地です。短く伐られた太い楠の木が、一丁前に堂々とあるのが面白く、親しみやすい境内のおもむきです。この辺りいっぱいに、穏やかな日差しがさんさんと降り注いでいます。実にすばらしいお宮に巡りあわせたと、新年早々に一同大喜びでお参りすることが出来ました。それぞれが思い思いに希望を願って参詣したことでしょう。礼儀正しく神殿に向ってお参りしたあと、日当たりの良い高台の境内で喜んで走り回っていたのは、二人の孫の佳と麗でした。私たちの心境をそのまま演じているようにも感じました。

   「 歌を詠ませて日本一、書を書かせて日本一 」と、自他ともに豪語して憚らなかった、秋草道人、会津八一の系譜を汲む短歌同人誌、淵を主宰する立場にある小生は、今後も日本文化の原点である万葉集の調べを広く内外に知らしめ、もって多くの人たちが五七五七七の短詩を口ずさむことができるよう、率先垂範して詠んでいきたいと思っております。そもそも同人誌を主宰したりすることは私の本意ではありません。しかしながら会津八一の薫陶を直に受けてその和歌に一番近く、一番多く接してきた早大名誉教授教授の植田重雄先生の創刊した同人誌を、私が引き継いでいくことになったことは、何か運命的なことも感じて微力ながらそれにこたえて力を払っているところです。すでに六年近くになるでしょうか。自分自身が歌を詠むことに無上の喜びを感じて、これからもさらに研鑽をつみながら専ら詠を趣味としてこれを活かし、人生の伴侶とすることが私の希望であります。その姿勢は今までと全く変わっておりません。これによって人生がどれほど豊かに恵まれてくるか、味わいながら、形式にとらわれず独創的に、まず多くの方々に実践してもらいたいと願っております。まず以て伝統と理想に燃えた、わが短歌同人誌、淵に、同人として参加してみては如何でしょうか。うたを限りなく詠んでいって心身の健全な育成を図ることは、人生を喜びと感謝で充たし、一生続けられていくまたとない栄養剤であり、活性剤であります。

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     大納会・大発会と株式の連騰に湧く日本列島
     積年のデフレ脱却を目標に安倍政権の樹立めざまし
     経済の再生を期し日本のこの国たみに幸いのあれ
     年末の株式、為替の好調を受けて巳年の躍進に期す
株式の連騰を期す日本の経済力を如実示さん
     初め書きに一の一字をふと筆に流して描く那智の滝かな
国会の解散の時ゆ株式の自信に満ちて買いを勧めり
     国たみよ捲土重来を今に期し買いに転じる株式市場は
     あなかしこ二人の孫の佳と麗、家居に泊まり来れば相手す
     人混みを避け宇佐宮を訪ねけり多摩川近く初の詣でに
     走りゆく箱根往路を先頭に光る湖面に映ゆる富士の嶺 
     駅伝の勝者となりし日体大、家居に近く学び舎のあり
     青春の再び我によみがえる駅伝走者のたすき勇まし
     少年のごとく思いを果たし行く夢と希望を先にかかげて
     家族みな揃い元旦の節料理お神酒をほしてうち祝ひけり
     ひむがしに筑波・にしへに富士やまと眺むる地にそ我はあれけり
     おほひなるこのくにたみにさかへあれひかりにあけしあらたまの年
     正月のふつかの街に妻と出で多摩のつつみゆ眺む不二やま
     白雪を直きにいただく富士のねの初日に光るうましまほろま
     新玉の年のさやかに明け染めてはるかに眺む雪の富士の嶺
     まほろまのくまなきよものまなかにてながむあさひにそびゆふじやま    
     あさはんに七草粥を食らう身のめでたく無病息災ならんと     以下七十三首    1月7日


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大転換の時代認識

    安倍政権になって三本の柱を中心にした経済、財政、金融政策を含めて、広い範囲にわたっていろいろな政策が矢継ぎ早に打ち出される積極政策に、予想した通りの大転換の兆しがはっきりとしてきました。目先の紆余曲折は、上下の揺さぶりはあるにしても大筋は沈滞、低迷から脱却して活動領域に突入できたといっても過言ではありません。大きく動くだけに、もしかするとその反動も大きく、世の中は活気ある激動の領域に突入しました。これが平成の転換の大きな節目、切れ目と記すことにもなります。
    活気あふれる切れ目は、11月16日のわがホームページで、「 日本株式は即刻買いだ 」という確信を発信しました。今にして思うと、ズバリ的中しました。眠れる獅子はその時に、忽然として目覚め立ち上がりました。即ち、野田首相と安倍党首との党首討論で、野田首相が二日後の11月16日の衆議院解散を発言したことで、情勢は一挙に転換しました。政策の大転換を期待した民意は沸騰し、12月18日の選挙の結果は自民の大勝利に終わり、活気に満ちた安倍内閣の発足とともに、ともかく好調な出だしで、めでたい余波は止むことがありません。今日1月30日の時点で東京株式市場は活況理に、日経ダウは前日比247円23銭高の1万1、113円95銭でこの日の取引を終えました。2年9ヶ月ぶりの高値更新となって連日大商いを演じております。約1600円相当の値上がりを演じています。金が動き始めて、兜町に一気に流れ込んできた様相です。莫大な金が市場に流れ込んで株価を連日押し上げており、貨幣換算にした国富の増大は膨大であり、この流れは一年の国民総生産を上回るものです。この力が市場へ流れ込んで、さらに膨れ上がっていくと、経済に活況を見ることは確かでありますが、そのタイムラグがあって、実体経済に力を及ぼすまでには時間がかかります。しかし需要拡大の潜在力は次第に高まってきて、経済拡大の起爆剤となります。
    お金の動くところには必ず税金が生み出されます。これが大きく見て税収拡大につながってきて、反面に於いて財政再建の道にも大きく寄与してくるでしょう。疲弊して金の動きの止まった経済のもとでは、税収はあがらない筋合いがよくわかります。お金の流れが拡大すると、物流が活発になって、産業経済にダイナミックな流れを作り出して技術革新にも拍車がかかり、競争力の躍進が裏づけられてきます。為替の円安と株価の連騰は、輸出企業の力をつけて、国際経済のもとで大きく市場を拡大していくことでしょう。アベノミクスの面目躍如とした点ではないでしょうか。動かないで、先々のことを案じていても、先々の不安要素を考えていても始まりません。取らぬ皮算用をしていては愚かなものと言わざるを得ません。気候変動の影響もありますが、野菜類の値段は、とやかく言わずとも既に3割高を演じています。円安でエネルギー価格はタイトな様相で、ガソリン価格はすでに上昇し始めております。インフレ率2パーセントは物によっては日常茶飯事で、消費者の生活を直撃している面もあります。家庭の主婦は家計のやりくりで頭を痛めています。悪いことはすぐに跳ね返ってくるのが世の常道です。さわさりながら、価格の上昇が見込めるから生産活動に励みがつくわけで、その程度に抑えておけば良しとして、余剰の価格上昇は避けなければなりません。とやかく批判される公共工事への投資にしても、これを有効なものに絞って厳選すればいいのであって、つまり無駄なく使うことが肝心で、これがが在庫投資を刺激し、さらには設備投資に波及していけば、更なる拡大路線につながってデフレ脱却は鮮明になっていくでしょう。企業の活動は利益計上につながり勤労者の所得につながり、法人、個人からの税収の拡大にもつながって、真の財政再建に寄与して、二つの車が相乗的に回転して進んでいくことになります。要は、世の中の購買意欲を湧かしめていく政策が肝心であります。
    株価上昇で多くの株主は懐具合が良くなって、経済上昇の助走段階を無事に勤めつつあることは幸いであります。アベノミクスに反応しない経済であっては、徹底的に破壊されて再起不能の日本経済と、世界から揶揄されることになってしまうでしょう。国民は当面アベノミクスに期待してこれを支持してつつがなき経済運営に協力していこうではありませんか。経済の強い日本をまず手掛けて、広く民生の安定に努めていく政権に期待していきましょう。同時にこうした動きに後れを取らない戦法を、自ら案出していかなければなりません。わたくしも普段から多忙な身に追われていますが、アベノミクスの登場で公私ともに、今までに増して更にせわしくなってきました。 せわしいだけでならいいのですが、睡眠不足に襲われて、仕方がありません。仕事が体力以上に迫ってくるのでしょうか、しかし元気によみがえった安倍さんを見ていたら、そんな野暮な愚痴は云ってはおれません。奮起して気迫を以て立ち向かっていこうと思っています。充実した毎日を過ごすことによって、むしろ睡眠不足を打ち返し、熟睡して食欲を満たしといっても、この食欲だけはもともと程々にあるので、運動は毎日の労働と思索を以て心身の充実を図っていますから、あとは贅沢を云うようですが金回りをよくして、これが肝心です。しかる後すべてを全知全能の神様にお願いして、自然体で臨んでいくことにしましょう。アベノミクスの劇薬を飲んで発奮している私を見て、家内が笑っています。家内ばかりではありません。声の大きい、小さいはあっても、社会全体が笑っています。ようやく笑い出したというのが昨今の状況でしょうか。政権が交代しただけで、これだけ違ってくるんだから、比較して、前の人はいったい何にもしてこなかった怠け者、プー太郎だといわれても仕方がないでしょう。あれだけ内外に出ていた野田さんもさっぱり顔を出さなくなってしまいました。いなくてもよかったという感じです。何んと、野田佳彦さんは、実はプー太郎だったというのですか。それは余りにもひどい評価ですが、それが世間というものでしょう。ある時期に、そのプー太郎にお世話になった国民もアホということではないですか。お互い様です。お互い様にこれから、みんなが生きている実感が、しばらくして湧いてくるといいですね。プー太郎の続きになっては、それこそお先まっ暗ですから、そうなってほしくありません。国会が昨日から始まりましたが、プー太郎同士の論戦にならないように、プー太郎と話をしていても足を引っ張られるばかりだから、本気になって話し合っていないで、しばらくは現実にどんどん実行していってください。政治は雄弁会ではありません。国民のために親身になって先に立って働くこと、掲げた政策を着実に実行していくことです。安倍さん、よろしくお願いしますよ。   1月30日

   

2013.1.4

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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