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Vol.05-18 政府系金融機関の整理
昭和経済11月号は、その後の小泉改革,とりわけ小泉経済改革として、識者の健筆を載せ、論陣を張りました。先の総選挙で小泉郵政改革に国民の支持を得て圧勝した自民党ですが、郵政改革法案を衆参で可決成立させたあと、次なる改革に素早く着手しなければなりません。旧態依然としてもはや存続し得ない制度や組織に、抜本的な改革のメスを大胆に入れることが焦眉の点であります。さしあたり、政府系金融機関の整理、統合、廃止に向けて早急に着手しなければなりません。これには各省庁の熾烈な抵抗が予想されますが、小泉改革は果敢に立ち向かって目的達成にまい進しなければなりません。今の小泉首相にして出来うる平成の大改革であります。
例えば「所属団体向け中小企業組合金融」は商工組合中央金庫であり、「地方公共団体向け金融」は公営企業金融公庫であり、その名からして存立さえ問われるものです。このほか沢山の政府系金融機関がありますが、これらは国又は政府の信用を背景とした業務で、そもそもが市場原理に基づいて民間金融機関で行うべきものであります。官の裁量に基づく資金の配分を、市場原理に基づく民の領域にこれを移すこと、そして経済の効率を図らねばなりません。
官に流れる資金の入り口、即ち郵政事業の民営化は実施されたのに、出口にあたる政府系金融機関の改革が進められなければ、何のための郵政改革か、まったく意味がなくなってしまいます。
政府の経済財政諮問会議では、小泉首相が、この件でぐずっている所轄大臣を一喝したと伝えられています。利害対立する狭間に立って艱難、苦渋する心情はわかりますが、民意と時代の潮流を汲み取れない大臣としての資質を問われるものだと指弾を受けるでは遺憾なことです。時局は待ったなし、民意の支持を受け果敢に突き進むリーダーにとっては不甲斐なさを感じるでしょうが、内閣改造には小泉さんの手となり足となる英知に富んだ閣僚を指名して、国民の付託に応えてもらいたいと、ここでは吼える獅子、真に迫る小泉首相の気迫十分に大喝采を送りたいものです。
平成17年10月27日
社団法人 昭和経済会
理事長