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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

VOL.17.7

     


     世相の大転換?   都議選の結果

   予想した通りの都知事選の結果であった。小池知事率いる都民ファーストの快進撃は、選挙運動中も都内23区の各地で見られ、加えて自民と袴を分かった公明との協力も得て、議会議員数の過半数を軽く上廻り72議席を確保した。都民ファーストの候補50名のうち、49名が当選を果たす歴史的快挙である。
   自民党の歴史的惨敗は予想通りであった。むしろ23議席を確保したのが、不思議な位である。あの異臭ぷんぷんの醜悪づらの内田ボスが、長い間にわたり議会を牛耳って権力を乱用し腐敗しきっていたところに、かって東京都のブラックボックスを破壊すると発言して、溌らつとした小池知事の登場で、全景は一変したからである。私自身は東京都の実態についてあれ程に腐敗しきっていたとは知らなかったし、不勉強であった。利権をめぐって蛆が湧き腐敗しきっていた感じである。そこへ敢然として登場したのが、しがらみのない小池百合子氏であった。私は以前にも、彼女の都知事立候補に際し、ジャンヌダルクにたとえて賛辞を贈って惜しまなかったのである。

   又、都議会の不信ばかりでなく、中央の自民党政府の最近の醜態と失政続きにへきえきしてきた都民の、強いては日本国民の自民党に対するやり場のない不信、不満、批判が、都議選挙に象徴的に反映されたのである。安倍さんは一生懸命に活動されて東奔西走なのに、ここにきて状況が逆に行ってしまっているのは惜しい気がする。止めようのない逆風が吹きまくってしまった。安倍内閣の積み上げてきた実績が、一気に吹き飛んでしまっている。側近がしっかりしていないと、ちょっとしたことで親方も溝に足を踏み外すことにもなりかねない。ノーと云える人物が、時には親分以上の見識を示すことが出来る人物が傍にいないと、トップに立つ人間と云えどもしくじることもある。今回の都議選の結果を以て、自民党政府与党は、直ちに反省の弁しきりであるが、ここまで高をくくって放置してきた付けは、簡単に癒しきれるものではない。覆水盆に戻らずで、安倍政権は、これからその後遺症に悩むだろう。今国会を解散して総選挙に臨んだら、自民党は大惨敗を喫すること必定である。「共謀罪」を始めとした強行突破の議会運営などは実に印象悪く、加えて森友学園や加計学園のインチキ臭い関係、防衛大臣の資質を問われる発言などが大きく災いした。自民党内からも強烈な反省の弁が上がってきている。 
 
   都議選では政府自民党も国政並み選挙と受け止めて、懸命になって支援したが、むしろこれが仇となって結果が大惨敗となったて出た。全体に一強安倍政治を進める中で、安倍内閣に起きてきた規律の緩るみ、おごりが原因となって国民の大多数からの痛打となって表れた結果である。国の繁栄に付きまとう享楽と腐敗の魔女は、そっと近づいて誘惑の手を差し伸べてくる。油断するとその麻薬の手に染まってしまう。そして政権の権力志向と右傾向に暴走する姿は、現代の日本にふさわしくないと、国民の目にうつるはずである。それは安倍政権の驕りからくる暴走にも見える。冷静な国民はそうした事象をじっと見て、安倍一強の政策に、おごれる者の姿と顚末を描かざるを得ない。都議会選挙とは云いながら、国政選挙を行っている結果と見て何ら変わらない世論の動向である。信用してきた自民党支持の諸君たちにも、今回ばかりは政府与党だけでなく、政権担当の安倍首相個人の資質を問われる事態にもなりかねない。天下を治めた人間は、清廉潔癖、公正無私でなければならない。
   同時に、だらしないのは民進党である。本来なら野党第一党として、自民党政権に代わる受け皿でなければならないのに、その役目を全く果たしていないお粗末な無能な政党になってしまった。活気のない力抜けした政党である。好き嫌いがあって個人攻撃になってはいけないが、党首の蓮肪氏の対応と姿勢にも欠陥があるようだ。人気が沸かない理由の一つかもしれない。俗っぽい解釈で恐縮だが、自分でも気づいている筈だと思うので、赤いばらには刺があるの例えで、演出に工夫がありそうだ。

  フランスを見ると、若干39才のマクロン候補が大統領に就任し、加えて議会選挙に臨んでマクロン新党を作り、議会の大多数の議席を獲得した。EU結束に自国の発展と安寧を重ね合わせている。マクロンの飾らない姿勢と、主義、主張が民衆の共感を得た結果である。人格的にも落ち度がない。今回は地方自治体の、東京都の議員選挙であるが、日本を代表する都市であり、巨大都市である。その動向は国政に及ぼす影響大なるところから、国政並みの注目度を持ってきている。小池氏は知事に就任し、都議会の刷新の為に自らの党、「都民ファースト」を結成し議会選挙に臨んだ。結果は見事に的中した。これからの努力を期待したい。

   フランスのスマートなマクロン大統領の、選挙戦の様相と同じ結果と勝利を得たのが印象深い。
                                              7月3日

北朝鮮のICBM発射

北朝鮮が4日、大陸弾道弾・ミサイル火星14を発射し成功したと発表した。ミサイルは移動式発射台で運ばれた。移動車を離した後、垂直に向けて発射されたミサイルは高度2800キロの高さに達してから40分にわたり飛行を続け、再度大気圏に突入して目標水域に着水したという。着水した場所は930キロ離れた秋田県男鹿半島沖の、日本の経済的排他水域であった。
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北朝鮮は実験を重ねるごとに精度を高めており、北朝鮮の試みは、アメリカにとって既にレッドラインを超えたもので、両国の間で緊張が高まっている。北朝鮮のやっていることは判り切ったことであって、今更何だかんだと大騒ぎすることでもない。勿論ミサイルの飛行距離を伸ばしてきているとみられ、今回の実験で、ミサイルの射程距離は北米のアラスカ半島を始めハワイ周辺にまでおよび、アメリカ本土に直接脅威を与えるものとなってきている。ミサイルの先端に核弾頭を装着させて飛ばせば、アメリカに対する核攻撃も可能であると誇示している。アメリカを直接交渉の場に引き出して、核保有国として対等の立場に立って朝鮮半島問題を解決しようとする強気の姿勢である。アメリカはそれを嫌っている。当然のことながら、核兵器を放棄することが大前提であるとして譲らない。井の中の蛙ではないが、国際社会の批判を無視する姿勢はもとよりだが、アメリカの軍事力を軽視する北朝鮮の駆け引きと、その火遊びが心配である。

トランプ大統領は、北朝鮮の度重なる挑発行為に耐えてきている。中国の影響力に期待して挑発行為を思いとどまるよう説得を続けているが、実効的効果は上がっていない。国際社会はもとより、国連決議を発表したりして、度重ねて中国に圧力を期待してきているトランプである。自分は習近平が好きだとおだてながら、中国の北朝鮮への圧力と説得を頼みこんだりしている。トランプの中国に対する圧力は、見ていて執拗なくらいである。中国の対応は複雑であり、あまり期待することはできないだろう。トランプは、全て話し合いで北朝鮮を説得してみたものの、駄目だとわかったから、仕方がないという言質を取ろうとしているようにも見える。有頂天になっている坊やと、北朝鮮に軍事的行動をとろうとしても、それを容認するようなトランプ政権の状況でもない。選択肢はテーブルの上に置かれているとしながらも、難しい状況である。

北朝鮮が独裁・恐怖国家として矛盾した結果が噴出して内部崩壊してしまえば別だが、体制維持のための国内の締め付けが激しいので簡単な話にはならない。指導者が考えを変えるか、穏便に指導者交代がなされるようであれば、とうの昔に成就されている筈である。国際社会を敵に回して、軍事優先で体制維持に狂奔しているので、今行われている政策に変化を期待するのは難しい気がする。目先的に先般も、攻撃用艦隊を朝鮮半島周辺に出動させたりして軍事的威嚇を行ってきてはいるが、北朝鮮にとっては蛙の面に水で効を奏していない。そうかといっていきなり軍事行動に出たりしたら、マチス長官が云っているように、韓国、日本に甚大な被害を及ぼすと云っているように、危険極まりない話である。怖いのは、ここまで来ると北朝鮮の実験段階がどこまで進むかわからないが、核弾頭を搭載させて、この種のミサイルを発射する可能性を否定できないと判断された場合に、トランプ政権が先制攻撃を仕掛けはしないか、という方が心配になってきて、その暴発が怖くなってきたのである。堪忍袋の緒が切れて、怒ってしまったトランプが、いつ北朝鮮に軍事的攻撃を仕掛けて、短期決戦で事を治めるかという問題に直面してきそうで、ここまで来ると北朝鮮も然り、トランプ大統領の出方にも気を遣うのである。互いに恫喝し合っているのは、決して賢い政治家の手法ではないし、どこかで手を打ってもらいたいものである。

北朝鮮は、アメリカの独立記念日を狙ってミサイルを発射して挑発したりしているが、これを見ているアメリカ人だって不快感を抱くし、終いには怒るだろう。しかし頭を冷やして、そうした乱暴な状態は何としてでも回避してもらいたいものである。朝鮮半島の平和的統一の道は遠いが、政治的制度の違いはさておいて、北朝鮮もここまで国を一つに取りまとめて思想的には王朝国家を築いて国を統治し、高度の技術を身に着けてきているし、韓国も戦後は欧米的な民主々義国家として経済的発展を遂げてきている。 朝鮮人民の華麗なる民族統一を図ることは、その意志さえ確認すれば譲り合ってできないことではない。両者の養い築いてきた愛国心を鼓舞し、悲願の民族の統一のため、良い点を、互いの長所を融合した政治体制、国家建設を目指すべきである。国家の分断を余儀なくされて既に七十有余年、悲願の実現に向け小異を捨てて大同に付くことに是非とも気づいてもらいたいことである。    7月5日
     

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九州、中国地方に記録的豪雨

日替わりカレンダーが、私の机の前の衝立に下がっている。今日と云う一日を見つめながら、大事に過ごせと云う励ましにも見える。友人の経営する青葉会館の社長が、毎年お歳暮に送ってくれるものである。ふとそれを見たら今日は7月7日で七夕の日である。つゆ時に迎える七夕は、毎年雨か曇天に出あって、七夕を見て楽しむ機会はまれである。しかし今年の列島は押しなべて関東東北地方は快晴が続き、七夕の空を堪能できそうである。太平洋上の高気圧が張り出して、梅雨前線が西に停滞して今九州と中国地方の一部に大量の雨を齎している。これに反して関東以北はこのところ猛烈な日照りである。そして蒸し暑い。前線に沿って南からの熱い空気が流れ込んできているからである。炎天下の通勤で、日射病にかからないよう注意をする必要がある。冷房の効いたオフィスを出たりすると頭がくらくらして、目が眩むようで、危ない感じである。日射を避けて、水の補給に心掛け脱水症を避けなければならない。

  昨日今日とここ二、三日はこの梅雨前線の雨を含んだ雲が強烈に重なり合って、北九州や山陰地方に大量の雨を齎して、こうした地域では大きな被害が広がっている。死者や行方不明を合わせると十数人に及んでいる。孤立した集落もあって、自衛隊や消防隊、地元自治体の職員たちによる懸命の救出活動が続いている。かって経験したことのない豪雨による被害は、悲惨であり、気象庁の発表によると記録的とのことである。河川の氾濫や道路の冠水、家屋の浸水、そしてがけ崩れなど土砂災害が各地で発生いしている。被災地での人々の生活と人命の危険度が大きく増してきているので、十分注意を促し一刻も早く危険から避難して、身の安全を祈るばかりである。近年増加する異常気象の頻発は、その規模をますます拡大増加せしめてきて、地形的に山岳部の多い日本では、いつどこに居ても心配な環境下におかれている。地球温暖化による世界的な環境下ではあるが、特に日本において顕著に見られる点は、もはや宿命と考えて安全対策は常に注意しなければならない。国土強靭計画はどうなっているのか、その必要性は増すばかりである。 

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  今夜は七夕、澄み切った紺青の空にかかる天の川を、十分に眺めることが出来るだろう。 織姫と彦星の、年に一度の許された巡り逢う瀬の話を思い浮かべながら、なにかと夢想にふけるのも乙なものかもしれない。それといつもながら思うことであるが、今年もあっという間に半年が過ぎてしまったかという俗人的な焦りである。歳月の流れは実に早い、人生に怠惰は許されない。旅に出た松尾芭蕉の奥の細道を思い出すに、苦労を続けながら旅を続けた帰結は、人生は旅であり、人との出会いと別れを知った諸行無常の先を見抜いたものであったかもしれない。それと芭蕉も、歳月のながれの速いことを、身に染みて感じていたに違いない。「月日は百代の過客にして行き交ふ人も又旅人なり」と、芭蕉は述べて時の流れと、人との別れを組み合わせている。奥の細道の旅の始まりは「行く春や鳥啼き魚の目に泪」で始まり そして「蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ」で、終わっている。余りにも諦観的で、悲しい感情も起きてこないではない。煌々とした月をじっと眺めていると、旅路に立っている芭蕉の心境も自ずと理解されてくる。
   
   友人の社長から送られた日替わりカレンダーを見たら、2017年7月7日と七重ねで、縁起のよい年回りである。そこで企業の体質改善、構造改革を成し遂げた希望の星の某・株式の今日の終値も、高値更新の7で終わっていた。ソフトバンクの孫社長ではないが、リスクを負って大胆に新分野に進出する勇気が必要である。彼の場合は時代を先見して時流に乗ると云うよりは、開拓していく流れであり、ソロ目続きである。一時1000円を割ったこともあるが、今の株価は9000円台に達してきている。企業家精神を発揮して、躍進の度合いを物語っている。某株式についても、その7を付け足すつと、7のぞろ目である。しかも孫氏ではないが弱冠38歳と名乗る男の人生行路は、8の末広がりである。7のぞろ目に八の末広がりとくれば云うことはない。そんなのんびりとした夢想にふけっていられるのも、束の間かも知れないが、否、問題は気持ちの持ちようでどうにでもなる。きっと持続性の高いものと確信している。弱冠38歳と自認していながらまさに俗世の荒波の中、たまにはいいが無菌状態の芭蕉の高尚な心境になっていては明日が生きられない。味気ないが、現代の激しい動きの世の中であってみれば、人のため世のために立ち返り努力研鑽、粉骨砕身と、自らに鞭うち、椅子から立ち上がった次第である。  7月7日

世相さまざま、歌もさまざま    沈思黙考

   NHKはじめ、四大新聞によって行われた最近の世論調査で、安倍内閣の支持率が急落していることが分かり気がかりである。安倍一強内閣で安定した国会運営を行ってきていたが、そのほころびが出てきた。ここにきて政局と云っても、自民党内からのあからさまに安倍批判が出てきて、下手をすると「堤の蟻のひと穴」となって、頑丈な堤も崩れないとは限らない事態である。支持率33パーセントにまで急落している。支持しないは52パーセントと大きく逆転してきた。さまざまに起きた不祥事に対し適切迅速な解決方法を怠って後手後手に回り、傷口を大きくしてきてしまった。色々な要因が重なって、打つ手に努力を怠ってきたのが原因である。驕りが原因であり、平家物語ではないが、「盛者必衰・・・おごれるもの久しからず・・・・」の筋書きである。
  
         *

頂戴す深紅のトマトの一箱をあかず眺めて居りし我なり

教会に大沼夫妻のそこに居てイエスがひかりを放つ覚へし

教会に大沼夫妻がともに居て恵みゆたかにかに喜びあへり

海ゆかば水漬くかばねの国策の軍歌に追はれ逝きし学徒ら

梅雨の間の晴れまに光るかがやきに雨も日照りも都合よろしき

若き日のまリアに似たる宮本嬢空より天使の下りてくるらし

早乙女が赤きたすきに田植うた歌ひ早苗を並び植えゆく

天つ風吹きすぐあした早乙女の玉苗植ふる夏は来にけり

教会の宮本姉妹が白ゆりの花をイエスに捧ぐ朝かな

共謀罪法案通る国会をこれより憂うつな暮しとはなる

民主主義国家の日本に不要なる共謀罪のまかり通れり

国による厳しき監視取締り強化に自由に生きる道断つ

戦中の悪夢の再度おそひきて警察国家の暗き社会が

憂(ゆう)うつで息苦しき世の近づきぬ共謀罪なる法律できぬ

共謀罪警察憲兵が胸を張り肩いからして街をばっこす

四六時中監視の下に暮らす世の共謀罪法まかり通れり

世の中の憂うつに移る気配して共謀罪の法律成りぬ

無力感脱力感のただよひて日本の社会の先を憂へり

我も又周囲を気にし物を書く己れに気付く時もありけり

振り返る戦時態勢にありし時警察憲兵のばっこする街

若者の夢と希望の芽を摘みて自由活達の世を封じける

官憲の再びばっこの世の中をたくらむ政治のつかさどもらよ

人類の英知を示すパリ協定無残に破るトランプの無知

言動の品無きさまのヤンキー型無謀な保護主義の孤立を招く

トランプのゆいつの成果はニューヨークダウ続伸に湧く投資家ら

ニューヨークダウの値幅の四千㌦近きを上げて絶妙なりき

安倍さんのそばに畏き人が無く無益な穴に落つる危ふき

短絡に把へて地球の均衡を破る社会の懲りぬ性なり

官憲がばっこの社会の活性と自由を拒む悪ろき根源

恣意的な意図は無きとは法相の適宜な運用と矛盾する弁

言行に網をかぶせて管理する社会に活きた発展のなき

官憲がまた権力をかさに着て庶民を縛る世をばうるへり

自由なき社会に真の発展のなき閉鎖感のおほふ世ならば

陰湿な社会となりて忌わしきこと広ごりてすさぶ人心

我れがこの今の祖国に無用なり共謀罪なる法律の成るは

云ふことに為すことのみにおののきを思ふことにも全てあやふし

民進党ほかの野党もだらしなし見るに見かねる始末なりけり

共謀罪例へば安倍さんを批判するこれも忖度の対象とならむ

官憲の無謀な行使を止めることこれも共謀でおぞましき世ぞ

海ゆかば水漬くしかばねの国策に多くの学徒が犠牲になりぬ

えん罪となる可能性の大なりき共謀罪の適用のあと

忌はしき世とはなりぬる共謀罪なる法律の適用如何に

戦前の直ぐに拘束逮捕して投獄のあと迫る自白を

海行かば水漬く屍と国策に民が戦地に連れ出されゆく

戦前の暗き世間を暗示して通報密告のひん発のなか

使ふだけ人を使ひてごう慢に徳義を忘る自己本位の人

今にしてざんきに思ふ浅はかな無なしき人の性を知りては

願はくば人との接触かかわりを避け隠遁の暮らし良きかも

筆を執る前に不安のよぎりしに黙して無為にすぐる我なり

参加せぬアメリカ抜きのTPP批准に向けて進む良きなり

日本とEU経済連携の成果を上げて繁栄の道     7月13日



連日の猛暑と干天の日


   これは何と、異常気象の一つかもしれない。梅雨のさなかと云うのに、私の住んでいる関東地方、東京は何と連日35度を超す暑さと干天の日の、このありさまである。一方九州、四国、山陰地方では梅雨前線が重なり合って、大量の雨を齎し、各地に豪雨となって甚大な災害をもたらしている。死者、行方不明者を含め、大雨の被害が続くなかで、刻々と変わった情報が知らされている。このままこうした気象状況がいつまで続くか心配である。
   九州をはじめとする前線の停滞による被害とは一変して、関東地方を中心として東北地方、北海道にかけて連日の猛暑に見舞われて、熱中症にかかる人が続出している。北海道の帯広で37,1度を記録する等、わずか一日ながら、日本全土が35度以上の気温となった。猛暑、これで行くと渇水の毎日である。前線の位置は又元に戻って、今度は局所的な豪雨の襲来である。高温多湿の気象が原因である。被災地では、度重なる大雨で更に被害が広がってしまっている。苦渋の毎日が続き、心が痛む。
   今は各人がいつどこに居ても、自然災害に見舞われるような状況である。生活習慣の一つとして常に防災対策を心掛け、いつでも適切に対応できるようにしておかなければならない。


焦げ落ちる日本列島猛暑なり

雷雨に逃げる浅草雷門

帯広で37度の猛暑日に

熱帯夜満座の星を眺め居り 

前線の下に荒れたる大出水

豪雨に西の斜面のがけ崩れ

前線の重なる空と地の洪水

終日の雨に浸りし長良川

積乱雲重なりて地に崩れけり

猛暑日に悲鳴を上げる動物園

ぐったりとしたライオンの日射病

間延びした蛇も日照りに焦げあがり

トランプの顔も日照りに間延びせり


夕立のあっという間に干しあがり

この梅雨は地より空へと荒れ狂ひ          7月15日
     
アルプスの谷に熱風の通りすぎ

冷麦のガラスをたたくかき氷      三郎     7月16日


       *


積乱雲重なりて地に崩れけり 三郎

灼熱の日照りが続いていたかと思うと、俄かに風は吹き始めた。真っ蒼に広がっていた空の一角に,雲が銀色に染まりながら湧き始めたかと思うと、たちまち大きな雲の柱が出来上がってきた。積乱雲だ。大木の雲の柱をいくつも作っていて、雲の固まりが物凄い勢いで天に昇っていく。無風の東京の空を、俄かに騒がした、ほんの一瞬の出来事である。銀色だった雲の色は次第に黒味を帯びた色に変わってきた。
   雲の大きな固まりが団子のような形になって、重なり合い、うずめき合いしながら空の半分を占めるくらいに広がってきた。熱い日差しが閉ざされて、一陣の冷ややかな風が、上空から真下に向かって吹きつけてきた。急に真っ暗な空に変わってしまった。どす黒い雲の固まりが強風に乱れて、渦となって回転している。
   ポツリと飛んできた最初の雨粒だったが、街路樹を冷たい風が吹き付けた。すると予告なしに突然大粒の雨がまるで軍勢を伴って攻撃してくるように、黒い豪雨になって襲い掛かってきた。白い閃光が走り、雷鳴がとどろいた。雨の叩きつける音がガチンと破裂して破壊的な音がした。雨滴ではなく大きな氷の塊が、滝のような雨の中に交じっている。上を見ると黒い石のように落ちてくる沢山の雹が、地上を白く叩きつけている。激しく揺れる樹木がなぎ倒されて、状況は竜巻も加わっている感じだ。コンクリートの街なかもライフルの銃弾を浴びているようだ。人影皆無の、真っ暗な世界である。吹き付ける強風の中に、又せん光が走った。同時にはれつする、鈍い音がとどろいた。近くの落雷である。ものすごいエネルギーで襲ってきた豪雨に、暗黒の街なかは攪乱された。水を大量に含んだ雷雲の壁が支え切れずに、一気に崩れて大地に落下してきた。。 一瞬にできた一句が、頭をよぎった。「落雷に光と音の同時起つ」  三郎

 そして今夜、気象庁は、日本が「梅雨が明けた」と宣言した。これからが、本格的な真夏の到来である。 暑さに拍車がかかり、特に関東地方は渇水の梅雨期、からつゆを通過してきただけに、水不足が心配であり自然環境に、人間社会に影響を及ぼしてくるに違いない。 予想される猛暑の中を、元気に過ごしていこう。     7月19日

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暑中お見舞い申し上げます。

     碧天に積乱雲の柱立つ     三郎


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行政がゆがめられたと前次官歪む行政を壊す安倍氏と

注目の衆院予算委の開かれて集中審議の今し始まる

加計疑惑、稲田大臣の資質問ふ集中砲火を浴びる首相は

審議にて知らぬ存ぜぬを繰り返す政府参考人の無責任の弁

記録なし記憶にもないと繰り返す答弁に立つ認知症の皆

民衆もあきれる始末の答弁に終始の閉会集中審議


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稲田防衛大臣の辞意表明と(これは必然)、
   民進党の蓮肪代表の辞意表明(これは当然)

   以前から小職は政党こそ違うが、今日に至って、稲田大臣が辞任の意向を伝えた様だ。国会を混乱させてきたひとつであり、かねてから辞任は当然の結果であると思っていた。又、蓮肪民進党代表の今日の突然の辞意表明も、民進党の野党第一党としての責任の取り方として遅きに逸したと感じていた。女性の活躍を大いに期待していたが、素質とイメージが国民の支持を得ることが出来なかったのは非常に残念である。例えば二人は国民が選んだのと同様、多くの女性が選んだ女性代表の意味合いがある。しかしながら、志これに在らず、女性の期待を裏切り、期待に背いた。残念である。現実問題として稲田氏は、国と国民の生命財産の安全と確保を受け持つには器が小さすぎたし、重荷であった。日ごろの政治活動や、国会審議での質疑応答を見ていても頼りなかった。都議選での発言や、防衛庁、陸自のPKOの日報を巡っては、何よりも信頼性に欠けるものであった。
   又、蓮肪代表にしても巨大政党の自民党に対峙した政党を率いていくには、重荷に過ぎた感じであった。萎縮していく民進党には期待に反し、政権政党にとって代わる受け皿の役は全く果しえなかった。むしろ野党の支持率低下が見るに見かねるものがあって、日本の政治の貧困さを示して、危惧するものがあった。健全な野党の存在は、国の繁栄のために必要条件である。蓮肪氏は努力家であり、頭脳明晰で攻撃力はあったが、それだけでは党組織を代表することはできない。党をまとめて求心力を発揮していくには力量不足の面があった。折角のチャンスを生かされずに、まことにもって残念である。むしろ一議員として縦横の活躍を期待したい。 

今回の稲田防衛大臣の引責辞任、そして突然の蓮肪民進党の党首辞任表明は、きわめて情緒的で冷静さを欠く場面が多すぎたのは残念である。 稲田大臣の場合は、安倍首相の思い入れが強く、能力を見ずに無理おやり職責に任命してきた感が否定できない。防衛大臣と云う国の安全と国民の生命財産を守っていく任務を司るわけである。国防上重要な案件でつまずくような事態は、今後もあってはならない。或る知人は、稲田大臣は安倍さんのマスコットのようなものだから仕方がないと云うのである。それではあまりにもお粗末である。
   又、国会運営が緊迫している状況にありながら、対峙する野党の党首が自らに非を認めて突如辞任すると云うこともおかしい気がする。師と仰ぐ野田幹事長の辞任で支柱を失った感じで、身の振り方について一晩考えたというが、身勝手であり、感傷的である。 そもそも野田氏を幹事長に据えたことが失敗であった。賞味期限がとっくに過ぎた政治家である。辞任の原因はムニャムニャで、はっきりしない。結果は投げ出したことになって、あとは宜しくというわけである。公私混同の結果の、気分の揺らぎで事を決するというように受けとめられ手も仕方がない。 これが野党第一党の党首かと思うとかと思うと、冷や汗が出てくる。 
   日本を取り巻く国際環境は極めて重大な緊迫した状況にあるがゆえに、最高決定者の空白は一刻も許せない。防衛庁、自衛隊諸君の士気に触れるところであり、今後の大臣の人選にあたっては、防衛庁、自衛隊の諸君の士気と規律の順守を求めるにふさわしい人物の登用をお願いしたい。要は文民統制のしっかりした人物を、防衛大臣に登用すべきである。舐められたり馬鹿にされてしまうような大臣では信頼されない。そうした指揮のゆるみが、もしかすると組織ぐるみの隠ぺい工作に繋がってくるのである。今回も陸自の幹部が報告したが大臣は聞いていない、指示したこともないと真っ向対立している構図である。公程度のことでこのありさまだから、国難、有事の際には何をかいわんやである。
   要は防衛大臣の貫録、素質である。意味不明の言い訳をしない毅然とした人物の登用である。引責辞任に該当する人物は、このほかに沢山いるが、小異を捨てて大同に付く気概も必要である。それにしても安倍政権の支持率は27パーセントまでに急落、民進党は5,7パーセントと云う悲鳴に似た叫びである。片やその分、無党派層が拡大している。指針なき民衆の、放浪が続いていることになる。
   記憶にない、記憶にあるけど忘れたとか、認知症の答弁者が勢ぞろいして、国会閉会中の集中審議は無ざまであった。南スーダンへPKOを派遣するときは、それなりに大変な議論を重ねて多くの若者たちが危険な現地に赴いた。現地では撹乱、対立する部族たちの状況が続いて事実上の戦闘行為が続いており危険な状態でいる。そうした中での隊員の記録が、国会でお粗末に扱えられたりしていては、命を懸けて努力している隊員たちに屈辱的扱いをすることになる。戦闘となれば憲法第九条に違反する。戦闘と云う文言を武力衝突という表現に変えたところで、法律的解釈はすり抜けられても、実態は厳然として残っている。防衛庁職員や自衛隊組織の内部で、こうした状況を見せつけられては、複雑な気持を抱くに違いない。職員、隊員の士気のゆるみ、法令順守の精神に影響するところ大である。この点については責任者たる政府関係者の一時しのぎて事を扱い胡麻化そうとする魂胆が、実に怪しからん。あの時以来、大臣はすでに解任に与えするものであった。釈明、弁明に過ぎて傷口を大きくするだけであった。決断が遅かったのである。 
   蓮肪も然り、離党者が増えること自体異常である。せめて都議選で惨敗した時に責任を取って党首を退くべきであった。民進党にも居るかもしれない優秀な人物に継がして、自分は二番手で鋭い舌鋒を以て政府攻撃の陣頭指揮に立ち党勢の拡大を図るべきであった。働く場所がちがっていた。気付くのが遅く、尚その決断が遅かったのである。                    7月27日


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北朝鮮がまたもミサイル発射
問題解決に方向転換を

   北朝鮮が、きわめて精度の高いミサイル、大陸間弾道弾を昨夜の午前0時25分に日本海海域に向けて発射し、実験は成功したと発表した。麗によって日米韓はじめ国際社会はこぞって非難し、更に経済制裁を行っていく発表をしている。相変わらずの紋切り型の声明しかできない状態である。
一時はアメリカ、日本の海軍部隊を朝鮮半島近海に派遣したりしてが、それ以上に威嚇攻撃はできない状態で、手ごまねいている。一方の北朝鮮は、益々エスカレートして挑発行為に出ており、単なる挑発ではなく、ミサイルの攻撃態勢の実力を内外に示して、存在感を誇示しにかかっている。前回の実験の記述的制度の結果に驚いていた欧米諸国であった。しかし今回の結果については、短期間に北朝鮮が、これほどの実力を見せつけることに専門家たちは一様に驚愕している。
   深夜に発射されたミサイルは、高度3700キロ、飛行時間45分、飛行距離990キロ、日本の経済的排他的水域の、奥尻島の150キロ沖に着水した。NHKが着水するミサイルの残骸を鮮明にとらえた画像が発表された。それを見る限り、残骸は強い光を発射しながら垂直に落ちて行く様子が映っている。恐怖の映像である。発射されたミサイルが高度3700キロに達したあと、予め測定された落下地点に向かって落下していく。物体は散らばらずに、そのまま個体の形状を維持している。成層圏に再突入する時に発生する、高温の温度に十分に耐えている。この結果からする限りミサイル発射の技術は、短期間に驚くべきスピードで向上している。威嚇だけでなく実際に射程距離は一万キロ以上に及ぶことになる。北朝鮮の発表は誇張ではなく、アメリカ全土を射程距離に包むことが出来ている。
   欧米諸国はこうした北朝鮮の挑発行為に対し、中国やロシアに対して更なる経済制裁を連携して加えるよう呼びかけているが、のれんに腕押しで、今迄の様相と変わらずあいまいに経過してきている。中ロの強協力は、実際的に効き目がないのである。そうした論議をしている間にも、北朝鮮のミサイル技術は長足の進歩を遂げ、いつ、どこからでもミサイルを以て敵国に攻撃をかけることができるレベルに達してきてしまっている。北朝鮮にとってはもはや誇張ではなく、ミサイルに核弾頭を装着して飛ばせばいいことである。
   経済制裁も効かないし。むしろここで欧米が期待している中ロの北朝鮮に対する政治的、軍事的姿勢に疑念を持つべきではないかと思わざるを得なくなってきている。北朝鮮が、独自で短期間に斯くもレベルの高い水準を更新していくことは、不可能だからである。ロシアの背信的な歴史的事実は明白だし、今や米中の勢力争いは暗黙の葛藤を続けていると見なければならない。疑いたくはないが、今や北朝鮮の背後に、中露の黒い手が見えざる形で差し伸べられているとみていいだろう。

    ベルリンの壁の崩壊は、ソビエト連邦の崩壊の時である。改革路線を打ち出したゴルバチョフと、それに続くエリツェンがいて自由開放を推し進めた時代であった。その時と今はロシアの状況は違ってきており、ウクライナの状況を始め領土拡張に熱くなっている始末である。今やプーチンの狡知的ロシア、習近平の略奪的(南沙諸島)政策の大国を目論む中国、これがいつも手を握って対米敵対行動をとる北朝鮮をかばって、むしろ煽って逆に支援している姿を想像できないわけではない。単純で直情型のトランプなど、百戦錬磨の彼らにとっては赤子の手をねじるようなものだ。朝鮮半島を、第二のシリアにしてはならない。

   軍事独裁国家を任じて、一糸乱れぬ行動をとっている国民に対して甘く見てはならない。かっての日本の軍事優先を以て海外進出を試みた姿を想起すべきである。北朝鮮はまだましである。海外に対する植民地政策を進めているわけではない。韓国同様、朝鮮半島の、民族統一を願っているだけである。韓国を政治的、軍事的に擁護している米国と話し合いたいとする要求にこたえて、北朝鮮と直接対話の場に引き出してみるのは、米国にとって得策であり現実的である。話し合いを対等の場で行いたいとするのは、あって然るべきである。そのための核開発を行ってきているのが、北朝鮮の対・米国に対する外交的姿勢だからである。対話は北朝鮮の核開発の廃棄を前提とすることは、もはや現実的ではない。小型の核弾頭を装着して、大陸弾道弾の開発が成功していることは、識者の認めるところである。
   対北朝鮮の、今迄の欧米諸国の政策の転換が必要である。北朝鮮に対して経済的制裁で包囲網を築くことは今までもそうだったし、これからも効果の上がらないことは目に見えている。制裁に対する中ロの協力の生ぬるさがあるからだ。この際、北朝鮮に対して中露をあてにした経済制裁の包囲網は、もはや空想に過ぎない。期待していた中国は、頼りにならないことがはっきりしてきた。ロシアはむしろ北緒戦を陰でしえんしている。だとしたら欧米が大胆かも知れないが、北朝鮮を巻き込む政策への、発想の転換である。現実的、積極的話し合いの外交への転換である。体制の崩壊を恐れる北朝鮮に対して、如何に今後の朝鮮半島の政治形態を考えていくか、それを議論していく高度のステージに焦点を当てて行く必要がある。
    北朝鮮は韓国を相手にできないから、米国を相手に話し合いの外交に就こうとしている。核戦力の軍事的バランスからすれば月とすっぽんだが、しかし体制維持を図る北朝鮮の体面を保つために、懸命の努力を積んできているところは認めてやるべきだ。話し合いのテーブルにつかない限り、軍事的圧力で互いに挑発し合う状況になって、解決には程遠いし、やっていることは長い目で見れば実に馬鹿馬鹿しい茶番劇である。現実的な解決策に北朝鮮を引き出して、彼らが求めている米朝会談を開かせてみたらいいかもしれない。これこそ話し合いではないか。
   色ぴな場面が想定される。米国は核開発放棄を条件を出してくるだろう。北朝鮮は韓国から米軍の撤退を要求してくるだろう。そして北朝鮮を攻撃しないという言質を取るだろう。更に進んで米朝平和条約を結びたいと云うだろう。韓国との話し合いと民族統一に進みたいと云うだろう。現状を認識したうえで、話し合いの場に出てくる可能性だってある。そうした時に対応した議論と協議を進めれば、建設的意見が出されるであろう。武力衝突は、得てして暴発から出る。それを避けるためにも妥協して、外交的話し合いに出るべきである。           7月29日
  

   
                    

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾

vol.17.6

富士・箱根の長尾峠

初なつの空しらじらと明けゆくを峠に立ちて妻と眺めり

初なつの富士の高嶺に笠雲を置きて夕映えに立ち舞ひにけ     6月1日

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           パリ協定脱退  トランプ大統領の愚かな反逆

トランプ大統領が6月2日にホワイトハウスで愚かな演説を行った。地球温暖化対策で,折角世界が取り組んで作り上げた枠組みから離脱するという身勝手な発表である。190カ国以上が合意し,147カ国と地域が締結している協定である。アメリカは、中国に次いで世界第二位の温室効果ガスの排出国である。そのアメリカが離脱すると云うのだから開いた口がふさがらない。世界の各国から厳しい非難が起き上がっている。

誤った決定の原因は、いきなりアメリカの、そして世界の指導者に上り詰めた男の、向う見ずな思い上がりと、有頂点になっている極端なアメリカ第一主義の無様な一面であるが、言うなれば世界を相手にお山の餓鬼大将的なところがある。これでは科学的知識のない人物と思われても仕方がない。地球温暖化は人間はもとより地球上の生物にとって死活問題となりつつある深刻な問題である。将来にわたって気象変動の原因ともなり、地球規模の大災害の発生も懸念される事柄である。世界の科学者たちがこぞって警告を発している。有効な決め手がないままに、人間の経済社会が排出する二酸化炭素を削減していくしかない。これだけは事実である。だからこそ世界が一致して結束し、この深刻な問題の解決に取り組んできているのである。トランプ大統領は選挙期間中も、この説はでっち上げだと云って聞かなかったし、パリ協定からの脱退もそうした無知からきている。アメリカの雇用を増やすと云っても、そうしたエネルギー資源に依存した経済構造から今の経済は脱却しつつあり、クリーンエネルギーへの転換に産業構造が大変化を遂げつつある。そこから新たに生まれる産業革命によって創出される雇用も無視できない。こちらの方がむしろ雇用問題を持ち出すとしたら、もっと大きな市場を開拓することが出来る。

  とは言っても超大国アメリカの大統領である。品格のなさは生まれつきとしてどうしようもないが、しばらく我慢して正気に戻るまでなだめておかねばならない。ただ選挙公約に掲げたことは実行しようとしている姿勢だが、満足に行われていないのが実情である。軍隊の発令は除外的事項だが、一般行政に関する国内向けの発令については政権内での行政組織が8割がた固まっていない状況と云われているので実行のしようがない。内部を固めることが最重要課題である。これこそトランプ自身の力量を問われるゆえんである。世界に胸を張り、肩をいからすだけでは、事は成就しない。足もとの人事が大部分決定されていないとなると、膨大な行政機構は作動しないだろう。トランプはそれに気づいていないから、面倒なのである。政権運営が正常に作動していないので、いきなり衝撃的な発言をして、世界を震撼させることになる。

   ドイツのメルケル首相は、人類破滅への道を選んでいるとして、猛省を促した。フランスのマクロン大統領は、プラネット・ファースト・アゲインと云って、トランプのアメリカ第一主義の品格ない姿勢を皮肉った。その通りである。温室ガス排出量第一の中国は、協定の順守を継続すると真摯に述べ、アメリカに加担しないところは威厳を保っている。現状で、アメリカの孤立主義は極まってきており、窮鼠猫を噛む感じである。トランプ自身が自覚するまで、忍の一字で世界が我慢するしかないだろう。地球が駄目になってきたら、アメリカ第一主義もへったくりもない。本末転倒である。
   私の聞き違いでないと思うが、我が国の政府重鎮の麻生財務大臣は、アメリカの離脱発表を聞いて、所詮あの程度の(知性の)ものだと、云って切り捨てた。私もこの決定には腹立たしく感じて、嫌悪感を覚えたのである。これが保護主義の典型的な事例である。領土的侵略にとって代わる、悪魔的外交政策である。これから先、国際社会に対してアメリカ第一主義をどこまで押し通すつもりなのか、そもそも彼の無定見さに戸惑っていて、アメリカは一体どこへ行こうとしているのか、良識を逸脱する政権運営が心配になってきた。世界から喧々諤々の非難を浴びている北朝鮮の、無頼漢的行動をとやかく言っていられないくらいの品の低さである。善良で、穏健で協調的な各国に及ぶす影響も、無視できず、加盟国の良心的な対応が注目される。

  超大国のアメリカが率先して指導しリードしていくべきなのに、その逆を行ってしまうようでは、何をかいわんやである。オバマ前大統領は、痛烈な非難を以てトランプを攻撃し、世界に訴えている。世界の秩序をぶち壊すような行動を頻発して、人類の英知によって築き上げてきた歴史的な世界の枠組みが、軽率浅薄な悪戯によって壊されかねない現実に、世界が戸惑っているのが残念である。少なくともアメリカ抜きでも、築き上げてきた世界の秩序と枠組みを堅持し推進していかなければならない。そしてこればかりはアメリカとトランプ大統領の猛省を促して、改めてもらいたいものである。
   うっかり、はずみで、英国のEU離脱が決まって混乱が続いているが、続くフランスの大統領の当選は良識が勝利した結果として残っている。フランスの大統領選挙の結果は、このおぞましいポピュリズムの流れを食い止めることが出来た。保護主義のこれ以上の台頭は、世界平和と国際的合意の積み上げを壊していくもので、絶対に阻止しなければならない。保護主義が蔓延し、かっての第二次世界大戦のような諸国乱立気味の状況に逆戻りする時の結果は目に歴然である。EUは小異を捨てて大同に付く、寛大且つ大胆な決断をして出来上がった英知の産物であり、歴史的且つ現実的、歴史的構築物である。妄想無知で利己的な強気一点張りの英国は、メイ首相が強気の姿勢で、20年に行われる議会選挙を前倒しして過半数を取るべく、6月8日に行うことにして賭けに出ているが、風の読み違えで、まさかの結果にならないとも限らない。私はメイの賭けは裏目に出ると思っている。選挙は彼女の退場を促す結果となるだろう。その時の英国の混乱の収拾が懸念される。強気のトランプ政権の政策も当初の鼻息きのあらさは和らいでは来たものの、破れかぶれの腹いせで八つ当たりの行動をとることもあるが、国内の良識が冷静にこれを阻止している。威張り散らして増長し、所詮場当たり的発想を連打してくる可能性があるが、そういた悪弊がやがて収斂していくことを期待している。 これはトランプ政権のためにも努力していくべき課題である。  6月3日

人類の破滅を招くトランプのパリ協定の米の脱退

マクロンの流石に知性を示しけり我がプラネット・ファーストと呼ぶ

EUの結束を得てマクロンの功績大の大統領選

トランプに比してマクロンの比類なき知性の地球第一主義と 

マクロンの唱ふプラネット・ファースㇳ・アゲイン主義こそすぐれ世界規模にも

若輩のマクロン・フランス大統領老練狡知のトランプを圧す

品格の威厳を醸すマクロンの野獣派トランプの品位打ち消す

金のみに頼りて渡世の中をゆくその人物が国をリードす

たびたびの品格を欠く発言にトランプ大統領の先に疑問が

その日まで世界の国が足並みを揃え成就すパリ協定なりき

人類の破滅を救ふパリ協定人の英知の結集なりき

万軍の兵を配して目的の地球温暖化の阻止に進まん

中国の国際秩序の指導者と米に変わりて一帯一路

中國も北朝鮮には手を焼きて泣く児と地頭に勝てぬと申す

余りにも余分のツウィッター撃ち過ぎてひんしゅくを買うふ米・大統領

品性を欠く余りの言動にトランプ政権の先を憂へり

CO2削減と有効活用に科学の粋を集め極めろ

パリ協定脱退を云うトランプの狼藉ぶりにあきれ果てたり

英国の揺さぶりに逢ふも信念の堅持のメルケル首相に手を挙ぐ

落ち着けるメルケル首相の哲学と理念に乏しトランプ爺さん

メイ首相のうっかり打った総選挙、結果はまさかの顛末ならんとも

人間の相互信頼を排除してただ金のみに動く男よ

胆略にとらへ地球の均衡を破る社会の懲りぬ性なり

全能の神に仕へて恙なく日々を暮らすは幸ひなりき

北朝鮮金正恩とアメリカのトランプ・リーダーと並べ比べり

アメリカの経済回復の顕著なり政治に遠き民の力に

アメリカの第一主義と北鮮の軍事優先と変わる点なし

近ごろの金正恩とトランプの理念なき身の地球破壊者

どちらとも並べて優劣つけがたく互いに挑発し合うレベルと

トランプが他国の首脳を押しのけて自ら前に写真写せる

両者とも同じ自国第一主義お山の大将の殴り合いとも

TPP、パリ協定からの脱退と世界秩序を壊す米国

遅くない今し米国に猛省を促し協定をサポートすべしと
     以下二十首

春雷やミサイル発射北朝鮮
核実験失敗サイバー攻撃に
太陽光発電構想はギリシャより
春雷や銀座の客もビルに逃げ
春雷の光りや銀座大通り
青春の歌に若駒跳ねる朝
襲来やビルに逃げ込む花乙女
落雷す銀座の三越避雷針
ローマ風呂今やサウナの恩恵に
春の雷日米艦隊海荒れる
一体化日米艦隊春嵐
夏風邪やトランプ就任百日目
トランプのラッパ変わらじ百日目
景気良し豪華寝台列車行く
初夏の敷島豪華列車行く
敷島の発車とミサイル発射の日
列車旅春の景色のさながらに
寒暖に同時に襲ふ異常気象
世の中も突風落雷弾道弾
逃げ回る善男善女驟雨かな
流氷の去りてプーチン安倍会談


  中国の市場経済重視の意味

   アメリカ第一主義を唱え保護主義政策を取るトランプ政権と、自由貿易を唱え市場経済を重視する中国の習近平聖戦の思想が、ここにきて今までとは逆転して政策面でも顕著になってきたことは、歴史的に見て特筆すべき現象である。国際経済が今までのアメリカ中心から中国が取ってかわってきていることに驚きを禁じ得ない。アメリカの保護主義と、閉鎖主義とは逆に、中国の市場経済、自由貿易重視の対照的は姿勢である。  
   TPP脱退から人、モノ、金、の往き来を制限するのと、一帯一路政策を推進し、人、モノ、金の自由な行き来を拡大して、一大市場をけん引して行こうとすのとでは、経済政策と外交政策が真っ向から対立するもので、巨大大国の噛み合いがつかない。今や旧弊から脱皮して拡大政策に展開する中国の遠大な政策に世界が参加して、中国主導の一大経済圏を形成する勢いである。時代の大転換を意味している。うち向きにしり込みするアメリカが、弱腰で小さく見えてくる。 広く世界の将来を展望し、真のアメリカ精神に切り替えて、国際社会の動向に後れを取らないように努めてもらいたい。 続 6月7日


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       青年社長の就任決定


  上場企業の三月期決算の発表があいつでいるが、株主総会も6月末に開かれるところが多く、現在、株主の人たちに各企業からの総会通知書がどんどんと送られているところである。景気の緩やかな回復を反映して、民間企業の業績向上を示す数字が軒並み好調で、喜ばしき限りである。そうした中、中小、弱小企業の企業経営は、相変わらず芳しくない。地方を含めて悲鳴に似た感じもしているが、こうした状況が早く改善されないと、本格的な景気回復の恩恵を反映したことにもならないので、尚、透明性のある政官財の一致した一層の努力が試される。
  決算の発表と同時に、役員交代の発表も盛んである。人事の若返りを目指す企業もあって、活性化を目指した企業姿勢がうかがえる。グローバル化はなお一層高まる中、国際競争力を付けるには、たゆまぬ技術革新と市場調査と開拓、円滑な資金調達が必須要件である。これらを迅速に進めていくには、経営トップの体力と精神力が基本的に要求されるし、組織の円滑な機能と、持続性を確保していく、即ち持久力が求められる。企業の従業員の平均年齢を比較してみると、勢いのある企業の従業員の平均年齢は、比較的若年化している。経営トップに知力、品性は当然のことであって、他に人間としての馬力を求めている証拠である。この改善がなされているところと、そうでないところとでは、競争力の格差は歴然として来る。いつもながらのこと、企業の活性化は待ったなしである。
  わたしの友人、知人の多くが、今年は例年になく、この活性化の波に乗って代表取締役に就任するところが多く拝見できることは喜ばしい限りである。しがらみを絶って若者にバトンタッチする企業では、労を多とした社長が退任する例も少なくない。後継者の育成に成功して、全権を委任しうるような体制を常に敷いておくことは、企業の発展に欠かすことはできない要件である。勇断を以て退任し、他の重責を果たし終えた役員も総入れ替えに近いところも出てきている。立派である。

   社長に若手登用を

北大の寮歌に讃ふ青春の大なる夢を胸に刻まん
大いなる希望を果たし新たなる道ひらき行く君は逞し
重責を担いて進む汝が道に神のご加護のつとにあれかし
激浪の時代に乗りて改革の意志を貫き挑む君かな
胸板の厚き青年は誇らしく会社を背負ひ天空を行く
麦の穂の黄金になびくひむがしの雲間に朝日のさしてのぼり来
志高く掲げて新たなる時代に挑む若き社長は
旧弊を打破し新機軸を打ち出して青年社長の躍如たるかな
北辰の其処に居て尚衆星のそれに共ふと云ふはかしこし
充分に王手をかけて突き進む将棋の駒の飛車角を取る
夕立の太く激しく打ちつけて稲妻白く横にながれり
中国の地球温暖化対策の主導につきて世が習ひ行く
アメリカが自ら率先すべき道なのに何ゆへ一人離れて
パリ協定投げ出す米の乱暴に世の良識の愕然たりき
ある株の株価奔騰の兆しあり構造改革の成果打ちだし
期待株三百二十九円の株価に力のひそむ気配に


一方に老練豁達の紳士あり一期一会をいまだ掲げつ
先生に見習い一人で己が道突き進むは良し退任の後も
己が身を活かし一匹狼を演じて人生の道をゆくかな
情熱を心に秘めて物語る卒寿を前の井浦先生
老練の若き語りに聞きほれて人のまことを学ぶ今宵は
先生の良き人柄にひかれ来て切磋琢磨の半世紀かな
先生の一期一会の座右の銘に互いに味わひ励ましつ行く
先生の卒寿を前にかくしゃくの雄弁を聞き胸に刻まん      6月13日


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会津八一と同人短歌誌、淵

   同人短歌誌、淵の同人で写真家の杉村浩大兄に電話をかけて、言葉を交わした。杉村大兄は名古屋の瑞穂に在住している。同人短歌誌、淵を小生が主宰するようになったのは約10年前のことである。淵は、早稲田大学名誉教授の植田重雄文学博士が、五十年前に創刊した歴史ある短歌同人誌である。以来、隔月に発刊されて今日に至っている。淵は、同教授が会津八一の薫陶を受けた愛弟子であったことから、近代の大歌人、会津八一の格調高い和歌の調べを引き継いで、淵を創刊し、自らの創作活動に専念されてきたのである。同時に会津八一の研究の第一人者として、八一の歌と人間的本質に迫って、幾多の著書を世に発表した。
   杉村さんと言葉を交わす中に、豊富で、さまざまな体験の持ち主の片鱗を伺うことができた。美術を愛し、うたごころを理解して謙虚な姿に、その才智の広がりを知るのである。
  大兄は最近、中学時代の友人から米寿を祝う同窓会の誘いを受けている。昭和五年生まれで数えで八十八歳、二〇一〇年に愛妻を亡くされてから早や七年が過ぎようとしている。それからの寂寞の日を強く生き抜かれてきて、米寿を祝う会の学校からの通知である。感慨無量の心境に違いない。
   杉村大兄に電話をかけたのは、大阪四天王寺の絵堂を飾る聖徳太子立像の写真に就いてである。大兄が撮られた立派な傑作である。雄渾と、優美を極めた芸術的作品と思っている。取り上げた動機と作品は、歴史的と云っても過言ではない。
   大阪市天王寺の絵堂に描かれてある聖徳太子立像の壁画は、日本画家の大家、杉本健吉氏が足かけ六年の歳月をかけて画き上げた渾身の作品である。ゆえに、観る人の心に触れて迫真を覚える圧感である。その後、杉本画伯と懇意になられた杉村大兄は、画伯の作品と人間性に魅かれ、その深層に迫ってゆく努力を払われて、共感を覚えるのである。今回我が同人誌の淵にその作品を掲載して、後世の記録として留めて置きたいと思った。杉村大兄の被写体は、奈良の都のひなびた風景や、仏寺、仏像といった広がりを見せて、これを慕う人の郷愁を覚え起こさせて限りない。たまたま私が所蔵する八一の作品の名歌と書の一っぷくがあるが、大兄は、この名歌の書を取り上げて下さり、奈良の大佛を撮られた一枚の写真に重ね合わせて、絶妙の作品を制作された。正に真骨頂であり、無類の名作と云う他ない。気付かずにいた方もあろうかと思うので、機会があれば再度淵にも、昭和経済にも掲載したいと思っている。
  今回はその杉本画伯がさりげなく画かれた蓮上童女の絵に、杉村大兄が小生の詠歌のなかから選んで下さった十首程の和歌を載せて頂いたものである。これを大きく自在に複写して、親しい人に差しあげている。蓮の花をかざして立つ童女の、無垢にしてなんと愛くるしい笑えみであろうか。心身共に浄化されていく感じである。 6月15日

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ほたるの歌


    ほたるを知らない人はいないだろうけど、実際に身近かに蛍を見た人は少ないのではないだろうか。ひょっとすると、周りで実際に見たと云って手を上げる人はいないだろう。絵本やフィルムではよく見たけれど、実際にまじかに見たことを体験した人はいないかもしれない。それにもかかわらず、ほたるほど親しく身近かに感じて知っている生き物、昆虫はないかもしれない。闇夜に光を点滅させながら飛んでいくほたるほど、神秘的な光景はない。人それぞれに思いを重ね合わせて、思い出す事柄が沢山あるのではないだろうか。蛍は、美しい日本の原風景の一つでもある。
    子供の頃にたくさん見かけたほたるも、戦後の経済成長期に工場排水などの汚染で生息場所が失われてきて、撃滅危機の生物の対象にもなりかけたくらいである。ほたるが生息するきれいな水の小川や、草の繁みが無くなってきたせいだが、最近の自然環境の汚染対策と、積極的な浄化作戦が功を奏して、ほたるの生息場所も次第に増えてきていることは素晴らしいことである。水のあるところ、必ず蛍が光を灯せるような環境に、都会も田舎もなってほしいものである。「 ほーほー、ほーたる来い、あっちの水は辛いぞ、こっちの水はあーまいぞ・・・・」とほたるのうたを歌いながら、ほたるを追いかけて行った子供の頃が、懐かしく浮かんでくる。


       ほたるの藁かご     三郎

ほたる籠逃げて蛍の後を追ひ

ほたる籠下げて踊りの帰り道

竹ぼうき上げて蛍の後を追ひ

足もとの泥田のなかを追ふ蛍

ふるさとの小川の草やほたる取り

飛ぶほたる星の夜空の一等星

手のひらにともる蛍の明るさよ

はかなさを覚へて夜の蛍かな

逃げて行く闇の蛍の明かりかな

ふわりふわ前を横切る蛍かな

停電にたよる蛍の部屋の中

蛍雪の光と云ひしはまことなり

電燈のなきひな宿の蛍の火

わが妹子の顔の白さや蛍の火

籠下げて逃げるほたるに泣く児かな

灯しつつ前を横切るほたるかな

久慈川の岸辺の蛍疎開先

灯しつつ渡る蛍の闇の川

ほたる籠井桁の柄を着た子かな

蚊帳つりてほたるを二匹灯しけり

灯してはしばらく薄きほたるの灯

暗闇の部屋にほたるの明かりかな

手探りで探す手帳や蛍の火

一等星よりも明るきおおほたる

一句読む手元に光る蛍かな

思い出は旅路の果ての大蛍

飛ぶほたる吉田の川の堤より

月を見て取ってくれよと泣く児かな

山小屋の窓に悲しき蛍の火

ほたる小屋障子の桟にともる灯よ

山小屋の窓にまたたく星の寄る 

追いかけて夢路にあまた蛍かな

槍が岳北斗の星と蛍かな

大蛍銀河の果てに消えにけり

天の川泳ぐ蛍の影二つ

草の葉を飛び立つほたるいずくやら

源平のほたる遊ばしわび住まい

ほたる籠ともして源氏物語

ほたる籠逃げて楽しき言ひ伝へ

蛍の火俗世のひとを離れけり

風に乗り灯をともし行く大蛍

わらかごの蛍楽しく光る夜ぞ

風に乗りひとり漕ぎゆく蛍かな

藁籠の室に止まりし大蛍

いつまでも灯せ蛍よ里の夏

人魂の揺らりゆらりと蛍かな

好色の源氏が飛ばす蛍かな

目の前を蛍ゆるりと泳ぎ行く

ほたる狩り少女のみ霊追ひにけり

樹の闇にそっと隠れし蛍かな
6月16日


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今年の父の日

毎年のこと,父の日、母の日と称した祝日には、子供たちがお祝いの席を設けてくれてありがたく思っている。親孝行な子供に恵まれて感謝しているが、父親の私が実感として左様に思っているのだから、母親としてはなおさらのことに違いない。友達の多くがすでに定年退職して悠々自適の暮らしを過ごしている。そうした状況でありながら、小生は地道に未だに自分の仕事に従事して止める気配がないどころか、あと十年欲しい、あと二十年欲しいと云いながら体の動く限りは仕事に励んでいるのを見て、家内は心配しながらも精神的に励ましていてくれている。決して仕事を止めろとは言わないので、むしろ安心しているのである。おだてに乗っているわけではないし、自分の勝手な、敢えて申しならば使命感でやっているので長続きするのだろう。
   徳富蘆花の小説「不如帰」に登場する浪子ではないが、「わたし千年も、万年も生きたいわ・・・・」という台詞だが、神様は何故か人間に対してそうはさせてくれなかった。寿命と云うものがあって、それを飛び越して生き続けるわけにはいかないのである。だから与えられた時間を無駄なく一生懸命に働いて、悔いを残さぬ人生を歩んでいければ、それで十分である。欲を言えばきりないことながら、それでも元気に長生きしたいと思うのは、万人が等しく願うところである。仕事を終えて今日一日、妻と二人で祈りをしながら十分に生きてきたことを神様に感謝して席に居ることをありがたく思っている。父の日には働いている親を見て黙って見ているわけでもないし、子供たちも励ますつもりで祝ったりしてくれるから、平凡ながら一般的見方として親孝行に違いない。自分の両親については、自分では親孝行をしたつもりはないので、今更になって悔悟の念でいっぱいだが、憚りながら今もって健康で、目的を以て働いている限り、それはそれなりに価値があって楽しいことである。これについても自分では両親に対して、仮にその時に父の日、母の日があったとしたら、両親に恩返しをしているつもりでいると勝手に解釈しているのである。近年下らぬやつらの巻き添えを食って、心身共に打撃を食らってきたが、自力で漸く脱出した。その副作用と云うべきか、後遺症と云うべきか悩んでいたが、ここ二、三日の幸運的な事象で若干払しょくできて、これが起爆剤となって波に乗っていければ、精神的に楽になってくると思っている。これこそ自然治癒とでもいうべきか。まさに天の配剤だと思って感謝している。
   今回の父の日は、孫たちも交えて息子夫婦が目黒駅近くの豪華な中華飯店で祝いの席を用意してくれていたそうだが、たまたま体調が芳しくなかったので別の機会に延ばしてもらうことにした。力尽きぬようは励ますつもりでいたかも知れないが、その点は大丈夫である。妻は、孫たちに会うことを楽しみにしていたそうである。そうしたら、それを知った娘がお昼ごろになってお祝いに突然一人でやってきた。子どもたちからはお土産にいつもブランド品のネクタイなどの品を贈ってもらうのだが、今回は白のTシャツに「おやじだもの・・・」と胸にプリントしたシャツをもらった。「おやじだもの…}という言葉が実に意味深く感じて面白いと思ったのであるが、それに続けていろいろなことを勝手に主張できて、おやじの存在を力強く誇示できるあたりに、励ましを覚えて来るのである。早速着込んでみたが、照れくさそうにしていたら、娘がとってもよく似合うと云うのである。三十才は若く見えるわよとおだてられて、億尾もなく着込んで庭に出て、真っ青な空を仰いで大あくびした。それを着て庭仕事していたら気持ちいいわよと云ってくれた。庭畑のトマトが赤く実って、今年は大豊作である。おやじだもの・・・のTシャツを着て赤い大粒のトマトをもぎ取って、丸かじりして喜んでいたのである。
   丁度お昼時をまわっていたので、軽く昼食をとりに田園調布の「神戸屋」の店に行った。幸いに良い席が空いていたので、めいめいが好き好きに食べたいものを注文して、大好物の神戸屋のパンを楽しんだのである。娘は仕事柄、経済や政治や、世界のことなど、話題が豊富であり、含蓄な時間がとれて大いに勉強になって幸いであった。番組の編成があって、朝の放送時間が長くなったので、毎朝二時に家を出て行くのは今までと変わりがないが、帰りがその分どうしても遅くなってしまうそうである。小生と違って、寝つきは母親譲りだから寝不足になるようなことはないとのことで安心している。子供たちには健康第一で、精勤してもらいたいと念願している。帰りには、庭畑で採れた新鮮な野菜類を沢山持って帰っていった。この日、昼間ながら、すぐ近くで「うぐいす」が大きな声で鳴いていた。


父の日の祝ひに娘がやってきて何かと気遣ひ励ましにけり
サイン入り 「おやじだもの」 のTシャツを贈られし着て誇らしく思ふ
Tシャツを着て庭畑に勇み立つそして自覚す「おれはおやじだ」
若造と今だに覚へ痛み入る俺はおやじかと自問自答し
責任のなきおやじかも自らは己ながらに生きて来し方
おやじだと威ばはることも憚りてむしろ何時までも若くありたし
自らは若造の身でいつまでも在りたしと思ふ苗の如くに
人生は学習と見て若くあることは未熟で先の楽しき
見上ぐれば梅雨の晴れ間に見る空の薄青色に薄き月影
娘より経済、政治の学識を平凡に聞き楽しかりけり
働きて悔ひなくわれが人生を貫き行かんと常に思ひし
不如帰浪子が望む千年も万年もなほ生きてゆかまし
不如帰、金色夜叉に面影の移りて悲し人の性かな
面影の熱海の海岸散歩する貫一お宮に青き月影
忘れまじジャンクリストフの青春の思ひ高ぶるこの先もまだ
庭畑に実る真っ赤なトマト二固亡きてて母に供へけるなり
松が枝にかかる朧の月影に様々な人思ひ浮かび来
鬱積す苛立つ気配の払拭し父の日に受く贈り物なり
折角に用意されたる宴席の息子ら家族に恐縮なりし
恋愛の物書きなれば共謀罪恐れることもなきぞと思ふ
行燈を灯してひとり飲む酒に芭蕉の旅の宿を偲べり
体調の芳しくなきこの日にて子らの祝ひを先に延ばさむ
孫娘それぞれ大きくなりをりて賢く育ちめでたかりけり
仲の良き佳と麗とのそれぞれの写真を貼りておりし妻なり
久々に田園調布の神戸屋に昼食をとり屈託のなき
父の日を祝い頂く明子より気分の晴れて爽快なりき
庭畑の菜っ葉を摘みて持ち帰る次の時には赤きトマトを
中庭で眺むる星のきらめきに三十二階に住める明子は
美しく光る夜空の星々と月に見とれて眺む母と子
この次の祝ひごとには目黒まで出かけて孫らに逢うて来たらむ
娘よりかしこき言葉を父の日に頂き楽しく時を刻みぬ
フランスのマクロン大統領とアメリカのトランプ大統領の裏話など
有難く妻と娘の三人で楽しく父の日を過ごしけり
われなりに稼いだ金の大金を二重人格者にとられしあとは
時にしてわれの鬱なるうっせきは後遺の病ひと知り戦へり
二年前稼ぐ大金を取られしも捲土重来と試す我なり
父の日に心身共に憂鬱なる身の払しょくに明子が癒せり
父の日に明子がひとりやってきて妻とみたりで語り合ひたり
てて母の位牌に精進歓喜とも兄十三回忌の便り供へり
梅雨の間のしきふる雨にふと気づくあたりしたたる音を聞きに出む
尾山台商店街の踏切りをド・トールの席あり急ぎ入るなり
ドトールのいつもの席の在りしなば入りてみたしと思ひつつ行く
己が身の性格なりしこの頃はひとりで物を書くとき多し
わがままに歌を詠むこそ楽しけれ時のたつのも忘れ書くなり
戦争を体験したる祖父の書を我に預けし二人姉妹の
反戦と平和運動に一生を捧げて祖父の天に召されり
ささやかな二人姉妹に継がれたる祖父の平和への情熱のあと
姉妹には若きマリアの面影の清楚に祈る姿思へり
われひとり物思ひに来し高はらの林に咲きぬ白百合な花
人の世の煩悩を絶ち山里に晴耕雨読の日を過ごす友
教会の二人の姉妹の清楚さに心和みて語り合へるは
不思議にも神はさまざまな器にてそれに相たる人を造れり
藤村の詩集を持ちて若菜集似合ひし姉妹のそばにおはせり
にこやかに笑ふひとみは清冽な山の清水の湧きに似合へり
長兄の十三回忌をいみじくも即随時にて執り行へり
爽やかに父の日を得て心身の隅々までに力湧き立つ
この席にかしこき孫も共にゐるなれば賑はい時とならめや
昼食を食みしあとには歓談の妻と娘と時の充たさる
Tシャツを着て畑仕事いたす身の贈れるあっこの知恵と情けよ    6月21日

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将棋の藤井四段   連勝記録、単独一位に立つ


竜王戦藤井四段の勝利して歴代最多の二十九連勝す

王将の座に立つ中学三年生藤井四段の快進撃なり

快挙なり空前絶後の大記録歴代単独トップに立ちぬ

                   六月二六日  午後十時三十五分


駒を打つ中学三年生の面ざしの思慮深く見てさすが斯くあり

勝負師の駒の一手に命かけ王将の道すすむ少年

勝負師の道に命を賭けて行く苦渋苦難の時もあるべし


うら藪に夏のうぐひす鳴きに来て朝の光の射してかがやく

うぐひすの高なきを聞き動かずに妻と見合ひて次を待ちをり

喜びて鳴くうぐひすのひと声にめでたく思ひ有難きかな

さっと来てさっと去りゆくうぐひすのそのひと声のなんぞめでたき

うぐひすの上手に鳴きて去りゆくは神の使いと思ひめぐらす

うぐひすの厠の近く遊びきて太き鳴き音に心ふるへり        6月28日


                          

   
                 


社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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