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VOL.23.12
12月、もう今年も師走である
何だかんだと騒がしく打ちすぎて、この年も早や師走に入りぬ。町なかも何気なく慌ただしきに人の行き来に影濃く走り行くあり。吹き過ぎる風もことのほか寒く覚えぞかし。年の瀬の風情ともなりぬ。江戸風紀よりひも解くまでもなきに聊かそろばん勘定をはたく気にもなりて、この年のコロナ禍もはねて庶民の懐具合も明るくなりぬれば、金の動きもさらなり。銀座の高級店より食ひ道楽の場末にまで、金の周りも広ごりて人々の顔も嬉しき様にてほころびて来ぬ。飾り窓ならず、窓の飾りなどにぎにぎしく、行き来する人の足をとどめ心なごみて暮れの街をそぞろ行くほどに、昔在りし白いバラの店あたりに差し掛かれり。建物変わりて建つほどに、昔の面影つと切れて心痛く刺したり。おなごらのいずこに在りしかといと懐かしく思ひ染めては去る人を愛おしく思えぞかし。華やかな年ごろの、化粧の色もさえぬれば、立ち上る色の気色の身を包みて男心をくすぐりてはばかること限りなし。ふと立ち返り、目覚めては表の通りを行くほどに、木村屋のパンの店先に至りぬ。昔より贔屓のなじみ客の多きこと以て誉なるべし。木村屋のパンといえばまろきアンパンが有名なりき。小豆のあんを包みたる皮の衣も香ばしく、餡の甘みも程良きに、これを買ふて持ち帰る客の多し。店のチラシに、餡の産地は帯広の小豆を原料に煮立てるものにて、微妙なる味付けなりと自慢せり。よくあることにて、世の不安をあおりては人の欲上手く引き出して金の成る木のあるごとく購買力を引き出して、金など買わせたりする店甚だ多く散見するなり。貴金属や装飾品の店、銀座通りの一等地に派手に店を構えしなり。地価の跳ね上がることおびただし地にしあれば、よほど高く儲けて貴金属品など売りさばかねば稼ぐこと能はじ。およそ高値でつかみ、のち売りさばくときには人気沸騰のようなときにでもなければ、願いかなわず。貴金属にて身を飾り、しばらくは自己満足にて過ぐるを良しとするほかに術なきかな。されどこのところ金の高値の取引の相次ぎ、店の客足も軽きリズムにて候なり。株式も投資家の信頼を得て手堅く伸長し、ベンチャー企業を軸として人気は絶大なり。他の雑株も引きずられて堅調のてんかいなりし。日銀の主も変わりて新しき気分なれば、経済の歯車たる役目の金利政策も自ずとと変わりてゆくものなり。目新しき事あらずとも、長らく続きおりしゼロ金利政策も、前の主の時より大まかに変わる気配にて、大方の起業家、そして生活者に取りて新しき出だしにとりていと楽しき事あり。明るきまなざしにて経済をとらえんとする新しき風を孕み、前途広き展望成りき。
大谷翔平選手の快挙
去就が注目されていたが、大リーガーの大谷翔平選手がエンゼルスからドジャースに移籍することが決まった。代理人事務所によると、契約は10年で総額7億ドル、邦貨にして約1015億円である。これだけの所得を一気に稼ぎまくる人物であるが、獅子奮迅、そして射止めた成果にしてさぞかしこわもての人物かと思いきや、さにあらず、純真無垢を思わしめる紅顔の青年である。札束を山と積むにはもったいないくらいで、純真で曇りなき童顔の好青年には、大きなぬいぐるみをプレゼントした方が格好がつくというものだ。
近年アメリカの大リーグに籍を置いて大活躍する日本人の選手が注目されてきているが、これほどの人物は百年に一度にして出るか出ないかの確立だともいう。投打の二刀流を以て世界一の大舞台を席巻し今季、打率3割4厘、44本塁打、95打点の大記録を達成した。投げては10勝5敗、167奪三振と投打で記録更新の活躍をしてファンを喜ばした。アメリカの野球界に歴史には、かってベーブルースという名をほしいままに轟かした選手がいるが、そのベーブルースの打ち立てた記録も塗り替えて、アメリカ野球界に名を留めるに至った大谷選手には、絶賛の拍手を送りたい。世界一の記録を打ち立てた男には、1000億の契約金など驚くにあらず、かすんで見えてくる。
絶好調の大谷選手であるが、心配なのは肘の怪我である。今季、右の肘と、右の脇腹を負傷し手術を受けてチームより一足先にシーズンを終えている。好調な成績を上げてきたが、完全に傷の快癒を期して来シーズンに備えてもらいたいものである。ドジャーズでは更に華麗な技と会心の一打を願って引き続き大リーガーを先導していってもらいたい。 12月11日
FRBの金融政策の大転換
米国でのインフレ抑制政策が持続的な金利引き上げによって行われてきていたが、我々は、各種の統計によって第二四半期からその影響を既に肌身で把握していた。景気循環に目を凝らしてみれば、世界を襲ったコロナ禍から幸い収束を得て景気回復の軌道に乗ったが、しかしその後の「インフレとの戦い」を掲げるFRBによる金利の利上げは、以来、急ピッチで執拗に続けられて来た。この結果、一年四か月に及ぶ利上げステージは、二〇〇一年以降では、最短の期間で合計5.25パーセントにも及んだ。この利上げ幅とそのスピードは異例である。一九八〇年代以降でも最大となる。常識的に見ても、こうした大幅な利上げが長期に継続的に続けばケインズ的理論からしても景気後退を招くリスクは大いにあるはずである。統計的に見ても七-九月の数字は高成長を続けてきた米経済が大幅に減速している結果が示されて、二〇二二年三月から始められた利上げは、事実上終結することと相成った。
米国の景況感については、製造業は不況を呈しており一二月期には受注高は減り、コスト高によって好不況の分かれ目である50を下回っている。欧米の金利は、今まで採って来た高金利政策が大転換に入り、マーケットは長期金利の急激な低下をしめしてきている。12月13日に行ったFRBのパウエル議長の発言は、追加利上げでなく利下げの時期について議論を行ったと明言した。市場はすでにこうした状況を織り込んできており、FRBはこれを追認した形である。インフレは国民生活を窮地に追い込み、消費需要を停滞させ、産業構造も設備投資の後退を以て景気減速を招いていく。景気後退の兆しである。金融政策は物価高騰、インフレの抑制を目指し、かつ景気の持続を図り企業の活性化を通じ雇用の安定化を以て是としなければならない。両輪の活動を維持して、国民経済、敷いては世界経済のかじ取りを確保する責任がある。FRBの英知と決断を発揮しながら、今日の政策の大転換に至ったわけである。過去の金融引き締めの影響が顕在化し危機回復の支障をきたすこともある。決断は遅きに逸した感が否めないが、随時、自在に緩和方向にかじを切って対応する段階である。景気過熱を回避して、柔軟に景気の持続性を図っていくことも当局の使命である。
物価の高騰、即ちインフレの加速は、将来にわたる貨幣価値の下落を見越して、過剰な消費意欲によって招くことが主たる原因である。同時に、物品の供給不足によって惹起される要因でもある。しかし今日において原材料の高騰によって一部物価の高騰が引き起こされてきた経緯には、ロシアによるウクライナ戦争の影響が大であることも認識しなければならない。世界的に原材料、資源価格が跳ね上がってしまったがゆえに、平時における中間財、最終消費財にまで価格が影響を受けた状況である。又、懸念されるべきは、気候変動による農産、海産物の価格の上昇である。こうした複合的な要因が重なって世界的インフレを招く原因ともなったことに注目しなければならない。いずれにしても需給関係にひっ迫から招くインフレの解決策は自明の理であるが故、金融政策の緩急を得た当局の得策が求められる。これからは値上げが随時行われていくものと判断し、我々、企業家も環境の変化に十分備えていく必要がある。
日本では、黒田日銀総裁の主導するゼロ金利政策から長年脱却できなかった状態から、今年4月に10年ぶりに植田総裁にバトンタッチされてしばらくの間、政策変更らしきものはなかったが、独自の金融政策が打ち出されてきたようである。既にゼロ金利政策から抜け出して微調整が行われている。市中金利は緩やかに上昇に転じ、今までの企業の借り入れのあり方を修正する事業者が暫時表面化してきているのが現実である。金融機関の融資姿勢にも変化がみられてきている。 12月15日
株を枕に年を越し
日銀の黒田総裁も今年はともかくとして来年は、総裁独自の思惟と判断で今までの異次元と称して長きにわたり行ってきたゼロ金利の金融政策から脱却して、正常な金融政策を取り仕切っていくに違いない。温厚誠実な人柄ではあるが、はしゃがずに、なかなかしぶとい面を持ち持ち合わせているので、安定感、信頼感がある。新年の金融政策の展開に合わせ、日本経済は堅調に推移し、成長路線を辿っていくに違いない。政治は駄目でも経済が良好であれば救われるといった諦観的な考えもあって国民は落ち着いている。岸田内閣の支持率低迷が続くが、さりとて異彩を放って、代わって出てくる人物もいないところを見ると、混沌の中を体裁よくすり抜けていくかもしれない。それが時勢にかなっった才覚と言ってしまえばそれまでだが、慌てて混乱を招くよりか良いのではないか。して見ると年末にけじめをつけて来たる来年こそは起業家はすべからく進取的に事に当たり、労使協調のもと事業拡大に努め歩んでいくべきものと思われる。そして株を枕に年を越せ、という言葉を以て楽しい初夢を見ていこうではないか。 12月25日
社団法人 昭和経済会
理事長