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vol.24.5
大型連休が始まった
さつきの空はくまなく晴れ渡り、薫風そよぐ大型連休に入って全国の行楽地は相当の混雑ぶりである。一年を通じて森羅万象、一番活気に満ちた季節である。仕事に従事しているとぼんやりする暇がなく、あっという間に周辺が静かになっているのに気づき、世間が一斉に休息をとってどこか違ったところで過ごしているといった感じである。言い訳がましいが、身の周辺が静まり返って、じっとして心身ともに鎮んでいることが出来る幸せを堪能している。休日に合わせて休養する業の特技かもしれない。しかしこうした状態を連続して維持することはかえって難儀に感じてくることもあるので、気分転換に目を外に転じて見ることも必要である。一般人なら、うち籠りが楽なことを覚えたりすると怪しくなってしまう。人間閑居して不善を成す身になっても困る。
よし!、明日から箱根の富士ビューマンションに行ってみようと思い立った。その前に庭畑の手入れや掃除を済ませてからでないと、植えものが灼熱の日差しに当たって萎れてしまうから、それだけは絶対に避けなければならない。人間と一緒で、早くも日射病対策である。何だか途端にせわしなくなった感じである。バリエーションの発生で、時間と生活にうねりがあった方が気分的に健康につながっていくのかもしれない。5月1日
箱根富士ビューマンション行
ゴールデンウィーク、大型連休のなかびをむかえている。休みを多くととった人は先月の27日から5月の5日までの10日間に及ぶ連休である。何処にも出ずに自宅でゆっくり休養をとったりしていると怠け癖が付いたりして、うつ病になりかねないという識者の助言である。連休も半ばを過ぎてきているが、このままどこに出かけることもしないでいると、後に公開を残す羽目に落ちるとも限らない。まずは動くことにしようと思い立った。家内を連れて箱根長尾峠に立つ富士ビューマンションに出かけることにし、仕度を整えて午後1時に自宅を出た。昼食時で道路は普段より空いていて環八から東名道路にすぐに入れたし、そのままの調子で新緑にかがやく大空に向かって、富士箱根に向かってBMWを快適に飛ばしていった。追い越していく真っ赤なスポーツカーがあったが、気にしなかった。空を仰げば、紺碧の空が天空を大きく覆って、塵一つない大空が広がっている。家内は新緑の景色が気に入っているらしく、美しい、綺麗だと感嘆詞を連発している。確かにそれ以外に表現するすべがないくらいである。1時間弱で御殿場のインターチェンジについた。家を出たのが一時だから2時ちょっとすぎの時刻である。腹も空いてきたし、昼食をとるにはうってつけの時間である。インターを降り得右手に間借り御殿場市外に入る手前に「名鉄菜館」という広い店に入った。なかなか豪華で立派なたたずまいの店構えである。食べる料理もここでならおいしく食べて過ごせるだろう。ちょうど団体客も帰った後らしく騒がしくなく、落ち着いて清潔感があった。お品書きを見てすぐに一品料理の五目焼きそばを注文した。これで中華料理の大方を食するといった便利さがあって、この種の食べ物は簡単に注文出来て都合がよい。最近は今まで一口も口にしなかった「ラーメン」を食べるようになって、若者と付き合えるようにもなった。昔はラーメンと言わず「中華そば」といって、どちらかと云うと卑下した食べ物のように見ていたものである。夜鳴きそばといったかもしれない。夜になりと、しかも可成り遅くあってから、提灯を下げ屋台を引いて怪しく現れたものである。しばらく前のこと、何もなかった時に家でカップラーメンを食べて見たら、大層おいしかったのでそれ以来「ラーメン」を馬鹿にしなくなったのである。ラーメンといえば腹ごしらえの一時的食べ物としか見ていなかったので、味もそっけもない食べ物とばかり胆略に思っていた。麺類を採るときは、天ぷらそばとか、うどんとか言った定番であり、蕎麦屋でとるものとばかり思っていたのである。カップ・ラーメンが気に入ったのは息子が主催する日本ラクロス連盟が、日清食品の後援を受けているということもあったに違いないが、そればかりではない。面の細やかな旨さ、舌触りが、消費者の受けに上手にはまっている点である。旨いの一語につきる。
名鉄菜園の店を出て、これから一路富士ビューマンションに向かうわけで、乙女峠に向かってゆく途中から右に折れて箱根スカイラインの入ると、蛇行続きの長たらしい山道を登っていくことになる。鬱蒼とした森の中を行くので昼間なのに、暗夜行路ではないが暗がりの道のりが5キロ近くも続いていくことになる。こうした道のりは苦手だが、惰性で走るわけにはいかない。いくつものキューカーブを、若者がライトをつけて走ってくるときがある。若者の運転技術はしっかりしているが、スピードの衝撃を受けるこちらの方はたまったものではない。不意を食らって、うっかりすると運転を誤ってしまうことだってあるだろう。幸いに自分の運転操作には自信があるので我慢できるが、避暑地に来てまでの狼藉は止めてもらいたいものである。緩やかに上っていく山道の街道だが、距離にして7キロ、ようやく長尾峠にたどり着いた。視界が開けて富士の霊峰が、真っ青な初夏の空に美しく目に飛び込んできた。長尾峠から見る富士の姿は優美であり、天下泰平だし、まさに絶景の一語につきる。自宅を出てから約二時間、途中昼食に寄り道を楽しんだりしてきたが、無事目的地についてつつがなきことを感謝して祈った。
社団法人 昭和経済会
理事長