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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

VOL.7.1

乱戦模様の、しかし熱戦の都知事選

  7月7日に投開票が決まっている東京都々知事選が佳境を迎えている。ふざけ半分に立候補を届け出た泡沫候補を含めると56名という数字だが、確実に戦っているのは三人に絞られている。唐突な感じなのは否めないが、早くから立候補を決めていた安芸高田市の市長を務めた石丸伸二氏を、別な意味でしばらく脇に置いて見たい。
  主戦上にまかり出て火花を散らしているのは、現職の小池百合子氏と、離党を済ませて参議院の立憲民主党から出ている蓮ぼう氏だろう。小池氏は現職の強みもあって八年間の実績を積み上げて比較的そん色なく、喧嘩の相手がいないまま運よくたちまわって都政の進め方を改革して、更に進めていくといったところに焦点を絞っている戦術である。選挙戦を見ていると、落ち着きと賢さが自ずと湧いてくる。雰囲気的にも戦況は、一歩リードした形である。
  蓮ぼう氏は、小池氏に対峙して選挙戦を戦っているいる戦法を採っているので、攻撃的である。中央政治で、政界で最近に起きた裏金問題と、自民党といった問題意識を都の政争として持ち込んできているきらいがあって、小池都政を敢えて自民党にすり寄った都政と決めつけて、都政から見た論争としては少し焦点ボケである。今までの都政の上積みではないが、蓮ぼうさん独自の希望を持った計画を打ち出してもらいたいと思う。都民の生活条件の向上を図りたいとかさ、更には世界に向けた東京という遠大な構想を打ち上げてもらってもいいのかもしれない。気づいたのか、ここにきてハンドルとアクセルの踏み込みを変えてきているようだが、戦術的にテンポが遅いようである。
  しかし政党色を見せて、各政党の有力議員の応援演説を受けて街頭的には派手である。都民がどう受け止めるかが問題である。支持してくれる国会議員団の応援があって頼もしいが、政党色丸出しである。これから何を掲げて都政を運営していくのか、候補者本人から具体的提言を示してもらわないと都民としても図りかねているところである。よほど大胆で実現可能な内容のものでないと、重厚な小池都政を攻撃していくには砲弾不足なきらいがある。都民は押しなべて知名度の最高と云っていいくらいの、この二人の女性政治家の対称をはかりにかけているところで、今までの都知事選ではなかった華やかさと熱気が日増しに高まっているようである。
  政治家としてはキャリアはもとより実績を残してきている二人だが、都知事選では地方行政に対する見識、力量、才覚はもとより美貌も加わって魅力的選挙であるが、惜しむらくは二人とも選ぶわけにはいかないので、都民にとっては二者択一の厳しい判断の道しかないのが残念である。今までの実績を積み上げてきた小池氏の更に高みを目指しているところに、切込みの鋭い知性派の蓮ぼうの秘められた情熱と実行力。私としては、二人とも優れた人材と誇りとするところで、二人にぜひやってもらいたいという気持ちである。優れた二人であるが、その人材を包して、現実の社会に活用したい気持である。この二人については勝っても負けても引き分けであり、帰り咲いて国民のため、国のため、ひいては国際社会のために範となすべき業績を残してもらいたいと念願している。   7月1日

    今になってコロナ禍とは

  ひと月ほど前になるが身体強健というのも憚るが、いつも明朗で健康でいる妻が突然体がだるいと称して動きが鈍くなった。未経験で油断していた罪とも思われるが、熱を測ったら39度五分もあった。これでは体がだるくなるし頭痛も起きてくるに違いない。その夜は市販の風邪薬を飲ませ、早めに床に入り、シップをしたりして休ませた。翌日医者に来てもらい、簡易コロナ検査をしてもらったら陽性反応であった。医者は検査結果を見ながら「あら出ちゃったわ」と云って、如何にもがっかりしたようであった。直ちに特効薬の五回分の・・・・を手配し、一日一回励行して飲むことになった。大きな錠剤で如何にも飲みくそうな感じであった。
  それからというものは二人だけの生活なので、距離を置いた生活を余儀なくされ、食事も別々のものを採り、しばらく不自由な生活に入ったのである。「お父さんに移しでもしたら大変だから」と、専ら妻はその方を気にしてばかりいる。幸いなことに妻はもともと性格は明るく前向きで楽観的なことが彼女の長所でもあるので、病人ぽっくならないでいるのがありがたい。小生は専ら外食をしたりして、最初のうちはいろいろな店に立ち寄って、いろいろな食べ物にあり付いて結構楽しんだりしていたが、それにも飽きが来たりして当惑も限界に近づきつつあった。やっぱり家内の世話になっていた方が気にならず、楽なことにも気づいた次第である。
  以前と違ってコロナ感染の予防は、隔離生活をはじめいろいろと厳しい行動の制約もあったが、今では治療方法も、受け止め方もかなり改善されてきているので深刻にならずに済んでいるのはありがたい。食事は普段と変わらずに、妻の健啖ぶりに安心した。食が細って来たりすると回復が遅れたりし、余病を併発されたりしたら困る。手厚く介抱してやりたいが、感染を防ぐには患者に近づいてはいけないという原則論があるから、困ったものである。しかしその後は早期発見と対症療法が良かったので、熱は下がりコロナは早期に治癒された。
  コロナが治癒されてから既に一か月以上の時が経過したが、最近になって立ちぐらみや、頭痛がしたりすると言い出したので、未経験なので謎めいており気がかりである。医者の見解では、コロナが収まってしばらくすると身体上好ましくない症状が出てきたりして、原因を突き止められないことがるらしい。そうした症状は所謂コロナの後遺症と称するもので、対症療法で対応しなければならず、時が来れば自然と解消するものらしい。頓服なる薬を用意してもらい、妻にはしばらく我慢してもらうしかないようである。


   病原となるウィルスも更に変化して、治療薬に対し抗体成るものを以て人間に逆襲を図て来ているので、新しいウィルス感染に注意をしなければならない。今の社会では、人類の拡張的な発展に警鐘的な災害が多く発生してきている。気候変動は最たるもので、対応処置をする努力を考える時、好き勝手な戦争などやっている時間と暇はないはずである。地球規模の対策であるがゆえに、国際社会が一致団結して、共通の目的に邁進しなければならない局面に立たされている。

小雨降るこの夜も更けてしみじみと妻の容体を案じけるかな

病状を聞きなるほどと思ふふし気に病むことの深くありしも

何はともあれ我が妻の回復を祈りて額に湿布置くなり

我が妻の賢くあれば誇りにも思ひて今に至る我なり

我が妻のコロナにかかる後遺症とも伺ひて思ひ過ぐる夜

愛らしき花だと妻の知らせける芝生に咲きぬねじり草かな

妻が刈るあとの芝生のなかに咲くピンクの花のねじり草かな

寝たきりになりては困まると我が妻を起こして平常の時にあらしむ

頭(ず)が重い気分が悪ろしと妻が云ふかつてなき事ゆえに惑へり

医者がきてコロナのあとの症状にも頭痛をさして申し述べゆく

はからずもコロナにかかり十日ほど良き回復と思う矢先に

もしかしてコロナ罹患の後遺症とも判ぬればそれなりに又

照らし出す庭の小雨の小夜更けてひとり机に向ふ我なり

何もせで内にぼんやり過す身の障りておのずとうつになるかも

病状によりては大き病院に入る事にもなると云ふ医師


今までになき病状に戸惑ひぬ妻の今日の日の今の容態

小雨だな今夜の雨の細々と我が心にもしみて濡れしも

しとしとと青い小粒の雨が降る静けき夜のしじまくぐりつ

    国際情勢の変化

   ここにきてめまぐるしく内外の情勢は変化してきていることに気づいて凝視しているところである。立て続けに選挙が行われたイギリスとフランスでは政権が大きく逆転するほどの選挙結果が出て、その動向が注目されるところである。

 4日にあったイギリスの下院の総選挙では、下院の議員数650のうち野党・労働党が221議席を増やして412議席の単独過半数を獲得した。政権を奪還を14年ぶりに果たした。労働党のキア・スターマー党首はこの結果を受けて5日午後、バッキンガム宮殿を訪問した。国王から組閣を要請され、正式に新首相となった。国民の支持を失って惨敗した保守党は、現職の閣僚を含め、元首相らの有力議員の落選が相次いだ。

  組閣を要請されて宮殿から首相官邸のあるダウニング街に入ったスターマー新首相は、初めて伝統に立つ、古色蒼然の首相官邸前で、国民に向けて演説した。新政権は「皆さんが労働党に投票したかどうかにかかわらず、むしろ特にそうしなかった皆さんに、直接申し上げます。私の政権は、あなたのために働きます」と、労働党の支持者でもない人たちに対しも協力を呼びかけて約束した。
  マスター氏が選挙中から繰り返していたように、「国が第一で、党は二の次」と強調した新首相は、「何百万人もの人の生活が、前より不安定に悪化しているのに」あまりにずっと無視されてきたと主張。自分の政権はたとえテレビカメラが回っていない時でも、苦しむ国民のために働き続ける、と言明した。その意気込みの一方で新首相は、「国を変えるのは、スイッチを入れるのとはわけが違う」とし、変化の実現には「しばらくかかる」ものの、そのための作業はすぐに始まると約束した。
  又、マスター新首相は、自分の政府は「落ち着いた、忍耐強い再建」に注力していくと述べ、「敬意をこめて謙虚な気持ちで私は、国の再建というミッションのため、奉仕するこの政府に、皆さんが参加するよう呼びかけます」と述べ、「私たちの仕事は急務で、今日からそれを始めます」と表明した。又、スターマー氏はこれに先立ち五日の朝、支持者らを前に勝利宣言し、「私たちはやった」、「労働党は変わった。国のために奉仕する準備ができている。イギリスを働く人たちのために仕える国に戻す」と語った。久しく聞く労働党といった名称が政界に飛び散っていった。さしあたってはインフレの高進をいかに止めるか、労働市場を圧迫する移民の問題、EUとの円滑な経済秩序の確立など課題山積である。
  躍進した労働党は前回の議席から211多い412議席を獲得して過半数を得た。保守党は大量の251を減らして、過去最低の121議席に落ち込んでいる。

 尚、今回の選挙ではその他の自由民主党が躍進し63議席を増やして71議席とし、スコットランド国民党9議席(38減)、シンフェイン党は7議席(増減なし)、民主統一党5議席、新党のリフォームUKは5議席、緑の党は4議席、ウェールズ党4議席などとなっている。
尚、当局の発表によれば今回の投票率は60%で、1885年以来の総選挙で2番目に低かった。今回より低かったのは、59%の2001年総選挙のみである。
  中道左派・労働党は2019年に行われた前回の総選挙では戦後最悪の大敗を喫しているため、今回は大量の議席を獲得し、目覚ましい逆転劇となった。労働党の首相は2010年に退任したゴードン・ブラウン氏以来である。大所高所に立ち自国のみならず世界の民生の安定と、経済の発展のために、これからの労働党のスマート新首相の英知、慧眼の指導と活躍を祈ってやまない。


    
   イラン大統領に改革派が


  異常に威厳ぶって女性蔑視の乱暴男の跋扈する国、宗教国家とはいえ、後進性も顕著で血の気の多い熱気の過剰な国イラン、その国で大統領選挙が行われるということに耳を疑ったが、このほどイラン国の大統領選挙が行われ、意外な結果が発表された。前進である。
  イラン大統領選の決選投票で内務省は6日、改革派マスード・ペゼシュキアン元保健相が、保守強硬派サイード・ジャリリ最高安全保障委員会元事務局長を破り、当選したと発表した。改革派の大統領としてはハタミ元大統領以来、19年ぶりの政権交代、政変である。イランについては文字通り宗教国家の保守的で、一面性の硬直した国として異常性の発揮に危惧感を抱いた。欧米と対立を深めた保守強硬派の外交路線を以て、自らの国を国際社会から孤立させて、国力以上に振る舞う独裁国家に、民主主義的な大統領選が行われたのだから、びっくりは兎も角、改革派を自認して保守派と対峙しつつ選挙に勝ったのだから、そして民衆の流れは従来の政策とは反対の流れを支持して、改革派のスマード氏を信任したのだから、新政権も専ら融和路線へ回帰を目指すことになるに違いない。結果は、大いに歓迎すべきことである。
  対外的にも、今までの外交政策の方針について次第に柔和策をとっていくに違いない。最高指導者として君臨するホメイニ氏の絶対的権力の行使も、大勢の流れに従って漸次手が加ええられていくものと思われる。単純だがしかし明快なことは、先ず女性のあの暑苦しい黒い覆面の頭巾を拭い去ることが出来るか、手近かなところで検証して見ていたい。

  選挙戦でスマード氏が提言していたように、たとえば核開発問題などで国際協調を目指す穏健改革路線に転換するのは、ロウハニ政権(2013~21年)以来のことになる。日本とは伝統的な友好関係を維持するとみられる。そのロウハニ政権は保守強硬派と改革派の中間を行っていたが、どちらかといえば謂うところの穏健派だった。但し、国政では保守強硬派が力を握るため、イラン核合意の再建は容易ではないと思われる。

 


  オフィスからの帰途、都知事選の選挙戦最終日の前日に有楽町駅前で蓮ぼう氏の街頭演説に出くわしたが、ちょうど共産党の志位書記長が演説に立っていた。間もなくして演壇に立ったのが「第95代内閣総理大臣」と紹介されて野田さんが出てきた。「おや、これは何だね。普段は東京都と何ら関わりない政治家が出てきて、政治の流れを変えるとか、自民党の悪政を粉砕するといった言動を吐いて都知事選の都民に訴えてる。やっているのは都知事選挙であって、この戦いは歯車がかみ合っていないぞ。と思ったのである。

大谷のジャストミートのホームラン快音ひびくロスの青空

  

   極右勢力の拡大

  世界的に流行の兆しにある、極右勢力の台頭の風潮である。アメリカのトランプもどちらかといえばその類だが。今、フランスに盛り上がってきている極右勢力の国民連合、それを総帥する女性当初のル・ペン党首であるが、過激な思想を持つ危険人物として気に入らないが、そもそも生理的にって嫌いなタイプである。アムステルダムで見かける女性でも肉体派であり、言動と云い、表情と云いオーヴァーアクチーヴで煽情的であり、さらに言えば繁殖期にある動物的異臭っぷんぷんして繁殖的ある。そうした人物がフランスを支配下に置き、勢力がEUにまで拡散していくようだと無秩序の世界に巻き込まれて収拾がつかなくなる可能性がある。

   フランスのエマニュエル・マクロン大統領は去る6月の9日夜、欧州議会選挙でマリーヌ・ル・ペン氏率いる極右政党「国民連合」が同国で大勝する見通しとなったことを受け、議会下院を解散し総選挙を実施すると発表した。出口調査によると、「国民連合」の得票率は32%と見込まれており、マクロン氏の中道政党「再生」の2倍以上となる勢いで、第一党に駆け上がった。そこでマクロン氏は、欧州議会選の投票がフランスで締め切られ、出口調査が発表された1時間後に、エリゼ宮(大統領官邸)からテレビ演説をし、議会解散という劇的かつ驚きの決断を発表した。適期を得た、しかし捨て身の賭けに打って出たのである。この発表の直前には、すでに機運に乗った「国民連合」のジョルダン・バルデラ党首(28)が、解散総選挙を大統領に求めていた。マクロン氏も、「みなさんのメッセージは聞いた。それを無視するようなことはしない」と演説した後のまさかの電光石火の決定で、ルペンも内心は驚いたに違いない。
 マクロンは言ったのだが、「フランスには、穏やかな調和の中で働く明確な多数与党が必要だ」とし、「欧州大陸のいたるところで」みられる極右の躍進を受け入れるわけにはいかないと付け加えた。マクロンは、大統領2期目の2年に入ったばかりで、議会では過半数を握れていない。今回の欧州議会選は理屈の上では国政に影響しないが、民意を問わずに政権を継続することは耐え難い重圧になると判断したとみられる。幸いなことに行う総選挙にしても、マクロン大統領自身の職には影響しない。なぜなら大統領任期はまだ3年残っているし、下院選と大統領選は別物だからだ。過去、ル・ペンはマクロン氏に大統領選で2度敗れているが、女の維持議会解散の発表にすぐさま反応。「国民連合」は「権力を行使する用意、大規模移民に終止符を打つ用意がある」と述べた。

  これに対してだがマクロン仏大統領は解散総選挙を発した後にも再度、欧州議会選で極右勢力の台頭は「欧州にもフランスにも危険」だと、警告を鳴らして自らの政治生命を以て賭けに出たのである。「ヨーロッパに青白い幽霊が出た。ル・パンという幽霊である。」 マクロンならずとも、あまりいい気持のするものでない。何とか食い止めてほしいと思うこと言う一念である。解散総選挙は国民にとって実に大きな驚きで、マクロン氏にとっては実に大きなリスクだ。マクロン氏は別の対応を示すこともできたはずだ。極右勢力の大勝は欧州規模の一時的な異常事態であって、より重要な選挙で修正されるだろうと、やり過ごすこともできた。しかし事ここに至っては、かかる説法は最早やマクロンには効かないし彼の頭にはなかったのである。6月25日


     気力充実のバイデン

  バイデン候補の高齢に付きまとう体力、気力について危ぶむ意見が渦巻いて深刻な状況を作り出している民主党の大統領選挙の戦略だが、バイデンに限らず、あの程度の言い間違えは度々の演説や記者会見で起こったことであっても別に不思議ではない。直前迄プーチンの名前を挙げて議論していた直後のことであり、ゼレンスキーを紹介する時の間違えに気づいて、すぐに訂正して居たりするには余ほどの余裕を持ったりしていないとできえないことである。頭の回転がしっかりしていることの証左である。   7月12日


    トランプ候補が銃撃さる

   トランプ元大統領が演説中に、何者かによって銃撃された。銃弾は右の耳を貫通した。トランプは銃弾を受けた右耳を抑え、瞬時に気づいて壇上に倒れて伏した。会場は騒然とて混乱したがシークレットサービスがトランプの上に折り重なって身を守った。数分後にトランプが立ち上がって無事な姿を見せてくれたので群衆は喜びの声を上げ、テレビを見ていた我々も声を張り上げ安どの歓喜に包まれた。一瞬の事件は、想像外の奇蹟に思われた。
  立ち上がったトランプは、こぶしを振り上げ暴力に対し断固とした戦いの姿勢を示してくれた。血を流し星条旗を背に拳を上げるトランプの姿は、決して暴力には屈しない姿勢を示し我々に希望と勇気を起こし強烈な印象を与えた。事態を知ったバイデンは即時に、悲劇に至らず、幸いと祝福の電話を入れたという。党派を超えて、力強い政治的主張になった。小生も又、最悪の事態を回避しえたことを以て思うことであった。アメリカは互いの意見の相違を乗り越えて、憎悪を排して、深刻な分断と対立を解消し、アメリカの民主主義と繁栄のために邁進すべきだと、祝福し心から祈りたい。
  先刻テレビで見たばかりだが、銃撃事件の起きた会場は、米東部ペンシルベニア州バトラードという小さな町である。銃撃者の撃った弾が二センチ反れていたので、幸いなことにトランプの命は奪われずに済んだ。奇蹟である。まったく神のご加護というしかない。犯人の正体はまだはっきりしてないが、20歳の青年であることが分かったが、警備にあたる警察に撃たれてその場で死亡した。背後関係があるのかどうか、動機は何か、これからの捜査が進められる。のちのニュースによると犯人は共和党員の登録者であり、民主党にも15ドルの献金をしているということである。11月の大統領選にも大きな影響を与えそうだ。   7月13日

  トランプ元大統領の暗殺事件は衝撃的であった。大事に至らず、アメリカは最悪の事態を避けることが出来た。神のご加護の証であり、又、判明したことは犯人が何と、共和党の党員登録をしていたという。偶然にも民主党でなく、全くの幸いな結果であった。これが万が一にも民主党員であったとしたら、アメリカという国は、ますます分断と対立の激化をあおることに繋がり、無秩序と大混乱をもたらしたに違いない。高齢にもかかわらず活動する、二人の大統領候補者に、神のご加護の在らんことを。これを機に、雨降って地固まるの日本的言い回しではないが、アメリカの伝統的な二大政党政治が、円滑に機能していくことを切望する次第である。奇蹟的に凶弾を避け得たトランプ、トランプの無事を喜び国民の、冷静な姿勢と結束を呼び掛けて祈るバイデン、幸いなるかな、省みのアメリカ国家と信じて、あり難き神のご加護と信じたい。    7月15日
   


演説中銃撃に逢ふトランプの耳の貫通のみに難を免がる

凶弾に襲わるる身に神のみ手ふれてトランプを守り給へり

銃弾の鈍き音してトランプの倒るる体に警備らが伏す

流血の耳を抑えつ立ち上がる拳を上げるトランプ候補よ

気迫なりこれぞトランプの雄姿なり被弾の身をば省みず立つ

強運と気迫に満ちたトランプの弾を受けしも拳突きあぐ

右耳を貫通したるトランプの二寸狂ひて幸いなりき

分断と対立にある米国のこれを機会に省みるべし

   過日の皇室の英国訪問を思ひ、祝福の詩

日英の伝統に立つ皇室の交友関係の深く刻み来

日英の斯くも高尚にて頼もしき皇室外交の新しきを見ん

華やかな日英皇室の晩さん会談笑に過ぐ両陛下たち

新しき世紀に臨む皇室の伝統に立つ日英両国

日英の友好親善を深化させ令和の御代の皇室外交

天皇の穏健明朗の性格に市民の歓迎の声に応へり

街なかを国旗を花で埋めつくし市民ら喜こび出迎へにけり

国体の型は何かと論ずるも皇室の安定は何かとよろしき

日英の互ひにおとぎの国を行く皇室外交のよきやその道

英国の威厳と親密さを表はして市民ら沿道に立ち客を迎へり

雅子妃の解放されたる外遊に自由闊達の気を覚へ来む

ロンドンを訪問中の両陛下熱き市民の歓迎を受く

日英の皇室と王室の伝統のきずなの今に在るは良きかな

天皇の清気はつらつと英国の市民に受けて魅力覚へむ

今に増し平和の時の宮廷の古色蒼然たるを将来に曳き

王室のフリップ王の仕ぐさよき時にユーモラスな面ざしに充ち

皇室の遠きに在りてたまたまにその存在を知る程度にて

戦前の政治の輩が皇室を利用、悪用致す時代も

イギリスも日本も皇室をそれなりに評価し程よき距離にて在りぬは

テレビにて観る英国の王さまの華麗な馬車と騎兵隊らの

華やかに進むパレードに王国のおとぎ話を見聞きするかに

赤と黒、白と黄金の軍服をまとうフィリップ王の騎乗に

華やかな軍服をまとい正装すフィリップ王の威風堂々と

昔見る子供の頃のおもちゃにも似合ひて楽し手にも抱きたき

天と地と差があり皇室の振る舞ひに依りてこの世の良くも悪くも

皇室が権力を手にして世に在れば独裁神国として民を脅しむ

象徴と在りぬ日本の天皇の地位に就いての我が国憲法

日本国憲法の民主的本質の世界に冠たる範を示して


死からの生還

  銃撃の対称に遭遇したトランプは、耳に当たった銃弾が3センチずれていたら、あの世に行ってたに違いない。それは100パーセント確実なことである。狙撃されたケネディの暗殺事件の再来とみていいだろう。あの時の現場の光景は、絶望的な社会を想像したものであった。それほどにトランプの生命は奇蹟的な結果であった。死からの生還と言っていいほどの重さである。「三途の川」の手前からUターンしてきた人と云ってもいいくらいである。勇気あるトランプが気づいていただければ幸わいなことと思いながら、願わくば、政治の世界で勇ましく従来通りに前進していくのは結構なことであるが、今までのような激しい口調と熾烈な戦闘的姿勢に、昔のヒトラーの姿が映り重なって恐怖の念を禁じ得ないところがあるので、ご自身の改革を試みてもらえないかと、しきりに思うのである。こぶしを振り上げて煽情的に、アメリカ第一主義を絶叫して行くことは、国際社会にとってあまり好ましいとは思わない所以である。劇的人生の過程で改めがあれば、人間としての魅力が伺えて来て深みを感じることが出来るはずである。
  米国のトランプ前大統領の家族と側近が、トランプ氏が銃撃事件を経た後「別人になった」と伝えてきている。きわめて鮮烈な感じがするし意味深な感じを受けるのである。何事にも攻撃的だった性向が、暗殺未遂事件を体験した後に変わったという説明だ。これに対して米現地メディアは「トランプのように、死ぬかもしれない経験をした人は数秒後に価値観と態度が完全に変わる場合もある」(政治専門メディア「ザ・ヒル(The Hill)」)とう興味深い専門家の分析を紹介していた。銃撃事件が、トランプ氏の派閥式政治スタイルまで変化させるのか注目を集めているそうだ。
  トランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニアもこの日米国メディア「アクシオス(Axios)」が主催した対談で、「父は銃撃事件後、変わった」とし、「父の変化は続くものとみられる」と話した。続いて「父は強くなければならないときは強く、『ファイター(戦う人)』である点は変わらないが、必要な時には穏健な立場を取るために最善を尽くすだろう」と付け加えたそうである。穏健なトランプの表情、笑顔に満ちた表情は、又限りない人間的魅力に映ってくる気がしてならない。トランプにしても元気はあるが、年齢からすればバイデンのおいぼれをあげつらう資格は無いというべき年齢に達しているし、気を付けなければならない。穏やかで奥に秘めたものを感じさせるようであってほしい。   7月17日


   バイデンを気の毒に思う

  トランプとの第一回目の討論の時に、バイデンの心身上の衰えを垣間見た瞬間を見たにちがいないが、それをとらえてバイデンの全体を決めつけようとする意見には納得しかねる。大統領選挙の真っただ中にあって、普通の人なら超多忙で疲労困憊なはずである。しかし大国の立場に立って、全世界で起きている出来事について逐次報告を受け、的確な判断で、迅速な指示を行ってきている毎日の行動は、支障なく続けられている。それは膨大な量に及ぶ。頭脳明晰であることの証左である。
  もし支障をきたすような事態があれば、即刻側近に伝わるはずである。トランプとの討論の席上の失敗を以て、憶測、推測に上でうかつに判断をすべきでないことを促したい。ご自身はまだまだやる気十分なのに、周辺がやかましくこれを打ち消すようなことをしていたのでは、大概の人ならやる気を失ってしまうはずである。しかし彼には、弱気を吐く気は毛頭なく、自信に満ちた、ますます意気軒高の言動である。
  そのようにバイデンをかばいながら、何とかこうしたした状況を回避して、バイデンが働き、活動できる状況を取り戻したいと思うことしきりである。高齢にもかかわらずバイデンの弛みない闘争心を見て、一歩も引かない心身の強靭さを見る思いがする。周辺にはバイデンの撤退要求を求める声が、徐々に広がりつつあって、バイデンを窮地に追い込んできている状況である。ただでさえ強いイメージのトランプの戦況だが、次第にトランプに有利な状況を作り出しつつあるが、政治家として気迫十分のバイデンにも、今の状態を継続させて戦って行かせたい気持である。
  「トランプに政権を渡せば、世界は駄目になる、アメリカは失敗する」という信念があって、自分が続けてやれば、世界は平和になって、アメリカは大きく繁栄するという自信があるから今日のバイデンが居り、バイデンの政治と状況を作り出しているのである。バイデン大統領のご健康を祈念している。 7月19日

    民主党大統領候補にハリス副大統領が
  バイデンの高齢化に伴う症状が顕在化されて、現実的にバイデンを取り巻く周辺の状況からして、二期を務めることが難しくなってきたところ、自ら大統領選への出馬を断念する声明を出した。そしてハリス副大統領を大統領候補に支持することを表明した。大国アメリカの卓越した指導者として政治の世界で活躍してきたバイデンを失うことは残念な気がしてならないが、大統領としての職務の遂行に支障をきたすことがあってはならない。自ら決断したことに最大の敬意を表したい。
   銃撃事件以後も多少は落ち着くかに見えたトランプだが、相変わらずエネルギッシュで戦闘的で、毒舌舌鋒の止まない辺りが気にかかって仕方がない。エキセントリックな雰囲気の、先日の党大会で圧倒的な支持を以て大統領候補に選ばれた。若干38歳のヴァンス氏が副大統領の指名を受けた。彼も又熱狂的なトランプ信奉者と言われており、早くも過激的な言動が受諾演説に見られた。
  分断と対立を加速させるような誹謗、中傷が激しさを増してきているが、共和党の手段を択ばぬ、相手への破壊的攻撃が気になってならない。アメリカのためである、穏やかに、あくまで政策本位に論争を高め冷静な対応を望んでいる。トランプのハリス候補への新たな攻撃がすでに始まっているが、バイデンよりも倒しやすいといったトランプの発言がSNSに載ってのって、現職大統領のバイデンは職務遂行から離れるべきだと主張している。トランプが大統領の時、アメリカ第一主義を唱えて、毎日のように過激な発言で国際社会が動揺した。騒々しさがあって、気の休まることがなかったように思う。敢えて敵を作り対立激化を図るといった戦法が多く、当時はましてや大統領と副大統領が一緒になってまくし立てていたのでは息つく暇もなくなるだろう。選挙の結果はアメリカ市民が決定することだからとやかく言うつもりはないが、選挙の結果が国際社会に及ぼし、日本にも大きく影響を及ぼしてくるだけに看過できないものがある。
  次の大統領には大きな課題が待ち受けているし、その基礎となるものは、戦争をなくし国際協調に基礎を置いた思考と行動が求められる。宇宙時代に入ってますます地球が狭くなってきた感じだし、産業構造の在り方を改善し、人間の生き方を顧みて改善していくことが求められている。戦火を交えること激しく、依って青い地球が赤くならずに、地球丸ごと平穏無事にあってほしいと思うことしきりである。 
  折しもあと二日のちには待望のパリ開催のオリンピックが始まる。会場には友好と親善の旗がたなびき、平和の祭典にふさわしい人間の健全な肉体と精神の競い合いが始まる。武器を持たないルールにのっとった戦いであり、選手たちの勝負を決する肉体と力の祭典であり、「人間賛歌」の祭典である。純真無垢のあからさまな戦いである。背後に、不屈の精神の支えにある価値の戦いである。戦争のように、人間同士が戦い殺し合うのでなく、平和の内に競い合い、称え合い、喜び合うものである。「人間賛歌」のパリ・オリンピックに栄光あれ!。    7月21日


     大暑である
    
   殺人的暑さである。日本各地に梅雨明けの宣言がなされたと思ったら、耐えきれない猛暑が襲ってきた。天地の間が、熱風で覆われた感じで、まさに釜茹でにあっているようなものである。冷房を利かして家の中にいるよう、気象庁の警告もあるが全く外出しないわけにもいかない。ちょっとした用事を果たすにも日差しを避けることは勿論だだが、外気そのものの温度が40度近いものだから、日陰に居る間にふらつきそのまま倒れて昏睡状態に持っていかれないとも限らない。外に出るのも不安である。会社の従業員から朝早くに電話が入り、特別な用事がない限り外出を控えて会社への出勤は控えたほうが良いとの親切な助言があった。外の気温はどんどん上がって、9時半ごろだというのに、庭に出て見るとカンカン照りのアッチチである。助言に従って在宅勤務に切り替えた。この際は気象庁の言うとおりにして、最低限の防備体制を以てこの大暑に臨むしかないだろう。今年は変な気象のせいか蝉の声も聞かずに、このまま危険な猛暑と豪雨の間を過ぎていきそうである。 
  東京の八王子とか北区の地域では、物凄い大雨に見舞われた。太い稲妻と雷鳴がとどろき、一帯が冠水するところも現れた。突然に襲った局地的な豪雨だが、上空の大気の不安定な状態がもたらした現象で、この先もしばらく続くようである。在宅勤務に慣れないせいか、仕事をしててもはかどらないし、かえって気が滅入ってしまうようだから、オフィスに居て仕事がはかどるといった贅沢なわがままは、小生特有なことかもしれない。
  今年のキュウリは大豊作である。たまたま尾山台の植木屋で買って来て植えた苗が、良質で良かったからである。採り忘れて大根のように太くなってしまうこともあるが、キュウリを食べすぎて、鏡で自分の顔を見たら河童みたいに青くなってきても不安である。暑い盛りというのに、朝早く採ったキュウリは新鮮であり、そのままキュウリ揉みにして朝の食卓を飾り、夏の涼味を堪能している。   7月22日

    トランプ大統領を支持し、影となとなって働く立場のハリス副大統領だから、トランプ以上に目立った行動をしない故に人目につかないのは致し方がない。それを以て副大統領としての実績がないということにつなげて、ハリスの実力を評価するのは間違っている。控えめに行動して、大統領を引き立たせることもハリスの仕事のうちの一つである。科の字を大統領にすれば、もしかするとその実力を遺憾なく発揮して見事な成果を立て続けに見せつけるかもしれない。遠慮しがちに行動してきたハリスという映像が、表に鮮明に映し出されてくるに違いない。そこで初めてハリスの内に秘めた知識、経験、情操、判断、行動といった面で真価を発揮して民衆に答えるに違いない。将来に期待する夢と希望は、ますます膨らんでくるだろう。トランプにない女性特有の優れた才知と品格、行動力に表れて注目を浴びることに違いない。既にその兆候は表れている。
  米大統領選から撤退したバイデン大統領(81)から民主党の大統領候補として支持を受けたカマラ・ハリス副大統領(59)が22日、デラウェア州で選対スタッフに向けて演説した。過去に検察官として対決した犯罪者と重ね合わせ、共和党の大統領候補のトランプ前大統領(78)を「捕食者、詐欺師、ペテン師」と非難した。大胆な勇気ある演説の一説である。

  的確に攻撃した理由は、ハリスがサンフランシスコ地方検事局、サンフランシスコ市検事局、サンフランシスコ地方検事、カリフォルニア州司法長官などのキャリアを経て、政治家となったが故である。だからトランプをとらえて次のような攻撃がなされるのである。「これらのキャリアでは、私はあらゆる種類の加害者と対決しました。女性を虐待する捕食者。消費者を騙す詐欺師。私利私欲のためにルールを破るペテン師。だから、ドナルド・トランプのようなタイプの人間を私は知っている」と。実に痛烈である。
   若いハリスの明るい表情と堀の深い面差しは美しく、包容力を表して魅力的である。大統領候補に推された彼女は、実力はもとより、度々見るにつけ益々美貌と英知と実行の主に引き込まれていく感じである。世界の母と見られて十分である。彼女なら隠れた才能を十分に開花させ、大統領になった暁には、対立と分断の修復に努め、貧しい国々と地域に援助の手を差し伸べ、世界の紛争地に平和を引き戻し、復興と繁栄の道筋を示してもらいたい。世界丸ごと、貿易の拡大と円滑な物流に努め、省エネを通じて、気候変動の課題の解決に奔走してもらいたい。重ねて強調したいが、飢餓に苦しむ貧しい国と地域の、貧困の撲滅に努め、母なる大地を、東奔西走の行動する姿を世界に示してもらいたい。アメリカに初の女性大統領の出現を、バイデンの志を継いで体現してもらいたいものである。さすればバイデン自身は、自ら引退の最良の花道を仕上げることになる。
                    7月23日


ひかへめに副大統領の職にあり品格に満ち努むハリスよ

バイデンの次期大統領の選挙戦撤退を惜しみ今宵満月

高齢の身に重責を果たし来し世界平和への貢献の大

黒人で初の女性大統領候補のハリスに万感の思ひが

アメリカの歴史に初の大統領候補に女性のしかもハリスが

もしかして煽情的なトランプを負かし大統領にこの十一月に

女性候補に徐々に沸き立つ支持層の澎湃としてアメリカ全土に

トランプの狡猾な芝居という人の銃撃事件の謎の多きに

分断と対立を解き民衆の和解と受容をかわす大地に

アメリカの大空高く星条旗のはためく自由と平和なる地に

ジェット船の漂流

  44年間も使用してい居る東海汽船のジェット船が、乗客116人を乗せたまま千葉県の野島崎南西沖で漂流して助けを求めている事件が起きた。「油が漏れて梶が取れない、自力航行が不能になった」との110番である。黒潮に乗って流されていったでは、大惨事となるところであった。状況を把握した海上保安庁の巡視船が漂流しているジェット船を見つけ、荒波のなか、ジェット船の船体にロープを括り付けて曳航し、大島の岡田港に向かっているところである。無事に岡田港に着岸していくことを祈っている。
  このジェット船が就航したのは44年前だというから、随分と長い間使用してきたわけである。船体は浮力を利用して時速80キロのスピード上げて航行するため、可能な限り軽い構造に出来ている。機械であるがゆえに耐用年数といった考え方も浮上してくる。出航前に点検を済ませていて異常はなかったとのことであるが、そもそも金属疲労ではないかと思われる。使い過ぎて、部品の摩滅が主たる原因である。船体はあたしきものに交代して引退させ廃船とすべき時期かもしれない。
  金属疲労と云えば、1985年8月12日のこと、日航ジャンボ機が乗客509名を乗せたまま操縦不能に陥り御巣鷹山に墜落、激突して航空史上最大の事故となったことを思い出す。あの時も、油圧系統全喪失した結果であった。今回のジェット船も、油圧系統の喪失で操縦不能を起こした結果で、原因は日航ジャンボ機の時と同じである。ジェット船の場合は海上であったために破壊の難を免れたわけである。人間の命を運ぶ運輸事業を手掛ける企業は、使用する機器の「賞味期限」を考慮して運営する必要がある。有効利用も結構だが、コスト計算に気を奪われて、事故につながることがある。所謂、金属疲労を念頭に置く必要がある   7月24日

巴里オリンピック

  「パリ」と云って書くべきか、「巴里」と書くべきか迷うほど、Parisの街をわかり表示すると、いずれもその人の受け止め方で味わい深く読み取れる気がしてくる。取り分け日本人にとってパリの街は親近感を以て受け入れられているし、「あこがれ」の街でもある。パリの佇まいは美しく繊細であり、文化的レベルの高さを示して味わい深いものがあって、魅力的である。「芸術の都」と云ってしまえば、謂い得て妙であり、十分な気がするし、「花の都パリ」と最初に言ったのも、巴里を愛する日本人だったそうである。西洋の文化、東洋の文化との接点を多く見出し、共通する素材や、素質が沢山見出すことが出来る証左である。オリンピックには世界各国と地域から、このパリの街に多くの選ばれた選手たちがやってお互いに、肉体と精神の、力と技と美を競い合って、金、銀、銅のメダル獲得に蛮勇をふるって大活躍の熱戦が繰り広げられる。「人間賛歌」の、さぞかし見ごたえのある試合を堪能することが出来るだろう。
  明治以降、現代にいたるも多くの識者がパリを訪れ、文化の奥深さと芸術の香りを会得しながら、なおかつ人的交流を作り上げてきている歴史がある。その花の都で100年ぶりに開催される今回のオリンピックは、今までとは違った趣で圧巻である。競技会場は屋内でなく多くが野外であり、エッフェル塔を見上げて広く足元に設けられている。パリの中央を流れるセーヌ川のほとりに長く陣取り、多くの会場はそれぞれ名所旧跡の施設を活用して華やかに居ながらにして、地元の観光に多くの時間を割くこともできる。
   私は妻と一緒に、7年前にパリを訪れた。一週間ほど滞在して、花の都、巴里の隅から隅まで訪ねまわった思い出がある。そして仕事を離れ、日本を離れてパリに数年住んでみたいと渇望した時期があった。環境は抜群だし、住みよい土地柄で、パリの人たちの親切さもわかったし、ユーモラスな人柄も理解出来たし、楽しかった思い出をたくさん作ってきた。だから今回のオリンピックにもぜひ行きたかったが、タイミングが合わず時、残念に思っている。整然とした街中にもある自由さにも、猥雑なところがあったりして息抜きが出来そうなところが好みに合っていたからである。
  世紀の祭典と云いながら地球のほぼ裏側で行っているわけで、開催の模様、分けても華やかな開会式は遅れたテレビで観覧せざるを得ないでいるのは残念である。勢い断片的にしか見られないでいる。セーヌ川を漕いで何隻もの船が川上に向かって行進していくが、甲板にはそれぞれ各国の選手団が乗って自国の国旗を振りながら歓喜の声を張り上げて、力がみなぎっている様子が伺えて実に楽しい限りである。中でも開催国のフランスの選手団は、総勢が大型の観覧船に乗って三色の旗、トリコールは三色のフランス国旗を振ってオリンピックの意気高揚にあふれ満ちている。三色が意味するところは勿論「自由、平等、博愛」である。船上では喜びと楽しさのあまり歌ったり踊ったりする人もいて、セーヌ川に零れ落ちはしないかと心配になった。折しもエッフェル塔には月をも欺く五輪の輪がともり、折しもパリの空は万華鏡のように豪華絢爛の花火が打ちあがって、歓喜に包まれて居る。


華やかにパリ・オリンピックの開かるる百年目に咲く花のパリーよ

歌ひ出す「愛の賛歌」のパリ五輪わが旅先の過ぐる旅の日

五輪の輪のエッフェル塔に鮮やかに灯る夕べに流るセーヌよ

モンマルトル丘より臨むパリの灯のエッフェル塔を遠く眺めつ

愛と恋織りなすパリーに夜を明かししみじみ思ふひとの悲しき

丘を降りモンマルトルの町に立つムーラン・ルージュの赤い風車が

麗しき花の都を流れゆくセーヌの愛し恋の思い出

青春の花を咲かせて実を結ぶ今この年に顧みるかな

永遠のパリーにあこがれ来た女のあはれ幾星霜の人の歩みは

参加することに意議ありされどこの舞台に勝負をかけし選手ら

次々とメダル獲得の報せあり沸き立つ歓喜の渦に立つかな

人間の存在価値を発揚し高みを目指し競ひ行くかな

スポーツの競技を通じお互ひの存在価値を認め行くなり

愛と美と生と和に立ち人間の価値を認めて称へ行かめや

五輪の輪を高く掲げてパリの空、自由と平和と博愛の輪を

トリコール、フランス国旗の鮮やかに自由、平等、博愛の旗


  まもなく、日銀の金融政策決定会合が開催される。最大の注目点は、植田和男総裁の記者会見だろう。はみ出して言う癖が解けない植田氏のこと、失言とも思われるきわどいもの故、前回の時と同様、もしかしたらこの会見で相場に一波乱あるかもしれない。今回は、その理由を説明していこう。

  前回、7月の日銀政策決定会合での利上げによって、為替相場は円安から円高基調に転換した。だが、それは株価の大暴落という大きな痛みを伴うものとなり、株式市場は今なお、不安定な状況にある。円高転換で、たしかに輸入物価上昇は抑制されつつあるが、想定外の“令和の米騒動”があって米価は急上昇した。国民生活はなお大きな負担を強いられている。決定会議の後の前回の記者会見では、日銀は大きな3つのまちがいを犯したと指摘した。

1点目は、利上げと、それまで

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しかも、その後の市場の混乱の火消しをする際に、植田総裁と内田眞一副総裁がそれぞれ異なる説明をしており、これはさらなる不安要素となるかもしれない。

植田総裁と内田副総裁の「意見の食いちがい」
7月の利上げ決定後の記者会見で、植田総裁は先行きについて「経済・物価情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく方針」を示している。

利上げが遅れれば、あとの利上げ幅が大幅なものになり、経済の安定を損ねるという「ビハインド・ザ・カーブ」(政策が後手に回る)リスクがあるからだと説明したのである。

ところが、8月7日に函館市で行われた金融経済懇談会で、次期総裁の有力候補とされる内田副総裁は「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはありません」と述べた。これは為替が急激に円高に振れ、株式相場が大混乱に陥っていたことを受けた火消しではあるが、筆者は内田副総裁が利上げしない理由としてあげたことが気になっている。

それは「円安が修正された結果、物価上昇上振れリスクが小さくなった」こと、また「円安修正は政策運営に影響する」という2点である。

つまり、利上げによって円高が進行したことで、さらなる利上げの必要性が低下したと言っているように聞こえるのだ。

さらに、内田副総裁は「わが国の場合、一定のペースで利上げをしないとビハインド・ザ・カーブに陥ってしまうような状況ではありません」と述べ、金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはないと明言した。この内田副総裁の発言は、植田総裁の発言を180度ひっくり返すものだ。

意見の食い違いから起こる市場の混乱
正副総裁の方針の違いは、市場が日銀のフォワードガイダンスを信用できなくなり、大きな混乱の要因となる。

ところが、二人の意見の食い違いを裏づけるように、8月23日に国会閉会中審査の衆院・財政金融委員会に出席した植田総裁は、内田副総裁の発言を否定する姿勢を示したのである。


内田眞一副総裁 Photo/gettyimages
内田眞一副総裁 Photo/gettyimages
© 現代ビジネス
まず、7月の利上げ後に株価が大暴落した点について、「8月2日の米国7月分雇用統計が予想以上に下振れたことによるもの」と答弁し、日銀の利上げが要因ではないとの姿勢を貫いた。

さらに、「現在の実質金利は非常に低く、強い緩和環境を作っている」、また、「経済に大きな悪影響を与えずに追加利上げを進めることが妥当」との考えを示して、さらなる利上げに対する姿勢を変えなかった。

当然、委員からは植田総裁と内田副総裁の発言が食い違っていることについて、説明を求める質問がなされたが、なんと植田総裁は明確な答弁をしなかった。説明が行われなかったことで、かえって両者の間の溝が鮮明となってしまったのだ。

繰りかえすが、方針が明確でない金融当局の動きは、市場が見通しを立てるのを阻害し、混乱のひとつの要因ともなりえる。


植田総裁と内田副総裁の食い違いは何を意味するのか…Photo/gettyimages
植田総裁と内田副総裁の食い違いは何を意味するのか…Photo/gettyimages
© 現代ビジネス
では、こうした不安要素をかかえながら、9月19・20日の金融政策決定会合ではどのような決定が行われるのだろうか。

筆者の分析については、つづく後編記事『つぎの「日銀会合」でまた波乱か…!「植田総裁vs.内田副総裁」バトル勃発で、いま注目が集まっている「植田発言」』でじっくりとお伝えしていこう。

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理事長 佐々木誠吾


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