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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

Vol.15.07

騒然とした世相

            安保関連法案

   騒然とした内外の世相で6月を終え、7月を迎えた。国会は衆議院の特別委員会で安保関連法案が審議されており、与野党が激しく対立している。90日の国会延長が認められたが、円滑な審議はおぼつかない。又、国会周辺には安保関連法案と、集団的自衛権なる法案審議に対して、連日のように激しい反対デモが繰り広げられている。際立って言えることは、同盟国のアメリカが地球の裏側で戦闘行為に及んだ場合に、後方支援と称して援軍に回ることが、果たして可能なのかであり、それが直ちに自衛権の行使につながるのかと云ったことや、ホルモズ海峡に置かれた機雷掃海の行動に当たった場合、相手側は自国に向けた戦闘行為とみて反撃に出てくること、そしてホルモズ海峡に実際に機雷が敷設されるような状況であるかと云った疑問が出てくる。機雷を敷設する国は今までのところイランとイラクであった。イラクは既に問題外であり、イランにしても今、アメリカと核開発の問題で歩み寄りつつある現状で、解決に向けた交渉中である。従って日本が議論しているように、機雷が敷設されるような状況ではないから、理由に挙げることは困難である。
   タンカーが海峡を通過する必要があるかどうかもはっきりしない情勢である。ホルムズ海峡は取ってつけたようないいわけで、現在のところ言い訳がましく、説得力が全くない。地元ではホルムズ海峡を経由せずパイプラインを施設しつつあり、紅海を経て船で輸送するという構想である。重ねて云うが、機雷を敷設するというのは、イランが想定される。今イランは以前のような欧米との対立関係になくなってきており、アメリカとの和解を模索する外交上の交渉を行いつつある。だから敢えてホルムズ海峡を引き合いに出して議論する問題でもないという状況である。日本の存立と国民の生命の安全に対して重大な危機を及ぼすような事態とは、その認定の範囲も定かでない。自衛隊の派遣によって隊員に生命の危機が主事てくることは避けられない。戦争を放棄した、我が国である。戦争をしないで、戦後の70年間を立派に過ごしてきている。備えておくことは必要だが、そもそもそうした仮想の事態に対して、日本国憲法の根幹を揺るがすような法案を敢えて作らなければならないのかと云ったはっきりしない問題も浮上してきている。

                不穏当な発言
   又自民党の将来を嘱望される若手議員の青年たちで作っている勉強会で、沖縄県民の心情を逆なでするような無謀な発言をして、下劣で云いたい放題のことを云い合ったりしたそうである。沖縄県の地元に在って、基地反対を主張する、二つの新聞をつぶしてしまえとか、眉をひそめるような下らない発言があったりして、こいつら何のために国会議員になったりしているのだと、素朴な疑問が生じてくる。言論弾圧のような発言をしたりして、平気な顔をしている。そもそも表現の自由、言論の自由は、憲法に保障されている民主主義の根幹をなすものである。憲法の条文も理解していないのではないかと疑ってしまうほどである。我々の代表者としては、実に無教養丸出しの的屋みたいな連中で、不適格な人物たちで始末に負えない。自民党はさっそくこの青年局長を更迭したとか言っているが、とんでもない連中の集まりである。国民は、こんな低能な連中を選んだ覚えがないし、貴重な歳費を受ける資格がない。特高警察が闊歩した戦時中を髣髴させるような露骨な言論弾圧であって、到底許し難いものがある。言論界を封殺しようとするテロである。国会内で白昼公然と話し合われているというから、暴力沙汰の銃刀こそ持たないが、吉田屋騒動に等しい前時代的感覚で恐ろしい気がしてくる。言論の自由は、小学生でも認識している事柄であって、今さら論じるまでもないことである。経済に熱心な安倍さんの姿こそが、青史に千載を列する名宰相として残るのに、気が付いてほしいものと思う。名を転じて、戦争をやりたがった首相という悪名を残す必要はどこにもないはずだが、残念である。

             ISのテロ
   イスラム過激派と思われるテロ集団が、またしても狼藉を働いた。北アフリカ、中東、欧州でテロ事件が相次いで起きた。ISとの犯行声明が出されたが、関連性は明らかでない。いずれにしてもISの勢力が各地に拡散して、組織化されているか、単独犯行かもはっきりしていない。治安の脆弱な地点を狙って犯行に及んでいる。チュニジアでは高級ホテルが襲われ、銃を持った男が乱射した。28人が死亡した。 又、ペルシャ湾岸のクウェートではシーア派のモスクを狙った自爆テロがあり、25人が死亡したという。 さらにはフランスのリヨン郊外の科学ガス工場に爆弾を積んだ車が突入して爆発、ひとりが犠牲となっている。これらは全てイスラム過激派が関与しており、テロ行為が拡散していることが分かる。ISのテロ行為を食い止めるためにも各国が連携して情報を交換し、万全の態勢を以てこうした不審な行動については情報を共有しつつ、監視の目を怠ることがないようにしなければならない。
   私はアメリカで起きた9・11のテロ事件の不可解極まる状況を想像して考えるときがある。うかつなことは言えないが、ああした凶悪で大規模のテロ計画を、優れたアメリカ情報局が事前に把握していなかったとは考えにくいのである。ケネディ大統領がダラスで凶弾に倒れた事件も生々しいが、自由で開放的なアメリカ社会で起きた事件にしては、あまりにも謎が多く、陰謀のどろどろとしたマグマのうごめきを感じないわけにはいかない。疑心暗鬼な世の中ほど、陰湿なものはなく、だからこそ犯罪を未然に防ぐネットワークが国際的にも必要になってくる。思えば、スマホの爆発的な普及がこれからますます増大してくる。使い方次第だが、そうした時こそ洪水的情報に惑わされないよう、自分自身の管理こそが、また求められてくること必須な条件となっている。

                 中国主導のアジアインフラ投資銀行
   中国主導のアジアインフラ投資銀行、AIIB 設立式典を開催し、結局57カ国の参加のうち、調印したのは50カ国にとどまり7カ国が思いとどまった。従来の国際御金融組織を揺さぶる思惑があって、経済大国にのし上がった中国が、アジア経済圏に独自の足掛かりを築こうとする思惑と同時に、資金援助を要望する後進国のアジア・アフリカ諸国には、中国の将来の存在力に頼ろうとする思惑とが交錯する形となっている。高度な知識と膨大なネットワークを必要とする金融機関の運営である。技術的な面で、中国の運営に対して未熟な点に疑問を持つ国もあって、その透明性確保がどこまで確保されていくかが焦眉の点である。著名な金融機関の指導的立場にある人が、中国の未来について、10年後にはアメリカを抜いて世界第一の経済大国にのし上がっていると云っていた。片やある真面目な経済評論家で中国専門に研究している識者は、10年後には今の中国の姿はないと衝撃的な予想を立てていたのである。それほどに中国と云う国には難しさがあるということかもしれない。
AIIBの運営については、中国の独善が無きにしも非ずである。26パーセントの議決権を持つ中国は反対すれば、拒否権の行使となる。重要事案の決定には75パーセント以上の賛成票が必要だからである。いろいろ課題山積だが、随時、制度の透明性や決定権など改めていく必要がある。ガバナンスとコンプライアンスが徹底されて、近代的な手法を以て運営されて気ことが肝心である。うがった見方をするようで恐縮だが、中国経済の減速が懸念されるあたり、目的を外れた運用をされても困る。一方で中国の海洋進出のような、力を以て従来の秩序や現状を変更しようとするやり方が、国際社会で信用を無くしつつあることも懸念材料である。

                  ギリシャの金融危機
   心配されていたEUとギリシャ政府との交渉が決裂して、EUによるギリシャへの金融支援が7月1日早朝失効してしまった。ギリシャが、IMF/国際通貨基金からの債務返済が行われなかったがために、ギリシャは事実上のデフォルト状態に陥った。首都アテネの町なかの銀行には、年金を求めて引き出しに来た老人たちや、現金引き出しに訪れた人たちが、お金を引き出せづずに困り果てている姿が報道された。金の用意がない銀行は店を閉め、休業状態である。長年にわたってこうした財政窮迫を抱えてきている国民である。こうしたことに慣れきっている国民は、いつもの通りだとあきらめ顔だが、さしたる混乱もないところが不思議である。貧乏に対する抵抗力も、ここまでくればあっ晴れな国民性である。
そうはいっても、7月5日にはEU連合が 要求しているギリシャの緊縮財政を問う国民投票が行われる。政府自体、特に支離滅裂で知性欠如のチプラス首相が決めかねて、国民に信を問うと、きれいごとを云ってはいるが、匙を投げて、国民に問題解を丸投げしたようなものである。何のために国民の代表を務めるのかわからない。丸投げされた国民のほうは、目下のところ賛否両論で拮抗しているようだが、賛成されれば、引き続きEU連合の財政支援は受けられることになる。否認されると、その後の混乱は避けられまい。銀行が休業したり、毎日の生活に混乱をきたすような現実に、国民の感情も苛立ち、賛成票が次第に高まってくるだろう。問題は、ギリシャがユーロ圏にとどまるか否かを問われているようなものである。それにしてもチプラスの若いくせに、なんという無責任な対応を繰り返しているのか、だらしないの一語に尽きる。はったりに生きる、無能丸出しの男である。
   イタリアやスペインに同じような金融危機が起きていくようだと、国際金融市場に与える影響が看過できない。是非とも影響の拡大を防いで、正常な状態に世界の資本の流通市場を維持しないととんでもないことになる。土壇場で解決策が図れることだろう。と云うことは、いずれにしても大混乱を招くようなEUの分裂状態までには至らないとする希望的観測が勝っているようである。一昨日大幅に急落した世界の株式市場は昨日、今日と冷静さを取り戻し若干落ち着いた相場展開に戻ってきていることは、望ましいことであった。長いことギリシャ問題でEUはもたついていたことを考えると、ここでアク抜け、ガス抜きの効果を発揮して、不安払しょくに大きく向かってもらえば幸いだ。交渉を有利に進めようとするチプラスは、国民に対して盛んにEUの提案に反対票を投じるよう懸命に呼びかけている。民間でいえば、借金を踏み倒すのと同じことである。公人からしてそんな道徳心だから、経済が成り立つはずがない。身の丈に合った生活をするわけでなく、世界で一番怠け者の烙印を押されて、羞恥心すら抱かずに、国際社会でふんぞり返っている始末である。さしたる経済力となるようなものはないし、観光だけに生きている国である。自分で観光を楽しんで浪費三昧なやり方をして、人をだまして寸借詐欺を繰り返し、その日その日を過ごしているようなもの出である。不良でドラ息子を持ったようなもので、これでは親権を行使して生活の面倒を見ているメルケルおばさんもうんざりだろう。資産家のメルケルおばさんも気の毒だが、ユーロ安で経済が潤っている部分、吐き出すことも覚悟の上で、借金の棒引きをしてやるしかないのではないか。その覚悟も必要である。どらミス子は、寸借詐欺師はそれを狙っているから、どうしようもないだろう。
   昔、1997年に起きたアジア通貨危機がアジア諸国を襲ったとき、特に大きく打撃を受けた韓国が、一時債務不履行に陥って、国際通貨基金の管理下に置かれたことがあった。国際通貨基金の職員が韓国の金融財政政策を一時管理下に置いて、乱脈経理を是正するまで管理したことがあった。其れにならってデフォルトのギリシャを管理して、抜本的に財政を改革し、再生を図ることは必要である。

                 同性結婚の問題
  アメリカの連邦最高裁の判決だが、同性婚が米憲法で等しく保証されるという判決が出た。そもそも結婚とは男と女が一緒になることであって、男と男、女と女が一緒にくっつくことは結婚とは言わないものだが、変な世界である。そんなことを云うと差別だといわれて言い訳することも出来ないが、要するに女の嫌いな男が居て、男の嫌いな女がいて、結果、男同士、女同士で、互いに手をつないで町を散歩したり、食事をしたり、一首に寝たりすると考え、それも好みとして認めてやればいいわけである。これが蔓延していくことはないだろうが、憲法論争みたいになったりすると、あながち軽く論じるわけにもいくまい。好き嫌いのかんけいがけではすまされないし、極端な話、人間社会の崩壊を意味するから、放置するわけにもいかない。自分中心にして考えると、同性愛なんて考えられない世界だが、10年前にアメリカのロサンゼルス近郊の町を車で走っていた時に、男同士が手をつなぎながら散歩している姿を何組も見たことがある。片方が変装でもしているのかと思ったが、そうではなく二人とも男同士だと聞いてびっくりした。地元の人の説明では、ここは同性愛の人が多い街だと云っていた。私には異様な雰囲気に感じたが、男はどうでもいいが、女のいない町なんか面白くないし楽しくもない。第一、握手は別として、人によっては男の手にさわるのも嫌いである。男同士の約束だとか、男の気概だと云ってはいるが、それは自分を鼓舞して、むしろ相手の男に負けたりはしないぞと云う競争意識、対抗意識の方が強いことを意味するものである。最近は表現の自由が保障されているから、テレビには盛んにお釜のタレントが出てきたりして人気があるが、マツコなどはお笑い番組で異様な風貌が反って受けたりしている。流行する気配である。男女同士の結婚が常識であり、同性婚など実際に成り立たない話だが、特異な性向や、考え方があってこればかりはどうしようもない。一部の変体的な事柄について、これを保護するのはいいとしても、促すような意味合いで、法律を以て制度化するのはいかがなものか。然し、こうした制度が行き当たると、日本などは、人口減少に拍車がかかって、子供のいない国になって、成長戦略どころではなくなってしまうだろう。もともと生体的にそうした疾患のある人は別である。そうした人の発言や主張は、むしろ人権問題であることは間違いない。しかしながら男であるのに男が好きになるとか、女の場合もそうであるように、同性同士が裸で抱き合っているなんて薄気味悪い趣味じゃないかなあ。 想像できない世界である。アメリカ人なら似合うかもしれないが、日本人には似合わない。同性同士の結合と云った場合に、彼らにとっては異性は必要ないというわけだろうか。社会的制度として考えるには、いささか違和感があってなじめないものである。男にとっては女性のいない社会など、非現実的だと思っているし、反対の立場でも同じことだろうと思っている。存在論的にも、つまり宇宙論としても、プラス・マイナスがあるように、陰・陽の概念がなくては理屈が成り立たなくなってくる。

                    不肖の多忙な毎日
6月26日多くの上場企業の株主総会が各所で開かれた。堅調な景気回復を反映して各社それぞれ好調な決算発表となった。株式市場の大幅な値上がりもあり、株主の懐具合も少々潤沢になってきた。勤労者の賃金の値上げに踏み切った企業もあり、株主の配当の増配に踏み切る企業もあったりして、一般家計を潤し、消費市場に多くの資金が流れ込んで経済循環はおおむね順調に推移し始めた。これを受けて企業の設備投資にも火が付いた感じで、どこまで続いていくかが注目である。   円安の効果で海外からの観光客も沢山見えて、観光地も潤っている。皮肉なことに日本を代表する観光地、箱根温泉街では、箱根山の大涌谷で小規模ながら火山性噴火が確認されて、危険度がレベル3に引き上げられて、客足がぱったり落ちてしまい地元では、それからのシーズンを控え悲鳴の声が上がっているのが残念である。
   こうした忙しさのなか、小生はこの日に二つの理事会と総会をこなす忙しさであった。正午から、箱根フジビューマンションの管理組合の理事会と総会が、中区区八重洲の割烹・北大路であった。理事長を務めて15年になる。この日は昼食をとりながら効率よく議事進行をおこなった。12時からの理事会を済ませ、総会を開催して議長を務め、議案を審議可決してもらった。30数名の出席であった。総会の閉幕を告げて、各位に協力を感謝して、次の会場に赴くために先に失礼する旨を告げ、会場を後にした。向かった先が八丁堀にある全国中小企業会館の4階の会場である。2時から日本中小企業団体連盟の理事会と、その後の総会に出席するためである。小生が、今年に入って、理事会の全員一致の推薦と、別けても中村専務理事の懇請によって2月から、この日本中小企業団体連盟の理事長を指名されて、一時は固くご辞退したものの、受理することになった結果である。理事会を開催して出席するのは2度目である。ここでの総会が終わったのは4時30分であった。会社でも団体でも頻繁に会合を開かざるを得ないということは、何かしらの問題をはらんでいる証拠でもある。必要以上に時間がかからざるを得ないといった状況でもある。そうでなければ運営当事者の判断と決断で先に事を進めていくことになってスムースな運びになっている場合が多い。手際よく仕事をこなしていくうえでの能力的な問題もあることにもなる。そうなるとそれ自体の改善を先にやらないと、反復するばかりで駄目だということにもなる。別に私用が重なって、先の総会の席では、用意された昼食をほとんどとるることが出来なかったので、空腹の極みであった。昨年8月と10月の二度にわたって慶応病院に入院したりすることがあって、全快したとはいうものの体力が甚だしく落ち込んでいる。常にあった61キロの体重も5キロ減ったままである。先に云ったようにストレスがたまって決していいことはない。そこへ持ってきて昨年の9月以来、善意と恩を仇で返すあらぬ事件に巻き込まれて、下らぬ時間を費やす日が続いているので、周囲は健康を心配している。持ち前の忍耐強さを発揮して、自分を叱咤激励しつつ頑張っている。

2015.07.01

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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