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Vol.07-04 懸賞論文応募の件
昭和経済会と理事長が参加、支援する、財団法人「民事紛争処理研究基金」では、平成19年度の懸賞論文の募集を開始しました。これは、「民事紛争の処理に関する学術研究」の発展に資するものです。応募資格の対象となるのは、社会で広く民事紛争に関する研究、実務に携っている個人、グループです。当会の各位に進んで参加するよう、ここに奮起を呼びかけます。助成資金は100万~200です。奮って参加してください。
又、先に当会理事の高木新二郎さんを中心に設立された「倒産、再生法制研究」の奨励金の運営委員会では、同主旨に乗っとり秀れた著書、論文に対し、これを顕彰して奨学金を授与することになりました。
当会会員である、学生、及び一般個人のご参加を期待しています。応募期間は19年4月1日から同19年5月10日までです。これについても、当会事務局及び上記財団までご連絡下さい。
平成19年3月20日
社団法人 昭和経済会
理事長
Vol.07-03 幕を閉じる産業再生機構
轟音をたて日本経済を襲ったバブル崩壊で、多くの日本企業は満身創痍となって歴史上かって無かった苦吟を言いられてきました。瀬死の重傷を負った企業は、日本国土に累々たる様相でした。磐石を誇った大企業の金額的損失も多く、社会に与える影響は言語を絶ました。
こうした中で産業再生機構は生まれました。委員長に当会筆頭理事で弁護士で、元東京高裁判事の高木新二郎氏が就任しました。二〇〇三年四月であります。この時、産業と金融の一体的再生を目指して、救済と活性化を大胆に演じ、培った高木氏の性格と手法が如実に発揮されました。一部の企業の再生は経済全体への起爆剤となって波及効果を及ぼし、日本のデフレ経済、長期低迷からの脱却と、景気回復への足掛かりとなりました。
大役を果たしたリーダーと職員らは、自らを律して以って範となし活躍した四年間、当初の開拓の時期は艱難辛苦に耐え、最後は花道を飾って、この三月十五日、産業再生機構はその幕を閉じて解散しました。国の資金を投入したりしましたが、国民の負担を回避して、見事にも三〇〇億円の黒字を計上することにもなりました。
そればかりではありません。機構がわれわれに残した教訓は沢山あります。先ず、問題解決に、一定の時限を設けてこれを遂行したことです。機構は四年の時限を設けて、大役を果たしたあとは、潔くこれを解散しました。官僚的思考を排除して、斯界に新風を吹き込んで、従来になかった手法であります。
次に、機構の人事構成であります。民間出身者がその中核を占め、機動力とスピード感に満ちた処方を駆使しました。これは「官から民へ」の発想の転換であり、旧態然の思想を打破した点であります。精神溌剌の若手登用の発想も生かされました。
三つに新たな事業再生の指針を示したことであります。不良債権の処理で苦しむ銀行は、企業再生の基準となる、判断を誤って苦吟していました。機構は厳密な資産価値を査定し、それを元に財務や事業の改革、リストラを断行していきました。
四つには意気軒昂な気風が、機構に横溢し、機先を制して暗澹惰性の様相を払拭し、民意重視に一致団結、改革改善に向け、活躍した思想を常に堅持したことであります。
高木新二郎氏の言葉には含蓄があります。機構の解散と、委員長の辞任に際し、「再生機構が築いた早期事業再生の文化を定着させたい。新たな制度整備と債権者や株主など関係者の再生の動機づけが必要だ」と言っております。
平成19年3月15日
社団法人 昭和経済会
理事長