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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

VOL.20.4

四月に入って、朝から寒々とした雨が満開の桜に降りしきり、やる瀬ない歌が聞こえてくるような今日の一日が暮れようとしている。新年度のホームページの更新が、暗い話題となって残念だが、何とか英知と努力を以て、難問課題を克服したい念願でいっぱいである。

  武漢から発した新型コレラの蔓延が世界中に広がって、感染者ゼロだといって誇らしげにいたトランプ大統領は、つい半月前の話ではないかと思う。それが今アメリカ特にニューヨーク州の、ニューヨーク市の象徴の街タイムズスクウェアを中心に爆発的感染拡大が続き、医療崩壊を訴えるニューヨーク州知事の悲痛な声がつたわってきている。ニューヨーク市の感染者は10万に迫っている。アメリカ全土では20万人に迫っており、中国、イタリア、スペインなどをはるかに超す勢いである。ニューヨークのセントラル・パークには特設の病棟が増設されつつあり、万一に備え、海軍所属の病棟船がニューヨーク港に停泊中である。

   世界に感染拡大が続くなか、感染者数は60万人に達しつつある。まだ増えるだろう。人類は今や、史上最大の、第二次世界大戦に匹敵する危機に直面している。戦争は、大砲、戦車、爆弾、ミサイル、そして原爆で殺し合いが、コロナウィルスは、見えない、聞こえないつかめない武器そのもので見さかえなく襲ってくる、悪魔である。日本でも東京都の感染者数が群を抜き700名に達しつつある。小池知事が先週発表して以来、感染者数がうなぎ上りにきて、一日の感染者の数字が16から17、更には46、47、そして数日後の昨日には78人を数え、果たして今日の結果はどうなって来ているか、小生ばかりではない、皆が固唾をのんで注視しているところである。京都産業大学の若年層諸君に発生した集団感染について、厚労省も若者たちに強い警告を発し、さらなる注意勧告を出すに至っている。 

  不要不急の外出自粛を求めた知事に対し、都民の大方が従って感染拡大防止に協力的姿勢を示していることは賢明である。街頭や繁華街などには人影を見かけないほど閑散とした状況である。欧米で行われている都市の封鎖といった非常事態を避けようとして、都知事は具体的職種の名前をを上げてまで、都民の外出を自制するよう呼び掛けている。今、悲壮な決断を強いられている。

   エイプリルフール、四月馬鹿ともいう。地球上に発生した奇妙で正体不明の新型コレラの発生と猛威が、エイプリルフールの茶番劇であってほしいと思う。しかしながら既に多数の死者が出ているこの現実は、動かしがたい。一刻も早く収束させなければならないが、目下は人から人へ感染するルートを遮断することである。同時に対症治療薬の開発が求められている。 原爆や水爆の破壊力も脅威だが、何ともちっぽけな、目に見えぬ微生物の脅威と破壊力も恐怖であり、深刻である。
                                         4月1日


    意表を突いた桜に雪

   今は、どこの桜も満開である。残念なことにコロナウィルス感染拡大の防止策の一つで、花見も自粛を余儀なくされている。花見に外出する人の影が見当たらない。なんとも寂しい限りである。一昨日は雪に見舞われ、今日は、追い打ちをかけるように底冷えのする雨が終日降ったりしている。桜の花は開いたままで、寒さゆえに長持ちしている格好になっている。

  世の中は正体不明のコロナウィルスに翻弄されているし、それどころではない、世界中の国々が、国の存亡にかけて対策を練ったりして、人間社会は活動を停止したままのようである。それを凝縮したような状況が、通勤途上の銀座のさびれた様子にうかがえる。突然に襲ってきた経済的打撃は想像を絶する。あまり考えたりしていると、頭が痛くなるくらいである。経済の低迷は、株式市場の暴落に見てわかるように、大商の企業経営者にとって深刻かつ致命的なものがある。需要減退に供給網の混乱の上、生産をストップする大企業が出、下請け企業の売り上げ減少で、資金繰りが厳しく、倒産続出の傾向である。 資産の評価は概ね半減していおる。銀行からの融資はないものの、健全経営を維持してきたが、行く先に懸念を抱かざるを得ない。保有する株式も半値にまで下落している有様で、リーマンショック時より深刻である。
  4月は気候的にも弛みがちな季節だが、花粉症の飛び交う憂鬱な季節でもある。4月病ともいわれている。過敏な諸君たちにとって、あまり気にせず、しかし気を張って行こうではないか。

  状況を切り替えて親しみ込めた話題にと、教会で親しくしている友人が、雪の降る桜を見て家内に、小生に歌を詠んでほしいとの伝言をもらってきたので、ふと気が付いて気の赴くままに詠んだ和歌がある。それを披露したい。

     桜に雪

地には八重競ひあひたるさくら花天より散るは春の白雪
はらはらと舞い散る花は桜とも見まがふ春の淡き粉雪
明るさも桜の花の薄モモに染めて散り降る春の淡雪
見上ぐれば薄き日差しに淡雪の桜の花に舞ふは妙なり
ぼた雪に嘆く桜の花びらに我れが思ひも記し散らさむ
あわ雪はあわにな降りそさくら花恋のさかりの時の短く

華やかに咲く花に降る淡雪の我が心を濡らす宵かな
つかのまに積もる小雪の妙なるに桜の花のそひて消えゆく
ぼうたんのさすあみ笠に降りしきる心もとなき春の淡雪
一面の積もる雪さへうとましく思ふさくらの花の見ごろに
ふすま引く部屋にほのかな明るさの灯る光の春の雪かな
束の間の雪の便りを残し行く旅行く雲の今日はいづくに
遠ざかる黒き山ぐも北かたへさくらに重き雪を残して

淡雪の花にも映えし色合ひにコロナの影も失せて消えなむ
都民らに外出自粛を要請し苦渋の決断いたす都知事よ
コロナ風どこ吹く風と花見へと照恵夫人の面目たるや
米中の貿易戦争も物かわとコロナウィルスに鎮もりし世は
ひとけなき花見とならん九品仏、等々力不動の花まつりかな
見に行かん小雪の中を傘さして雪下駄履きて行くも粋なり    4月1日

正体不明の毒性の最近
 懲罰的警鐘 

  コロナウィルスが流行の兆しを示した今年1月の中頃、武漢にだけ留まるとして世界に感染拡大が広がることはないとしていた世論であったが、小生はこの欄で、かっての中国発鳥インフルエンザやサーズのように、警戒すべきだと素人考えを述べてきたが、現実は恐怖に近い世界的規模に拡大して、今日現在感染者は100万に、死者は5万人に達したようである。今、地球上ををくまなくコロナウィルスが大気のように覆っている状況に人類が置かれている。コロナウィルスが狙い撃ちしているのは、人間だけのようである。他の動植物に被害が出ているという報告は受けていない。コロナウィルスによって人間社会が、大きな革命の波にさらされていると表現したほうが良い。

  マルクスが資本主義社会に革命が起きると宣言したが、資本主義社会にとどまらず、社会主義社会にも革命は起こる。ウィルスの目論むところは、この地球上でほしいままに権力を行使してきた人間が、贅と欲望の世界を作り上げてきた状況を顧みず、行くつくところまで行き着いて、矛盾をさらけ出し、均衡を失って自己制御不能に陥り、存在の破壊を自ら招いていく過程にあると、初めて自覚したのかもしれない。いや自覚するまでには至っていない。

   コロナウィルスは、人間社会の活動をいっぺんに止めてしまった。人間の外出禁止、国境の封鎖、経済活動の中止を余儀なくされている。商店の閉鎖、工場の稼働中止は人間の本来的行動の停止、中止へと持っていくに等しい。人間の絶対的権力をもってしても遂行不可能なことが、一瞬にして起きてしまった。真実に近い絶対者の権力の行使以外に誰が想像できようか。人間の矛盾した行動と思慮に対する天からの懲罰である。

  自らの生存の場所である生きた限りある資源の地球を、あまりにも、限りなく脅し、駆使し、疲労困憊に至るまでに追い詰めていく傲慢な人間が今までに闊歩してきたのである。コロナウィルスの感染拡大は、こうした行為にとどめを刺すような結果をもたらしている。即ち、こうした人間の傲慢な行為に対する懲罰的天の声と捉えたい。コロナウィルスは憎い天敵であるが、コロナウィルスは今、あくなき欲望をほしいままにする人間社会の、大量消費、大量生産の社会組織を根底から崩そうとしている。それは陰湿な富の蓄積を目指す人間のあさましき姿である。傲慢で巨大な人間社会は、デストラクチーブ・リボリューションの波の中にある。小さな細菌が引き起こした革命である。そうした反省、警鐘を良しと認識して、感染拡大の防止に奮起して立ち上がっていくべきである。
                                                   4月3日

首都圏や大阪府を対象にした緊急事態宣言が、政府によって明日にでも初慰霊されることが分かってきた。新型コレラの感染者が日を追って増加する傾向にある中、特に東京都の小池知事がこのところの都内での加速状況に危機感を示し、政府に対し緊急事態宣言の行使を強く要望してきたところである。すでにこうした事態の呼応して、小池知事は都民に対して不要不急の外出を自粛するよう呼び掛けてきた効果も顕著になって、都内の様子は一変して人影の絶えた光景は恐ろしいばかりである。

   毎日の感染者数の動向について、神経をとがらしているところであるが、今日も通勤を自粛してテレワークに従事しているところである。テレワークといってもさすがに悩ましく、元来が活動的であるために、動かずにいることによって体の調子が芳しくない。きちんとした姿で勤務していないと体がだらけてしまい気分がさっぱりしないでいる。思い切って気分転換に庭に出て明るい春の日差しに体をさらして畑仕事に精を出していたが、休日でもないのにやるべき本来の仕事があると、元の姿勢に戻ってしまう。事務所にいるのと自宅にいるのとでは全く状況が違うのでむしろイライラが募ってくるし、むしろ精神衛生上好ましくない。読書をする気分でもないし、庭に出て又芝生を刈ったり、雑草を引き抜いたりして目の保養に努めていた。自慢ではないが目は医者がびっくりするくらい良質で、近眼でもなければ老眼でもないし、未だに眼鏡かかけないで済んでいる。慶応医大の眼科部長でのちの東京衛生病院の院長を務めた田中先生は、小生の白内障手術をして下さった時に、視力の良いのにびっくりされて、太鼓判を押してくださった。白内障についても、小さいころに負った傷が今になって症状に出てきているに過ぎないということであった。コンサイスのエイワ辞書は、未だにあの細かい文字を眼鏡なしで読んでいる。

 トランプ大統領が昨日まで悲痛な表情でコロナウィルスの感染者と死者の数を上げて記者会見をしていたが、今日のお昼のニュースでは感染者の増加と死者の数がピークを打つのではないかという兆しがあるとして、久しぶりに明るい期待を込めた記者会見の発表であった。それもそのはず、アメリカの感染者と死者の爆発的増加は恐怖に近く、その光景に戦慄を覚えていた。富と文明をほしいままに享受する近代国家のアメリカで、この事件は想像を絶するもので、ニューヨーク株式も大幅な急落を以て恐怖に近い表現をしている。

  アメリカで医療崩壊が起きでおり、多くの患者を収容できず、街なかに横たわるホームレスの数がおびただしい光景である。イタリアでもスペインでも同じような状況である。こうした国々に漸く感染者数と死者のピークを迎えているという当局の発表は朗報であり、光である。 ぜひとも終息へのシグナルであってほしいと念願している。

   全く短期間で襲ってきたコロナウィルス禍であるが、人的被害はもとより、経済的被害も莫大である。世界的な広がりで伝播した結果は、修復しがたい後遺症を残すだろうが、回復に向けて世界が連携して事態に立ち向かっていく必要がある。金融政策や財政政策をフルに活用して、日本はもとより、今各国が立て直しと救援に力を出し合っている。   4月6日


      単身家を出て散策の時間

夕方、愛車を運転して多摩川の堤を走り抜け、真っ赤に落ちて行く夕日を眺めてきた。折しも花冷えが続くなか、堤に続く桜が満開で、爛漫の花の間を落ちて行く夕日が格別に美しかったし、大きな輪郭を灯して燃えながら沈んでいく大きな夕日は荘厳の極みであった。今日は一点の雲もなく終日澄み切った青空であったが、夕日は紫紺の海をこの日の航海を終え雄大な営みを残して、相模連峰の影に隠れていったが、そのあとには黒い富士の山の影がすっきりと浮かんで、夕焼けの空に高い影をはっきりと落としていた。
  帰りは多摩川の堤を降りて、二子から多摩川の支流は、呑川の川べりの閑静な道を走ってきたが、春の朧月はむしろ澄み切ってフロントガラスの前方にいつまでも青い月がかかって、小生をして平穏な心に在らしめていてくれた。
   夕方帰宅すると家内がテレビの報道のあらましを伝えてくれた。安倍首相が、コロナウィルスの感染拡大を防ぐための緊急事態宣言を明日発表するという伝言であった。用意周到に過ぎたが勇敢な決断であり、極めて妥当であった。宣言の対象は一都一府五県にわたっている。即ち東京都、大阪府、神奈川、埼玉千葉、兵庫、福井県であり、期間は一か月をめどとしている。
  東京都では、この日の6時現在の感染者が83名と発表された。昨日の1438、一昨日の117名からようやく減少した数字が発表された。気分的の束の間であるが、ほっと胸をなでおろす気持ちである。感染者はピーク時を過ぎていく兆しであることを願い、この先が100人以下の数字に収まって収縮していってもらいたい。こうした傾向が軌道に乗れば、都知事の再三の要請に従った都民の協力と努力の成果であり、油断は禁物だがこの数字を以て願わくば、感染拡大がピークを打った兆しであることを祈りたい。 お世話になっている慶応医大病院の院内感染があったりして、医療崩壊といった恐ろしい言葉が最前線でささやかれている昨今、それだけは回避してもらいたい。

   東京都は国の緊急事態宣言を発動することによって強い後ろ盾を得、これから都知事が緊急事態措置を講ずることになるが、基本は都民の命と健康を守るためのものであり、そのためにくどいよだが三つの密、密閉、密集、密接を避けっること、そのためには外出を控えること、これが肝要である。再三にわたる小池都知事の的確な判断と要望は政治生命をかけた真剣そのものであり、都民の賛同と共鳴を得て感染拡大を防いていることになる。あくまで都民の自主的行動を踏まえて自分の命を守り、家族の命を守り、ひいては社会を守ることにつながっていくという自覚が大切であることを知事は懸命に、わかりやすく訴えている。目に見えぬコロナウィルスを消滅させるために一致団結して我々の生活を死守していこうではないか。成功を祈る。    4月6日

在宅勤務

  通勤ラッシュに出かけるわけでなく毎日10時過ぎに出かける職場への通勤であるが、時間帯からすれば自分は除外される立場かと思うけど、小池都知事からも、安倍首相からも、人と人と互いに離れて、テレワーク、在宅勤務と毎度のように要請されていると素直に従わざるを得ず、慣れない勤務に右往左往している。寝ているわけにもいかず、さりとてパソコンとメールを見つめスマホを以て電話をかけているのも熱が入らない。サボってテレビばかり見ているわけにもいかない。さりとて学者でもないのに読書に、専門書に目を通すことも憚るし、要は、慣れない仕事ぶりに却って能率が上がらず、苛ついて時間をつぶしているのも楽ではない。

   身分転換に庭に出て出てみると真っ青な青空ばかり眺めていて、ぼんやりしたりしている。やおら芝生の草むしりをやったり、花の整理をして菊の根分けをしてみたり、草木の植え付けをしたりしている。いっそのこと身支度を整えて尾山台の商店街に行ってみようかと外に出たら、うららかな春の陽気に浮足立って気が付いたら東横線に乗って自由が丘に来ていた。きれいな店はたくさん入って、すかしてお茶でも一服しようかと思って入った店が、ドトールだった。家内は賛成しないが、慣らされてきた習性かもしれない。値段が安くていいばかりではない、コーヒーはやはり専門店のドトールの店のコーヒーの味が下にあって旨いので気に入っている。

  緊急事態宣言が発令されて見たものの、穏やかなトーンに胸をなでおろして、外人が日本の住みやすさを語る理由がわかるような気がする。召集令状と違って昔の戦時中の政府や国家が、民衆を使って戦場に駆り出す発令とは違う。かってはこれが赤紙一枚で体を持っていかれて、いいようにもてあそばれていた。そのことを思えば天と地との差であり、天国と地獄の差である。発令する安倍さんの顔も人間的で家庭的だし、小池さんにいたっては、家族を大切に命を守るためにと、まるで日本の、我々の母だと思うくらいに優しさに溢れている。久々にみる人間愛に満ちた政治家であり、行政のトップで、何とも心温まる気持ちである。いつの世の中でも、自分の命は自分で守らなければならないし、ましてやコロナウィルスにぶつかって命を落とす様な無様なことはしたくない。

  反抗心の旺盛とは言わないが、へそ曲がりな人間も、素直に家の中に納まって、この際は安倍さんや小池さんの言うことを素直に聞いて、静かにしているわけである。こういう違和感にこもって一日を過ごすのも、命の洗濯になって自分自身を見つめなおすきっかけになるかもしれない。さて一日でなくこれから先幾日こうした状態を続けなければいけないのか、そんなことを思ったとき、徒然草の第十八段の講話をふと思い出した。     


    感染者は一人もいないなどと最初のころはしゃいでいたアメリカのトランプ大統領だったが、その後爆発的な感染拡大に襲われて40万人に迫っている。死者は1万2900人に達した。緊迫感を漂わせ、死者の数を最悪20万と試算したりしている心境が分からないが、そのニューヨーク市では死者が3200人人を超え9・11テロ事件の時の死者数を超える惨状であり、感染者数も7万8000人を超えている。アメリカ全土では死者が1万2900人、感染者数が27万人を超えて世界一となってしまった。患者、感染者を収容できずに、文字通り近代国家、経済大国のアメリカで医療崩壊が進んで、緊迫した状況である。医療現場では、コロナウィルスの重篤患者を収容するために、早期発見のがん患者の手術を延期する状態になっているというショッキングな情報であった。

   イタリア、スペインなどイギリス、ドイツなどEU諸国も皆同じような状況である。こうした中、中国の武漢では今日の零時を期して年の封鎖が二か月と20日間振りに解除されて、街なかがライトアップされて祝っていた。
   昨日、政府から緊急事態宣言が発布された日本では、コロナウィルス感染者が4935人、死者が114人となっている。日本の安全性とレベルの高さを物語っているが、決して油断できるものではない。ご多門に漏れず、医療現場は緊迫しており医療崩壊ギリギリのところで踏んばっている。何はともあれ第一に、感染者拡大を防ぐこと、そのために皆が一致団結してこの難関を突破しなければならない。
                                          4月8日


  コロナウィルスの感染拡大に人類がおびえて翻弄されている昨今、それを象徴するような出来事が、現代資本主義の発展の象徴であるニューヨーク市に、市内の街路に起こっている情景は戦慄的で恐怖である。感染者数は40万人を突破、死者は二万人を超える勢いである。タイムズスクウェアに累々とした死体が積み上げラテている光景を、かって小説ペストを書いたサルトルが見たらなんと批評し実態に迫っていくか、興味があるが、彼は幸いにも新型コレラに罹患せずして既にこの世にはいない。

人類歴史上、最大の経済大国、軍事大国であり、近代資本主義社会の物質文明の最大の恩恵を被っているはずのアメリカで、今全地球を襲撃しつつある新型コロナウィルス感染者が爆発的に広がり、発症国の中国を抜いて世界一の汚名を受けるに至っている。感染者が50万人を超え、死者、死者が2万人を超えるに至った。アメリカ史上、且つ最大の惨事である。大国として世界に君臨してきたアメリカの実像があぶりだされて、今までの姿は虚像であったのかと思わしめるに十分な結果である。

欧米に感染の拡大が広がっていく感じであるが、スペイン、イタリア、フランスの国情も似たり寄ったりでひどいものだが、そしてドイツと順位を並べて、そのあとに中国の感染者8万3000人、死者3343名となっている。ちなみに5番目のドイツでは感染者12万2000人、死者2736人となって相対的に死者数が少ないのは医療設備と制度が盤石の証拠だとされている。世界全体では感染者190万人、死者10万人となって、しかも毎日更のように記録を更新している。

   そう言いながら、ここにきて集団感染が各所に発生している、東京都の数字の発表が気がかりである。都心部の繁華街は、閑散として人影が絶えてしまっている。政府をはじめ、各自治体独自の緊急事態宣言の発出で、外出を控えr散る様子は都市封鎖をしているに等しく、繁華街の死に切った様子には恐ろしい感じがするくらいである。

  一番悲惨なのは、多種民族国家で黒人とヒスパニックの多いアメリカである。所得層の低い市民に罹患者が集中している。アメリカ社会の根源的弱点である格差社会が歴然としてあぶりだされた形であるが、問題の履歴が複雑なだけに解決の程遠い感じである。つい一か月前には、トランプ大統領が茶目けたっぷりに星条旗を抱きながら迂闊にも、アメリカのコロナウィルスの感染者はゼロと自慢して云っていたばかりである。しかし一か月後にはこのありさまである。いかにコロナウィルスの感染力が強烈か、そしてつかみどころのない妖怪かがうかがえる。

  ウィルス対策にはまずは感染防止のための「三密」の隔離対策が励行中だが、それとは別にいろいろと薬事的効果を試されているが、更には治療薬の開発が懸命になされているが、安倍首相も言っているように、アビガンという従来の感染病に使用されていた薬が効くと報告されている。当局は座して死を待つのではなく、医師による選択的治療を看過するのではなく、生きられる人間に対しては勇猛果敢に、治験も含めて積極的に使用していくことを進めるべきである。  4月13日


   庭に咲く牡丹の花が、三日前に大きく大輪の花を幾重にも広げて豪華絢爛の趣きである。通りがかりの近所の人が立ち止まって眺めている。しかし今日の雨・風があまりにもひどいので、ビニールの袋をかぶせてやった。天気予報によると今日一日の荒れた天気というので、牡丹にとっては暫くの辛抱である。明日には晴れるだろうから、息苦しいビニール袋を早く解いてやりたいと思っている。


大切に致す牡丹の樹に三つ大輪の花咲きそろひけり

艶やかに咲くぼうたんの一株に真、善、美の極致学べり

ぼうたんの花の女王と云はれしに絢爛と咲くさまは如何にも

花びらの打ち重なりぬぼうたんの紅染まる春の宵かも

ぼうたんの濃きくれないの花びらに月のしずくの注ぐ春の夜

*

ひともとの牡丹の株をいたわりつ咲かす花ゆえ愛ほしく思ゆ

牡丹咲く庭の屋敷のあるじゆへ味はい深き人と思ゆれ...   4月14日

         *

全世界に感染拡大が続く新型コロナウィルスだが、一部の国と地域には増加に歯止めのかかってきた兆候がうかがえることは朗報である。世界では感染者が200万人、死者が20万人を超すまでに被害が広がっている。
 イタリアでは大聖堂に死体の置き場が設けられるという、死体処理に手が回らない状況である。アメリカでもニューヨーク州の沖合の孤島に運び穴を掘って夥しい身元不明の死体を運び込んで埋葬している光景が映し出されたりして悲惨である。
 一方で、人間の活動と経済活動の低迷で、地球上の二酸化炭素が半減したという驚異的データーも発表されている。ここに現代人間社会の苦悩と、矛盾の解決方法が隠されている気がする。

治療薬、特効薬のいまだ無く試行錯誤のウィルス攻防 4月14日

しばらくは在宅勤務の毎日にリズムに乗った体調維持に

人を見て皆感染者と決めつけて疑心暗鬼になるはつらきも

鬼は外と連呼して豆まきのコロナウィルスを打ち砕きけり

人類の命を阻むウィルスの悪童なれば豆で撃つべし

原始的対抗策しか打ち出せず人の接触と外出自粛

人を避け会話を嫌ふ人のみに暮らすこの世の疎ましきかな

人はみな人間嫌いになり果ててコロナウィルスの残す災い

アビガンてふ効く治療薬がありしなば躊躇するなく即使ふべし

馬鹿げたりたかがマスクで騒ぎ居る己が作りて満たし済むなり

手拭いとゴム紐を手に簡単に作れるマスクに世は騒ぎけり

恐るべし経済損失の500兆世界に与ふコロナウィルス禍

たかがマスク一枚で

   列を作ってマスクを買う光景は、現代人の気違いじみた風潮をいみじくも表していて、ウィルスに侵される前にすでに頭の細胞が崩れかけている証拠である。神経がどうかしている。マスクは自分でいくらでも作れるものである。国が騒ぐことではない。
   風采の悪い男が汚らしいマスクをかけて訳もなく人を見つめ、いかにも言いがかりをつけて襲い掛かるようで薄気味悪い。得体のしれない男である。今の世情は、こうした表現に尽きる。内閣総理大臣の安倍さんまでがマスクに気を取られて、国民に一人二枚ずつのマスクを送るということで何日も議論している。馬鹿げた話である。しかも466億円の国の金を使って予算委計上するというのである。中国もマスクの不足にあっているとは言いながら、右へ習いする必要もない。なんだこの国の安っぽさは、いかにも心が貧しいといった感じである。まさに先ほどの男が汚れたマスクを何日もして虚無的なニヒルな存在でいるといった感じである。

  マスクは一枚の布とゴム紐さえあれば、だれにでも簡単に作れる日常的なものである。ガーゼがないというなら手拭いでもいい。手拭いを切って使い折り畳み式に作れば、マスクの十枚や二十枚は何時どこにいても簡単に作れるものだ。早い話が、馬鹿でも作れる。宇宙にロケットを放す科学、技術最先端を行く日本が、なぜにマスクのことで右往左往しているんだ。実にばかばかしい話である。

   面白い話であって、これもここ二、三日の間でトランプが真面目になって取り上げているところを見ると、まんざらでもないと思ったことがある。それはコロナうウィルスの発祥地についてである。中国の武漢だと一般にいされているが、それはともかく、中国で全土に感染拡大したコロナウィルスだったが、強烈かつ迅速な都市封鎖を行って沈静化に努め、大きな成果を上げて、現在、国内の感染者ゼロとまで発表するに改善された。以て計画通りに遂行されてきた鮮やかさである。武漢の封鎖も解除されて外出禁止は解かれて、経済活動は再開され、夜間の武漢のは市街が華やかにライトアップされている。
  
 昨日は、ロシア国境から入国した感染者が最近発表されたりはしているものの、警戒に努めてはいるにしても、日本をはじめ欧米諸国では感染拡大が加速する中、極めて驚異的中国の状況である。独特なコロナウィルスの封じ込めの策定が、以前から用意周到に準備されていたのではないかと思うくらいである。
 
   そこで浮上するのが、小生が先に空想していた某国によるコロナウィルスの謀略的散布の計画と実行である。最近になってコロナウィルスの発祥地は武漢ではなく、中国の本件に関する研究所から漏れていったということ、武漢が最初に試験台にされたものではないか。そうゆう空想の立て方を以前にしてみたことがある。今になってアメリカのトランプ大統領が、中国の研究上からばらまかれたものだと、暴露的に言い始めている。小生の空想とたまたま一致したところが、手塚治虫ではないがトランプの現実的な発言演出にあっているということだ。それに対し中国政府が又真剣に、厳しく反発している。

  事実は小説よりも奇なり、と云うではないか。     4月16日

全国に非常事態宣言の発令

   政府はここにきてコロナウィルス感染拡大を阻止するためにようやく全国に非常事態宣言を発令することになった。遅きに失した措置である。自治体の境はあってなきがごときもの、一時自体が感染阻止に踏み切っても隣県で同様の措置を取らなければ、人、モノの行き来を止めることは出来ない。少なくとも足元をそろえて行動をとらない限り、感染拡大を止めるわけにはいかない。東京都から他県にウィルスを運び散らすこともあり、又その逆もある。東京都内の居酒屋が8時に閉めた後、営業している埼玉県の居酒屋に客が移動していく事例が多く見られたという。これでは水漏れがあっても仕方がない。呑み助の行動を一律に規制しなければ、実効を上げることは出来ない。

   WHO,国際保健機関ではすでに、1月30日に「新型コレラウィルスが、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当たるとして、これを周知すべく宣言している。既に二か月半前のこと、それから何と75日が過ぎている。あの時足並みをそろえていれば、コロナウィルスの感染を防ぐことができたわけである。世界各国が、バラバラな対応を以て臨んだがゆえに、75日間、感染を放置していた。拙劣な判断がもたらす被害は、天文学的な数字につながってしまった。遅まきながら漸くに気付いた、実効的な措置をとった。 パンデミックが現れた以上、臨時的にでも一つの政府が出来上がらないと、これを克服することは出来ない。これからもこうした事態は多くの場面で経験することに違いない。以て、肝に銘じて銘じておくべきことである。

   劇的な対象療法であるが、今回のコレラウィルスが齎した経済的損失もさることながら、人類の最大懸念である、二酸化炭素の排出であるが、地球上の存在分量が半減したということである。人間の経済活動が抑制された結果であり、この改善は平常なら三十年の努力を必要とする数値である。たった三か月でこれを成し遂げた。劇的処方箋と歴史にとどめるべきで、これを基礎としてこれからの地球環境の改善に努めるべきである。以て、神の声としか思えない。この貴重な教訓、 誰か声高に主張し、啓蒙してもらいたい。 4月17日

事実は小説よりも奇なり、と。

三十年かかるCO2の半減を二か月で成すコロナウィルスよ

ヴェネチアの海も大空も澄み渡る人の活動の途絶えたるあと

ウィルスのへばるこの世と思ふだに月の煌々と冴える今宵は

在宅に耐え三密を厳守して日々の職務を果たしゆくべし

これよりはどちらが勝つか根くらべ人がまさりて勝つかコロナに


長期戦覚悟で臨む根競べコロナウィルスとの我れが闘争

百姓も辞さぬ覚悟で買付けの土地開拓の自給生活

人を避け会話をせずに一人にて無意味に過ごすはいともはかなき

都会より逃げ行く土地はあまたあり「三密」を避け田舎生活

大空と広き山河を友として隠遁暮らしの気まま暮らさむ

今むかしのまず食わずの時もあり疎開先での少年のころ

パソコンも捨ててスキ、鍬振り上げて肉体労働も楽しからずや

人影のなき銀座の四丁目和光と三越の間を通ひゆく

経済の萎縮が地球環境の改善に寄与すを示すコロナよ

人はみな接触を避け我れが身の保身に努め巣ごもりせむと

コロナ著の「地球環境の改善と維持に関する研究」とあり

人類が地球を酷使したあとをコロナが一時悔ひ改めぬ

「あなた誰」という友の在り妻を指しあはれ植物人間となる

わが友を見舞いに行くも躊躇せり連れの報告受けし様にて

今日もまた在宅勤務に翻弄す慣れぬ日常生活ゆへに

来客の在りて自由が丘までに喫茶の店に入りて商ふ

机にて眺めし窓の大ケヤキ枝にもコロナの止まるここちす

人間の生活様式と習慣を変容せしむコロナウィルスよ

昨夜より降る大雨の今朝明けて東の空に虹のかかれり  

コロナ風吹く街なかを老ひびとの子犬を連れて引かれ行くなり

あなひする盲導犬の大きさに老婆のもたつくさまの危ふし

コロナ風吹く街なかをマスクしてみな一様に目のみ凝らして

外国人入国の人ら激減し観光業者の悲鳴きくなり

中韓の落ち込みけだし九割超入国禁止の措置にひとしく

外国人入国規制に日本の観光事業の崩壊のさま

感染者増加に医療の追ひつかず以て医療崩壊と識者のたまふ

原油の暴落に見る今までの暴利をむさぼるOPEC諸国よ     

OPECてふ妖怪の経済を蹂躙す歴史に耐えし社会構造

当たり前価格に直る原油のコロナウィルスが暴くその謎     まだ続く歌    四月二一日


小池都知事の懸命な要請


    二週間前から小池都知事がテレビを通じて、都民に懸命に外出自粛を呼び掛けている。今日がちょうど二週間目に当たる。このところ毎日の感染者が百人以上を記録して、なかなか感染拡大が収まらないことに焦りを感じていたが、二週間目の今日、百人を割って72人の感染者が出た。感染、潜伏期間が二週間といわれているが、今日がちょうど二週間目に当たる。幸いなことに、感染拡大にブレーキがかかったとすれば朗報である。早やとちりの即断、油断は禁物だが、その兆候であってほしいと願うばかりである。医療器具と防具の不足に会って、医療現場は緊迫しており、医師、看護婦の懸命の努力で人命の救助が維持されている。感謝に耐えぬところである。

   今日の教会での日曜礼拝は、外出自粛、三密回避の励行のため中止となった。政府や都の要請で、ゴールデンウィークを楽しむ観光は殆どキャンセル状態で、観光地はどこもかしこも閑古鳥で人影を見ないくらいの徹底ぶりである。当然とはいいながら、自分の命を守るための防御手段であり、目下の方策はステイホームしかないし、知恵を絞って大型連休を過ごさなければならない。息子は晴耕雨読を薦めてきたが、さすがと思った。折しも戦国武将の生きざまを知りたいと、日本史を紐解いて織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と下りを読破して蘊蓄を固めていたところである。そして和歌を詠み切っていた。

信長に秀吉、家康と戦国の武将の姿に学ぶ在宅

躍動す戦国武将の乗り越える波乱に明けし世情なるかな

戦国の疑心暗鬼の世に生きるコロナウィルスの今に似たるや

意を決し人を制して先に立つ才知に長けしその人を見よ


      *


謎多きコロナの犠牲になる人の俄かに襲ふ死の恐怖なり

ウィルスの肺の組織に付着して直ちに機能を失ないせしむ

目に見えぬコロナと激しく対峙して防御一方の戦況なりき

我らみな青葉若葉のこの時期に巣ごもる日々の切なかりけり

アメリカの文明社会に感染者百万、死者の五万を数ふ

月面に有人飛行を打ち込むるレベルの社会にマスク不足す

この日よりステイホームの週間に命を守る貴重なる日々


人類の心を一つに立ち向かふコロナウィルスの撲滅を期し

傲慢に過ぎる物質文明の一撃喰らふコロナウィルスに

ウィルスの圧倒的な力得て地球環境の改善を得ん

CO2半減までに貢献すコロナの貴重な教訓を見ん

願わくばコロナウィルスの収束は新しき良き地球社会へ

ウィルスの武漢研究所より発生すうごめく疑惑に情報開示を

蝙蝠の体に巣食うウィルスと明確なれば起源開示を

何時どこで人に感染したるかコウモリの研究所の武漢怪しき        4月27日

   寓話的にコロナうウィルスの出現を観察すると、傲慢な人間の経済活動に対して一撃を喰らわした教訓的なものを残しているようである。巨大な恐竜が大群をなして襲い掛かってきたなら話にもなるが、ミクロの単位の体のウィルスに脅かされている様子はなんとも釈明のしようがない。これほどの規模で、人間の生の営みに待ったをかけて、瞬時に効果を表した事件は人間の歴史でなかったに違いない。コロナの号令一発で、我々地球人は地上での動きを止めて、ある期間一か所にじっと留まるることを余儀なくされた。その結果、経済的生産力はがた落ちし、いろいろな経済的、産業的社会事象に影響をもたらし、それらは癒しがたく壊滅に近かった地球環境を一気に変えるものであった。それも不確実なことながら、人間が何十年かけて懸命に努力した結果得られるかもしれないものであった。それをあっという間に一気に成し遂げたのである。驚くべき威力である。

   汚染度の進んだ地球が、これ程きれいになった時代は、産業革命時代以来のものである。地球上の心配されてきた環境問題で、地球的規模で人間の動きを停止させたお陰で地球の全てがきれいに磨かれて、元の姿を取り戻し、これから先も健康に生き続けられるかもしれないという確証を得たのである。例えばCO2の削減にしても、遅々として目を覆うばかりに悲観的なものある。人間に託された使命では、とても成し遂げられるものではない。人間の生きていくその条件を、コロナウィルスが他方で明かしてくれた。

  なるほど、コロナウィルスは人間に対して死刑に等しい仕打ちを以て、これらの経過と結果をあからさまに示してくれた。物質文明の中にあって人間が、際限なく欲望のままに生きていくならば早晩、地球自体が繰り返えされる汚染と破壊によって存在の意義を失っていってしまう、このことを以て人間に覚醒を促したのである。そのように解釈したい。コロナの、我々人間に対するお仕置きである。その自覚を以て、コロナウィルスには是非ともここらあたりでお引き取り願いたい。     4月28日

塵一つなき青空を仰ぎ見て知る罪深き人の動きを
意味を持つ全てそれなりに真理なりコロナウィルスの出現を見て
存在の皆それなりに真理なり咲く菜の花と帰る蜜蜂
地球にて蟻もクジラも生存す意義を探りて過ごす在宅
菜の花に紛れて留まる蜜蜂のやがては巣へと帰り行くかな
菜の花の揺るる若葉の庭にいて日曜礼拝の祈る宅にて
一匹の蟻に命の灯るゆえ精緻な動きに神のみ業が
クジラ来る潮の報せに湧き立ちぬ村の港に生きる人らよ
さえずりて交尾を致す目の前でムクドリがいて仕ぐさ楽しき
芝の芽を歩く一匹の蟻を追ひ仕草にわが身を振り返りけり 
大型のこの連休を動かずに沈思黙考の僧の身とせむ    4月28日


安倍さんから届いた二枚のマスク

    安倍さんからのマスクが二枚、今日の午後三時半に届いた。コロナウィルスに感染しないようにとの優しい心遣いの贈り物である。有り難く思い、頂くことにした。今日の参議院の予算委員会でも立件民主党の連坊さんが鋭く畳みかけていたけど、このアベノマスクの件については、折角の鳴り物入りで決めたことながら、あまり評判がいいものではなかった。

  マスク二枚とはいいながら各所帯にそれぞれ二枚入り一袋の贈り物だから、国民全体に送るとなると466億円もの経費が掛かる。これは安倍さんからの発議で決めて我々が頂くことになったものだが、何も安倍さんがお金を払ってくれるものではなくて、もともと我々国民が支払った税金から出されるものだから、安倍さんにお礼を言う必要がないと、連坊さんのようなことをいうわけではない。連坊さんの言うことは女性として家計を仕切っているから、主婦としての感覚もあってのことをとらえてくれている面もある。

  連坊さんが主張するのは、不評を買っているアべノマスクにかみついて、まだ計画の4%しか家庭に届いていないこのマスクの配布を打ち切って、防具の不足に困っているコロナウィルスの医療現場に速やかに振り向けて使ったらどうかと、安倍さんに問い詰めているのである。理に適ったことながら、それでは折角得点に思い込んでいる安倍さんが可哀そうだから、そして走り出してしまって今日も拙宅に配達されて確認しているのだから、今更という気持ちにもなってしまう。ここは連坊さん、安倍さんに肩を持たせてやって、これ以上に追求しないでほしいと思う。

   さて感謝して頂いたアベノマスク二枚だが、今日の参議院で開かれていた国会答弁の際にも安倍首相がかけていたものと同じだから記念に取っておこうかと思う。何年後か知らないが、歴史を振り返って、あの時こんなコロナウィルス騒動があって世界が大騒ぎして、感染者が300万とか700万とかになって、死者が10万人、いや20万人以上になって世界の葬儀屋がぼろもうけした時代があったと。そんな時にテレビ東京の「なんでも鑑定団」に出品したら、びっくりするような値段が付くだろうから、自分が出さなくとも曾孫辺りが出すかもしれないから捕っておこうかという話になった。

  ケチをつけるわけではないが、たかがマスク如きことで大騒ぎをしていること自体が不思議でならない。他人を当てにせずにこんな簡単な代物がなぜ自分で作れないのか、昔、一億総白痴という言葉が使われたことがあるが、日本人は一億総不器用なんて言うことにでもなったら、そちらのほうが心配になってくる。ゴム紐があれば本体はハンケチをたたんで作ってもいいし、手拭いでもいいだろう。イッチョふんどしならやわらかくて風通しもいい。昔、海水パンツといった洒落たものがなかった頃に、勇ましい六尺ふんどしがあった。これならアベノマスクを30着ぐらい作れるはずである。知恵を絞って自分で作れば良いものを、何も一国の首相を煩わすこともなかろうに、もらえるものなら何でももらっておこうという意地の汚さが出てしまっている。本当に必要なところに配ってやるなら良いが、すでにマスクを所持していてる小生みたいなところに送ってくださっても、余り役立たないような気がする。

   そうしたら夕方のこと予告ないしに突然、小生の好きな甘栗を持って見えた娘の明子が、庭に育っている野菜と一緒に安倍さんから届いたアベノマスクをもっていってしまったと女房がいうのである。何とも扱い方のお粗末な仕儀ではあった。いやそうではなくて、テレビ東京の「モーニングサテライト」の番組に、「両親のもとに安倍さんから届いたアベノマスクです」と云いながら、自分がつけて出ようとしているのかもしれないと思ったのである。そうであれば、コロナウィルス感染防止の啓もうに役立って、アベノマスクは大きな意義があるかもしれない。


優しさを包みて届く郵便受けアベノマスクの午後三時半

国税の四百六十六億円マスク二枚に費やしにけり

網にかけすくひ上げたるコロナ菌悪さをしたる面相もなき

ウィルスを防ぐマスクの今日届く直ちに納む所得税なり

ウィルスを封じ込めずにわれが身を宅に封じる結果とはなる

初なつの光みなぎる中ぞらに飛行機雲の帯を引き行く     4月29日

   大型連休が今日から事実上始まった。空を見ると澄み切った青空が広がっている。昨年は家族がうちそろって千葉は房総の市原近くを内陸に入ったあたりにある親戚の牧場を訪ねて、二泊三日の行楽を楽しんできたが、今年は新型コロナウィルスの流行で、そうした観光地は回転閉業に等しい状態が続いている。勿論外出自粛で、あの時は、来年も又お世話になりたいと云ってきた約束も果たせずに実にに残念である。

  去年は三台の車を出してつながって行ったが、今年はそれどころではない、家族それぞれがステイホームを励行して拙宅にすら顔を出さないでいる。昨日は、娘が突然見えたが、庭畑に育っている野菜類を沢山持って短時間で帰っていった。お互いに注意しあっている配慮の末である。今日は晦日でオフィスに出向こうかと思っていたが、特別な用事でもない限り自粛して在宅勤務を励行すべきと思って用事を足していた。一昨日、今日とオフィスには事務職員が出社してくれて十分用事を足してくれているので心配すべきことはない。

   今月はテレワークを含めて、あっという間に四月が過ぎてしまった。気が付いたら四月も晦日であった。個人、法人で所有している固定資産税の第一期分の納付が、今日が最終期限である。事務方に任せて、例年通り難なく経理処理してもらった。思えば以前から買い込んだ不動産の、固定資産税が馬鹿にならない。不動産も有効に活用を図っていればいいが、そうでなく手つかずの寝かしたままだと相当の負担である。近年、不動産取引も地方へ行くと開発が停滞し、こうした状況が長く続いてきている。だから遊休土地に関する税金などは、有効に活用している他の土地の果実を以て充当しているからもっていられるものの、ましてや借金して取得したとなると経営は大変なものになるが、幸いそうした状況でないことが幸いしている。出来れば借金はないほうがいい。

  渋沢栄一も、借金経営は駄目だと言い切っている。借金経営で時流に乗って成功したソフトバンクだが、いつまでもそのままだと際限のないことゆえに、どこかで莫大な借金を削減する機会を持たないと、チャンスを逃す結果にもなる。そんな考えを以前から持っていたので、証券会社から第三者割当といって勧誘されても、その株式購入だけはお断りしてきた。経営姿勢と考え方はは、今も変わらない。 こうした傾向は、いつ、どこの世界でも見かけることである。それゆえに惰性に落ちる可能性も無きにしも非ずである。

  コロナウィルスの感染のおかげで、全国で外出自粛の要請が広まって、どこも閑散として動きが止まってしまっている。巷間、商売ができずに閉店したり、工場を止めたりする企業が相次いでいる。大企業にも解雇問題が発生して、失業者が出始めたりしている。世のなかは、半年前とは百八十度の大変化である。 政府も自治体も経済的支援に乗り出しているが、運転資金に悩む中小企業者の増大が、世の中の経済的深刻の度合いをますます拡大しており、丁度コロナウィルスの感染拡大と歩調を合わせているようで、戦慄を覚えている。コロナウィルス禍が、一刻も早く収束してほしいと願いばかりである。四月三〇日

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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