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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

VOL.20.3

写真家、杉村浩氏とのメール交信

  写真家の杉村浩先輩は、短歌同人誌・淵の古くからの重要なメンバーであり、先輩である。淵は隔月で発行されていて今日227号までを発刊してきている。創刊者の早稲田大学名誉教授で歌人の、植田重雄先生が逝去された後、小生がこれを継承して約十五年になる。淵には同人からの名歌が発表、掲載されて、多くの愛読者に鑑賞されている。同人は互いに切磋琢磨して、歌を詠み、その深淵に触れつつ、歌を媒体に人生の喜怒哀楽の表現に心し、あるいはその疑似体験も時に可能であり、さらには独自の世界を歌に託して格調高く表現してきている。

  歌の一首が,長編小説以上の意義をもたらすといわれるゆえんでもある。詠歌には更に、各自の喜びが最優先されて積極的であり開拓者精神に横溢している。私にとっては、人生の活力を体得する源泉にもなっている。

  短歌誌の淵の編集については、詩歌の情感に溢れたものとして心掛けている。冊子には短歌の他に、杉村氏の美しい陰影を込めた写真が掲載されている。主として奈良の斑鳩の里の寺院や、仏像、風景を被写体として、優美で典雅な趣きに満ちた数々の作品である。鑑賞していると、自ずから心が癒される豊かな詩情にあふれている。
   斑鳩の里を対象にした作品を掲載している理由の一つに、短歌同人の会の淵が、近代短歌の重鎮である歌人、会津八一の系譜にあって、詠歌も万葉調の雰囲気を漂わせて格調高く引き継がれている点にある。しかもそうした雅趣に加えて、それぞれ各自が独自の世界を築いて詠歌に専念し、人人生の文学的発露を体験していることにある。
   図らずも杉村先輩は、この写真に私が詠んだ和歌を重ね合わせて優美な世界に仕上げてくださっている。殊のほか情趣にあふれた作品に和歌が変容して味わえることを感謝して、光栄に思っている。

  今日、杉村先輩とメールの交信を楽しみながら、一つの話題に花が咲いて、私の和歌を杉村先輩の作品に重ねてくださるとのありがたきお話であった。今年の四月下旬から五月の上旬にかけて、慶事になる薬師寺東塔の修復が完成し、その完成祝賀行事が盛大に執り行われる。この機会に臨み、その東塔の風景写真に載せる私の和歌を、八一張りに一首を披露されたいというお話であった。ふつつかながらありがたくお引き受けして即刻、感興の赴くままに一首を詠じ、メールでお送り申し上げた次第である。そして次の和歌二首を以て制作を、作者の杉村先輩に託した次第である。

めでたくも花の美空によみがへるあな麗しき薬師寺の塔

よみがへる古き薬師寺東塔の上なる春の夕映えの雲


ついでこの頃のすみ切った夜空に輝く月の影を愛でながら連想し、もう一首を

見上げたる修復成りし薬師寺の塔の上なる春の月かも

そしてさらに

なかぞらに錦ののぼりはためきて貴き東塔に映る夏雲
天平の巫女の舞ふ日の薬師寺のみやちにそびゆ塔のゆかしき
観世音菩薩も安んじ給へかし修復成りし薬師寺の塔
喜びに湧きたち祝ふ村人の修復終えへる薬師寺のたう
花の日の匂ひただよふ薬師寺のうぐひすの声なきて止まざる
薬師寺の塔のめでたくよみがへりほとけも笑みて喜びあへり
天平の人の思ひの今ここにあな美しき薬師寺の塔
白鳳の美を表してたぐひなき金堂より見ぬ薬師寺の塔
松の枝の間に美しき東塔の上にも映ゆる春の夕空
訪ねきて里のみそらの夕映えに妙にも仰ぐ薬師寺の塔
薬師寺の塔の再びそびへたつ修復成りていともたっとし   3月1日


    歴史的乱高下のニューヨーク株式市場

   中国発の、新型コロナ旋風を巻き起こしているニューヨーク株式市場である。一昨日1000以上の急落に見舞われた市場は、一転して昨夜は1293ドル96セントも急昇し率にして実に5,09パーセント歴史的上昇を演じ、2万6703,32ドルで取引を終えてる。1000ドル幅の急落、そして上昇と繰り返す市場、危機意識もあらわに歴史的記録を演じながらの市場の揺さぶり、混乱ぶりである。まさに中国初の新型コロナウィルスの悪魔的威力を存分に発揮して世界を震撼させ、ある面で逆に中国の存在感を世界に見せつけている感がある。
   危惧することは、こうしたことが引き金になって実体経済を直撃し、世界的経済の混乱が惹起されないこと謂うことであり、そうならないことを願うのみである。こうした現実を突きつけられると、もはや一国主義、一国至上主義が成り離立たないほどに、国々が国境なき世界の複雑堅固なネットに組み込まれてれていることに気が付かねばならない。コロナウィルスのせん滅に立ち向かうには、国際的連携と協調が必要である。現実を直視し先ず以て、トランプの自国第一主義を排除しなければ目的は達成されない。

  中国経済が、世界経済の枠組みにがっちりと組み込まれていて、中国経済の一部でも欠けると世界経済全体が稼働しなくなるという、良くも悪くも強大な影響力を持ってしまっているという実態である。世界の工場としての中国の存在だが、コロナウィルスの感染拡大によって、町や工場が閉鎖され多くの地域で生産が停止されている。製品の供給がストップされて、需要の世界で混乱が起きている。経済の状況と先行きを織り込む株式市場も、急落場面である。循環的に経済の見通しが、大きく懸念される事態に入ってきている。
   一方で中国の工場が稼働中止に追い込まれて時、中国の排出するCO2が激減して、大気汚染が認められなくなってきた。中国から排出される膨大なCO2、これらを検証しつつ、地球温暖化を食い止めることの大きな可能性を秘めている。これを機に中国が、産業構造の体質を改善するきっかけになれば、雨降って地固まるの効果を発揮できることになる。

   新型コロナの猛威が中国を襲い荒らしまわって、全人代の開催も延期される事態である。五月に予定されていた習近平国家主席の、日本への国賓としての訪問も秋に延期された。何が世界を震撼させるかわからない。コロナウィルスの蔓延によって世界秩序を破壊され、中国の国家の根本的な変化によって、これ以上の影響が全てにかかってこないように、事態の好転を望んでいる。   3月3日


   
    今宵はひな祭り

  今朝、家内に云われて気が付いた。今日はひな祭りである。このところの世の中の喧騒に巻き込まれて、女の子のための祝い事の行事を忘れかけていた。ただでさえ、毎日に仕事の振り回されている昨今であるがゆえに、心を落ち着けて穏やかに過ごすどころではなかった。女の子の美しき成長を願って、人形のひな壇をかけてぼんぼりを灯して花を添え、和菓子を置いて静かな部屋に正座して月を楽しむ、せめてそうした時間を取りたいものである。

   拙宅では部屋に雛段を飾ることをせず、今年は内裏雛を二対床の間に飾ってみた。桃の花を活けてお菓子などを置いて飾ったら、箱からた人形の馥郁とした香りも漂ってきた。窓を引いて庭を眺めると、庭畑の大根の葉っぱが大きく青い葉を広げて、育ちは雛のように元気いっぱいである。暖冬の今年は、庭畑の冬野菜が大きく育っている。 

すずしろの太く並びて育ち居り真白き肌の目にもまぶしき
大根の太く並びて育ちを離青木葉っぱの勢ひまさる
大根の太く地に伸び白き肌目にもすがしく触れて眺めり


   紅梅は花が散ってしまったが、白梅が銀色に光って小枝に花がぎっしりと詰め寄って咲いている。並んで植えてある赤い椿の花が、大輪の花を開かせて色も真っ赤である。目出たい紅白の花の色がきれいに映えて、内裏雛を飾って祝ってくれている。

  空はあいにくと曇り空だが、昼間に降った春雨が、辺りにしっとりとしみ込んで、静かな情緒を味わっている。 ひな祭りは女の子を祝う行事だが、結構気分よく私自身が悦に入って、楽しみ味わっているから、とても不思議である。       3月3日


ダイアモンド・プリンセスについてhttp://www.showa-ec.or.jp/greeting/2020/03/vol203.html

   国籍に関する外交上の問題だし、ましてや船舶となると領海上も外交上の問題だから、素人判断では何とも言えないが、今回の新型コロナの感染問題について何となく違和感を以て疑問を呈してきている。

  今や世界的に蔓延しているコロナウィルスについて、喧々諤々の様相であるが、どこかの国と地域で毎日のように発生する感染者の数について、その増勢の動向は、コロナウィルスの感染が収束に向かっているかどうかを判断する有力な決め手であるので、最大の関心事である。

  さらには、事例的に、アメリカなどは、感染者数が以上に多い国からの入国制限を決めたり、そうした国々に自国からの渡航制限を決めたりする傾向が各コクに広がってきた居る。わが国がそうした対象国に指定されたりすると、多大な影響をこうむることになる。例えば感染者の異常に増大しつつあるイラン、イタリア、韓国などに、日本も加えようとする動きがある。

  日本の感染者数がテレビやラジオで報道されるが、ちなみに1000名という中にはダイヤモンド・プリンセスで発生した感染者数の706名が含まれている。船内の特殊な状況から感染した患者まで、日本の感染者数に加えられるのは如何なものだろうか。寄港した先の船籍の所属は、その間は日本の統治下にある故にそうした措置が取られているのかもしれないが、百歩譲って仮にそうだとしたら、感染者数の発表は、そもそも中身が違うのだから仕分けしておくべきではないだろうか。
即ち例えばの話、国内感染者287名   英国籍ダイアモンドプリンセス感染者706名という発表になる。今後の感染者の増加傾向をより正しく見据えることも出来よう。

  ちなみにダイアモンド・プリンセス号のクルーズ船についての知識を下記に記しておきたい。

  船籍は英国である 。所有者は英国の船舶会社でP&O(ピーアンドオー、Peninsular and Oriental Steam Navigation Company、)なる名称である。
  11万6000トンで戦艦大和の2倍もある。前兆290メートル、乗客定員2706人、船種はクルーズ客船 で運用者はプリンセス・クルーズ(Princess Cruises)で、アメリカのサンタクラリタに本社を置くクルーズ会社である。船籍に関しては、日本の名はどこにも出てこない。ただし、英国の発注で日本の長崎造船所で三菱重工業が建造した。

  いずれにしろ英国の客船であり、船長は英国人である。感染の発生場所がクルーズ船の乗客であり、横浜港沖合の海上地域で停泊して、乗船者の上陸は禁じられていた次第だ。 従って当局が、新たな感染者の発表の際には、英国船内の感染者が706名、国内感染者298名と区別して行うべきではないかと思う次第だ。   3月4日


     あきれたマスクの品不足

  たかがあの簡単なマスクの使用について、これを供給する市場に品不足が発生して多くの人が困っているという情報であるが、その実態についてさっぱり理解できないでいる。日常、時に使われるかもしれない、たかが日常の雑貨品である。そのマスクが巷の販売店から姿を消して、求めても買えないでいるというのである。

  日本のような経済大国、先端医療、科学技術、宇宙産業立国と並べ立てたらきりにないことだが、その国、しかも大量消費国で、単なる雑貨品のマスクが手に入らないとは、何たる嘆かわしきことか、矛盾も甚だしく、憤慨に耐えない。 当局のだらしなさも目に余る。 日常、小生はマスクを使用していないし、現在も使用しないで通勤している故に、重視する意識に欠けるかもしれないが、マスクが足りないからと云って、新型コロナウィルスの感染防止にさほど大騒ぎする必要がないのではないか。8割がた中国から輸入していた製品とはいえ、昔から日本にあった雑貨品の一つである。人件費が安いからといって、マスクの生産シェアを中国に移しているだけのことである。そんな製品が何でわが国の日本で、国民の要望に対して、潤沢に供給されないのか不思議でならない。メーカーも腰抜けだが、政治家も役人も、とんでもない腰抜けである。

  身障者の施設にいる不自由な子供たちが、そのことを聞いて手作りのマスクを思い思いに模様を付けたりして作ってくれて、たまたまこれを500円で提供してくれた。 これが喜ばれて飛ぶように売れていったという明るいニュースをテレビで知った。 要は、 簡単なマスクのことである。子供たちが作ってくれて、なぜ我々が手に入れられないのだろうか。くどいようだが、あんな簡単な雑貨品の一品である。今の健康な大人たちの不器用さ、横着さ、なまけ癖が、ありありな社会現象である。 自分で努力して作ってみたらいいだろうろ!と云いたい。      3月4日


       マスク

マスクは必要な人に使ってもらえばよい。必要でない人はつける必要がない。それは無意味である。人が密集している乗り物の中、決められた人混みの場所などは必要であるが、そうでない例えば広々とした屋外や、空間であればマスク着用はむしろ健康上好ましくない。のびのびと深呼吸をして、肺活量を活発に活動させたほうが血の巡りが向上し、元気になって抵抗力がつき、肺炎にならずに済む。
  
  世の中を見渡すと、空いているガラガラの電車の中でマスクをしていたり、街なかを歩いていながら着用したり、広いマーケットでマスクをつけていると、本人が風邪でもひいているのかと疑ってしまう。今日も空いている銀座中央通りで、大概の人がマスクをしていた。これは異様な光景である。物は使いようで、利益にもなったり、無駄になったり、逆に害になったりもする。マスクも使用の仕方で、目的が外れ、かえって体に有害となることを肝に銘じるべきである。たかがマスクで、こんなにも世の中が騒がしくなるものなのかと、不思議でならない。 

  昔は農家の人が脱穀で埃りが舞い上がったりするので、作業中に手拭いで顔を覆ってホコリを吸い込んだりするのを防いでいた時の記憶がある。 そんなに黴菌や、新型コロナウィルスの吸い込みを防ぎたいなら、手拭いを覆っていれば十分である。ファッション性を重視するのであれば別だが、何も恰好を付けて、マスクをすることもなかろうと思う。 

  手拭いで思い出したが、モノを持って歩く場合、一番効率的で便利なものはカバンや袋ではない、それは風呂敷である。四角い布の風呂敷み一枚あれば、なんでも形よく包み込んで手軽にものを持ち運びできる。ある老齢の弁護士はふだん、書類の持ち運びに必ず風呂敷包みを使っているし、六法全書を持って法廷に出る時も、木綿の風呂敷包みを抱えたり、下げたりして器用に使いこなしている。風呂敷にしても、手拭いにしても、日本人が古くから考えて使いこなしてきた一番便利な日常用具である。                                  3月6日


           経済的打撃が甚大な局面

新年早々から縁起でもない話であったが、早くから警鐘を鳴らしてきた新型コロナウィルスの世界的感染拡大が、もはや現実的になってきた。各国とも、地域的にも丸ごと封鎖する状態が出てきている。人と物との行き来がなくなれば、経済は停滞しかない。世界の株式市場で、これを暗示する急落が続いている。危機的状況である。
  国際社会が統一的見解を打ち出して、均衡ある対策を以て臨むことが肝要である。週明けの東京市場の動向が注目されるが、こうした動きはここしばらく急激、緊迫度を加速してくる可能性がある。 自国第一主義を唱えている場合ではないし、そうした政策が結果として間違っていることの証左である。国際社会が、抜本的対策を連携して取るべきである。     3月8日


新型コレラの感染防止の一策として、自宅待機で効率的に、在宅の業務従事の企業が広がっている。小生も辞しくしてテレワークに従って今日は午前中会社を欠勤、午後大段景品を使って横浜に出向き、駐車場を視察、その管理について話し合ってきた。三時半に来たく、今日は四時45分予約の近所の歯科医院に健康維持のために行くことにしてある。

   朝日新聞の夕刊紙のトップ記事に円急騰、株急落の見出しが大きく載って、新型コレラの蔓延に世界が仰天するさまを端的に表していた。連日の報道は、今年に入ってから早々の情報である。以来、連日のごとく感染者の増大を伝えるテレビ、ラジオの報道が続いている。木の芽のように小さかったつぼみが爛漫と広がって、これがコロナウィルスでなければどんなに素晴らしい春の光景かと思うと、とんでもない黴菌が人類を襲撃してきたと驚かざるを得ない。このウィルスを撲滅する新薬の登場を待つばかりである。そうでないと単なる隔離政策だけでは、限界がある。

   円が101円台に急騰している。東京株式は今日も1200円台の急落を演じて下げ止まらない。経済の影響はすでに大きく傷口を広げ、GDP数値も大きく下げてきて悲観的である。付き合いで長期で保有している株は、手放すことができず、同時に希薄な商いだから、処分も出来ずに成り行き次第に任せている。市場反急激な下げで担保切れの投げが投げを呼んで、雪崩気味に急落している。市場に恐怖感が漂っていて、金融市場は混乱気味である。こうしたときこそ、日銀の市場介入が必要である。     

理由あって、原油価格の急落も株式市場の急落に拍車をかけている感じがする。WTIの原油価格は、1バーレル27,31ドルまでに急落、今日一日だけで30パーセントの幅を以て下げを演じている。これは予想外である。オペック・プラスの協議が、ロシアの協力が得られずに決裂、サウジの増産決定で、市場の供給過剰を危惧して売り物を呼んだ。そもそもオペックは前時代的機構であり、穏健な形で徐々に解体すべきものと考えている。
   
   週明け9日、今日の夜のニューヨーク株式市場は尚、一時2000ドルを超える暴落である。インターネットを開いているが、安値から500ドルほど戻して、今現在も1500ドル安の前後を目まぐるしく動いているところである。市場の乱高下には、まるでジェットコースターに乗って振り回されている感じである。今朝のニューヨークでは、取り引き開始直後から売り注文が殺到し正にセイリングクライマックスの恐怖相場の様相であり、主要な株価指数の下落率が先週末に比べて7%を超えたため、日本時間の午後10時35分ごろ、売買が自動的に15分間停止された。 サーキット・ブレイカーが作動したものである。 歴史的急落を演じているニューヨーク、東京の株式市場に戦慄を覚え、一喜一憂である。      3月9日      続

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今日は、 東京大空襲の日

   終戦まじかとなった昭和20年3月10日、B29が300機からなる大編隊を組んで東京上空に飛来し、下町全土に無差別の焼夷弾の大爆撃を行った。火の海と化した下町は、逃げ惑う人々で埋め尽くされ焼死者10万を超す大惨事となった。父一人を東京に残したまま、水戸に疎開していた我々家族は、その夜、西の夜空の半分が真っ赤に燃え上がって、火の明かりが真上までに差し掛かってきていたので、恐ろしさに度肝を抜かれる思いだった。

  情報は錯そうし、その火炎は土浦市がが猛爆を受けて延焼しているのではないかというのが専らに流されていた噂であった。まさかあれが、その時東京がB29の攻撃を受けている光景だと知ったら、家族は気が狂いそうになっていたかもしれない。あの巨大な日の塊の下で、父が懸命に盲爆を受けながら避難しているとは、想像できなかったのである。その夜以降、一週間が過ぎても父の消息はなかったが、東京がB29の盲爆を受けたという情報すら、我々に耳に入らなかった。便りがないのが無事なこと、と信じて父の無事でいることを願っていた。
  一週間後に父がすすだらけで水戸にやってきたときは、歓喜のあまり抱き合って喜んだ。母はもとより、兄二人も弟も、もちろん私も泣かんばかりに父の無事を喜んで迎えたのである。父は不通となっている常磐線の線路を頼りに、多くの避難者と一緒に歩いて水戸までたどり着いたわけである。男らしい、父らしい力を遺憾なく見せつけられて、感激したことを覚えている。国民小学校2年生の時である。   

疎開先水戸より見たる東京の大空襲の赤き夜の空

凄惨な死体の山を乗り越へて言問橋を渡る父なり

ぱらぱらと焼夷弾の燃え落ちて大地を焦がす延焼のあと

東京と水戸にて焼夷弾攻撃に大方富をなくす父なり

東京の大空襲を目の当たり見つめおののく少年の日よ

 続


 
       携帯をスマホに切り替えた。

不自由なく使っていた携帯電話がぶち壊れて、とうとう使用不能に陥ってしまった。尾山台商店街のソフトバンクの店に行ってみてもらったところ、修理に出して一週間かかりますという。なんと6年もつかっているそうだし、登録顧客の人数が六百件以上も載っかていますね、お仕事に使っているにしても随分たくさんありますね、と嫌味にも聞こえる話しぶりであった。古い機種であり、直しても無駄だし、使うなら今はスマホでしょうと云われて気が付き、その場で係に相談して新しい機能のスマホに切り替えた。いろいろと込み入った操作方法を教わったが、簡単に覚えられるものではない。とにかく電話とメールだけでも教わっていけば当座をしのげると思っているが、それすらままならぬ次第である。お客さんや知人に迷惑をかけていると申し訳なく思って、暫くは勝手をお許しいただきたいと思っている。      

  金がなくてスマホに変えなかったわけではない。スマホの便利さは、これを使っている家内からもよく聞いていた。事務所に来る人たちが便利に使っていることも見ていて判っていた。しかし携帯に比べてスマホは大きくてガサ張るし、重いし、持ち歩きには不自由を感じていた。 そもそも私は普段からカバンを持たないし、袋物を持ったりしたことがない。カードもつかっていないので現金はそのまま衣服のポケットに突っ込んだままだし、普段から斯様に何も持たずに、何も下げずに歩いている。こうした習性が生来、身についているので致し方がない。しかし今回どうしても必要に迫まれ、スマホをポケットに入れて歩くことにした。  続 3月12日


    

      恐慌相場に戸惑う

株式は、連日の歴史的大暴落に見舞われている。1000ドル、1000円の幅を以て乱高下を繰り返し、急落していくままの株式相場である。底なしの動くは、日本だけのものでなく、世界の株式市場の悲鳴に近い声が聞こえるようである。

  中国の小都市武漢から発生した新型コロナウィルスが、ここまで瞬時に感染拡大し、人々の経済生活を瞬時に破壊するとは想像すらできなかった。影響は、リーマンショックをはるかに上回るものと推定される。

   日米貿易戦争でガチャガチャに痛み付けられた仕返しに、中国はウィルスの力を以てアメリカを打ちのめし、ニューヨーク市場を暴落させて莫大な損害をもたらして仕返しした。アメリカだけでない、それを以て、世界に圧倒的な存在感を示しつけた。

   

  1929年の世界大恐慌もあるが、あれは景気循環的な不況の現象であったが、今回は原因が全く経済外的要件が発端となったがゆえに、たちどころに対応しかねない狼狽ぶりである。戦争の武器を以てでなく、言うなれば、目に見えないウィルスで攻撃したといってもいい。中国は今、ウィルス汚染から回復途上にあると、感染拡大から脱却したという政府声明である。ウィルス撲滅の陣頭に立つ習近平の、自信を持てという号令が響いてくる。

   

  
  今になってEUから入国制限を決めたトランプとは違って、雲泥の差である。理性を使わずに、勘を持って行動するタイプだから、感情的で始末が悪い。
EUからの入国を向こう3か月とはいえ、入国禁止令を発表したトランプは、頭がどうかしている。同盟国の面当てにも甚だしい。最近の言動には、心的欠陥を思わしめることが多い。独断的は仕方ないにしても、発作的行為が多いので、側近は厳重注意していくべきだ。絶大な権力者は、権力行使に自制心を持つことが肝要である。

  資本主義の巷では、襲い掛かるコロナショックに多くの投資家が慌てふためく間に、資産を灰燼に帰すほどである。残念だが、しまったと云うしかない。さらにはこの機に乗じて、多くのエコノミストは、事象を取り上げて、無責任な論評を繰り返してあおっている。
今日の東京株式市場は、3年7か月ぶりの安値を更新し、1、128円安の1万7、431円で取引を終えた。 令和に入ってからの、泥沼の底なし相場である。   3月13日


   WHOの事務局長は、今になって新型コロナウィルスについて世界的パンデミックに在ると宣言した。最初から危機意識が希薄であり、いつもいつも後手後手である。
去年の暮、武漢から発症した時点で行動を起こし、警戒を呼び掛けていれば状況はかなり違っていた。コロナウィルスについては、医者が早くから警鐘を鳴らしていた事実がある。こうしたことを軽視していたWHOは、怠慢であり、これを速やかにキャッチして真剣に検証し、事態を把握すべきであった。 権威主義のWHOは、猛省すべきである。     3月13日


凛と咲く梅の香りに類ひなき気品に触れて眺む春の日

紅白の梅の気合ひて咲く庭にしずもりて鳴くうぐひすの声

気合良く咲く紅白の梅の枝にムクドリの来てしばし憩へり

願わくば近くに鳴けやほととぎす春の良き日に共に遊ばや

裏庭に居らでおもてに出でて鳴けわが庭なれば心置きなく

茶を注ぎしばし眺むるわが目にも映る茶碗に立てる茶柱

新型コロナの感染拡大中、  それとも沈静化へ

武漢発新型コロナウィルスの世界に感染拡大の今
世界的パンデミックとなりし今ウィルス感染の今日も新たに
蔓延すコロナウィルスの国境を越えて世界に恐怖まきゆく
目に見えぬウィルスなれば追ひがたく補足不能に狼狽の世は
各国が出入国の禁止に出、ヒト、モノ、カネの動き止まりぬ
過去最大暴落となるニューヨーク株式市場のコロナショックに
世は荒れに荒れたる今日の報道にコロナウィルスの猛威恐れ

連日の株価大暴落に怯えける世界の投資家に戦慄の波
株式の大暴落の世の及びコロナウィルスに怯ゆ世界は

成立す新型コロナ特措法適宜適性の運用を期す

中国の対症療法に学ぶともコロナウィルスの沈静化のため
治療薬研究開発を急ぐべしコロナウィルスの撲滅を期し
3月19日


コロナウィルスの旋風
 株式の暴落

  コロナウィルスのパンデミックが欧州の各国に発生している。統合であるべきEU諸国が互いの国境を封鎖して、感染者の入国を防ぐため懸命である。外出禁止令を出す年も出てきている。感染者二万名以上を出し死者三千名を出すイタリアは、医療破壊の現状で危機意識が連日そう題してきて、国は非常事態宣言を出している。観光都市イタリアは、街から人影が消えてゴーストタウンと化してみるも悲惨である。EU諸国はスペイン、フランス、ドイツといった国々の有名観光都市には、今や人影がなく異様な光景を呈している。

  人、モノの移動がなくなったら金も動かなくなり、経済社会の動きが止まってしまう。想像できない思考で、予断を許さない。将来を見据えたら、企業活動が停止する暗澹たるものである。勿論、消費活動も成り立たない。だとしたら経済社会の破綻に過ぎないから、株式市場が暴落するはずである。思惑が錯綜し、投資家の慌てふためく様相が鮮明である。どこかで連鎖反応を食い止めなければならない。

  コロナウィルスが感染していく経路を断ち切るため、今は原始的方策を以て人との接触を避けて、ウィルスの広がりを食い止める方策しか選択肢がない状況である。科学的な撲滅方法を見極めなければならない。有効な治療薬の開発と投与が必要である。人類の歴史は、資本主義も共産主義も究極的には関与なく、こうした戦いを以て今日まで生き続けてきた。今回もウィルス撲滅の道を、必ずなしとげるし、成し遂げなければならない。連帯感が徐々に形成されてきている国際情勢をみて、いささか安どしている。 3月17日


   短期間で三割に及ぶ大暴落

  1929年アメリカのウォール街から端を発した世界大恐慌は、資本主義の発展市場において余りにも記憶に生々しい事件であった。今回のコロナウィルスに世界的感染伝播、パンデミックによる経済封鎖に等しい影響は、短期間のうちに世界的株価の大暴落につながって、各国とも対応に慌てているところである。一国主義、アメリカ第一主義を主張するトランプが、事態収拾にG7の電話会談を申し入れた。国際協調によるコロナウィルスの感染拡大防止策しかないとわかり、この機に及んだわけである。この機会を得て、トランプの自国第一主義の政治経済思想が改められて、少しでも緩和される方向に進めば良しとしなければなるまい。世界の繁栄と平和と秩序は、お互いが協力し合っていく過程で成就されるものである。

   今や、ネット社会で結ばれてしまっている国際情勢の現実をじっくりと見つめ、一国主義の妄想から抜け出してほしいものである。資本主義、共産主義をうんぬんする前に、コロナにしても、CO2にしても一瞬にして世界を、地球上を一周してしまうことを、今更云うこともはばかるが、しかしそうした単純なことを認識しないリーダーが多きことを以て嘆くゆえんでもある。

   日本にしても、国際社会で果たす役割が極めて大きいことを考えると、国内において全ての大型イヴェントが自粛、乃至禁止されている実情である。来たるべきオリンピック・パラリンピックの開催も控えてす苦悶るときもある。折角準備を重ねてきただけに、願わくば、それまでにコロナ旋風が収束して、無事に開催されることが一番望ましいところと思っている。    3月17日

1929年のニューヨークウォールから始まった世界大恐慌は、人類の世界歴史を学ぶ際に、近代資本主義の教訓として、学究者をはじめ企業家の避けて通れない時点として身に債務ところである。中国の小都市・武漢から発した新型コロナ感染症のウィルスは瞬く間に世界に拡大、拡散して、社会活動を制限、停止させるという事態に至ったその経済的ダメージで、人と、社会と、国々の上に途方もない損失額をもたらし、暗黒の様相をもたらしている。小都市に急劇に発生して、あっという間に世界に拡大拡散していっただけに、世界は見構える余裕すらなかった。

  今地球上は、まるで横浜沖合で停泊を余儀なくされた、あの汚染されたダイアモンド・プリンセス号の客船であり、船内に閉じ込められた状態と一緒である。世界の各國は、互いの国境を封鎖してヒト、モノの移動を停止し、国内においては外出制限、乃至禁止を打ち出したいる。港や街なかに、人影が消えてしまった。生産、消費活動のネット社会は機能を失い、壊滅に等しい。これでは株式暴落の連鎖の発生は、必然的である。 ここまで暴落した株式、商品市場だが、忍の一字に耐えて、投資家、起業家は体力、命との勝負である。 各国の指導者は異口同音に、まるで戦場に立つ兵士のようだ、緊迫した戦争状態だと言い切っている。地球上の、全人類に対して目に見える悪霊が覆いかぶさってきたようなもので、暗黒の世としか言いようがない。

  しかし悲観的にって、悪霊の罠にかかってしまっては元も子もない。悪霊の罠を解くために、人類が一団となって結束し、人、モノの動きの止まった現状を突破すべく、足並みをそろえなくてはならない。先ほどにテレビでは北海道知事が外出禁止を解いて学校の授業開始にこぎつけたとする一方、大阪知事は、明日から始まる三連休の間、大阪府と兵庫県の人の行き来を自粛するよう要請したという。そもそも自治体とは文字の明かすように、孤立しても自らを治めることの可能な意味からして、県境を渡って行き来しなくても存立可能な組織体である。行き来を制限することによって、感染伝播の波を防ぐことができるのであれば、妥当な措置といわねばならない。地方、地域によって対応はまちまちであるが、これも連携を密にする一方法である。

  それにしてもイタリアが、EUのパンドミックの震源地となって猛威を振るっている。感染者は三万人を超す勢いであり、死者も3000人を上回ってきた。患者の収容施設が不足していることが主たる原因である。それと高齢者の罹患が多いことも一因となっている。イタリアの医療崩壊といった恐怖に近い現場を想像しないわけにはいかない。イタリアの爆発的な感染状況のあおりを食らって、ドイツの感染者数が増加し始めている。

  メルケル首相は、コロナウィルス旋風を以て第二次世界大戦後の「最大の戦争」と述べて危機意識をあらわにしている。トランプ大統領も戦争に立つ大統領だと自らを表現し、国内経済対策に巨額の資金、1兆ドルを用意すると宣言している。 にもかかわらず株式地市場は大荒れに荒れ、昨日のニューヨーク株式市場は血を吐くような乱高下を繰り返すし、ニ万ドルを割ってしまっている。 

   加えてWTO原油価格の、目を疑うような急落である。つい先ごろまで60ドル前後を往復していた原油価格は何と20ドルまで暴落し、30年前の価格水準にまで落ち込んでしまった。 短期間で、三分の一である。あの時の価格は、幽霊みたいなものである。元来オペック、石油輸出機構で今まで、いかに勝手に価格操作をして、巨大な利益を吸い上げてきたかがわかる。 つまりは国内でいえば独占禁止法違反の事案である。これを許してきた国際社会にも、曰く因縁の過ちがあったというべきで、国際社会、特に非産油国は結束して、これからの原油価格の不当な操作を監視していく必要がある。 歴史的大変革ともいえる経済破壊の波の中、オペック、そしてオペック・プラスの解体を促す好機であり、正常な自由市場を育成していくことが急務ではないだろうか。    3月19日


世界的市場を襲ふ株式のパンデミックの恐怖相場は

前世紀の世界恐慌に匹敵すコロナ・ウィルスの株式相場の

目に見えぬコロナウィルスの仕業ゆへ正体不明なれば尚にも

底なしの株式相場におののきて外出禁止の追い打ちに在り

この世にて人、モノ、金の動きなく死に体と化す世のおぞましき

青ざめて街をふらつき行く人の株価暴落に死に体の相

咲き始めむ桜の花も目に入るらで半信半疑の狼狽の体

立騒ぐ声も罵倒もなき街の市場の場立ちも消えし現代

赤青のネオン・サイインで表示さる証券取引所の静寂のさま

混乱の日にも怪しき金融の不良グループの跋扈する街

日銀が財務省がと云ひふらし百姓どもがほらを吹く街

年寄りが見境もなく壮語して金の調達に走る愚かさ

口八丁、手八丁の爺どもが詐欺同様に人を騙せり

乱る世に悪党どもが跋扈して悪事のウィルスを撒き散らし行く

飛んでもない輩が街に繰り出して何百億の金の話す

水仙の咲く庭に立ち青空を仰げば風は暴落の音          3月19日

たまげたり原油価格の暴落のつい最近の三分の一

    *

桜咲く川のつつみを行く人の皆ほがらかに美しきかな

鍛冶橋の交差点より花の木の盛りしなれば花見してゆく

一輪の挿したる花はあざやかにシンビジュウムの重なりて咲く

はなやかにしだれ桜の咲き始む古き民家の庭のまなかに 3月20日


   季節的には今ほど凌ぎ易すく、自然の営みと光景を満喫できる季節はないに違いない。ただ人間はそれに気付かずに、見落としているに過ぎない。中国の詩人、孟浩然が詠んだ詩の一節に「春眠暁を覚えず」の名調子の歌があるが、今の時期、春盛りの時期の良さを、睡眠の、あるいは居眠りのうつらうつらした、そのような気分、形でとらえる人もいるし、人によってまちまちである。

  孟浩然は、そのあとに「処々啼鳥を聞く」として小鳥たちのさえずりに気づいて春の喜びの一端をを明かしているし、夜来風雨の声と続けて春先の雨かぜと感触を詠んで気候、天然現象のときめきに気づいている。そして花落つること知る多少と詩を結んでいる。春に咲く花の、爛漫のころを思い浮かべて世の栄枯衰をも暗示している。

観に行かん春の日差しに目黒川つつみに花の咲きそめしころ

*

武漢発コレラウィルスの発症ととニューヨーク発株の暴落  

人類は存亡の危機に立たされぬコロナウィルスに食らふ一撃      3月21日

   東京五輪大会が延期か
無念なり東京五輪開催の延期の報の流る巷に
開催の延期の報に関係者全てがっくりと東京五輪の
止む得ざる東京五輪大会の延期の報は無念なりとも    3月23日

麻生副総理の言葉ではないけど、呪われた東京五輪大会だが、ついに延期の外堀を埋められ落城の憂き目にあってしまった。大会不能を目論んだ、呪うべきコロナウィルスの執拗な猛攻であった。今まで関係者のぬらりくらりの答弁が続いていたが、ここにきて状況が急変し、バッハ会長の権威ある発言が決定打となって、東京大会の延期がほぼ決まった形である。

  延期による経済的打撃は過大すぎるが、コロナウィルスが世界中に感染拡大中とあっては、できるはずがない。第一参加するはずの代表選手たちが、大会に参加できない様な状況を前にして日本に来日することすら不可能である。もう少し早くからこうした論議を塾sぇ居させておくべきであった。延期の決定が遅れれば遅れる程、延期による被害が拡大するばかりである。

  コロナ旋風が世界を疾走中のところ、幸いにも日本の感染拡大防止による効果が顕著に出てきていることは幸いである。パンデミックの中心は欧州に発生し、特に、爆発的感染が猛威を振るっているイタリアでは、国を挙げてこれと闘っているが、各国とも戦場に立つ思いで、姿の見えないウィルスに対し弾の目くら撃ちをしている。ドイツのメルケル首相は第二次世界大戦以来の国家的危機であり、戦場の兵士であるとこれを評して、検査をした医師が感染していることが分かり、目下自宅待機を余儀なくされている。

  インターネットの情報によると、全土に外出規制を強化しているイタリアでは、23日現在死者が6077人、感染者数が6万3927にんに及んでいる由である。街なかに転がる死体、街なかに積み上げられた累々たる死体の山を想起して、思わず戦慄を覚える数字の結果である。医療崩壊を招いて、被害は拡大するばかりである。こうした様相は、世界各地に波及しないと誰が言いきれるだろうか。発生源といわれる中国の武漢ではすでに、感染者数がゼロの日が数日間続いているとの情報である。そうであればこれを朗報と詩、感染防止の方策を打ち立てる糧としたいものである。

  目下は有効な治療薬が発見されていない以上、発症と感染者の体力温存を主とした対象療法しかない。衛生的な患者の収容施設の十分な備えが、何よりも必要なことである。3月24日

人類の文明社会に一撃のコレラウィルス

人類は存亡の危機に立ち向かふコロナウィルスに食らふ一撃
現代の大量消費と生産の経済活動を止めるウィルス 
今日の文明社会の際限のなき発展に待ったのウィルス     

   東京五輪大会が延期か

無念なり東京五輪の開催の延期の報の流る巷に
開催の延期の報に関係者みながっくりと沈痛の体
止む得ざる東京五輪大会の延期の報は無念なりとも


巷間に五輪延期のうわさ立ち上野の山の桜散り行く 
明日のことましてや一年先のこと予測あたわで今日に咲く花
青空を仰ぐかすかな溜息の聞こゆ形の初夏の綿雲      4月25日

    ダイアモンドプリンセス

 日本にコロナウィルスを最初に持ち込んだいわくつきの犯人、ダイヤモンド・プリンセスをめぐってはその後、船内で感染が拡大し今日現在、712人が陽性となり、10人が死亡している。3、700名余のすべての乗員、乗客を下船させた後、検疫、消毒を済ませ11万7000トンの巨体をゆっくりと波に乗せて、横浜港を離れていった。
船の国籍は英国であり、運営はアメリカであり、3,600名余の乗客、乗務員は国籍まちまちであった。日本が独自で新型コロナ感染者を収容、治療をし、回復を待って放免した。今日の午後二時過ぎ、無言で日本の港を去っていく客船の行く先は、不明である。折しも、日本列島は天気晴朗にして波静かである。
  散々な目にあった豪華客船だが、目に見えぬ新型コロナの猛威に晒されて船体は芯の髄まで汚染されて苦しかったに違いない。今は、太平洋の海原に出て、紺青の海に白い波しぶきを上げながら、悠然と海原を進んでいることだろう。但し、暫くの間は乗客が乗船を忌避しするし、空っぽのままに航行し、或いはどこかの港に係留されたままほとぼりの覚めるまで休養を余儀なくされることだろう。ご苦労さんなことであった。

 

     都知事の緊急記者会見


   小池都知事が今夕緊急記者会見を行い、都内にコロナウィルスの新たな感染者が41名に足していたことから、時局は、感性爆発の重大局面にある故、週末の不要不急の外出を控えるよう都民に呼び掛けた。一昨日は東京で16名の感染者が出、昨日は17名だったが、今日午後9時現在には昨日の倍以上の感染者が出たことで、事態の緊迫性を感じた結果の決断であった。これを励行し、我々は、不要不急の外出を控え、可能出れば自宅待機の在宅勤務に切り替えることが肝要である。
  小生も、明日は二部上場の会社の株主総会が近くの京橋で10時からあり、付き合い上出席すことになっており、午後は1時半から富士ビューマンションの管理組合の定期総会が、日比谷のきく川の店で行われる。こちらのほうは小生が理事長を務めて総会を招集しているので、延期の策も考えたが、きく川で昼食の予約を取ってあるので行うことにした。三時から約束している来客については、連絡して延期できるものなら延期をさせていただき、早めに帰宅するつもりである。家内が、小生の毎日の出勤をいつも案じているので、電車などが混雑しないうちに帰るようアドバイスを受けている。この際は、知事の助言も聞いたばかりである。肝に銘じて素直に従うつもりである。 

  テレビで記者会見の模様を見ていたが、巨大な都政を司り、都民の信頼が厚いとはいいながら、大変なご苦労を重ねる毎日である。 有能なアシスタントを配しているに違いない。そしてまたオリンピックの事案もある。コロナウィルスが世界に蔓延して感染者は41万人に達し、国際的行事の開催に向けた準備にも暗雲が立込めてきている。7月24日の東京五輪大会の開催は、不可能になる可能性があり、早い段階で国民的意思の確認を得るために延期を確定したほうがいいような気がする。そして、中止はあり得ない。            3月25日


感染拡大が続くコロナウィルス罹患者の様相だが、東京証券取引所では昨日の小池都知事の外出自粛のメッセージが、首都東京の経済活動の萎縮を懸念する投資家の売りを誘って1000円ほど急落した。ここ三、四日ほどで3000円以上も続落していただけに、昨日の1400円ほどの上昇に水を差す形になったが、世界的に動揺の収まらない株式市場は、この先不透明感が漂っており、実体経済の深刻さが表面化してくると予断を許さない。個別的には半値近くになってしまった銘柄が多いので、投資家はかなりの損失を抱えていることになる。コロナウィルスによる経済的打撃は甚大である。
   アメリカでは史上最大という経済緊急対策を発表し、200兆円の緊急予算が議会を通過した。それを以て昨日のニューヨーク市場は史上最大の上げ幅を演じ、2200ドル以上の値上がりを見せた。金融政策だけでは不足と見た政府の財政出動は的確であり、迅速、且つ勇猛果敢な対応である。ニューヨーク州知事の声明は、外出禁止に等しいもので、市街は人影が絶えて閑散として恐ろしい光景である。アメリカではパンドニックのさなかにあるといっても過言ではなくい。中国やイタリアを抜き、感染者は8万5000を突破した。人口一億人が外出禁止令の対象になっている。ニューヨークは完全な封鎖状態である。今やアメリカはイタリアのようになって爆発的感染状態に近く、巨大な国だけに破壊に等しい爆発力である。
   そして新型コレラの感染者は、中国、EU,からアメリカに移り、今度は開発途上国の不利化に移ろうとしている。今日現在、世界の感染者数は50万人を超え、死者は二万人を突破した。目に見えぬコロナウィルスは、今や地球を覆いつくしているといって過言ではない。このコレラウィルスの正不明と蔓延の度合い、いつになったら収束するか予断を許さぬ状況であるが、長い付き合いを余儀なくされて、ひょっとすると時間的に慌ててはいけないとする神の声が聞こえてくるようである。

  今日の午後一時から富士ビューマンション管理組合の第43期総会を日比谷の帝国劇場地下二階にある、「きく川」で開いたので、オフィスを出て東京フォーラムの横を過ぎて、有楽町から丸の内を経てお濠まで歩いて行った。その間、人通りがないことに全く驚いた。観光客が減っているとはいえ、普段はサラリーマンたちの行き来で溢れているビジネス街に、人影がないということは経済活動そのものが停止しているのに等しい。働き方改革が進んで意識改革で、勤労者の在宅勤務でカバーするとはいえ、あまりにも極端すぎる。目に見えぬコロナウィルスに怯えて、動けなくなっているというのが現状ではないか。あまり詮索していくと恐ろしい妄想に駆り立てられるから、思考停止したほうがよさそうである。
   そんな空漠とした街なかを過ぎてきたものだから、総会の議長役を務めながら議事進行も省略、はしょってしまうところが多々あった。「きく川」の上等のうな重に舌鼓みして早々とお開きにしてオフィスに帰社した。今日の東京での感染者の発症数が気にかかっていたが、午後三時現在の様子だと、小池知事の警告が当たりそうで、昨日の41名を上回る感じである。都知事は首都4件、神奈川、千葉、埼玉、山梨の各知事に協力を要請、近隣4県からの都への出入りを自粛するよう呼び掛けた。首都圏が一段となって結束し、コロナ対策に取った賢明な対応である。思うに何とも厄介で、御しがたいコロナウィルスの存在と蔓延である。 
   神がかり的だが、人間の繰り返してきた贅と欲望の際限のない行動に対し、目に見えぬ武器を以て一撃をくらわした感じである。消費と生産がストップした人間社会の在り様をまざまざと見せつけられた。欲望的行動を控えて、人類の生存にかかわる問題意識を、一人一人に植え付けたことになる。やりたい放題だった人間が、覚醒して律する行動に出たものと受け止めたい。

人類の存亡にかけて向き合いの覚醒を促すコロナウィルス   3月26日

慶応病院にコロナ感染者

  小生が通っている信濃町の慶応病院の病棟にコロナウィルスの4名の感染者が出た。びっくりだ。慶応病院には、これまでいろいろな病気の診察、治療に多大なお世話になってきているので、そこで働く多くの先生方や看護師などの所在が心配である。健康には、細心の注意をして責務を全うしていただきたい。顧みて、私の今日の健康体は、己れ自身の病気に打ち勝ってきた経過であり、それを支えて下さっている多くの先生方のご指導に常日頃感謝している。

  コロナウィルスと闘っている世界中の人たちがたくさんいる。いつかウイルスを撲滅し、人々が普段の生活を取り戻す時が来るはずである。ウィルスは目下のところ正体不明であり、治療薬も発見されていない。感染、伝播の成し放題であるが、暫くの間、難渋の試練を受けなければならない。しかしこれに対しては希望を以て立ち向かうことである。そうしたとき忘れてはならないのは、あとさきを考えずに、ただ前進あるのみとして突っ走ってきた我々自身の思考と行動について反省すべきことがないかという、単純にして困難な課題を突き付けられていることを忘れてはならない。
 
際限なき人間の贅と欲望を自制する、大量消費と大量生産の社会的、経済的仕組みを一旦停止、破壊すること、そして今コロナウィルスの登場は、人間の際限なき欲望を抑え、自制して反省するきっかけを与えてくれたのである。 これぞ正に、経済学者のシュンぺターが説く創造的破壊、そうした意義を会得すべきである。    3月27日


    春の雪の中の観桜

   コロナウィルスの感染拡大を防ぐべく、不要不急の外出を控えてほしいとのの東京都知事、小池百合子さんの要望を受けて昨日今日の連休の人出は、花見の季節にもかかわらず街なかや行楽地から人影が絶えて閑散とした様子であった。昨日、おとといの60台から今日の感染者数は衰える気配がなく、9時現在68人である。台東区の永寿総合病院で発生した集団感染がやまず、今日も20名からの感染者が確認された。この集団感染者数を除けば、48名であり、外出制限が功を奏しているといえる。何としてでも緊急事態発生の宣言だけは食い止めないといけない。その点には、これからの感染者数の発生を少なくしていく努力が必要となる。このところ、そうした数の動向に一喜一憂している。
  今日は朝から雪が降り始めた。桜の花は、今日が最高潮である。しかし観桜を楽しむ人はいないも同然である。家の中からしきりと降る春の雪を眺めて、桜と見まがうほどに趣きを楽しんでいる。家内が、雪がやんで少しばかり明るくなってきた空の模様を二ながら、車で周辺をドライブしたいというので、渡りに船とばかり車を運転して出かけた。車の往来もすっかり途絶えて森閑とした街なかである。田園調布の駅当たりの風情を楽しみ多摩川の包みに出た。二子玉川までの長堤を爛漫とした桜の花を楽しみながらゆっくろと車を走らせ、帰りは呑川沿いの桜の景色を見ながら等々力不動尊の山門前に出た。
   折から花まつりの神事に入っているものの、観覧行事を控えて参詣者の人影はなかった。車を止めて山門をくぐり境内に入ったところ、参道の周りには極彩色豊かに色とりどりの花々が備えられて、まるで極楽浄土を思わせる雰囲気に感動した。春爛漫、「花は紅、柳は緑」、雨上がりの森閑とした境内だが、本堂や塔頭の屋根には白い雪が覆っていて清浄なたたずまいであった。4月八日の花まつりには、お釈迦様に甘茶をかけることだが、御台座がすっかり用意されて、あとはお釈迦様を遷座奉るだけである。等々力不動尊の社は豪壮な構えながら、小づくりでかわいらしさが漂っている。   31月29日


連日のようにニュースは、もっぱらコロナ騒動で明け暮れしている。騒々しい世の中だが、街なかは人気がなくひっそりとして、銀座通りも息を沈めて死んだふりをしている。それもそのはず、有名デパートをはじめブランド店が店を閉めているところもあって、死に体の街と化している。ニューヨークのタイムズスクウェアでもそうだから致し方ない。ローマのトレヴィの泉でも誰もいない様だからどうしようもない。新宿の歌舞伎町も同じである。コロナウィルスの爆発的な感染拡大の恐ろしさを目のあたりにしている。
   
  こうした状況をパスカルやプラトンに考えてもらうと、哲学者らしい根源的な考えを述べてもらえるのではないかと思いながら、それに習っていくとこうした結論になるのではないか。急激に発展してきた金権、物質社会だから、欲望むき出しの人間に天罰が下って、一切の人間社会の動きを止めたといっても過言ではない。このまま人間の欲望の赴くままにこのままにったら、逆に人間社会の実存に関して、人間も同様、根底から破綻しかないという警鐘でもある。静まり返った世界で、冷静さを取り戻す機会となれば、禁欲、物欲、性欲の凝り固まった人間を排除して、愛と慈しみを感じる人間が蘇生されてくるかもしれない。

   令和に入って二年目である。正月を過ごしていたかと思っていたら、豆まきを終え、立春である。そして花見の季節を迎え、決算を終え今日は晦日の31日、明日から新年度に入る。時のたつのは早いものである。令和元年から、無秩序な世界の接近をを薄々肌に感じていたが、それでも誰かがブレーキをかけてくれた。経済学の聖人、アダムスミス謂うところの「見えざる手」によってかもしれない。その手は、皮肉にも神ではなく、コロナウィルスである。人間のあくなき暴走を食い止めてくれた、「見えざるコロウィルスの手」である。  

   しかし現実には斯ような認識の上に立って今、この恐るべき天敵に人類が一致団結してたちむかっている歴史的事実が厳然としてある。互いに接触を避け、心で連携してもはや丸腰で戦っている。 治療薬がいまだ発見されていないので、ウィルスとの持久戦である。ウィルスは等しく襲い掛かってくるので、万人が連帯して立ち向かわなくてはならない。貿易戦争や砲火を交えた戦争をしている場合ではない。保護主義、一国主義をかざしている時ではない。そのことを又、我々は根本的課題として学ばなけれなならない。  3月31日

誰がために咲くさくらかと思ひつつ人影のなき堤ゆくかな
人類の存亡をかけウィルスと闘うふ現代経済社会は
大量消費、生産社会の人間の息の根を絶つコロナウィルスよ
人混みの中に潜みて襲い来るコロナウィルスの見えぬ牙なり
警鐘なりコロナウィルスの跋扈してヒトの欲望と戦争を絶つ
人間の経済活動の息の根を絶つウィルスの蔓延の春
山椿咲く庭の端に自ずからコロナウィルスの影はなきなり
人も世も皆おとなしくなりにけりコロナウィルスの良くも悪くも

いみじくも花は紅この世をば柳は緑とのたまへる師よ 3月31日

  

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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