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社団法人昭和経済会

理事長室より
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理事長室より

Vol.13-3 日銀総裁の人選

        

         日銀総裁の人選

   アベノミクスは快調な滑り出しで安倍さんが首相就任以来、息つく暇のないくらいで次第に世の中が明るくなって来ました。石破さんでなくてよかったなどと、陰口をたたく余裕も見せて国民は政権交代を安堵の念を以て評価するようになってきました。石破さんが鈍重な重戦車なら、安倍さんは軽量の豆タンクでしょう。雰囲気はづんぐりむっくりに対しシンプルスマートといった感じです。どさ周りの旅役者に対し都会育ちの歌舞伎役者でしょうか。苦労の年輪も、対照的な指導者の二頭政治ですが、自民はこれでうまくまとまっていくはずです。民主党政権から自民党政権に権力がわたって、一気に世の中が変わったように見えてきました。一国の指導者が変わっただけでスムースな政権交代が行われ、その人の力量才覚がこんなにも歴然として問われたことは、終戦直後の吉田内閣以来見なかったことではないでしょうか。半世紀以上も経過して世の中は格段の進歩を遂げた今でも、民主主義制度の中でさえ一時代を画するような経済のへんようぶりであります。資本主義経済、否,株式資本主義の経済に置かれて生活する現実を一様に実感する状況になってきました。昨年の11月14日のあの時、経済と世の中を先見して動く日本の株は,即刻買いだと会員各位に思いきって言いました。昨年11月14日から株式は連騰を繰り返し、雰囲気の力は実に三割以上も日経平均株価を押し上げています。私は50年ぶりに訪れたチャンスと言い切っていましたが、これほどまでに急速に株式が上昇するとは思いませんでした。円安傾向も90円台に下がってきています。輸出産業は追い風に乗って、企業業績も大きく期待できるはずです。株式の動きの予想が的中しているとはいえ、実はびっくりしています。余り熱狂する場面があっては長続きする相場も息が続かずでは心もとない結果になってしまうので、ここまで来た相場は、ひとまず中休みを得て次の大きなステップのために、慎重であってほしいと思います。とは言え、これからの実体経済の動きに大きく期待しています。
   今、 膨大な量のお金が動き出して市場に流れ込んできています。それに乗った株式の連騰ですが、驚くべきエネルギーであります。国民の金融資産はそれに比例して大幅に上げており、増加の一途をたどっていることになり、これこそは先々の可処分所得の増大を意味します。資産効果を発揮して、経済拡大路線の上を走っていく姿であります。もとより、株式の先行性が、将来の実体経済を映す所以にありますが、こうしたしたエネルギーの噴出が経済の起爆効果となって、一時の虚構から足が地に着いた実像の経済現象に移行してきます。即ち、こうした現象は徐々に消費意欲を高めていくことになります。実際には懐に金が入ったわけではありませんが、証券会社の株価を示すボードを見て、持ち株が上がっていることがわかると自然に元気が出て、酒屋ののれんを分けて入ってみたくなるものでしょう。お父さんは、子供にお土産を買って帰りたい気持ちになります。こうした心理的状況が実体経済に及ぼす影響は看過できません。

    気持ちの明るさ、暗さによって人間の行動は大きく左右されます。極端な例が病は気からといういわれるでしょう。気持ちの持ちようで病気も病気でなくなってしまうし、病気の回復も早いという結果が出てきます。安倍さんは、国民の心理状態の改善から手掛けていったことになります。家にこもって一向に外に出たがる気配のない子供に、進んで明るく外に飛び出していけるような気持ちにさせることと同じです。明るい光に当たってすくすくと育っていく樹木の勢いを見させて、晴れ晴れするような気持ちを与えてやることと同じではないでしょうか。子供たちを自然と喜ばせ、次には自らの力で羽ばたく動機を、気分の快適さを味あわせること、これがきっかけで動き始めればしめたものです。そのきっかけを作り出し、自分の今たっていることの張り合いを示せれば、即何事もそのまま始動していくことになります。全てにおいて大事な事柄です。アベノミクスの三本の柱である、金融緩和、経済成長路線、財政再建、とりわけ大幅な金融緩和は、これからの世の中にお金を必要なだけどんどん、じゃぶじゃぶ出していきますというシグナルを発しただけで、実際にお金を手にしなくとも、確信を得た経済社会はすぐに反応を見せました。将来に大きな期待を持てるから、気持ちが安心しきって、楽しいこと、必要なことにお金を使っていこうとする消費者心理が働いてくるのです。
   安倍さんは幸福のアドバルーンを大きくたかく挙げてくれました。目下のところ助走段階ですが、、株式市場の堅調を見て、眠っていたお金が動き出しました。連日の株式市場の活況は云うべくもありません。加えて不動産リートが高くなり始めました。リートが不動産を購入する機運にあります。都心や優良の郊外宅地は徐々に動き始めて、高額マンションの販売も好調であります、戸建ての住宅販売も同様の傾向にあります。自動車販売も堅調のようです。こうした消費動向が堅調に推移していけば、在庫投資に火がついて生産活動に波及して、工場はフル操業となるでしょう。生産の拡大に火がつけば原材料の仕入れに金が回って次第に、一般的に物価が上がっていきます。企業は労働力の確保に動き始めます。賃金も上がっていくことでしょう。購買力も本格的になってきます。政府目標の物価の2パーセントはすぐに達成されるはずです。即ち大切なことは、そこまで消費者の心理状況を、今の状況をできるだけ長く持続させて消滅させないことが必要であります。  
   こうした時に、アベノミクスを強力に支援する日銀総裁に、もと財務省出身の黒田東彦氏の起用が固まりました。現在、アジア開発銀行総裁を務めて実務派であり、グローバルな視点を持った経済の積極論者です。久々に元気の良い日銀総栽が誕生することになります。骨太で、野性的な面構えも魅力的であります。四面楚歌に埋もれていたニッポン経済でしたが、このまま大胆な金融政策を行って市場に大きなインパクトを与え、二十年におよぶ暗いデフレ状況から抜け出してほしいと思っています。注目のその人からすでに強力なメッセージが発信していますが、「自分が総裁になったら目的のためなら何でもやる」と豪語するあたり、小柄で丈の低い人から出る言葉とも思えませんが、それだけに頼もしく時代にかなっていて立派であります。辣腕を振るってやってもらいたいと思っています。エネルギッシュな面構えは、昔コンピューター付ブルドーザーの異名を持っていた田中角栄をほうふつさせますが、角栄は理論的実践派でしたが他面、、あくどさがあって、利権の絡んだ日本列島改造計画で走りすぎた挙句に、暴走族のように前後みさかえなく暴走して、とんでもない方向に突っ走っていってしまい挙げ句にピーナッツの一撃を食らって司直のお縄ちょうだいになってしまいました。政治家としては完全に落第であります。
   失礼ながら黒田さんは決してそんなことはありませんが、バズーカ砲を抱えた豆タンクとでも言いましょうか、自由自在に身軽に回転し、デフレ脱却、そしてインフレ目標値2パーセント実現に二年という期限をつけて驀進しようとしています。映画、七人の侍の野武士に扮した三船敏郎に似て、風采もよく頼もしい限りです。今までの経済の混迷状態を抜け出すには力つよい進軍ラッパが必要です。号砲一発、突撃してください。成りすましている日銀の諸君は腰を抜かして驚くでしょうが、今までの穏やか過ぎる手法では、このいまの混迷を打ち破ることはできません。日銀の改革も含めて総裁人事は、時代的要請でもあって、これを機に旧態然の日銀の横っ腹に風穴をあけてもらうのも、大奥にお注射を刺す意味でよろしいのではないですか。日本経済がぬるま湯につかって、まごまごしているうちに傷だらけとなった船は浸水して沈没しかねません。元気の良い黒田さんに凄みを利かせてもらい、短期決戦、のちに長期展望を図るくらいでいいのでしょう。財務官僚の出身でありながら久々に見る破天荒な人物の登場に期待し、蛮勇を振るって活躍してもらいたいと念願しております。
   3月4日     続く


アメリカでは今シェール・ガスに火がついて、西部開拓時代を髣髴させる景気に湧いています。西部開拓時代から一足飛びの現代におよんでも、開拓魂のアメリカ経済はますます意気軒昂であります。そしてアメリカ経済は、根本的にその経済社会構造を、大きく変革して大変貌を遂げようと活気にあふれています。シェールガスの埋蔵量は、アメリカ経済のエネルギーの数百年分を賄うとまで豪語する識者もいます。シェールガスの発掘技術は素晴らしく、容易に掘削して開発費も低廉に済み、大量供給によってコストも低いため、産業界の製品コストに大きく響いてきます。従って、企業業績も上向いてきて、各社の決算発表も上方修正が続いています。そこに金融の大緩和が続いていて、ここにきてアメリカ経済は史上まれにみる活況が続いていきそうでます。
   そうした状況を反映したNY株式市場は連日活況理に上昇し、昨日のニューヨーク株式は150ドル高の1万4200ドル台を付けました。これはリーマン・ショック(1万4164ドル)以来の史上最高値を記録するもので、現在のアメリカおの大転換を意味する画期的なものであります。その原動力となったものは、1)シェール・ガス 2)金融大緩和 3)大企業の業績の向上、の三点であり、それらが集約されてニューヨーク・マンハッタンの株式市場で、華麗な演出を演じた結果であります。特にアメリカ全土を湧かしているシェール・ガスは、大きなほむらとなって天地を揺るがし、世界と未来に向けたエネルギーの大革命をもたらすものであります。               3月7日


日本にもシェールガスが!    沸騰する地下資源

   アメリカのダイヤモンド、シェール・ガスに匹敵するメタンハイトレードが日本列島周辺の海底に大量に埋蔵していることがわかりました。愛県の渥美半島沖のフ深さ1000メートルの海底から、約300メートルほど掘ったところにメタン層を突き止めました。そしてこのメタンハイトレードをくみ上げる事に成功しました。国産燃料として生産することが出来れば、日本の産業経済の推進力となる有力なエネルギー源を確保したことになり久々の快挙、朗報であります。資源の少ない日本は、今までの歴史を見てもわかるとおり、資源国からの圧力と、大きな負担を抱えて今日まで努力、忍耐に努めてきました。燃える氷といわれるガスを海底からくみ上げたのは世界で最初の試みであり成功例であります。
   ハイトレードとは、水と物質が結合して水を含んだ物質です。メタンハイトレードは、水とメタンが結び付いついてできた結果、シャーベット状になった液状体のものです。このメタンシャーベット状の層は、日本近海に世界的にも有数の規模で埋蔵量があるといわれています。日本の消費する天然ガスの100年分に相当する埋蔵量があるとされています。今回、採掘に成功した渥美半島沖の海底もそうですが、北海道の釧路沖にも相当量の埋蔵量が確認されています。昔の釧路沖炭鉱を連想してあまりあるものですが、石炭に代わる更なる膨大なエネルギー源を確保する地方は、国産ガスの供給地としてこれからますます大きな期待が込められてくることでしょう。安いコストで海底深く眠る天然ガスを、安定的にくみ出す技術を速やかに確立していかねばなりません。
    産業コストが驚異的に安くなるエネルギー資源の確保は、日本にとって垂涎の的でしたが、[ 燃える氷] の膨大な埋蔵量の確認と採掘成功によって,今後の努力次第で報われる成果は日本にとって計り知れないものがあります。降ってわいた天の声であります。 日本列島に沿った海域にはメタンハイトレードを埋蔵する地層が広大に散布していることもわかりました。開発技術を駆使して安いコストでくみ上げる装置を早く作って、大量に生産すべきであります。そして港に代わって日本の沿岸に巨大な集積基地を作る必要があります。メタンハイトレードを貯蔵する巨大なタンクをどんどん建設しなければなりません。あの悲惨な東電の原発基地の様子を見ただけでも、まさに地獄図であります。国民がこぶしを上げて激怒するのも無理がありません。今も原発の基地内には高度の放射能を含んだ土壌や、汚染水のタンクが山と積まれて行き場をなくしています。 タンクはタンクでも、入れる中身の差は、悪魔と女神の差であります。原発に代わって、「燃える氷」は、原子力発電にとってかわるのエネルギーであります。シェールガスに沸き立つアメリカばかりでなく、日本にも「 燃える氷・メタンハイトレード 」のエネルギー資源で、将来の確信を得て来ました。海底深く掘り当てて採掘する技術をより高度に開発して、より良質の資源を広く開発していく手立てを早く確立すべきであります。然るのち、国力の発展と国民生活の向上に向けて前進し、国際社会の安寧に尽くしていく道筋が描けてきました。これからは資源国日本として国際社会に大きく臨む道が開かれていくことを念願してやみません。新しき時代の到来を告げて、この日本を大きく育てていこうではないでしょうか。その時こそ日本の借金は、国債残高1000兆円を解消していく術が見いだされていくかもしれません。   万歳           3月11日


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         花と、株式の狂い咲き 地価にも?

三寒四温の季節にあるとはいえ、朝晩の寒暖の差の激しい日が続いていて体調を崩す人を周辺にたくさん見かけます。風邪ではないのですが、ご多聞に漏れず このところの強風に乗ってきたスギ花粉に悩まされて、無頓着な私も子供みたいにくしゃみ、鼻水、目のかゆみに閉口しています。 加えて昨夜は、つまらぬ仕事の 煩わしさもあって安眠を妨げられ、寝て見たり、起きて見たりの一夜となりました。精神安定剤の服用をやめて丸三年が経ちます。これを契機に余計な薬の服用を避けて、ひとり立ちしている私ですが、昨夜ばかりは風邪薬のパブロンを一錠飲んで寝てみました。気休めしかなりませんが、通常は一度に三錠のところを一錠しか飲まず、わずかに含まれている眠り薬と鎮痛剤に期待して服用しましたが、それほどに飲み薬の服用に慎重になっております。僅かに薬の効いたのは、専ら気分のもたらしたものでしょう。何とか7時半まで、間欠泉のように繰り返し、起きては又眠ることが出来ました。睡眠時間は、実質3時間半ぐらいだったでしょう。
  裏庭の小池さん宅の深い樹木で、たどたどしく鳴く鶯の声が、ぼんやりした意識のうちに聞こえました。鳴き方が下手で、初めから最後まで続かずに、途中で途切れてしまうのです。今年になって鶯の声を聴くのは三度目になります。きっとこの辺りが気に入って居づいたのかもしれません。鶯は、比較的手入れをしていない藪状の場所に好んで生息します。拙宅の裏庭は他一部が竹林で、あとは雑木が茂っていて、鶯にとっては絶好の住処となっているようです。普段は全く人の気配をうかがうこともなく静かであり、風のそよぎが唯一の音の知らせかもしれません。私は起きざまに、やおら点鼻薬を鼻孔に吹き付けてみました。しばらくすると鼻の通りが良くなったせいでしょうか、重苦しかった頭のなかに朝の風が通り過ぎていくように覚え、大脳が澄み切った思考を呼び戻してくれました。そこで枕元のペンをとって浮かんできた和歌を三首、おもむろにしたためました。
 
     うぐひすの声いづくにか聞こえきて梅の盛りをすごすひととき
     朝まだき裏やぶに鳴くうぐひすの未熟の声にほれて笑みけり
     うぐひすの皆の群れよりはなれ生き声のみあはれ聞きし朝かな

  さらに詠んでみましょう。
     株式の連騰に湧く列島のこの水準で落ち着くがよし
     水ぬるむ流れに春のきらめきのかげ美しく映える山さと
     株式のアベノミクスに連騰し民のふところぐあひゆるむも
     喜びの声ちまたより呼びおきて株の下落のなきことを乞ふ
     
   

  このところの気候の異変で、調子を外したうぐひすの声だけではありません。うぐひすに付きものの梅の花の咲き方も場所によって狂い咲きになっています。寒さが続いた日頃では、梅の咲きごろが、ずっと遅くなりました。拙宅の庭には二本の紅白の梅が植えてあり、毎年見事な花をひらかせますが、ことしは紅梅が咲いたあとは、白梅の咲くのがずーと後になりました。俄かに訪れて汗ばむほどの温かさのせいでしょうか、梅一輪の後は、あっという間に咲いた梅は直ぐに満開になってしまい、例年になく鮮やかに映えきっていました。朝の光にあたると白く光って、まるで綿あめの傘を広げたように鮮やかな装いでした。花の間は短く、今度は後を追うように、枝に一つ、桜の花が開き始めると、一分咲きから一気に八分咲きになって早や満開のふぜいを楽しんでいます。ことしは、異常気象がもたらした異変でしょうか、梅も桜も、短い花の命に終わりそうです。林芙美子の放浪記ではありませんが、花のいのちは短くて、みにくきことの多かりき、と口ずさんで仕舞いましたが、一歩世間に出てみると世情は騒々しく、つい苦しきことに置き換えて見てしまうほどに、みにくきことが身辺に多いような気がします。

     裏やぶに聞くうぐひすの鳴き慣れぬ声に親しみ覚えきくかな
     妻を呼び表に出ればうぐひすの高なく声にしばし聞きほむ
     遅くさく染井吉野の花びらの風に吹かれて散り惜しむかな
     花を見に疲れて帰るわが庭に染井吉野のさくら咲きをり
     一つ咲くあかき椿の一枝を手おりほとけに供ふ彼岸に
     梅の木の根元をおほふ青き葉に隠れて生へし蕗の薹かな
     ほっくらと頭をもたげ蕗の薹つみとり数ふ二十三箇と
     さとやまに清らかに湧くたまずみをすくひて飲みし時のさやけき
     八重つばき手おりてくれば我が家にもこぼれるほどに咲くつばきかな
     この朝は籠いっぱいの蕗の薹おさめて瓶に漬けてみるなり
     寒暖のはげしさにあり白梅の咲くその折のさくら花かな
     ふるさとの古きみやこを訪ねきて花ちる寺の庭にたたづむ
     いかるがに染井吉野の咲く野辺ゆほのかに眺む高きとふかな
     ほとけらと語らいすぐる春の夜のうすきあかりに物思ひけむ     三月二十一日

NHKの遅れたニュース

    22日の夜の9時からのニュース・ナインを見ていたらネット証券4社が企画したという株式投資講演会の模様が伝えられました。最近の株式の連騰は頼もしい限りです。11月14日の国会解散が判明して以来連騰を続ける東京の株式市場はアベノミクスの先を読んで頼もしい限りですが、ここまで来るとさすがの安倍さんもコメントを控えているようです。株式の音q狩りだけを見ても、東証成就企業の含み益は11兆円を超すだろうといわれています。その分、投資家の含み益も増大の一途をたどって、家計のやりくりにかなりの余裕が出てきました。これが消費につながっていく勘定になれば、景気回復はしめたものです。巷に買い物に出るお客さんの群れも膨らんできます。お店では店頭に並べる商品の不足もきたしてきて、慌てて仕入れに奔走するところも出てきている容易です。企業が在庫補充に走れば、メーカーも生産に走ることになってきます。景気回復の良い兆候です。そこにメーカー企業が設備増強に来るまでには時間がかかるかもしれませんが、よう循環に入れば、本格的に経済が大きく動き出すことになるでしょう。そこまでの確証を得るにはまだ時間が必要かもしれません。
   株式は経済の先行きを買って、早くから動き出します。買いに先行き有利な展開となれば、投資家はいち早く買って出てきます。株は上がっていきます。含みが入るので買って出てきた投資家はますます強気に転じてきます。そうした意味合いもあって昨年11月14日から株式は大きな期待感を以て上がってきました30から35パーセントは上がってきています。投資家からすれば確実に利益を出したい水準でしょう。即ちこれからまだ上がるかもしれませんが、利益確定の売り注文を出してきたいところです。
   こうした水準でNHKが町なかのスポットとして提供したいのでしょうが、ネット証券の株式投資講演会の模様を大きく報道しました。熱気を帯びた投資家が何と4600人の人たちが会場を埋め尽くしたということです。そして終わりの頃に講演企画者の4人の社長さんの号令一発のもと、会場のお客さんたちが声を合わせて株は買いだと意気軒昂に終わりました。問題は、NHK の報道が昨年の11月14日とは言いませんが、少なく都の12月ないしは年末あたりの報道として取り上げるならいいのですが、その後3・11が過ぎ彼岸高を過ぎ、四月馬鹿もまじかになったころになって、なぜ取り上げるのでしょう。逆もまた真なりという題目があればまだしも、報道の趣旨は中立的で煽るようなことではありませんが、そのセンセイショナルな雰囲気をあえて取り上げたりすると、視聴者は惑わされることだってあるかもしれません。買いは売りだとする格言もあります。ひょっとすると株式は、後になって過熱気味というコメントにならないとも限りません。経済は魔物です。ましてや株式となるとなおさらでしょう。NHKの報道を見てそんな感じがしました。
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過激な発言

    過激で危険な発言を連発するイランと北朝鮮の指導者が、とみに目立ってきて心配であります。いずれも国の最高指導者なので、何時暴発しないとも限りません。言葉尻をとるわけではありませんが、国の最高指導者が発言すると、国民はそれを鵜呑みにして、万一の号令が出たりすると、そのまま走り出す危険性があります。まして両国とも少しばかりの差はあったにしても独裁専制国家であり軍事優先主義であれば、常に軍事態勢を敷いていてなおさらです。何時でも戦争を仕掛けてもいいような雰囲気です。これを聞く方のアメリカにしても、国民に被害意識を募らせる原因にもなります。やられる前にやってしまえという、言うなれば先制攻撃の口実を与えることにもなります。云っているほうも、言われているほうも次第にエスカレートして、感情的にも研ぎ澄まされてきていて、一直即発の報道合戦は、はたから見ていてひやひやするばかりです。
    特にイランのイスラエルに対する刺激的発言は、強烈を極めています。核兵器開発を行っているのではないかという疑惑がはっきりしてくると、イランの核兵器所持を阻もうとするイスラエルは、何時奇襲攻撃を仕掛けるかわかりません。イランはこの地球のの地図からからイスラエルの存在を抹殺すると公言してはばかりません。イスラエルは、頻繁なこうした発言を看過しているわけにはいきません。イスラエルの国情は、領土をめぐり隣接するパレスチナ暫定政府との対立構造のほかに、対イランに対しては戦時体制であることは間違いありません。今アメリカのオバマ大統領がイスラエルを訪問中ですが、その目的は、イスラエルがいつ奇襲攻撃を仕掛けるか、何時軍事行動に出るかに緊迫した状況の鎮静化を図るための説得に乗り出した訪問といっているくらいです。混とんとしている中東和平の交渉は、解決の兆しが見えません。今回の訪問でも交渉再開への具体策はなく、オバマは当事者に丸投げしてきた感じです。
   片や、アメリカものんびりしているわけにいきません。暴れん坊の北朝鮮のミサイル発射は、1万キロの飛行距離に達しています。これは北朝鮮から発射されたミサイルは、太平洋を横断し、アメリカ西海岸全土を攻撃範囲に置くというものです。ミサイルに核爆弾を搭載して発射されたらたまったものではありません。北朝鮮の核実験はだからアメリカにとって脅威となるのです。北朝鮮は、核爆弾を三個すでに保有しているともうわさされています。軽量化、小型化に成功したとも言われています。アメリカにとって脅威はさらに増すばかりです。アメリカ国内には北朝鮮の核施設を破壊すべきだという強硬論も国防関係者から出てきています。日本を敵視することもあって、ミサイルを迎撃する防衛網が日本にも作られつつあります。国を守る最前線では、常にピーンと張りつめた緊張が走っています。
   オバマ大統領のイスラエル訪問は、実に深遠な意味合いがありそうです。仮にイランの核爆弾製造を阻止するために、イスラエルのイランの核開発施設を爆破するのと、北朝鮮の核爆弾製造を阻止するためのアメリカによる核開発施設の破壊の攻撃が、同時に行われるとしたら。そんなことも考えてみたりしています。相手を脅迫、恫喝することが国家間でなされていると、危険な要素が培養されていくことになり、それがいつ爆発するかわかりません。身の丈に合った言葉を吐くことが、民主的、平和的に発言していく外交の場で解決していくことが今の時代には大事なことと思います。日本憲法にもあるとおり、人々は自国のことのみに専念して他国を無視してはならないと、戒めている文言をよく咀嚼してみてはどうでしょうか。奇襲をかけて核兵器を暗黒の世界で撃ち合うこと、そんな悪夢が正夢でないことを祈るばかりです。そのためにも挑発的な敵意丸出しの発言を、国の指導者は現に戒めるべきでしょう。対話と相互理解を模索して、先鋭化した国家対立をすべからく解消してもらいたいと思います。    3月22日


      家内との会話

   「貴方、もう食事の用意ができましよ、どこにi行くのですか」、と妻に云われたので、大相撲の千秋楽の日馬富士の無様な負け方は見たくなかったので、五時ちょうどに腰を上げて外に出ようとしました。「コーヒーを飲みに行ってくるよ」 とひとこと言って外に出ました。この日は、どこの桜も満開です。庭の染井吉野も、薄桃色の花を春のかすみの空にぼんぼりを細かくともしたように夕方の我が家を包んでいます。海棠も、小ぶりの樹ですが、いちもくに赤い花をいっぱいつけて華やいだ雰囲気です。約束の三時半に大東建託の営業マンが見えて、私の持っている那須塩原市の土地に賃貸用の共同住宅を建てる話を持ちかけて、前向きに話を進めていました。若い時に買った土地が、その後大きく実って周辺は立派な住宅地に変わっています。街なかの中心地になりますが、近くには市役所や郵便局などの行政地区があり、銀行を初め市街地としてのインフラは十分に整っているところです。
   現況は雑木林ですが、その様子はみずみずしく、散策にはもってこいの風情ある雰囲気です。南側の境界には那須疎水の小さな小川が流れています。友人の臼井さんは以前、この清冽な小川を雑木林の敷地内に引き込んで、素晴らしい住宅地の設計を曳いてくれました。今回、いつまでも地目山林として放っておいても何にもならないということで、活動的に、積極的に開発を進めていくことにしました。この場所は1800坪ほどありますが、手始めに350坪を手掛けてみることにしました。周辺の地区は新旧を含めて有料の住宅地に大きく変容しており、隣地には10年前に既に三階建てのきれいなマンション・ドミール-が二棟建っています。若い人にはこうした便利なたマンションが大いに受けているようです。その手前にもきれいな和風の料理屋兼庭園レストランである酒房・道草が粋に構えられていて、全体の雰囲気は良好です。もともと横着なところがあって、ちまちま、こまごましたことが性に合わないので振り向きもしませんでしたが、業者の方は現地を徹底的に調査して事業に太鼓判を押してくれているので、そしてまた熱心に来るので、私もこの計画に前向きの姿勢を持つに至りました。というのは作業の全てを会社の方がやってくださって、こちらの手間暇をかけないで済むということでしたので、やはり直しようのない横着な性格を軌道修正した結果ではありませんでした。今はやりのサブリースで業者が責任を以て管理運営してくれます。月々一定の家賃が入ってきて、自分は土地を提供するだけでいいのです。資金調達から果実の収穫まで、すべてを専門的に行ってくれるので、黙っていても安心していられる仕組みです。ただしその会社がつぶれたりしたでは面倒ですが、そうした失敗はないだろうと云うのが厳密な調査の結果です。よしんば失敗しても350坪の土地を捨てたと思えばいいのです。それ以上の損害とか負担はかからずに済むのです。勉強のため子供たちにも副業ではありませんが、経済的な経験を積んでいくことは決して無駄にはなりません。エコノミストの娘の明子も加わって最終的な話をしました。息子も参加させようとしましたが、日曜なのに会社に出勤中ときて参加できませんでした。小生は、今になって借金をするのは嫌でしたが、慎重で真面目な家内が珍しく賛成したのと、明子も加わっているので言うなれば合議制で得たものなので、万が一のことがあったにしても責任分散という云うことになります。とはいってもやはり最終的には親父の責任で処理しなければならないので、業者の諸君にはそうしたことのないように頑張ってくれと頼みました。しかし何らかの形で子供たちにやらせてみようと思っています。感覚的には私より先に進んでいるかもしれません。
   若い時にロマンに燃えてあちこちに買い求めてきた土地ですが、このままポックリいかれたら残されたものが困ってしまうからどんどん処理していってくださいと、何時も家族のものに嫌味を言われていますが、考えてみると確かにそうかもしれません。ヘリコポターに乗って北海道の十勝平野を鳥瞰した時は気宇壮大に酔っていました。お金儲けが動機ではなかったので、ベートーベンの田園交響曲の祈りと歓喜に刺激を受けてシュバルツ・バルトの素晴らしい道を白馬を蹴っていくならいいのですが叶えないので、日本の中でそうした土地を夢中に求めて言った結果でした。浅草のちまちました土地柄に生まれ育った身なので雄大美麗な自然の中に入ってしまうと、自分の精神状態が大変化するときのことを未だに覚えています。若い人たちを相手に飲んだり喋ったりしているときは、どこでもいいから土地の三要素を説明して、一反歩、つまり300坪ぐらいの土地を買っておきなさいと言っております。大不況が来て喰うに困ったときには、田畑を耕して家族六人は食いつないでいけるという安心感があります。いざという時の備えです。これこそが平時の時の勤労に大きな馬力に代わってくるからです。リスクを恐れずに、仕事を完遂するうえでの精神的な支えになって、成功への道を驀進していく原動力になります。大東建託の賃貸住宅の建設の話に戻りますが、今までもいろいろなところから連絡があったりしましたが、こまごま、ちまちましたことが嫌いなので、気にもしなかったことでした。若い人が担当者で、あとは上司の人がサポートする仕事ぶりで、真面目な若い人を何とかサポートしてやりたいというのがそもそもの発端でした。
   大相撲は予想通り、絶好調の横綱白鳳の全勝優勝が確実視されていたので、仕事の話も終えた故、日馬富士に期待するほどでもなかったので、その一番の取り組みも見ないで家を出ました。風もなく穏やかな夕時で、花も枝から吹き飛ばされることもなく、拙宅でもそうでしたが、付近でも絶好の花見が楽しめました。尾山台駅に着くまでの道すがら、どこの家でも花見ができます。特別にわざわざ花見に出かける必要もありません。居ながらにして楽しめることは、等々力界隈の土地が、比べるまでもなく昔からの良き風土に恵まれていることで感謝しています。妻にはまた安いコーヒーを飲みに行くのでしょうと言われますが、駅近くにあるこの店に入ると、私専用の席があって紙とペンをを取り出していると、不思議といろいろなことが念頭に浮かんで、それがそのまま私の和歌の課題になってしまうのです。こんな楽しみはほかにありません。ゴルファーが、白い球をうっては緑のコースを行く時の楽しみ、嬉しさ、喜びと全く同じです。小一時間もすると三十首ほどの和歌がつづれます。その時の満たされた気持ちは、若者がスニーカーを履いて500メートルを駆け足で回ってきたときのような感じで、ストレス解消、充実感で心身ともに充たされる思いです。次にいろいろな和歌がありますが、コーヒーの店で先ほど詠んできた和歌をご披露します。短歌同人誌に載せる和歌は、ほかに詠んだりしたものですが、こうしていろいろな場所で、色々な時間帯に詠んだ歌の内容はまちまちですが、これが又面白く楽しみでもあります。同様の立場にいらっしゃる方々に、ぜひともお勧めしたいと思います。健康維持と、促進につながるものです。

宵闇の迫りてくれば山のはに薄き三ヶ月かかる嵯峨野路
       三ヶ月のみやこの空にうすくさし梅の木白くほのぼのと見ゆ
       うぐひすのむれよりはなれひとりきてすがたあかさずさへづりにけり
       しらうめの花すべからく咲きひらき昼のひかりに白くかすめり
       うぐひすの声いづくにか聞こえ来て梅のさかりをすごすひととき
       朝まだき裏やぶに鳴くうぐひすの未熟な声に笑み笑みにけり
       さへづりのおほらかに聞くあさの餌をまつすずめらのいとしかりけり
       うぐひすの鳥の群れよりはなれきてわれのみひとり聞くはうれしき
       おそく咲く染井吉野のはなびらの風にふかれて散りおしむかな

       電車にてさくら観のあと帰宅せる家の庭にも咲ける夜ざくら 
おほてらのいらかのしびにあさひさしこがねのひかりよもをてらせり
       このよにて名利をおひてあくせくと動くわがみのむなしかりけり
       あさにけに名利をおひてうごく身に兼好法師の教へよむなり
       せんらんに身をおとす人あまたいて安きにありし身をばうれしむ
       花ひらくつつみに春のほそき月わたりてゆけば匂ひたつかな
       まつがえのまにもながむるおほてらのいらかのしびにあさひてらせり
       さおしかのさかりのこゑによはあけていらかのしびをてらすあさのひ
       かわききてみちのべにたつみほとけのぬれてひさしきはるのあめかな
       まさごしくみちべにたちてとほきよりながむもうましごじゅうのたふかな
       おほてらのいらかのしびのたかだかとあさひにはえてよはさかえけむ
       はなのえをいちりんておりててははにそなへぶさたをわびにけるなり

       思ひでをたぐればいとし若き日の手をとりあひて登るやまみち
       うるはしく富士のふもとに湧く水のすがしさに思ふ君の笑みかな
       いづくにかうぐひすの声とほのきて花のちりゆく日ともなりぬる 

花の日に届く荷物に福砂屋のカステラの箱甘きかほりも
       重々し箱をあければ福砂屋のカステラあまき匂ひ放ちぬ
       佳と麗の妙なる名をばさづかりて健やかな身に遊び学べり
       孫ふたり佳と麗とが仲良しに取っ組み合ひのときもありけり
       尾張よりゆかしき友のたよりきて佳と麗をもほめたまひけり
朝早く山手線にて学び舎にかよふ皆勤賞の孫の佳なり
       御茶ノ水女子大に入り利発なる孫の容姿もそれにみあへり
       八重桜さく庭に立ち母とわが娘のすがたにみとれけるなか
       わが母のてをとり写るわがむすめまなご明子のころの写し絵
       裕介と明子をかかへ庭にたつ雪ふる朝のわが若きころ                                                                   続く

   

2013.3.5

社団法人 昭和経済会
理事長 佐々木誠吾


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